米大統領選の共和党候補選びで9/11の公式見解に疑問を示しているトランプが優位で支配層に動揺
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201603010000/
2016.03.01 21:37:25 櫻井ジャーナル
アメリカの大統領選挙で共和党はドナルド・トランプが優位に立っているようで、支配層の一部が動揺しているという。最大の理由は「9/11」。昨年10月、トランプはブルームバーグTVの番組で、世界貿易センターが倒壊したのはジョージ・W・ブッシュ政権の時だと発言しているが、これはブッシュ大統領と9/11との関係を示唆したのだとも考えられている。
https://www.nydailynews.com/news/politics/trump-implies-bush-deserves-blame-9-11-article-1.2400524
トランプが大統領になった場合、隠されてきた9/11に関する情報が開示されたり、再調査する可能性があるが、それを恐れている人たちがいると言われている。
ブッシュ大統領を支えていたネオコン/シオニストは遅くとも1992年初頭の段階で世界制覇プランを国防総省のDPG草案という形で作成した。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
中心的な役割を果たした人物がポール・ウォルフォウィッツ国防次官だったことから『ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。その前年、ウォルフォウィッツはイラン、イラク、シリアの3カ国を5年以内に殲滅すると口にしていた。
このDPG草案をベースにしてネオコン系シンクタンクPNACは2000年に『米国防の再構築』という報告書を発表、「パクス・アメリカーナ」、つまりアメリカによる絶対支配の構造を維持するべきであり、大幅な戦略変更を実現するためには「新たな真珠湾」が必要だと主張している。
https://www.youtube.com/watch?v=TY2DKzastu8
2000年にはアメリカで大統領選挙があった。投票妨害や票数のカウントに不正がある指摘された選挙だが、結局、最高裁の力でジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した。そして、その年の9月11日、「新たな真珠湾」攻撃が引き起こされた。ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのだ。この攻撃を切っ掛けにしてブッシュ政権は国外で侵略戦争、国内でファシズム化を進めはじめる。
アメリカの支配層はファシズム化の準備を遅くとも1982年に始めている。ロナルド・レーガンが大統領が出したNSDD55によって「COGプロジェクト」が承認されたのだ。
このプロジェクトは二重構造になっていて、ジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたち上部組織と、ホワイトハウスの役人、将軍たち、CIAの幹部、「引退」した軍人や情報機関員など数百人で編成される下部組織に分けられていた。
このプロジェクトのベースになったのはドワイト・アイゼンハワー政権で計画された核戦争後の「秘密政府」。これが発展した形で1979年にFEMAが組織された。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)そこからCOGは始まるのだが、1988年に出された大統領令12656によって対象は核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更される。そして2001年9月11日に「国家安全保障上の緊急事態」が起こったと判断されたわけだ。
この「緊急事態」が起こる半年前、3月4日にアメリカでは「9/11」を彷彿させるドラマが放送されている。人気シリーズ「Xファイル」のスピンオフ、「ローン・ガンメン」の第1話「パイロット」だ。旅客機がハッキングされてコントロール不能になり、世界貿易センターへ突入させられそうになるというストーリーだった。このドラマでは危ういところでビルを避けることができた。
放送のあった3月、財務長官だったポール・オニールはイラクへの軍事侵攻と占領について具体的に話し合い(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)、NSC(国家安全保障会議)でイラク侵攻計画を作成していることを知ったという。(Len Colodny & Tom Shachtman, “The Forty Years War,” Harper, 2009)
9月11日には4機の旅客機がハイジャックされたと言われている。そのうちの2機、つまりAA(アメリカン航空)11便とUA(ユナイテッド航空)175便がニューヨークの世界貿易センターにあった高層ビル2棟に激突、AA77便がペンタゴンへ突入し、UA93便はピッツバーグとワシントンとの中間で墜落したことになっている。
AA11便が大きくコースを外れたのが8時20分で、突入したのは午前8時46分。UA175便は8時42分にコースを外れ、突入したのは9時3分。コースを大幅に外れた時点で異常事態が発生したと判断するのが当然で、本来なら、FAA(連邦航空局)はNORAD(北米航空宇宙防衛軍)と連携して迅速に対処しなければならない。
この間、NORADは反応せず、戦闘機も緊急発信しなかった。NMCC(国家軍事指令センター)が機能しなかったことが原因だと言われている。NMCCの最高責任者は統合参謀本部議長で、当時はヘンリー・シェルトン大将。問題の時刻にはヨーロッパへ向かう途中で、大西洋上空にいた。
そこでリチャード・マイヤーズ副議長が指揮しなければならなかったのだが、この人物もペンタゴンにはいなかった。ちなみに、事件の数日前、マイヤーズはシェルトンの後任議長に内定している。
2001年6月頃に国防総省で出された文書にも戦闘機が緊急発進しなかった理由だと言われている。いかなる要撃も国防長官、つまりドナルド・ラムズフェルドの許可が必要だという命令だった。9月11日にチェイニー副大統領がNORADに対して要撃を許可したのは10時31分だった。(Peter Dale Scott, “The Road To 9/11”, University of California Press, 2007)
旅客機が突入した高層ビルは9時59分の10時28分に崩壊している。まるで解体作業のようで、違和感を覚えた人は少なくないだろう。実際、多くの専門家が疑問を表明している。そして午後5時20分、攻撃を受けていない7号館が、やはり解体作業のように崩壊した。
崩壊したビルの鉄骨は溶けているのだが、そのためには1500℃まで上昇する必要がある。航空機の燃料は突入してすぐに燃え尽きたはずで、このケースでは900℃前後だったと見られている。ビルの構造と航空機の強度を考慮すると、航空機によって力学的に破壊されたという説明にも説得力はない。
7号館の崩壊はさらに謎だ。このビルにはシークレット・サービスやCIAのオフィスもあり、エンロン関係の資料も保管されていたと言われている。この崩壊でエンロンの不正を追及することは困難になった。
ペンタゴンが攻撃されたのは9時27分。AA77が突入したとされているが、映像の中に旅客機が見当たらない。周辺に設置されていた監視カメラが撮影したはずの映像は公表されていない。
公式発表のような形で旅客機がペンタゴンへ突入したとすると、大きく右へ旋回しなければならず、超低空で、しかも街灯を倒すことなく飛行したことになる。ペンタゴンの壁に開いていたのは直径約五メートルの穴で、防衛システムが機能しなかったことも謎。ペンタゴンには対ミサイル装置が5セット設置されているが、反応しなかったのである。
そのほかにも謎は多く、「9/11」の公式説明に納得していない人は多い。2003年9月にはイギリスの議員で1997年から2003年まで環境相を務めていたマイケル・ミーチャーも疑問を呈していた。
http://www.theguardian.com/politics/2003/sep/06/september11.iraq
イギリスでアメリカのネオコンと結びつき、イスラエルを資金源にしていた政治家はトニー・ブレア。昨年9月12日に行われた労働党の党首選でジェレミー・コルビンがブレア人脈を破った。コルビンは労働党を本来の姿に戻そうと考えている人物で、党の幹部はコルビンに投票しそうなサポーターを粛清、つまり投票権を奪うなどの妨害活動を続けていた。ミーチャーとコルビンは近い関係にあったようだが、ミーチャーは10月20日に急死した。
アメリカ支配層が国内でファシズム化、国外で軍事侵略を始める切っ掛けになった出来事が9/11。この攻撃には多くの疑惑があり、少なくとも公式見解には説得力がない。そうした疑惑を政治家や有力メディアは封印してきたが、トランプが人びとの疑問を噴出させる引き金になる可能性があり、アメリカの支配システムが揺らぐだけでなく、サウジアラビアやイスラエルへ波及することは間違いない。