事件の起きた大口病院(C)日刊ゲンダイ
「2カ月で50人死んだ」 横浜・大口病院“大量殺人”の闇
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2016年9月28日 日刊ゲンダイ
横浜市・大口病院で起きている毒点滴による入院患者の連続不審死はもはやホラーだ。病院の周辺では、以前から「4階に殺人鬼のジェイソンがいる」とささやかれていたらしいが、冗談では済まない状況になってきた。一部報道によると、現役看護師が「4階だけで2カ月間に50人が死んだ」と証言したという。事実なら驚愕だ。
近隣住民がこう言う。
「大口病院は、もともと重篤患者を優先的に引き取る施設です。そのため、複数の患者が同じ日に亡くなるのは珍しいことではありません。とはいえ、一度に亡くなる患者が集中していたのも事実です。『大口に入ったら死ぬ』なんてウワサも流れていました」
事件発覚の発端になった八巻信雄さん(88)の死亡が確認されたのは9月20日。その2日前には、西川惣蔵さん(88)も謎の死を遂げている。病院は当初、西川さんの死因を「病死」と判断したが、あらためて県警が遺体を司法解剖した結果、薬物による「殺人」と判明したのだ。
「おそらく犯人は、点滴の中に消毒液を溶かし、少しずつ血中濃度を高めていく方法で、老衰による『心不全』と誤診させるよう狙っていたとみられます。事件に使われていない点滴の一部のゴム栓部分に小さな穴が見つかっています。犯人は無差別的大量殺人を試みようとしたことになります」(捜査事情通)
事実関係の確認をするため、病院に電話すると、代理人弁護士が「(本紙の)論調に事実誤認がある。個別の取材に応じられない」と答えた。
真犯人の「特定」「逮捕」は時間の問題になってきた今回の事件。犯人の動機は一体、何だったのか。大口病院の女医は「残された患者のためにも医師や看護師は尽力を尽くしている。休んだり、辞めた職員はいません」と話している。