中長期のグランドデザインを明確に持って
日本政治を刷新するため「ゆっくり急げ !」
非正規社員が初の4割突破 !
日本の子供、6人に1人が貧困状態に !
この数年で過去最悪を更新 !
「植草一秀の『知られざる真実』」:2016/03/03より抜粋・転載
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1)与野党対立のあり方についての考え方が、明確に
整理されていない !
2)主要な政策において、主権者の意見が大きく二つに割れている
状況下では、この政策対立を軸に、与野党の分化が適正だ !
3)安倍政権下、憲法の破壊が実行されることを防ぐことを、
現時点での最優先課題だ !
4)共産党は、野党共闘によって、自公勢力の退歩に、全面的
に協力する方針だ !
5)民主党と維新の党には、重要政策で、自公と類似した
考えの議員が多数いる !
6)原発、憲法、TPP、基地、格差等について、反安倍政権
の政策を軸に、政治勢力が分化する事が必要だ !
7)オールジャパンは、政策を基軸に、日本政治を変えること
を目指す !
8)自公勢力を退歩させなければならないという喫緊の課題が
あるから、二つの段階で、政治転換を図るべきだ !
9)民主と維新が合流し、さらに、生活と社民も合流する、そして、
共産党と選挙協力を実施するという、「大同団結」をすべきだ !
以上は前回投稿済みです。以下はその続きです。
10)最終的には、政策を軸にした、政党分化を
推進して、主権者のための政権を樹立するのだ !
政治潮流を変えることはできるとの信念を持って、段階的に行動を進展させてゆかねばならない。
これほど重要な問題が山積している時期も少ないのではないか。
原発の稼働が推進されているが、日本の主権者の多数が、原発再稼働に反対の意思を有している。
福島の現状も依然として厳しい。
放射線量の高い土地に、今も多数の国民が居住している。
11)甲状腺がん発症が急増しているのに、
安倍政権は、原発事故との因果関係を認めない !
甲状腺がん発症の急増は、明白であるのに、政府は、原発事故との因果関係を認めない。
このようなリスクに直面しながら、多くの人々が不安な生活を強制されている。
子どもの被曝を避けるために子供を遠隔地に自主避難させる結果、家族がばらばらに暮らす状況を強要されている人々も多い。福島の問題はまだ何も解決していないのだ。
そのなかで、原発の稼働が、推進されている。
しかも、再稼働の基準が、あまりにも低い。
12)安倍政権下、極端に低い、再稼働の基準で、
原発の稼働を、推進している !
2008年に、4022ガルの地震動が、観測されているのに、全国の原発が、500ガルから1000ガルの地震動にしか耐えられない設計で再稼働が進められているのだ。
4022ガルの地震動がつい最近観測されているのに、500ガルから100
0ガルの耐震基準で原発を再稼働してよいわけがない。誰もがそう考えるだろう。
13)樋口英明裁判長は、大飯原発や高浜原発
の再稼働に待ったをかけた !
そして、福井地方裁判所は、このことを根拠に、大飯原発や高浜原発の再稼働に待ったをかけた。
樋口英明裁判長が示したこの判断は、極めて常識的なものである。
ところが、政治権力に支配される日本の裁判所機構は、この樋口判決を否定してしまった。
司法の自殺行為である。
全国の原発が著しく危険な状況で、再稼働されているのだ。
日本国憲法が戦争放棄を定め、集団的自衛権の行使はできないとの憲法解釈が確立され、長い時間を経た。
したがって、集団的自衛権の行使を容認するためには、「憲法改定」が必要である。
14)集団的自衛権の行使を容認するためには、「憲法改定」が必要だが、閣議決定で、容認し、「憲法破壊行為」を継続している !
ところが、安倍政権は、憲法を改定せずに、集団的自衛権の行使を容認する、安保法制=戦争法制を強行制定してしまった。「憲法破壊行為」である。
憲法は政治権力が暴走しないように、政治権力を縛るために存在するものである。
その憲法を、政治権力が破壊するという、暴挙が実行されたのである。
このような事態に対して、圧倒的多数の国民が、安倍政権の対応は、間違っていると判断している。
15)NHK等が、偏向報道しているため、安倍政権の
憲法違反・売国的TPPの本質を知らない国民が多数いる !
TPPについては、その影響が十分に理解されていないために、メディアの誘導に乗ってTPP賛成の考えを持つ国民が少なからず存在するが、TPPの内容をよく知る人ほど、反対論が強い。
日本の農業、医療、保険の各分野に、重大な影響が広がる。
また、食の安全、安心、環境などに、重大な影響が広がる。
そして、TPPの致命的、決定的な問題は、ISD条項が盛り込まれていることである。
16)TPP参加で、農業・医療・保険・食の安全
・安心・環境などに、重大な影響が広がる !
日本の諸制度、諸規制を、日本が決定する権限を失うのである。
主権の喪失、主権の放棄と言ってよい状況が生じる。
辺野古基地建設はなし崩しで推進されており、沖縄県民の総意が踏みにじられている。
そして、各種規制緩和、消費者圧迫・大資本優遇の税制改定により、日本社会は世界有数の格差大国、貧困大国に転落してしまっている。
これらの政策路線を是とするのか、それとも非とするのか。
17)長期自公政権下、日本社会は、世界有数
の格差大国、貧困大国に転落している !
選択する権限を有するのは主権者国民である。
しかし、主権者国民の選択によって政策路線の基本が定められるためには、選挙の際に、政策選択の選択肢が明示される必要がある。
ところが、民主党や維新の党の政策方針が明確でないため、いまのままでは、主権者は、政策を基軸に政権を選択できないのである。
日本政治刷新の道筋は、まだはっきりと見えていない。
18)中長期のグランドデザインを明確に
持ったうえで、改革を推進すべきだ !
そして、日本政治刷新の道のりは、まだ長いと考えられる。
しかし、将来に向けての展望を明確に持ち、その展望に従って、着実に歩を進める必要がある。
一朝一夕にすべてを変えられるものではないが、中長期のグランドデザインを明確に持ったうえで、
あせらず、あわてず、あきらめずに進まなければならない。
FESTINA LENTE!ゆっくり急げ!である。
(参考資料)
1 非正規社員が初の4割突破 !
高齢者再雇用、パート増加 !
(www.tokyo-np.co.jp :2015年11月5日より抜粋・転載)
1987年、非正規社員は、15% !
2015年、40%超 !
2012年、38.2%で、2千万人超だった !
2100万人超 ?
厚生労働省が、11月4日に発表した、就業形態の多様化に関する調査によると、派遣など正社員以外の労働者の割合は、昨年十月一日時点で40・0%で、前回二〇一〇年調査の38・7%から上昇した。
高齢者の再雇用やパート労働者が増えたことが要因で、一九八七年(非正規社員は、15%だった)の調査開始以来、初めて四割(1990年は20%)に達した。
調査の対象は、従業員五人以上の民間企業のほか、今回から公立の学校や病院なども加わった。約一万一千事業所と、そこで働く約三万四千人から有効回答を得た。
この調査では、出向社員を「正社員以外」に位置付けているため、毎月実施されている総務省労働力調査の非正規雇用の分類とはやや異なる。
パートは、全体の23・2%で、契約社員は、3・5%、定年後の再雇用2・7%、派遣2・6%などだった。
2011年時点と比べた正社員数は、27・2%の事業所が減少し、増加の20・6%を上回った。
正社員以外が占める割合は、14・1%が増加、14・2%が減少でほぼ同じだった。
正社員以外を雇用する理由(複数回答)は、「賃金の節約」(38・6%)が最も多く、「仕事の繁閑に対応」、「即戦力、能力のある人材を確保」が続いた。
パートや派遣などで働く理由(複数回答)は、「自分の都合のよい時間に働ける」(37・9%)が最多だった。
* 総務省が、2013年7月12日発表した、2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数(推計)は2042万人と07年の前回調査から152万人増加し、初めて2千万人を超えた。雇用者全体に占める割合も38・2%と2・7ポイント上昇して過去最高を更新した。
U 日本の子供、6人に1人が貧困状態に !
この数年で過去最悪を更新 !
政府は子どもの貧困対策大綱を決定へ !
(真実を探すブログ:20140926185048xzcl;より抜粋・転載)
*2006年から2009年の間に激増:バブル経済が崩壊する前は貧困率が1割程度に抑えられていましたが、1990年頃から徐々に貧困率が増加し、遂には日本の子どもの内、6人に1人が貧困状態になってしまいました。
貧困状態というのは世帯の収入が218万円に満たない世帯の事で、中には1日一食だけというような生活をしている方も居るとのことです。
6人に1人という貧困率は先進国中でもアメリカ並みの最低水準で、民主党政権の頃から政府は本格的な対策に取り組みだしています(OECD諸国で4番目に高い)。
貧困率の激増に伴い、政府は8月に「子どもの貧困対策大綱」をまとめ、教育費負担の軽減や親の就労支援を行っていく方針を発表しました。
具体的な政策はこれから煮詰める予定ですが、教育費支援などを視野に入れていると予想されています。ただ、自民党は貧しい方にお金を使うのが嫌いな政党なので、実際に実現されるかは不透明です。
今年の12月には消費税10%が決まるようですが、このような貧困世帯から見てみると、命の危機に関わる問題だと言えます。
日本は子どもの貧困率だけではなく、母子世帯の貧困率も54.6%で最低クラスです。母子家庭の半分が貧困なんて、酷すぎるレベルを超えています。今直ぐにでも、政府は大規模な貧困対策を行うべきです。
☆子どもの貧困対策大綱決定 ひとり親の高校就学支援も
URL http://www.zaikei.co.jp/article/20140925/215171.html引用:
政府は子どもの貧困率が悪化していることの対応として、貧しい家庭で育つ子どもの教育支援を目標とする「子供の貧困対策大綱」を閣議決定した。
学校をプラットホーム(拠点)として機能させ、福祉機関や児童相談所との連携を強化しながら、多角的に支援を行っていく考えだ。
貧困によって教育の機会が奪われ、大人になっても貧困から抜け出せないという「連鎖」を断ち切るためにも、教育環境の整備は欠かすことができない。:引用終了