開業に向けて走行試験をする北海道新幹線 (c)朝日新聞社
北海道新幹線いよいよ開業! 初めてづくしの新幹線は北海道に幸運を運ぶのか?〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160325-00000006-sasahi-life
dot. 3月25日(金)11時38分配信
北海道新幹線がいよいよ3月26日に開業する。北海道に新幹線が走るのは初めてで、鹿児島から新幹線を乗り継いで北海道まで移動できるようになるのも、もちろん初めてのことだ。
小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている。北海道新幹線で何がどう変わるのか、本誌から紹介しよう。
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北海道新幹線が3月26日に開業する。新青森駅から新函館北斗駅(北海道北斗市)までの約149キロメートルで、間には奥津軽いまべつ、木古内の2駅と世界最長の海底トンネルである青函トンネル(約54キロメートル)がある。北海道に新幹線が走るのは初めてで、これで北海道から鹿児島まで新幹線を乗り継いで移動できるようになる。
北海道新幹線を含む「整備新幹線」は1973年に計画が決まった。各地に新幹線を走らせて交通の便をよくし、地域を発展させるのが狙いだ。北海道新幹線は札幌まで延びる計画で、全線は2030年度の開業を予定している。
車両は東北新幹線の「E5系」とほぼ同じ「H5系」で10両編成。Hは北海道の頭文字だ。ゆったりした座席で飲食などのサービスを受けられる「グランクラス」(18席)もある。E5系との違いは、車体の色が、緑と白の間にピンクの横ラインではなく、北海道を代表する花、ラベンダーをイメージする紫色のラインが入る。車両の愛称は東北新幹線と同じ「はやぶさ」「はやて」。「はやぶさ」は東京または仙台と、「はやて」は新青森または盛岡と新函館北斗を結ぶ。
最高時速は260キロメートル。でも、青函トンネルを含む約82キロメートル区間は、新幹線として初めて貨物列車と同じレールを走り、すれ違う貨物の荷崩れを防ぐため、最高時速を特急並みの140キロメートルに落とす。東北新幹線と直通運転するは、東京〜新函館北斗間は最短でも4時間2分かかる。ただ、新函館北斗と新青森とは最短1時間1分、仙台とは約2時間半で結ばれる。東北との距離がグッと縮まるため、北海道では東北からの観光客が増えるとの期待が高まる。
北海道の食べ物や自然にひかれ、外国人観光客は増え続けている。新幹線の「玄関口」となる函館市は代表的な観光地で、開業直後の16年度は、過去最高だった98年度の539万人に迫る530万人を見込んでいる。
でも、北海道新幹線の開業に伴い、上野〜札幌を走る寝台特急「カシオペア」は廃止され、新幹線と並行して走る在来線は地元自治体などが経営を引き継ぐ。人口の少ない広い土地に路線網が広がる北海道ではJRの経営が苦しく、開業と同時に赤字路線を廃止したり列車の運転本数を減らしたりする動きが強まる。
(解説・若松聡/朝日新聞北海道報道センター)
※月刊ジュニアエラ 2016年4月号より