三菱自「燃費不正問題」、26日の記者会見で感じた二つの違和感
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160427-00010003-autoconen-bus_all
オートックワン 4月27日(水)15時2分配信
4月26日に行われた三菱自動車の記者会見で中尾副社長から意外な発言があった。
2013年6月に発表された「eKワゴン」と「デイズ」の実力値は29km/Lだったのだという。目標の29.2km/Lに0.2km/L届かなかったから不正したということ。この数字、いろんな意味で「えっ?」と思う。
まず不思議なのが日産から出てきた「7%の差がある」という問い合わせ。0.2km/L届かないなら燃費差は1%に満たない。このくらいの差だと「おかしい」ということにはならないと思う。
逆に日産の燃費計測ドライバーが軽自動車に不慣れで、7%も低い数字しか出せなかったら、これまた問題。
いくら軽自動車に不慣れとは言え、7%だと27.2km/Lということになる。29km/Lの実力を持っているクルマとしちゃ下手すぎる。この数字、日産か三菱自動車のどちらかがウソを付いている可能性大。
ちなみに29km/Lと29.2km/Lなら、抵抗をホンの少し低くするだけで十分イケると思う。
この程度の不正なら、実験担当部長だけの判断で出来るだろう。加えてエコカー減税のクラスも変わらないため、払い戻し不要。燃費の差をユーザーに支払うという件も、0.2km/L分だと微々たるものだ。
三菱自動車の「不正の深刻度」も大幅に軽減されると思う。この件については追加情報を待ちたい。
もう一つ意外だったのが、記者に突っ込まれる度に「国交省様の返事を待って」と答えていたこと。本来ならユーザーを向くべきだと思う。
高速惰行法で計測している車種はある程度解っていることだろう。国交省が報告する前に記者会見で発言したらメンツを潰すという配慮なんだと思う。
でもクルマを買ってくれるのはユーザーであり、国交省じゃない。記者会見を見ていて、やはり三菱自動車にとって一番大切なのは国交省ですね、と感じた。
メディア側は記者会見をやるなら、もっと新しい事実や概要など公表されると考えていたようだ。案の定、27日の報道は厳しい内容に終始している。
せっかく第三者の調査委員会を作ったのなら、現時点で解っているだけでいいから最新情報をアナウンスすべきだ。
警察だって犯人を捕まえた際、本来流しちゃイケナイ情報をリークさせて国民の要求を納得させる。
このあたりの「戦略」は三菱自動車上手くない。これではどんどん悪い方向に向かいます。
[Text:国沢光宏]