【社説】衝突リスク高まるアジア、緊張続いた1週間
自由な国際秩序に挑戦する中国
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東シナ海での軍事演習で実弾を発射する中国の駆逐艦「泰州」(1日) PHOTO: ASSOCIATED PRESS
2016 年 8 月 12 日 17:02 JST
アジアで軍事衝突のリスクが高まっていることは周知の事実だ。あまりにも良く知られているため、オブザーバーらは数年前なら警告を発していたイベントを目にしてもあくびをするほどになった。では、今週の展開を振り返ってみよう。
ロイター通信は10日、複数国が領有権を主張する南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で、ベトナムが5カ所の岩礁などにロケット弾発射装置を設置したと報じた。このロケット弾発射装置の最大射程は150キロメートルほどで、周囲にある中国の人工島がターゲットとなりうる。これら人工島には滑走路などの建造物が築かれており、貿易の要所である南シナ海における中国の海洋覇権を確立する要塞(ようさい)と化している。
国際仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は先月、南シナ海における中国の主権を認めない判決を下したが、中国は引き下がる気配を見せていない。このため、ベトナムの行動は今回が最後とはなりそうになく、他国がこれに追随する可能性もある。
北に目を向けると、日本政府は8日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、自衛隊に常時迎撃できる態勢を整えるよう命じた。これまで、政府がこうした破壊措置命令を出すのは発射が目前に迫っている兆候を把握した時に限られていた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は核実験だけでなく、1月から複数回にわたりロケットやミサイルを発射してきたが、こうした挑発行為は次第に日本の領土に届きつつある。先週発射された中距離弾道ミサイル「ノドン」は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。北朝鮮を支えている中国は、同国を抑えつける役割を果たしていない。
日本政府は7日、中国が東シナ海の公海上に建設したガス田開発のための構造物にレーダーを設置したとの見解を表明、このレーダー設備を違法だと指摘した。同日、外務省は中国大使館に対し、レーダー設置を「受け入れられない」と伝えたほか、中国海警局の公船や民間船舶が尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺海域への侵入をエスカレートさせていることに抗議した。尖閣周辺には6日、230隻ほどの中国漁船が侵入した。
こうした緊張を高める行為をつなぐ共通点は、太平洋の西側で独占的な支配者になるという中国の野心だ。中国政府が自由な国際秩序に挑戦する中、東アジアと東南アジアではさらに緊張が高まり、軍事展開が広がることが想定される。
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