燃費不正の三菱自動車 “身売り先”に浮上する本命と大穴
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180156
2016年4月24日 日刊ゲンダイ
買い叩かれるのか?(右が三菱自動車の相川社長)/(C)日刊ゲンダイ
三菱グループ首脳からは「もう無理だ」のタメ息が漏れている。三菱自動車を支え切れないというのだ。
三菱自は、軽自動車4種の燃費性能データ不正に続き、きのう(22日)新たに看板車種の電気自動車(EV)「i−MiEV(アイ・ミーブ)」のデータ不正が発覚した。
株価は暴落し、22日に年初来安値の489円をつけた。
「市場の関心は、すでに三菱自の身売り先に移っています。三菱重工や三菱商事などグループの中核は三菱自を“見捨てた”と伝わっています。ただし、スリーダイヤのプライドにかけて倒産させるわけにはいかない。となると、買い手探しに必死でしょう」(証券アナリスト)
市場では、中国の自動車メーカーが関心を寄せていると囁かれる。
「三菱自は自社エンジンを中国メーカーに供給しています。そのうちの何社かが興味を示しているといわれます。エンジンを買っているのは、中国最大の民営自動車会社の長城汽車、中国3大メーカーの一角を占める東風汽車、それに準大手の北京汽車です」(ジャーナリストの井上学氏)
中国企業は東芝の家電部門を買収するなど、日本企業の獲得に熱心なだけに、「開発部門を持ち、中国企業に比べれば技術力のある三菱自は魅力かもしれません」(井上学氏)という。
■EV開発では先駆企業
意外な外国企業が名乗りを上げる可能性もある。データ不正が発覚したとはいえ、三菱自はEV開発の先駆者としての評価が高いからだ。
「EVで勢いに乗っている米テスラモーターズが価格次第で関心を示す」(経済ジャーナリストの大山功氏)
三菱自の株価は年初に比べ半減している。時価総額で見ると、約1兆円から5000億円に下落した。三菱自を手に入れたい企業から見れば“超お買い得”に映るはずだ。
「大穴ですが、IT企業の名前も浮上しています。EVを開発中の米アップルです。その意味ではグーグルが狙ってきてもおかしくない」(大山功氏)
買い手の本命は中国メーカーだが、大穴も捨て難い。