本当に専門家だったの?(C)日刊ゲンダイ
原発事故は「運命」…元原子力安全委トップが笑顔で大放言
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176948
2016年3月9日 日刊ゲンダイ
震災発生時の原子力安全委員会トップが大放言だ。8日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)で、班目春樹・元原子力安全委員長が原発事故を笑いながら「天罰」「運命」と表現するシーンが放送された。
班目氏が出演したのは、シリーズ特集「震災から5年 あの日から今へ」。3回目となる8日は、VTRに登場した班目氏が番組司会の伊藤利尋アナウンサー(43)に対し、福島第1原発事故の対応と問題点を振り返る内容だった。
インタビューで班目氏は、当時の菅直人首相(69)から「水素爆発はあるのか?」と尋ねられたことを明かし、格納容器の中に酸素はないため爆発はしない、と回答したと説明。しかし、その数時間後に1号機建屋で水素爆発が発生した。
このことについて班目氏は、格納容器から水素が漏れ出して建屋内で爆発する可能性までは菅首相に説明していなかったことを「大失敗だったとは思う」と後悔しつつ、間違った説明ではなかったとの認識を示した。また、爆発後、菅首相から信頼されなくなったことを「ひしひしと感じました」とも語った。
その後の事故対応について、「あんな人(菅首相)を総理にしたから天罰が当たったんじゃないかって、このごろ運命論を考えるようになっちゃってますよ」と笑いながら回答。伊藤アナから「唯一の専門家として、もうちょっと(何とか)できなかったか」と尋ねられても、「あの時、(専門家は)ずっと私1人だけだった」「原子力保安院が図面を持ってこなかった」などと、終始のらりくらりと答えていた。
他人ごとのように5年前を振り返った班目氏。当時の責任者がこれでは、最悪の事故を招いたのも当然だ。