W選断念へ 北海道補選を徹底検証 <第2回>創価学会と“温度差” 公明支持が離反し始めている
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2016年4月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し
北海道5区補選で当選を決めた和田義明氏(右は故・町村信孝氏の写真)/(C)日刊ゲンダイ
北海道5区補選で分かったことは、公明党の支持母体「創価学会」の会員が安倍政権から離れ始めている、ということだ。安倍自民党も、そうした動きを把握しているはずである。
野党候補だった池田真紀応援団の“田園キャラバン隊”の斎藤哲氏は、偶然、創価学会員と出会うことがあったという。
「『いまの公明党と創価学会との間には温度差がある』という話を聞かされ、ビラを10部受け取ってくれました」(斎藤哲氏)
この創価学会員宅を訪ねると、公明党から離反した理由を話してくれた。
「公明新聞や聖教新聞は、『公明党は安倍政権の歯止めになっている』などと書いてますが、とても信じられない。力で他国を押さえつけようとする安倍政権は、日蓮の教えに反しています。公明党への疑問を口にする学会員は確実に増えています」(創価学会員)
マスコミは「和田義明の13万票のうち、約4万票は創価学会が集めた」というコメントを紹介していたが、その一方で、離反した創価学会員もいたのだ。
野党の池田陣営も、公明党支持者を切り崩そうと仕掛けをしていた。ラストサンデーの17日には、運輸大臣を務めた二見伸明元公明党副委員長が札幌入りし、ヒトラー独裁を招いたドイツの宗教政党と公明党とを重ねる演説をしている。
「ヒトラーが(独裁を確立した)全権委任法を通しました。その時、カトリック教会をバックにした宗教政党・中央党がヒトラーに脅されたり、すかされたりして、延命を図るためにヒトラーに賛成した。あの時に『ノー』と言えば、全権委任法は成立しなかった。集団的自衛権行使容認の閣議決定をした一昨年、公明党が『ノー』という勇気があれば、閣議決定は出来なかった。公明党に勇気がないから今、公明党支持者(創価学会員)は苦しんでいる。その勇気を与えるのは、公明党の支持者だと思っています」
こうした働きかけが今回の補選で一定程度、効果があった可能性は十分にあり、参院選や次期総選挙でも活発になるのは確実だ。安倍政権の屋台骨は徐々に切り崩されようとしている。