安倍首相「マスコミは萎縮していない。日刊ゲンダイを見ろ」。一般国民「日刊ゲンダイだけかよ」。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/8f87def32dfc7fc65857bb62714d61d8
2016年02月05日 Everyone says I love you !
萎縮していない報道機関を挙げる方がかえって難しい。
テレビ朝日の報道ステーション、TBSのNEWS23、NHKのクローズアップ現代と、次々と安倍政権に批判をしたことのあるキャスターが辞めていっている現状を踏まえ、2016年2月4日、民主党の階猛(しな たけし)議員が安倍首相に対して、自民党の憲法改正草案について
「表現の自由を制限し、言論機関を萎縮させる」
「言論機関が権力者の意向を忖度(そんたく)し、権力者への批判を控えるようになるのではないか」
「現に安倍政権に批判的なテレビキャスターやコメンテーターが、次々と番組を降板することが決まっている。
こういったことが、民主主義の健全な発展にもマイナスだと考えます」
と質問しました。
安倍晋三マスコミの萎縮vs階猛【全】2/4 衆院・予算委
二人のこの質疑応答は16分20秒あたりから。
これに対して、安倍首相は
「現在、まるで言論機関が萎縮しているかのような表現があったが、全くしていない」
「今日、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」
「全く萎縮していない。むしろ言論機関に対して失礼だ」
と反論したというのですが。
これ、前も同じような問答がありましたよね。
安倍首相「本当に萎縮しているのであれば報道機関にとって恥ずかしいこと」とはあきれてものが言えない。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/6e635e4920db2d83f81ae7cfed5a5992
・
自分が圧力をかける側なのに、よく言うよ!星一徹か!!
まず、この問答をテレビ朝日と朝日新聞、TBSと毎日新聞、NHKが全く報道していないのが情けない。
次に、このやり取りを嬉々として報道しているフジテレビと産経新聞が、自分たちは萎縮していないマスコミとして挙げてもらっていないことが恥だということに全く気付いていないことがさらに恥ずかしい。
何も起こらないし、何も報道しない読売新聞と日本テレビはもともと恥ずかしい。
安倍首相は
「萎縮している機関があるなら言っていただきたい」
「外国から誤解される恐れがある。まるでそんな国だと思われるわけでありますから」
と言ったというのですが、当の圧力をかけている為政者が、萎縮していないマスメディアの例として、夕刊紙の日刊ゲンダイしか挙げられないほど、日本のマスコミは萎縮しているのだと思うと、目の前が真っ暗になります。
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NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか
上村 達男 (著)
東洋経済新報社
NHK前経営委員による最新刊。
「籾井会長は経営委員会が指名したのですから、私にも経営委員の一人としての責任があることは間違いありません。(中略)本書のような書物を出版することで、問題のありかをすべてさらけ出し、NHKの今後のあり方を検討するための素材を提供することこそが、私にできる責任の取り方と考えるほかはありませんでした。」
国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)
古賀茂明 著 kindle版
KADOKAWA / 角川書店
日本人にとって“今、そこにある危機”戦争への道を回避するには!?安倍政権による“軍事立国”化を食い止めよ!日本版NSC設置法、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使…「恐怖の三点セット」の真意とは?
安倍政権のネット戦略 (創出版新書)
津田 大介 (著), 香山 リカ (著), 安田 浩一 (著), 鈴木 邦男 (著), 中川 淳一郎 (著)
創出版
第1章 なぜ安倍首相をネット右翼は支えるのか 津田大介×安田浩一×鈴木邦男 第2章 安倍政権はネットをどう利用しているのか 中川淳一郎 第3章 民主党政権と安倍政権のメディア対応はどこが違うのか 香山リカ×下村健一×マエキタミヤコ 第4章 安倍首相からの「批難」に応える 香山リカ 第5章 私が体験したニコニコ動画と政治との関わり 亀松太郎 第6章 ヘイトスピーチ繰り返すネット右翼「嫌韓」の背景 安田浩一 第7章 安倍政権はマスメディアにどう対応したか 高野孟 あとがきに代えて マスメディアに何が問われているのか 篠田博之
安倍政権の罠: 単純化される政治とメディア (平凡社新書)
清水克彦 著
平凡社
「一強」時代を作っているのは誰か。経済政策、TPP、改憲、原発、普天間移設…重要課題が単純化される今だからこそ、それらを自分の頭で考えるためのヒント。
総理大臣にここまで愚弄されて、平気なんですか、マスメディアの皆さん。
奮起してください!!
安倍首相、TVキャスター次々降板に言及 言論の自由「萎縮しない」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00315414.html
02/04 18:19 FNN
4日の衆議院予算委員会で、安倍政権に批判的だとされるニュース番組のキャスターらが、相次いで降板することについて、安倍首相の見解が問われた。
民主党の階 猛衆院議員は「安倍政権に批判的なテレビキャスターやコメンテーターが、次々と番組を降板することが決まっている。こういったことが、民主主義の健全な発展にもマイナスだと考えます」と述べた。
安倍首相は「言論の自由、表現の自由は、まさに民主主義を担保するものであります。(この質問自体が)むしろ、言論機関に対して、わたしは失礼ではないかと思います」と述べた。
さらに、民主党の階議員は、自民党の憲法改正草案が、公益を害する目的の行動などは認められないとしていることが、言論機関の萎縮につながっていると懸念を示したのに対し、安倍首相は、「萎縮している報道機関があれば、具体的に言っていただきたい」と強く反論した。
【衆院予算委】安倍首相が「言論圧迫」批判に猛反論 「日刊ゲンダイ読んで。これが萎縮している姿か?」
http://www.sankei.com/politics/news/160204/plt1602040035-n1.html
2016.2.4 15:00 産経新聞
衆院予算委員会で民主党の階猛氏の質問に答弁に立つ安倍晋三首相=4日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
「今日、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」
安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、民主党の階猛氏が自民党の憲法改正草案について「表現の自由を制限し、言論機関を萎縮させる」と指摘したのに対し、笑顔でこう反論した。
「日刊ゲンダイ」は「夕刊フジ」「東京スポーツ」に並ぶ三大夕刊紙の一つだが、突出した自民党・公明党の連立政権批判で知られている。
階氏は「言論機関が権力者の意向を忖度(そんたく)し、権力者への批判を控えるようになるのではないか」と懸念を示し、「現に今も安倍政権に批判的なテレビキャスターやコメンテーターが次々と番組を降板している。民主主義の健全な発展にもマイナスだ」と追及した。
これに対し、首相は「現在、まるで言論機関が萎縮しているかのような表現があったが、全くしていない」と反論。「日刊ゲンダイ」の報道姿勢を紹介しながら、「全く萎縮していない。むしろ言論機関に対して失礼だ」とも述べ、階氏の指摘をたしなめた。
首相、「報道の萎縮」の指摘に「ゲンダイを読んでみてください」 衆院予算委員会
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160204/plt1602041900005-n1.htm
2016.02.04 夕刊フジ
衆院予算委員会で民主党の階猛氏の質問に答弁に立つ安倍晋三首相=4日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
「今日、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」
安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、民主党の階猛氏が自民党の憲法改正草案について「表現の自由を制限し、言論機関を萎縮させる」と指摘したのに対し、笑顔でこう反論した。
「日刊ゲンダイ」は「夕刊フジ」「東京スポーツ」に並ぶ三大夕刊紙の一つだが、突出した自民党・公明党の連立政権批判で知られている。
階氏は「言論機関が権力者の意向を忖度(そんたく)し、権力者への批判を控えるようになるのではないか」と懸念を示し、「現に今も安倍政権に批判的なテレビキャスターやコメンテーターが次々と番組を降板している。民主主義の健全な発展にもマイナスだ」と追及した。
これに対し、首相は「現在、まるで言論機関が萎縮しているかのような表現があったが、全くしていない」と反論。「日刊ゲンダイ」の報道姿勢を紹介しながら、「全く萎縮していない。むしろ言論機関に対して失礼だ」とも述べ、階氏の指摘をたしなめた。
安倍首相「ゲンダイを読んで」報道機関の萎縮否定
http://www.nikkansports.com/general/news/1600658.html
[2016年2月4日15時19分] 日刊スポーツ
「今日の夕方、日刊ゲンダイを読んでくださいよ。(報道内容が)萎縮していますか。私はむしろ、報道機関に失礼だと思います」。
安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、自身に批判的だったテレビ局のキャスターらが相次いで降板している背景に、報道機関の政権に対する萎縮があるのでは、と指摘され、こう反論した。民主党の階猛議員に問われたもので、「外国に誤解される。まるでそんな(報道統制のある)国だと思われる」とも述べた。
夕刊紙の「日刊ゲンダイ」は、首相や安倍政権に対し、批判的な論調で知られる。
報道機関は、中立性が求められるのが一般的な立場だ。首相は、報道機関の萎縮を否定する一方で、「私を弁護する立場を、貫き通しにくいという人もいる」とも、発言した。
【衆院予算委】安倍首相に名指しされた日刊ゲンダイがコメント 「権力にこびることなく自由に報道している」
http://www.sankei.com/politics/news/160204/plt1602040037-n1.html
2016.2.4 15:46 産経新聞
衆院予算委員会で民主党の階猛氏の質問に答弁に立つ安倍晋三首相=4日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
4日の衆院予算委員会で、自民党憲法改正草案を受けて言論機関が萎縮するという野党の指摘に対し安倍晋三首相が「萎縮していない」報道機関として例示した日刊ゲンダイ編集部は4日、産経新聞の取材に「権力にこびることなく、自由に報道している自負がある」とするコメントを寄せた。
同紙は突出した自民党・公明党政権への批判で知られるが、編集部は「夕刊紙が時の政権を過激な表現を使いながら批判するのは当たり前で、健全な民主主義にとって必要不可欠だ」とした。
一方で、「日刊ゲンダイが自由に報道していることで、報道の自由全体が確保されているとの主張はあまりにもご都合主義ではないか」と安倍首相への批判も忘れなかった。
首相は4日の衆院予算委員会で、民主党の階猛衆院議員から「言論機関が権力者の意向を忖度(そんたく)し、権力者への批判を控えるようになるのではないか」と問われた際、表現の自由の重要性を語ったうえで、「今日、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」と笑顔で反論。「全く萎縮していない。むしろ言論機関に対して失礼だ」とも述べ、階氏の指摘をたしなめた。
「日刊ゲンダイがあるんだから報道の自由は守られてる」とネトウヨ答弁した安倍首相に官邸の報道介入の実態を改めて突きつける!
http://lite-ra.com/2016/02/post-1952.html
【この記事のキーワード】安倍晋三, 水井 多賀子 2016.02.05 リテラ
自由民主党HPより
詭弁はここまで極められるものなのか、と思わず感心しそうになった。無論、安倍晋三首相が昨日国会で述べた“仰天発言”の話だ。
それは民主党の階猛議員の質問が発端だった。階議員は憲法21条「表現の自由」が、自民党憲法改正草案では制限がかけられていることを説明した上で、このように改憲されれば「国民、ひいては言論機関が萎縮して権力者の意向を忖度し、権力者の批判を控えるようになるのでは?」と質問。「現に今も安倍政権に批判的なテレビキャスターやコメンテーターが次々と番組を降板している」と、『NEWS23』(TBS)や『報道ステーション』(テレビ朝日)、『クローズアップ現代』(NHK)のキャスター降板劇を取り上げた。
だが、安倍首相は「現在、まるで言論機関が萎縮しているかのような表現があったが、まったくしていない」と反論し、いつものニヤケ面を浮かべながら、こう言い出したのだ。
「きょう、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ(笑)。これがですね、萎縮している姿ですか?」
おいおい、日本の代表的言論機関が日刊ゲンダイって、そりゃないだろう(失礼)。たしかに日刊ゲンダイは政権批判に力を入れているが、ここまではっきり批判を書いているメディアなんて、あとは、しんぶん赤旗と本サイトくらい。日刊ゲンダイ編集部も「日刊ゲンダイが自由に報道していることで、報道の自由全体が確保されているとの主張はあまりにもご都合主義ではないか」と安倍発言に対して反論コメントを出しているが、まったくその通りである。
しかも、安倍首相はつづけてヒートアップして、こんなことまで口走っていた。
「萎縮はしないんですよ、毎晩の報道を観ていただければわかるように。それはですね、むしろ言論機関に対して失礼だ」
「萎縮している機関があるなら言っていただきたい」
「外国から誤解される恐れがある。まるでそんな国だと思われるわけでありますから」
いや、「毎晩の報道」を観るかぎりNHKや日本テレビ、フジテレビなどは萎縮どころか、政権の代弁者と化しているし、気を吐いていた古舘伊知郎や膳場貴子キャスター、岸井成格は姿を消してしまうではないか。それに「外国から誤解される」と言うが、誤解でもなんでもなく“事実”だとわかっているから、昨年11月、国連の「表現の自由」特別報告者の来日を政府は中止させたのではないか。だいたい、「報道の自由ランキング」では民主党政権時の2010年は11位だったのに昨年は61位まで大幅ランクダウンしているが、これこそが海外から見た客観的な評価なのだ。
さらに、調子に乗った安倍首相は、「安倍政権を弁護する立場の言論のほうはですね、なかなか貫き通しにくい雰囲気すらあるという人もいるわけで」と口にした。もうここまでくると、ネトウヨによる陰謀論にひたり過ぎじゃないかと心配になってくるが、無知な首相のために教えてさしあげよう。“政権を弁護する報道”なんてものは、もはや報道とは呼ばない。ジャーナリズムは権力の監視が使命なのだから、それを捨てて権力にすり寄る報道は「大本営発表」と言うのだ。
本サイトでは繰り返し伝えてきたが、今回のキャスター降板劇のすべてに官邸がかかわっているのは明白な事実である。
まず、『クロ現』の場合、14年に国谷裕子キャスターが集団的自衛権の行使容認について「他国の戦争に巻きこまれるのでは」「憲法を解釈で変えていいのか」と当然の質問を菅義偉官房長官に投げかけたが、番組終了後に秘書官が激怒。官邸はNHK上層部に対して「君たちは現場のコントロールもできないのか」と猛抗議したという。つまり、国谷キャスターは官邸からずっと目をつけられており、NHKはやらせ問題を逆に“隠れ蓑”にして降板させたのだ。
また、『報ステ』に対しては、川内原発報道をめぐるBPO審査を口実にテレ朝上層部へ介入。イスラム国人質事件をめぐって古賀茂明氏による例の「I am not ABE」発言が飛び出すと、菅義偉官房長官がオフレコ懇談で「放送法に反している」と恫喝、菅氏の秘書官が番組編集長に「古賀は万死に価する」というメールを送付した。これに怯えた上層部がずっと『報ステ』を圧力から守ってきた番組プロデューサーと古賀氏を更迭。それが最終的に古舘の降板につながっていったのだ。
そして、『NEWS23』は、14年12月に安倍首相が生出演した際に街頭インタビューにケチをつけたことがきっかけだった。自民党は報道圧力文書をキー局に送りつけ、官邸はことあるごとに『NEWS23』と膳場アナを目の敵にするようになる。そして、岸井氏が安保法制批判を始めると、菅官房長官がお忍びで岸井氏の勉強会に出かけたり、官邸幹部がTBS上層部に直接、岸井氏更迭を働きかけるなど、岸井氏への揺さぶりも開始。そして、これに呼応するように、安倍首相の応援団である極右団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が岸井攻撃の新聞広告を出稿。TBSが岸井、膳場ふたり揃って番組降板という選択に至ったのである。
放送法を曲解して解釈し、平気で番組に介入する。それは「圧力」そのものであり、こうしてテレビ局は官邸が嫌うキャスターたちの首を斬り捨てていった──。これを「萎縮」と呼ばないで、何と表現しろと安倍首相は言うのか。
だが、そんなことは馬の耳に念仏、この人の耳には届かないだろう。というのも、安倍首相の“クレーマー”ぶりは、根っからのものだからだ。
その事実を暴露しているのは、評論家・佐高信氏の著書『不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想』(集英社新書)だ。佐高氏は、久米宏がキャスターを務めていた『ニュースステーション』のコメンテーター時代、証券スキャンダルによって発覚した損失補填問題に絡めて、三塚博の名を挙げ、ブラックジョークを飛ばしたのだが、これに激怒したのが安倍晋三だったという。
〈(佐高氏のコメントが)三塚派(清話会、現町村派)の面々の怒りを買った。当時まだ一年生議員だった安倍晋三が、選挙区から猛抗議の電話をかけてきた、と後で聞いた〉
一年生議員にして、すでに現在に通じる抗議癖を身につけていた安倍首相。そしてもうひとつ、佐高氏は本書で安倍首相の本質が垣間見えるエピソードを紹介している。
〈ポスト小泉(純一郎)の自民党総裁選挙の時、「筑紫哲也 NEWS23」で候補者の討論番組をし、筑紫が、「自民党の改憲案を読んで失望すると同時に安心もした。こんなものが理想になるはずがないと思ったから」と言ったら、安倍が、「筑紫さんが失望したというのはよい改正案である証拠だ」と返して来たという〉
安倍首相が仮想敵に仕立て上げる定番中の定番は「朝日新聞」だが、各局のキャスター陣のなかでも安倍氏は朝日新聞出身の筑紫氏がとくに嫌いだったらしい。佐高氏も〈(筑紫氏は)憎悪の対象とされたと言ってもいい〉と書いているが、事実、安倍氏がNHKのドキュメンタリー番組に介入、改変を迫ったという「番組改変問題」が朝日新聞によって報じられた際、安倍氏は『NEWS23』に出演。敵意剥き出しで筑紫氏に“番組に圧力などかけていない”と抗弁したが、それだけでは飽き足らず、タカ派雑誌「諸君!」(文藝春秋/休刊)に登場して筑紫氏をこき下ろした。
〈今回の件で朝日新聞社の姑息な論点のすり替えや、お粗末なこじつけを、元社員である筑紫氏が自ら明らかにしてしまったのです〉
〈なるほど、これが朝日系の人々の発想なのか、と私は心中深く納得するものがありました〉
「姑息な論点のすり替えや、お粗末なこじつけ」って、そりゃアンタの得意技だろう、と思うが、それにしてもすさまじい憎悪である。きっと、このころから安倍氏は何も変わっていないのだ。昔から自分を「弁護」しないメディアはおしなべて「敵」であり、政治家が直接圧力をかけるのも当然の行為だった。そう考えれば、憎き筑紫氏は鬼籍に入ったものの、今回そのイズムが継承された『NEWS23』を骨抜きにしたことは、安倍首相にとって「ようやく宿敵を討った」といったところなのだろう。
一体、この恐ろしい事態を、安倍首相に敵視されつづけた筑紫氏は草葉の陰からどんな思いで見ているのだろうか。筑紫氏にとって最後の出演となった『NEWS23』2008年3月31日の「多事争論」では、「変わらないもの」と題し、“『NEWS23』のDNA”について、こう語っている。
「力の強いもの、大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること。それから、とかくひとつの方向に流れやすいこの国のなかで、この傾向はテレビの影響が大きいんですけれども、少数派であることを恐れないこと。多様な意見や立場をなるだけ登場させることで、この社会に自由の気風を保つこと」
暴走首相の手によって、こうした志がテレビから失われようとしている。そしてその先に待ち受けるのは、いよいよ戦前の社会だ。それを食い止めるためにも、日刊ゲンダイともども、本サイトは今後も「萎縮しない」所存だ。
(水井多賀子)