憲法何するものぞという凶暴な輩が、暴走する日本。行きつく先は、おジャン。
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16年04月09日 永田町徒然草
昨日と今日の深夜から朝にかけて、テレビ朝日で放映されているオーガスタを見た。松山英樹が首位と3打差で健闘している。30代から50過ぎまで私もへぼゴルフをやっていたので、オーガスタと全英オープンは必ずその中継を見る。これまでも日本人ゴルファーで活躍した人もいるが、松山のそれはいままでのそれとは趣が異なる。最初から優勝に絡むゴルファーとして出場していることだ。
オーガスタのことだから、もちろん決勝ラウンドで何が起こるか分からない。しかし、ひょっとしたら優勝するかも分からないという楽しみを感じさせるゴルファーだ。テニスの錦織の方は、掛け声ばかりでジョコビッチに歯が立たない。硬式テニスも司法修習生の時に、友達に誘われて2年間くらいやったことがあるので、見るのは好きだ。だからウインブルドンの時期になると私は寝不足となってしまう(笑)。
昨晩はNHKで放映していたリオ・オリンピックの水泳選考会を見た。北島康介選手の結果を見たかったからである。結果は残念ながら5位であり、5オリンピック連続出場は叶わなかった。そして現役引退を表明した。北島選手はオリンピックの平泳ぎ100mと200mで、連続優勝という偉業を成し遂げた。北島選手の祖父が新潟県上越市出身であること、私が高校生の頃に平泳ぎが得意だったので北島選手がリオに行けるのかどうかが気になっていたのだ。北島選手が日本水泳のトップで長い間活躍してくれたことに心からエールを送る。
何かスポーツ漬けのオジサンのように思われるかもしれないが、これはあくまで私のささやかな楽しみに過ぎない。気になっているのはいつも政治のことである。報道ステーションとNEWS23に変更があったので、どうもいままでと勝手が違うのだ。報道ステーションは月曜日から放映される。NEWS23の方は、これまでのような報道番組としての緊張感と問題意識がないような気がする。この2番組については別に述べたいと思っている。
いよいよTPPの批准を巡る国会審議が始まった。安保法制に関することならば、勉強するまでもなく私の考えは最初から決まっていた。しかし、TPPについては、専門家でないのであまり詳しくはないのだ。もちろんTPPに関する記事があれば、ひと通り読んだつもりだが、賛成だとか反対だとか決定付ける記事や意見に接しなかった。だからこの永田町徒然草でも私の意見の開陳はしてこなかった。
厄介だがTPPに関する勉強をして、私の態度も決めなければならない。こういう問題はどうしても損得勘定が伴って、意見が分かれるものである。そこを説得力をもって論述するところが“政治力”なのだが、賛成する側にも反対する側にも、あまり論者がいないようだ。そんな中で、黒塗り文書と西川公也TPP特別委員長の暴露本が問題になっている。TPP自体が、何となく胡散臭い感じがしてきた。
昨日TPP特別委員会の審議がテレビ中継されていたが、気の抜けたような石原TPP担当大臣の答弁と西川委員長の高圧的発言が印象付けられた。民進党の委員は全員で委員会を退席したが、これから先をどうするつもりなのであろうか。反対なら反対で、徹底的に闘うしかないであろう。しかし、闘い方が問題なのだ。その時の政治的な説得力が大事なのだ。
TPPの最大の問題は、どうもISD条項にあるような気がする。ISD条項とは投資家対国家間の紛争解決条項といわれる。日本に投資している外国の企業が、日本の法律・裁判・行政によって被害をうけたと判断した時には、日本の司法に救済を求めるのでなく、国際仲裁裁判所に訴えることが出来るという制度である。
国際仲裁裁判所の判断においては、日本の法律や裁判や行政判断が、健康・生命への配慮・地域の発展・労働者の保護という広い社会的正義と必要性判断に基づくものであることへの配慮が全くなされず、専ら投資家企業に害を与えたか否かの論点のみで判断されるというのだ。そうなると憲法や法律に基づかず紛争が解決されることになり、憲法81条に違反する惧れが出てくる。ここでもやはり憲法違反の問題が重要な論点となるのだ。
先週の永田町徒然草「狂暴な安倍政治が迷走する」で述べたように、安倍首相とその仲間は憲法違反など最初から“平気の平左”なのだ。権力者にとって憲法がいちばん怖いのである。しかし、憲法何するものぞという輩(やから)には、怖いものなど何もないのだ。TPP特別委員会の審議における安倍首相や石原TPP担当大臣や西川委員長の人を喰ったような傲慢な答弁や発言は、その表れなのである。いまは民進党などの野党に向けられているが、国民に対しても同じようなことをするのである。その恐怖を国民は感じなければならない。
それにしても最近のニュース報道は、明らかにおかしい。鹿児島県における自衛隊機の事故が起こった日のニュースの扱いである。私は防衛族でなかったので、こういう問題には疎い。しかし、6人の乗った自衛隊機に事故があったのならば、それは非常に大事なことだと思う。バトミントン選手のバカラ賭博とリオ・オリンピックへの出場停止・春の嵐で桜が散ったとかというニュースよりはるかに優先順位が高いと思う。
この事故の自衛隊の発表もお粗末だった。事故のあった翌日の午後2時頃に第一報が入ってきたが、最初は6人全員が心肺停止という発表だった。夕方のニュースでは4人が心肺停止、その翌日になっても4人の容態は依然として“心肺停止”だった。自衛隊には医官もいるし、捜索には当然のことながら医官も参加する筈である。だとしたならば、半日以上経っても心肺停止という発表はないだろう。こういうこと全部を含め、このニュースの扱いの優先順位が3番目とか4番目ということはないだろうと私は言っているのだ。
円高株安の流れが止まらない。今後どうなるかは相場のことであるから誰も分からない。「相場のことは、相場に聞け」と言われるのだ。だから政府や政治家は株や為替のことを軽々に言ってはならないのである。安倍首相はその基本原則がまったく分かっていないのだ。真逆である。多々弁じている。かなりの国民は、安倍首相が景気を良くしてくれたと思っている。安倍内閣の支持率が高いのはそのせいであろう。もういい加減、国民は正気に戻らなくてはダメだ。
4月24日衆議院北海道5区と衆議院京都3区の補欠選挙が行われる。特に北海道5区が大事である。野党共闘候補はかなり善戦しているようだが、選挙は勝つまで分からない。野党全党は全力を北海道5区の補欠選挙に傾注して貰いたい。ひとつの選挙区の勝敗が、これからのすべての選挙の帰趨を決めることにある。自民党総務局長時代に参議院選挙であったが、いくつか私はそういう経験した。そう決めた選挙では、自民党の総力を結集して勝つことが出来た。それが平成8年の総選挙の勝利に繋がった。
凶暴な安倍首相が、迷走しながら暴走している。その行きつく先は、もちろん“おジャン”である。国民はバカでない。多くの国民が何となくそうした気配を感じ始めている。だから落ち込む必要など微塵もないのだ。国民を信じて戦うしかないのだ。勝利の道は必ず開けてくる。不屈の闘志がいま求められているのだ。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。