お正月には赤いイクラやとびこ、タラコなどを控えることなく取って、健康で一年を乗り切りたい。
“体に悪い”は誤解!魚卵を食べなければいけない3つの理由
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151221-00010006-jisin-soci
女性自身 12月21日(月)6時1分配信
「ようやく『コレステロールを制限すること』が間違いだという見解が普及し、それにより魚卵は体に悪いという風評被害はやっと払拭されました。じつは、魚卵は健康にとってプラス面が多く、それを避けることのほうがマイナスなのです」
こう語るのは、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構研究院教授の矢澤一良先生。近年、魚卵に含まれるコレステロールや塩分の多さが健康に影響することを懸念し、食べ控えの傾向が顕著だった。しかし、ここにきてそれが誤解だったことが明らかになった。むしろ、体にいい成分がたくさん含まれているとか。
「魚卵には、体にとって有効性が確認されている成分が非常に多く含まれているのです。それがDHA、EPA、アスタキサンチンです。それを摂取しなくなることのほうがむしろ危険です。どんな食物も食べすぎはいけないが、取らないことの弊害もあるのです」(矢澤先生・以下同)
これらの成分について、矢澤先生が解説してくれた。
【DHAで認知症を予防】
「DHAは、今日よく知られているように脳によい影響を与えることで注目されています。脳年齢の若返りとともに、学習能力の向上や認知症の予防などにもその成分の摂取が推奨されていますから、子供から高齢者まで取るべきです。また循環器系や肝臓系の疾患の予防や、がん予防などにも役立つことが知られています。さらに、後述するEPAと同様に、中性脂肪を下げる効果も期待できます」
【EPAで動脈硬化を予防】
「EPAは’90年に医療品になっています。閉塞性動脈硬化症、つまり血栓性の動脈硬化症の薬としてイワシの油が濃縮されたものが薬にもなっています。そしてその5年後には、中性脂肪を下げる作用で、医療品としての適応症が拡大されています。DHAもEPAも中性脂肪を下げるということで特定保健用食品にもなっていますし、今年から始まった機能性表示食品にもなっています。このことからも“魚食”が主流だったかつての日本人が健康だった理由は、ほぼこのおかげだったと考えられます」
【アスタキサンチン】
アスタキサンチンは、近年、富士フィルムが開発・販売してヒット商品となっている『アフタリフト』に含まれる成分で、ビタミンEの500倍の抗酸化力を持つといわれる。また、アンチエイジングや視力回復への効果も期待されている。
「魚卵には注目の成分、アスタキサンチンが豊富に含まれます。サケなどの赤い色がその成分です。サケは食べたアスタキサンチンを筋肉に運ぶトランスポーターというタンパク質をたまたま持っています。運動すると活性酸素がたくさん出ます。活性酸素はあらゆる病気の引き金になる危険因子ともいわれ、アスタキサンチンはその活性酸素をいち早く除去します。これにより、さまざまな病気の予防や、疲労を軽減させるのです」
サケは遡上して卵(イクラ)を産み、DHAやEPA、アスタキサンチンを全てイクラに移して、自分は元の真っ白い魚に戻って一生を終える。
「肥料くらいにしかならないようなものになって死んでいく。まさにイクラにその凝縮された栄養素を託すのです」
このことから、イクラやすじこは、DHA、EPA、そしてアスタキサンチンも含む実に優れた「天然のサプリメント」であると矢澤先生は言う。
「ほかの魚卵でも、だいたい卵というのは赤いほうがいいのです」
お正月には赤いイクラやとびこ、タラコなどを控えることなく取って、健康で一年を乗り切りたい。