増える「非正規シングル女性」、約7割が年収250万円未満 若い人ほど初めから非正規、7割以上が「収入を増やしたい」
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/trend/15/103776/022600118/?ref=zy
2016年2月26日 日経ウーマンオンライン
女性の非正規雇用というとパートの主婦などがイメージされがちだが、非正規で働くシングル女性が増加傾向にある。そんな女性たちの現状の悩みや将来に対する不安が、横浜市男女共同参画推進協会らによる調査から浮き彫りになった。
調査は、同協会と大阪市男女共同参画のまち創生協会、福岡女子大学の野依智子教授が共同で実施。横浜市、大阪市、福岡市を中心に非正規職で働いている子どものいない35歳―54歳の独身女性261人から回答を得た。
最初に就いた仕事の就業形態を聞くと、半数以上(52.1%)が正規職だった。初職が正規職だった割合を年代別で見ると、35―39歳が29.5%、40―44歳が57.0%、45―54歳が69.1%と、若い年代ほど初めから非正規職が多い。
年収(全体、年代別、学歴別、就業形態別、同居の有無態別)
現在の年収は、「150万円未満」が28.4%、「150万―250万円未満」が39.8%、「250万円以上」が31.8%で、250万円未満が約7割を占めた。年収は、年代が上がるほどやや少なく、学歴が高いほど多い傾向が見られる。
就業形態別の年収を見ると、「契約・委託」では「250万円以上」が約半数(49.3%)と最も多いが、「派遣社員」では「150万―250万円未満」が過半数(52.5%)を占め、「パート・アルバイト」では6割以上(64.2%)が「150万円未満」となっている。
週あたりの労働時間は、「40時間以上」(37.5%)が最も多く、次いで「30―40時間未満」(35.6%)と、7割以上が30時間以上働いている。また、仕事のかけもちをしている人は約3割(30.7%)だった。
非正規職に就いている理由は、「正社員で働ける会社がなかったから」(61.7%)が群を抜いて多く、不本意に非正規職についている人が多いことが分かる。
非正規職に就いている理由
現在の悩みや不安を聞いてみると、「仕事」(83.9%)と「老後の生活」(83.8%)がトップ2に挙げられた。次いで「健康」(60.9%)、「家族の世話・介護」(51.0%)、「独身であること」(50.6%)が続いた。「健康」を挙げた割合は、「年収150万円未満」「パート・アルバイト」において7割前後と特に高い。
現在の悩みや不安
仕事に関する悩みや不安を聞くと、8割以上(82.4%)が「収入が少ない」、約6割(59.4%)が「雇用継続(解雇・雇止め)の不安」を挙げた。
仕事に関する悩みや不安
今後の希望としては、「収入を増やしたい」(72.0%)が圧倒的に多かった。また、「非常勤」「契約・嘱託」の人では「正社員になりたい」との希望が半数を超える一方、「年収150万円未満」「パート・アルバイト」の人からは「ゆっくりペースで働きたい」との回答が多かった。
今望んでいること、目指したいこと
利用したいサポートとしては、「仕事に必要なスキルアップの場」(39.1%)、「職業訓練・資格取得支援」(38.3%)など、仕事に関する項目が上位に選ばれたほか、「心身がリフレッシュできる場」(36.0%)や「同じ立場の人たちとの交流の場」(28.4%)など、悩みを打ち明けたり不安を解消したりする環境を求める声も目立った。
利用したいサポート
■関連情報
・横浜市男女共同参画推進協会のWebサイト http://www.women.city.yokohama.jp/
・大阪市男女共同参画のまち創生協会のWebサイト http://www.danjo.osaka.jp/
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取材・文/鈴木 英子=ニューズフロント、写真/PIXTA