HPやパンフレットは必ずチェック(キースツアーHP)
旅行関係者が教える悪質「格安ツアーバス」の見極め方
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/173757
2016年1月22日 日刊ゲンダイ
15人の命を奪ったスキーツアーバス転落事故で、経費削減に走ったバス会社のずさんな安全管理が問題になっている。
国交省は、2012年に群馬県の関越自動車道で乗客7人が死亡した事故を受けて旅行業法を改正し、バス会社が運行する「高速ツアーバス」に規制をかけた。そのため、多くの中小・零細バス会社は、旅行代理店が販売する基準の緩いツアーの“下請け”に転向したという。もっとも、すべての格安ツアーバスが危ないわけじゃない。バス業界の実態に詳しい旅行業関係者に、匿名で5つの見極め方を教えてもらった。
■電話で「運行指示書」の有無をチェック
「ホームページやパンフレットに、企画と主催で旅行業者の名前が2つ書いてあることがあります。旅行業の免許のある会社が名義貸しし、実態は免許のない会社が企画・主催しているケースがあるので疑った方がいい」
「同じような行程の大手旅行会社のツアーを探して、比較してください。最大1割安いくらいならセーフ。それ以上安いなら、やめた方がいい。国内旅行は原価が分かりやすく、同じ場所に行くのにほとんど開きはないはずです」
「昼間なら2時間に1回、夜なら2〜3時間に1回程度、トイレ休憩があります。大手のツアーなら、『○○道を走る』などのルートと、サービスエリア名が明示されているはず。書いていなければ、電話で問い合わせる。本来なら『運行指示書』を読み上げるはずですが、すぐ答えられないならルートは曖昧ということ。中小・零細の場合、旅行会社とバス会社の間にワンクッション置いていることがあり、そうなればルートなど知る由もないでしょう」
■事前にバス会社が分からないツアーは危険
「冬季または夏季に限定していると、バス会社との付き合いも限定的になる。コミュニケーションが取れていない可能性があります」
「ツアー会社はバス会社を明示する必要があります。どこのバスを利用するか聞いてください。電鉄系なら安心。まともな会社なら、せめて数社を挙げて『この中のバスになる』と伝えますが、ツアーの発表時点で決まっていないなら危険です。大手は人が集まる前に手配しますが、中小・零細は最少催行人数が集まってから手配します。ギリギリだから、どの程度の会社になるかは分からないのです」
格安にこだわるなら、片道の路線型バスを利用するのも手だ。交通ジャーナリストの間貞麿氏は言う。
「格安ツアーよりは割高になりますが、片道の路線型バスなら参入している会社も大手・準大手で、安全管理がなされています。また、この時季の一般道は雪道でもチェーンをつけていない普通車がたくさん走っている。特に夜間は高速を走るバスを利用した方がリスクは少ないでしょう。ただし、『名神高速』は避けたい。カーブ、直線、カーブ、直線とバランスの悪い構造のため、事故を起こしやすいのです」
安さにこだわるなら最低限のリスク管理は必要だ。