安倍政権の閣僚たち
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2016年02月13日 在野のアナリスト
自民党の宮崎議員が不倫で辞職を発表しました。しかしまったく意味不明です。例えばプロスポーツの選手が、不倫で引退などしないように、家庭がどうだろうと本業の実力で評価されるからです。確かに育休という家庭を大事にする姿勢と、不倫とは整合しませんが、それこそ別の自民議員は選挙さえ経れば禊が済んだ、として判断は有権者に委ねてきた。今回は単に、本人が議員辞職するからこれ以上の追及や批判を止めてください、という情けない姿しかありません。
信なくば立たず、と安倍首相の口癖をつかいましたが、下品な言い回しをするなら、良いネタを提供したようなもの。この辺りから推察するに、世論の動向をみて、早ければ夏の参院選の比例名簿に名前が載るかもしれません。安倍官邸が辞職させた、とされますが、安倍氏が余計な追求をされたくなかったためと、もう一つは記者会見で成功し、世論の同情を集めればすぐにでも議員に復活させてあげる、との口約束が早めの決断を促したのではないか。しかし世界の皆様に謝罪、など誇大妄想に過ぎるのであって、失笑を買っています。また、早めに辞職させることで民主への攻撃材料をつくったつもりでしょうが、上記したように政治家としての活動と、家庭のことは別。不倫ぐらいで辞職するなら、議員の半分近くがそうなるかもしれません。そもそも「申し訳ないことをした」と述べますが、バレるまでは謝罪する気もなく、バレても誤魔化そうとした。何が「申し訳ないこと」なのか? と言えば「バレたこと」としか、現時点では思えないのです。
安倍政権が、第一次の末期的症状に似てきました。島尻沖縄・北方担当相が『歯舞』を読めなかった件。「はぼ…」でつまっており、漢字で書いてあったとしても、そのまま読めばよかった。つまりこれはど忘れや、漢字の不勉強などではなく『はぼまい』という言葉が正解なのか? それを躊躇ったというのが真相でしょう。北方担当相になって4ヶ月、歯舞という言葉さえあやふやなまま、大臣を務めてきたなんて、安倍政権の北方領土への関心の低さがうかがえるというものです。
丸川環境相の発言も、本人は抗弁するつもりが、安倍官邸の一喝で謝罪に追い込まれた。長引かせて首相のお腹を痛くするな、ということでしょうが、どうして丸川氏が1mSvに根拠がないなどと言ったのか、その根拠は? 誰にも相談せず…とは誰に相談した結果、そういう話を耳にしたのか? 何も答えませんでした。単なる思い込み? だとしたら、閣僚としての資質がないばかりか、要注意人物ということになるのでしょう。単なる思い込みで政策を打つことは危険に過ぎます。
岩城法務相はまともな答弁ができず、質問と官僚の用意した答弁とどの部分がそれに当たるかも分かっていない始末。能力不足も問題ですが、特にTPPに関して、国内法と国際法との違いが分からないなど、致命的です。政治の立場からTPPを、法的にコントロールできないことを端的に示している。官僚に任せておけばいい、ではTPPの利点なども実はまやかしに過ぎないのかもしれない。官僚は国民のために仕事をする必要がなく、効果や影響を誤魔化しても責任はとらずに済むのですから、この政権では政治の統制など機能せず、語られる数字も怪しい、そう思わせます。
そして高市総務相の「電波停止」発言です。一つの番組でも、公平性を保てなかったら事業者として電波を停止させられる恐れがある。これは報道を萎縮させる懸念、という以上に、公平という言葉そのものを歪ませる恐れがあります。政策の実現力があるのは与党しかありません。政策を批判する、ということは与党を批判する、となる。つまり政策の悪い面ばかりでなく、良い面も報じないと、公平性を保てない可能性があります。しかし現実に悪影響の方がめだっても、良い面について伝えると、政策の良否の判断がつかなくなる恐れがあります。つまり100人中、99人が不満でも、1人が満足ならそれを公平に伝えなければならない。これは非常に危険です。
上記の問題の幾つかで「民主党の頃も…」といった反論を、安倍政権はします。しかし民主党がそんなに悪くて、批判するなら、なぜ真似をするのか。真似をした時点で、それはもう批判できない。同じ穴のムジナになったのであり、民主党の頃も…は、自分自身が批判する民主と、自分たちが同じであると認めたことになるのです。相手が悪いことをしていると批判しておいて、その真似をするなら、そちらの方がよほど『悪どい』と云えるのでしょう。「信なくば立たず」を掲げても、安倍政権の閣僚たちは「信なく、役立たず」というのが実情なのかもしれませんえ。