東電社長おわび 炉心溶融「隠蔽と捉えられるのは当然」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160621-00000045-asahi-soci
朝日新聞デジタル 6月21日(火)14時55分配信
東京電力福島第一原発事故で、炉心溶融(メルトダウン)の判断基準があったのに公表が遅れた問題で、東電の広瀬直己社長は21日、「社会の皆さまの立場に立てば隠蔽(いんぺい)と捉えられるのは当然だ」としておわびした。第三者検証委員会の報告書で「当時の清水正孝社長が『炉心溶融という言葉を使うな』と社内に指示していた」などと指摘されたのを受け、会見した。
また、東電はこの日、広瀬社長を減給10%、姉川尚史常務を減給30%(いずれも1カ月)とする処分を発表。このほか、関係者1人を厳重注意とした。
東電によると、判定基準は、2010年4月改訂の「原子力災害対策マニュアル」に「炉心損傷の割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」と明記されていた。東電は福島第一原発事故から2カ月後の11年5月まで炉心溶融だと公表せず「判断する根拠がなかった」と説明してきた。
しかし、東電は今年2月になって、社内マニュアルの存在を公表。事故の検証を独自に続ける新潟県の技術委員会の求めで行った調査で存在が分かったと説明した。
東電は問題の経緯や原因を検証する第三者委を3月に設置。今月公表された報告書は、事故から3日後の2011年3月14日、清水元社長が、記者会見していた武藤栄副社長(当時)に対し、広報担当社員を通じて「炉心溶融」などと記載された手書きのメモを渡し「官邸からの指示により、この言葉は使わないように」などと耳打ちをさせたと指摘していた。
第三者委が「官邸からの指示」があったとしたことについては、当時の首相、菅直人衆院議員や官房長官だった民進党の枝野幸男幹事長は否定している。