件名:オバマ大統領をなだめてプーチン大統領を引き込んだ安倍首相の度胸
日時:20161012
媒体:中央日報
出所:japanese.joins.com/article/604/221604.html
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オバマ大統領をなだめてプーチン大統領を引き込んだ安倍首相の度胸(1)
姓を抜いて名前だけを呼べば親しい関係に入ったという信号だ。先月初めにロシアのウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン露大統領がお互いそのように呼び合った。会議の途中、安倍首相は突然、プーチン大統領を「ウラジーミル」と呼び、プーチン大統領は「晋三」と返した。2人は首脳会談だけですでに14回も行っている。日本がウクライナ事態後に対ロシア制裁に加わりながらも親しくなったのは偶然のことではない。
日本は20世紀初め、世界最強のロシアバルチック艦隊を撃破し、大韓帝国を併呑した。ソ連は第2次世界大戦の終盤に米国が広島に原子爆弾を投下すると、日ソ中立条約を破って参戦し、日本に復讐した。旧怨がある両強大国がこのように親しい関係になるとは誰が予想しただろうか。孤立無援を脱しようとするプーチン大統領、平和条約を結んで北方領土交渉を終え、改憲をやり遂げようとする安倍首相の利害関係が一致した結果だ。
ロシアは最近、シベリア横断鉄道を北海道まで連結しようと日本に提案した。ハバロフスクとサハリンの間のタタール海峡(間宮海峡)7キロ区間とサハリンと北海道の間のラペルーズ海峡(宗谷海峡)42キロを橋またはトンネルでつなごうということだ。実現すれば島国の人が大陸の雪景に酔い、モスクワを経て欧州に行く破天荒の喜びを享受するだろう。安倍首相はすでに今年5月、ソチでプーチン大統領に会い、事業費1兆円以上の8項目の経済協力案を提示し、これを担当する閣僚まで置くほどであるため、提案は真摯に検討されるだろう。
プーチン大統領を相手にした日本のラブコールも執拗だ。日露関係改善のきっかけを作ったのは森喜朗元首相だった。森氏は2000年に首相になった後、最初の訪問地にロシアを選択し、シベリアにある父の墓地を参拝した。徹底的に計算された行動であり、当然プーチン大統領が同行した。森首相の父は第2次世界大戦に参戦して捕虜になったが、日本に戻って日ソ友好協会を結成し、遺骨の半分をロシアに埋めてほしいという遺言を残したという。
プーチン大統領は東方経済フォーラムでこうしたストーリーを紹介した後、「我々の過去が未来に進むことを妨げてはいけない」と強調した。安倍首相の意中を伝達する窓口でもある森氏はプーチン大統領とお互い「ヨシ」「ワロージャ」という愛称で呼び合う関係だ。安倍首相とプーチン大統領は11月にペルーで会った後、12月15日には安倍首相の政治的故郷である山口県の旅館で16回目の首脳会談をし、平和条約に向けて勝負に出るだろう。
page02 japanese.joins.com/article/605/221605.html
日本が自らも制裁中であるロシアの孤立を解くという矛盾した外交行為が、どうすれば可能になるのだろうか。国益を守るための大胆な勝負のためだ。日本はロシアがクリミア半島を合併した直後の2014年3月、斎木昭隆外務事務次官を米国に派遣し、トニー・ブリンケン大統領次席補佐官に会わせた。斎木次官はクリミア半島問題では米国と協調するが、日露関係の改善は分離して推進するという意思を伝えた。安倍首相も翌月、オバマ米大統領を相手に「日露関係の進展が北東アジアの安全保障環境にもプラスになるだろう」と説得した。
これは米国・欧州・日本の対ロシア制裁連携を揺るがすものだ。実際、ソ連に接近して中立条約を結んだ後、8カ月後に米国のハワイ真珠湾を空襲したのが75年前の日本ではなかったか。しかし今の米国としては膨張する中国の牽制に率先する日本と離れることはできない。安倍首相の度胸はこうした相手の虚を突く戦略と決起があったからこそ可能だった。
日本とロシアの蜜月は、過去を支配した冷戦の呪術が今日の平和まで監禁できないことを見せている。ロシアの最優先順位パートナーとしてラブコールを受けた韓国も発想の転換が必要だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領のユーラシア・イニシアチブをロシアの新東方政策、中国の一帯一路、日本の大陸連結と結びつけて北極航路を開発すれば、低迷する世界経済に活力を吹き込むことになる。北朝鮮の核挑発がユーラシアネットワークの「断絶区間(missing link)」になっているが、そうであるほど事態の解決に向けた現実的で創意的な国際協調を主導する必要がある。
北朝鮮核問題の根本的な解決には我々よりも米国が積極的だ。米国の専門家らは北朝鮮の核が本土を攻撃する可能性を取り上げながら、朝米対話と先制攻撃という両極端の解決法を同時に持ち出し始めた。交渉論者は直ちに非核化するのが難しい場合、中間段階として核の凍結を掲げ、進展によっては韓米合同軍事訓練の規模と内容を調整できるという新しい提案までしている。
他の人たちは両目を大きく開いて現実的な代案を模索しているが、我々だけが昏々と眠っていることはできない。危険千万な核ギャンブルをする北朝鮮に対し、国際社会とともに強力な制裁と圧力を加えるものの、平和の解決法も準備する時だ。遅くなる前に経済で戦争を防いで平和を守る決断を下さなければいけない。
李夏慶(イ・ハギョン)論説主幹
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//memo
「国益を守るための大胆な勝負」、地の利時の利、吉とでるか、凶とでるか。
ジレンマだが、中途半端で米露両国から袖にされる事も、選択肢となりえる。
これが日本にとってジレンマだというのは、あの人が"いちばん"よく知っている。
ババをつかまされたら、あかん。プーチン氏のディスカバリーチェックが待ってまっせ。