「「原発導入は読売新聞の正力でしたが原発広告を始めたのは朝日だった」本間龍氏インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/21359.html
2016/12/26 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
まもなく、「岩上安身による『電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ』著者 本間龍氏インタビュー 第三弾」を実況します。
岩上「本間龍さんに三度お越しいただきました。よろしくお願いします」
本間龍氏「よろしくお願いします」
岩上「参りましょう。今日はブラック企業認定された電通と、原発プロパガンダのお話をしたいと思います」
岩上「電通がブラック企業第2位にノミネートされたと」
本間氏「まだ決まったわけではないみたいですがね」
岩上「そうなんですね。でも電通が1位でいいのでは?」
本間氏「他に比べて社会的影響力は電通が一番ですから」
本間氏「発表は22日です。もうすぐですが、1位がエイジスということは、組織票が入っているのかもしれませんね」
岩上「内部留保もあるでしょうね。社会的圧力をかけていかないといけません」
本間氏「NHKの取材に『自浄能力がない』と答えた社員が、戒告処分になったんですよ」
岩上「機密情報でもなんでもないのに」
本間氏「処分前にどこかの記者が広報に問い合わせたら、『そんなことはありません』と言っていた」
本間氏「ところがこれです。経営と広報の足並みが揃っていない。社長含めた経営陣が突っ走ったと。本当なら広報と経営が一体になってリカバリーしなければならない時期なのに」
岩上「NHKは記事をまるまる削除。それもおかしな話」
本間氏「密やかに噂になっているのが、もう1件過労死事件が起きているらしいと。ただそれは遺族にお金が払われて表沙汰になっていない状況らしい」
岩上「表沙汰になったら大変ですね」
岩上「責任のとり方というのは、やはり経営陣の退陣、ご遺族への謝罪ですよね」
本間氏「いまだに一言も謝罪していない、HPにも載せていない。どうなっているのか?と聞くと、『ご遺族とは誠心誠意やりとりしています』と」
本間氏「遺族が刑事告訴しようとしているのを食い止めようとする交渉が妥結していないということです」
岩上「結局カネですか」
本間氏「刑事告訴するのも大変な話じゃないですか。法廷で泥仕合しなければならないわけですから」
岩上「電通が出した改革策というのが、多忙部署に人員を多く配置する」
本間氏「忙しいクリエイティブ部署は、人数を増やされても、デザインをできなければ意味がない。逆に古参の人たちに不可がかかると目に見えている」
岩上「電通がカジノを『カッシーノ』でイメージ改革。なんですかこれ!」
本間氏「暗さや暴力などのイメージを『カッシーノ』で『軽快・リゾート・ファッション』のイメージにしようと。笑っちゃったよ」
岩上「薄っぺらいですね」
本間氏「『カジノIRジャパン』には、電通や博報堂も入っています」
岩上「『カッシーノ』になったら電通にカネがいったということですね」
本間氏「国民をバカにしていますよ」
岩上「国民もバカにされていていいのか」
岩上「一方で、企業の内部留保が膨らんでいる。プロパガンダは、政治の不正を隠すためのものですね」
本間氏「メディアが平気で嘘つくときもあるということを、中学・高校くらいから教えないとわからないと思います」
本間氏「福井で原発問題のシンポジウムがあったときに、福井大学の学生が『専門家の言うことは信じるしかない』と発言しました。あの3.11があったあとですよ。原発推進フォーラムだったとはいえ。思考停止してるのかな」
本間氏「戦後『疑うことは悪いこと』と、『教科書にあることは正しい』として覚えるような、そういうことをやってきて染み付いてきてしまってますね、国民性に」
岩上「戦後だけでなく、戦前からずっとそうでした」
岩上「うぶすぎる国民に国民投票が行われたら改憲プロパガンダの嵐になると」
本間氏「国会で発議されてから投票までに、各政党が広告を打つことができますが、ルールがまったくありません。カネをいくらでも使える」
本間氏「改憲派の旗印は自民党、自民党の広告は電通です。テレビのゴールデンタイムのスポット枠は電通が3割握っている。テレビをつけたら改憲CMがバカスカ。キャップをはめなければ、とんでもないことになりますよ」
本間氏「AKBやExileが『改憲YES!』と言わされるかもしれない。電通が入ったら、それができてしまいます。CM全部やめてしまうのもありですが、表現の自由との兼ね合いも難しい」
岩上「カネが儲かればなんでもいいという状態です」
岩上「さて脱力するような話ですが、三反園鹿児島県知事が川内原発再稼働を容認と」
本間氏「急に腰が抜けてしまったのは、何か握られてしまったのかな?」
岩上「しかし新潟の泉田さんは反対を貫きました」
岩上「日印原子力協定も結ばれてしまった。NPT非加盟、核兵器保有国のインド」
本間氏「米国からの横槍は入らなかったのかな?不思議に思いました」
岩上「彼らにもカネがいくのでしょう」
岩上「英国の原発建設に1兆円の投融資の話も。子育て支援の3000億円が出せないと言いながらです。受注する日立・東芝にカネが落ちる」
本間氏「すごいねえ、東芝なんて原発に手を出して大赤字になったばかりなのに、懲りないな」
岩上「原発の廃炉・賠償費用が従来の倍になることが明らかになりました。今後まだまだ増えるのではないか」
本間氏「増えるでしょうね。20兆円の根拠も不明です。こんな数値を発表していて、誰も責任と取らされないのか?と」
岩上「しかもそのコストは『過去分』として『安価な電気代を享受してきた』 国民に負担させると」
本間氏「日本の電気代が安価だったことなんて一度もなかったですよ」
岩上「これこそ『原発プロパガンダ』ですね」
岩上「世耕経産相が『安い』と」
本間氏「安いなら廃炉費用も賠償費用も国民負担になんてしなければいいじゃないか」
岩上「立命館大学の大島堅一さんはきちんと計算した上で原発コストが一番高いと言い切っています」
岩上「原発廃炉作業のための学生向けロボコンが行われました」
本間氏「有線ロボットでさえ作業から帰ってこない。放射線が強すぎて電子制御部分が壊れてしまう。その条件を無視してロボコンなどやっても無意味でしょう」
本間氏「『原発プロパガンダ』を書くときに知ったのが、原発開発の当時も東大の先生でさえが『廃炉の問題は将来解決されるでしょう』とツケ回し」
岩上「プロパガンダはやってる側もプロパガンダに騙されてきてしまうのが怖い」
岩上「『原発プロパガンダ』の歴史に入っていきましょう」
本間氏「最初の原子力広告は『万博に原子力を送る』これが合言葉でした。でかでかとやり始めたのが1968年くらいです」
岩上「福井新聞でした」
本間氏「原発礼賛記事が福島民報や福島民友に大量投下。普通なら新聞が同じ地域に2つあれば黒と白に分かれると思いますが、そうならなかった。しかもいまだにその色が消えない。自主避難に関する県の対応をまったく批判しない」
本間氏「原発プロパガンダの黎明期に一番大きな役割を果たしたのが、実は朝日新聞でした。朝日新聞の10段広告なら3000万円くらいかな、当時。原発導入は読売新聞の正力でしたが、原発広告を始めたのは朝日だった」
本間氏「80年代から発展期に入ります」
岩上「80年代には原発がわーっと稼働されています」
本間氏「字ばかりだった広告に絵が目立つように。86年にチェルノブイリが起こると、広告費は減るどころか増えていきました」
本間氏「青森の東奥日報はすごいです。いまだにブレずに原発礼賛。年間300段400段という広告で6億とか7億とかが毎年入る。青森県の最高の産業は六ケ所村。それに寄りかからざるをえないメディアを生んでいるわけです」
本間氏「青森放送が『核まいね(核はだめ)』という番組を放送したら、科学技術庁から番組内容の改変を求められたことがありました」
岩上「政府の圧力じゃないですか」
本間氏「青森放送が拒否して全国放送したら、社長交代、報道制作部解体、番組終了」
本間氏「90年代に入ると、広告技術が発展して原発プロパガンダの完成期に。10月26日の原子力の日には、3.11前まで科学技術庁から大量の原発広告が出ていました」
本間氏「1991年には科学技術庁の委託で、原発広告の指針が作られます」
岩上「税金でやっていたわけですからひどいね」
本間氏「通産省は原子力ポスターコンクールを主催」
岩上「懸賞という手法が戦時プロパガンダにそっくり」
本間氏「2000年代に入ると、NUMOが広告宣伝に入ってきます。全国でシンポジウムを開いて、新聞広告を載せる。いまだにやっています。NUMOは2000年から2012年まで活動費に487億円をかけてきました」
本間氏「2002年に東電のトラブル隠しが発覚すると、一瞬だけ東電の広告費が減るんですが、イメージ回復のために原子力ムラが在京キー局の夕方のニュースをスポンサーするようになっていきました」
本間氏「3.11以降東電の15段広告がなくなった…と思いきや、今年の2月、柏崎刈羽の再稼働のために1度だけ掲載しました」
岩上「どこですか?」
本間氏「新潟日報です」
岩上「ああやっぱり」
本間氏「今また原発広告が復活を始めています。原発は『ベースロード電源』『ベストミックス』と言っています。それから今は安全神話が『安心神話』に。『心の問題ですよ』と」
岩上「第二次大戦末期じゃないですか」
本間氏「東大の中川恵一という人が、『避難なんかするとガンになりますよ』なんてことを言う。それを静岡新聞が無批判に載せているわけです」
岩上「ひっどいな」
本間氏「安心プロパガンダですよ」
岩上「原子力産業協会の会員名簿を本間さんが書籍に載せています」
本間氏「岩波編集部に原産協から苦情が入ったとか」
岩上「IHI、アサツーディ・ケイ、石川県も!?」
本間氏「原発立地県はみんな入っています」
岩上「関電工、九電、GE、静岡銀行、清水建設…関係なさそうなところも入っています」
本間氏「年会費が15万みたいです。日本を代表する会社はみんな入っちゃうんですね」
岩上「出た、電通。東海大学、東京海上、凸版印刷、博報堂、パナソニック」
本間氏「ソニーは入っていませんがね。福島県は抜けました。テレビ局は唯一、三重テレビ放送」
岩上「三菱グループはずらっと」
岩上「プロパガンダって自分で自分を洗脳し独善的に陥らせ判断を誤らせます。今回のプーチン訪日で安倍総理が3000億円を出してしまったのもまさにそれです。戦時中の『玉砕』もそうでした」
岩上「軍部は敵国に日本人を『狂信的』と思わせることで勝てると思ったが、米国は日本人に憐れみは無用と思っただけだった。北方領土も返してもらえるといつの間にか思い込み、玉砕も勝てると自ら思い込んでしまった」
本間氏「16回会談をしたあげく、金巻き上げられて終わりでした」
岩上「接待くらいでプーチンがなびくわけがありません。3000億円で島買えるわけがない。プロパガンダの覆いは破っていかなければ」
以上で実況ツイートを終了します。