露骨な“お友達”人事 日銀審議委員に黒田派役員抜擢の茶番
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2016年4月21日 日刊ゲンダイ
イエスマンばかり集めても(C)日刊ゲンダイ
「以前から名前は挙がっていたので驚きはないですが、露骨すぎる」(日銀番記者)
政府は19日、日銀の審議委員に新生銀行の政井貴子執行役員(51)を起用する同意人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。
政井氏は、6月29日に任期を迎える石田浩二審議委員(三井住友銀行出身)の後釜に座る。
「2月のマイナス金利導入に反対票を投じた石田氏に対し、政井氏はよき“理解者”です。審議委員の“金融枠”はメガバンク出身者が起用されるのが慣例なので、まさに異例の抜擢。マイナス金利に批判的な“メガバンク外し”の露骨な人事ですよ」(前出の日銀番記者)
政井氏は法政大学大学院経営学研究科を修了後、カナダのトロントドミニオン銀行や、仏クレディアグリコル銀行など外資系を経て、2007年に新生銀行に入行。13年に同行初の女性執行役員に就任し、話題になった。新聞、雑誌やテレビのコメンテーターとしてもお馴染みだ。
世間のウケは良さそうなのだが、政井氏はマイナス金利導入が決まった直後の2月、日経ヴェリタスで「日銀の政策方針は明確」「円売り・ドル買いを後押しする」などと黒田総裁をヨイショ。「向こう3カ月、1ドル=115〜121円で推移する」と予想していた。しかし結果は、ご存じの通り政井氏の予想とは逆に110円を割る円高が進んだ。これで審議委員が務まるのか。実力のほどは“未知数”だ。
「同じく反対票を投じ、3月に退任した白井さゆり前審議委員の後任である桜井真審議委員も、黒田総裁に好意的です。周囲に“お友達”を集めて追加緩和を打ちやすくしたともっぱらですが、黒田バズーカにはもう何も期待できない。大方の市場関係者の見方です」(兜町関係者)
イエスマンと“空砲”で、円高・株安を止められるとは思えない。