車内にバーが設けられた特急「A列車で行こう」(C)日刊ゲンダイ
10.25上場 副業で儲ける「JR九州」の株は買いなのか?
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190148
2016年9月18日 日刊ゲンダイ
やっと上場にこぎ着けた。
JR九州の上場が15日、東京証券取引所に承認された。上場日は10月25日で、東証1部が有力だ。想定売り出し価格は1株2450円で、時価総額は約3920億円。今年の新規上場では、初値で時価総額約1兆円だったLINEに次ぐ規模となる。
経営基盤が弱いJR北海道、四国、九州の“三島会社”で初の上場を果たすJR九州は、2015年度の連結決算によると、鉄道事業の売り上げが全体の4割にとどまる。営業利益はもっと深刻で、105億円の赤字。ところが、不動産、外食など鉄道以外の事業は合計323億円の黒字である。本業が副業に支えられての上場というわけだ。
「アジアに近い九州は、マンション投資などでも注目の地域。JRブランドを生かした不動産事業など、JR九州の“副業”の多角化は見事でした。鉄道事業は赤字とはいえ、九州新幹線やななつ星などの好材料もあり、事業としてはしっかりしています」(株式評論家の倉多慎之助氏)
上場6日後に日銀の金融政策決定会合というビミョーなタイミングだが、JR九州は先月、個人投資家が買いやすいように、発行済み株式を分割。100株単元なので、30万円あれば買える見通しだが、手を出していいのか。
「初値が3500円ぐらいまでなら、“買い”ですが、それを超えるようなら様子を見るべきでしょう。半年以内の指標としては、5000円に近づけば“売り”です。すでに上場しているJR関連株の経験から言っても、上場時の何倍もの株価になることは考えにくい。長期的にはフィーバーが一段落してから考えた方がいいと思います」(前出の倉多慎之助氏)
LINEの上場時は、公開価格を48%上回る初値がついたが、すぐに下落した。JR九州のスタートダッシュはどうなるか。