単独で赤字、とJR側が認める「棺桶特急お陀仏列車」こと「リニア中央新幹線。地デジ等大マスゴミ上で景気のいい話が躍る中、見捨てられる地方はどう考えるのか。」
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http://news.livedoor.com/article/detail/12201686/
大儲けの「JR東海リニア」に融資する3兆円の一部でもあれば、ジリ貧の「JR北海道」を救済できる
2016年10月27日 9時1分 日刊SPA!
時速約500km、東京と名古屋を40分、大阪を67分で結ぶ計画の中央リニア新幹線。東京〜名古屋間の開通が2027年、名古屋〜大阪間の開通が2045年の予定だったが、政府は大阪開通の8年前倒しを要請している
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10月11日、今年度の第二次補正予算(総額3兆2869億円)が参院本会議で可決、成立した。同補正予算は、今年8月に閣議決定した事業規模28兆円超の経済対策の一環。この経済対策には「中央リニア新幹線の大阪延伸を8年前倒しするため」との理由で、JR東海に対してゼロ金利に近い超優遇金利での3兆円融資が盛り込まれている。政府はこれまでも、JR東海に対しては土地を取得する際の税金をゼロにすることを決定するなど、リニア建設に関する優遇政策を進めてきた。
◆鉄道の維持管理費すら不足するJR北海道
超党派の国会議員の「公共事業チェック議員の会」は8月31日、山梨県内のリニア建設予定地を視察。事務局長の初鹿明博衆院議員(民進党)は「このプロジェクトには本当に実現可能性があるのか、政府がお金を出すのが妥当なのかを国会できちんと追及しなければいけない」と強調した。JR東海の幹部を国会に呼ぶことも視野に入れているという。
リニア問題に詳しい全国紙記者のA氏は、「3兆円融資はまったく意味不明」「国会で徹底的に議論するべき」と語る。
「これまでJR東海は『自力でリニア整備をする』と啖呵を切り、政治家が口を挟むのを嫌っていたのに突然、融資が決まりました。JR東海内部では『安倍晋三首相と懇意の葛西敬之・代表取締役名誉会長との関係が背景にある』と囁かれているようです。安倍首相にとっては、莫大なキャッシュフローを誇る超優良企業のJR東海に融資するなら焦げつく心配もなく、景気対策の“見た目”の金額を膨らますことができるので好都合です」
しかし、ドル箱路線の東海道新幹線を抱えるJR東海とは対照的に、JR北海道の赤字は年間500億円。もはや自力での経営改善を断念する寸前にまで追い込まれている。
「JR北海道は『自力では再建できない』という”万歳宣言”を出そうとしています。北海道は人口減少に陥っていて、運賃収入が増える見込みはありません。JR北海道が経営危機に陥った一因は、道内で鉄道と並行する高速道路が整備されていき、しかも他地域に比べて無料区間が多いことがあります。高速道路を無料で走る車との競争に負けたのです。その結果、JR北海道は鉄道の維持管理費すら十分に捻出するのに苦労して、整備不足から事故が相次ぐことになり、それがさらなる鉄道離れを招く悪循環に陥ってしまったのです」(A記者)
◆JR北海道の年間赤字は約500億円、10年でも5000億円
⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1219360
第三者からみれば、「ぼろ儲けをしているJR東海から瀕死のJR北海道に利益の一部を回す仕組みを作ればいい」と考えたくなる。しかし、国鉄分割民営化の基本精神は相互不干渉。JR北海道も、つい最近まで自力での再建を目指していた。
「JR北海道にも『相互不干渉のJRの矜持』があったのですが、これほどの経営危機になった今、国会議員が政治課題として取り組むべきです。国会議員は『高速道路整備』『リニア新幹線早期開業』など、政治的アピールができて“票になる”テーマには熱心ですが、JR北海道をはじめ、瀕死の状態にある全国のローカル線の問題には不熱心です。
政治家がやる気になれば、ローカル線の救済方法はいろいろ考えられます。潤沢な道路特定財源の一部を鉄道にも回せるようにする『総合交通財源案』もその一つで、道路特定財源の暫定税率見直しの議論の際にも『鉄道にも回すといい』と提案した専門家もいました」(A記者)
JR北海道の年間赤字は約500億円、10年間でも約5000億円であるのに比べ、今回のリニア中央新幹線への融資は3兆円。
「多くのローカル路線は、数百万円から数千万円といった額を捻出するのに頭を悩ませています。リニアに使うお金の一部でもローカル線の方に回せるようになれば、問題解決するのです」(A記者)
◆リニアは「地方創生」とは真逆のプロジェクト
南アルプスの環境破壊など、リニア中央新幹線整備にあたって懸念されている問題についても十分な議論がされたとは言い難い。また、「リニアで東京と大阪間の飛行機の需要はもらう」とJR東海は鼻息が荒いが、日本航空や全日空などにとっては東京・大阪間のドル箱路線が激減すれば経営悪化の恐れも出てくる。
さらに、東京と名古屋・大阪を往復する人は便利になるかもしれないが、既存の東海道新幹線(特にのぞみ号)の本数は減るので、新横浜・京都などの利用客は不便になる。また新神戸以西で山陽新幹線を利用している人は、新大阪や名古屋で乗り換える必要が生じてくる。
「こうしたリニア整備に伴うデメリットについても国会で検証し、そもそもリニアに公益性があるのかについて国民的な合意を得るべきです。
安倍首相は所信表明演説で、リニア中央新幹線への融資が『地方創生回廊になる』と言ったのですが、東京と名古屋と大阪の3大都市ばかりが便利になるリニアは『地方創生』とは真逆の巨大プロジェクト。それよりも、JR北海道をはじめ全国各地のローカル線が瀕死の状態にあるのをどう解決していくのかについて、徹底的に議論する必要があります」(A記者)
取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力) 写真/時事通信社
― 安倍政権[28兆円経済対策]ワーストムダ事業 ―
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