竹増社長(左)と玉塚会長(C)日刊ゲンダイ
地域ごとに値段を設定 ローソン新体制が起こす“価格破壊”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182996
2016年6月8日 日刊ゲンダイ
同じコンビニチェーンだったら、どの店で買っても「同じ値段」が当たり前だった。ローソンは、そこを崩しにかかった。地域別価格を導入するというのだ。
ローソンは全国に約1万2000店。今月1日には親会社・三菱商事出身の竹増貞信氏(46)が社長COOに就任し、玉塚元一前社長(54)は会長CEOに就いた。
新体制の発足を機に“価格破壊”という武器で、コンビニ王者のセブン―イレブン追撃を本格化させたようにみえる。
「地域ごとに商品の価格が異なることになります。一部の食品や日用品など約90品目を対象にする予定で、6月末までに導入します」(ローソン関係者)
たとえば、牛乳や豆腐、卵などに価格差が生じるという。ローソンの商品部は北海道、東北、関東など7つに分かれる。この7地域で、商品ごとに価格が数円から数十円違ってくるのだ。
「価格差は、スーパーでは当たり前ですが、コンビニは店舗ごとにオーナーがいるし、価格差をつけるのは難しかったと思います。とはいえ、今後は低価格のイメージを利用者に植え付けていかないと、買い物客は減少傾向をたどる恐れがあります。今年9月にはユニーグループとファミリーマートが経営統合し、ユニー傘下のサークルKサンクスはファミマに統一されていきます。コンビニ再編の嵐が吹き荒れているだけに、ローソンも生き残りに必死でしょう」(流通関係者)
ローソンは地域別価格の導入と同時に、品ぞろえを強化する。現在、標準店には約3100品目が並ぶが、約1割増の3500品目にする。冷凍食品や調味料などを増やす。
「主婦層は、コンビニはスーパーより値段が高いというイメージを持っています。これを変えたい。さらにスーパーのように利用してもらうための品揃え強化です」(前出のローソン関係者)
全体の75%にあたる9000店で、品目増を実施。そのために商品棚を15センチ程度高くするという。
竹増新社長のチャレンジは、王者セブン―イレブンを脅かす?