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ブランドものの値段の理由を考えたこと、ありますか?
2013.09.17 Tuesday
17:00
fashionmagazineの記事から。
エクサンBNPパリバによる、世界の高給CEOリストのトップは
Lvmhグループ総帥、ベルナール・アルノー氏だそうです。
2013年の年俸は2400万ユーロ(31億円)。
2位につけたのはイタリア人。パトリツィオ・ベルテッリ氏で年俸1100万ユーロ(14億円)。
PradaのCEOであり、デザイナーのミウッチャ・プラダ女史のご主人です。
彼女がデザインし、彼がビジネス面を担当して
始めたビジネスなんですよね。
3位はバーバリーCEO、アンジェラ・アーレンツ女史で961万ユーロ(12億円)。
一方Forbesの富裕イタリア人ランキング1位は
製菓会社Ferreroのミケーレ・フェッレーロ氏。
資産204億ドル(2兆12億円)。
ヌテッラやチョコレートなど、日本でもFerrero社の製品は売っています。
ホワイトチョコにココナッツがまぶしてあって中にクリームが入っているチョコ、昔ハマりました。
フェッレーロ氏は6年連続1位。
そしてメガネ大手のLuxottica(ルクソッティカ)創業者のレオナルド・デル・ヴェッキオ氏。
資産1530万ドル(15億円)。
ミウッチャ・プラダさん、1240万ドル(12億円)。
ジョルジョ・アルマーニ氏、850万ドル(8億3400万円)。
誰でも知っているブランド名が並びますが、こういうランキングを目にする時
いつも思うことがあります。
「この人達、どんだけマージン取ってるねん」ということ。
その疑問に応える番組が数年前、イタリアでありました。
「Report」という、社会の不正を告発する番組。
大手テレビ局ゆえ、いろんなしがらみがあるでしょうに
誰にも遠慮することなく権力者やお金持ちの不正をどんどん暴き、しばしば物議を醸しています。
日本で相当する番組は・・・ないです。
2007年12月2日に放送された「Schiavi del Lusso」は、ファッションブランドの不正を暴き
かなりの反響があったそうです。
イタリアのいわゆる「ブランド」と呼ばれる会社が、中国人や不法滞在外国人を搾取し
莫大なマージンを得ていると言う内容。
イタリアでは例えばPrato(プラート)という町は、ファッションメーカーの工場密集地帯で
中国人住民も多いことで有名。
彼らの全てが合法な滞在かと言えば・・・ハテナ?です。
番組では、ナポリのアルツァーノという町にあるプラダの工場への
財務警察の抜き打ち検査に同行。
そこでは、プラダの「ピアッティーナ」というのバッグのパーツの縫い合わせが行われており
原価は、たったの26ユーロ(3400円)。
ジャーナリストがミラノの(シックな)モンテナポレオーネ通りのプラダ本店へ行き
同じバッグの値段を店員に聞くと、440ユーロ(5万7000円)。
プラダのバッグについては、「ナイロンのカバンがなんでこんなに高いねん」と
思ったこと、誰でもあると思います。
別のトスカーナの工場では、18人の不法滞在外国人が働いていました。
そこではシャネル、ドルチェ&ガッバーナ、マーク・ジェイコブス、
フェンディなどのバッグの縫製が行われており
原価が20ユーロ(2600円)のボッテガ・ヴェネタのカバンの
店頭価格は、3500ユーロ(46万2300円)。
中国人達がひどい状態ですし詰めにされて、カバンを縫っている。
工場には28ユーロなり20ユーロなりに原価を「抑えろ」という条件が課されており、
節約のため、不法滞在の中国人達を低賃金で働かせる。
もちろん正規契約もなし、社会保障もなし。財務警察に見つかったら即、本国へ強制送還。
原価が26ユーロのバッグが440ユーロで売られる。
日本人は店に列をなしてまで、それを買う。
もちろん、原価の上には店の維持費、店員の給料、宣伝費、
ジャーナリスト達を呼んで開く豪華なパーティの費用、
雑誌に出す見開き2ページ何百万円の広告料などの諸経費が乗ります。
でも、約17倍の値段で売るって一体どういうこと?怒りということで、この番組は大騒ぎになりました。
その差額は、どこに消えていると思いますか?
日本人はありがたがってブランドものの商品を買うことで、冒頭の富裕層ランキングの人達に
一生懸命貢いでいるわけです。
番組の「Schiavi del Lusso」は「ラグジュアリーの奴隷」という意味。
搾取されている中国人労働者たちや、こういうメカニズムを知らずに
法外な値段で商品を買う消費者を揶揄しています。
ブランドものを喜んで買う日本人も、富裕層にせっせと仕える奴隷なのです。
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