財務省出身の小黒氏は、法政大学でめでたく教授に昇進したようだ。
産経新聞が、「財政破綻は確実だとする内容で、社会保障費の抑制などの歳出改革に加えて、行間から一段の消費税増税など歳入増の必要を大いににじませた」と説明しているだけで、財政制度等審議会や財務省が消費税の税率を引き上げて財政の健全化に動くといっているわけではない。
小黒氏は、財政健全化絶対主義で消費税増税命という財務省出身者にあるまじき(笑)御仁である。
小黒氏は、「消費税率引き上げで財政再建を行う場合、最終的な消費税率はケース1で約32%、ケース2で29%に設定する必要があることを示唆する」と平然と説明しているが、14年に消費税を3%引き上げたことで昨年そして今年の日本経済がどうなったか、97年に消費税を2%引き上げたことで、日本経済がデフレスパイラルに陥ってしまったことなどを失念しているようだ。(90年からのバブル崩壊も引き金は89年の消費税導入)
消費税率1%で2兆円の税収増だから...10%で20兆円の増収といった算術がそのまま現実世界で通用すると思ったら学者としておしまいだ。
歳入(税収)は卵であり、その卵を産むのは日本経済である。
日本経済をぼろぼろにして財政が再建できると考えるひとが経済学の教授職という現実に恐ろしさを覚える。
消費税税率引き上げで得られる税収増をすべて給付に回したとしても、消費税が有する性質から日本経済は疲弊していくのである。
(消費税が、実質として、「給与支払い税」であり「利息支払い税」であり「元本返済税」であることを肝に銘じなければならない)
消費税に限らず増税は、鶏(日本経済)が肥満になって中身が薄く数も少ない卵しか産まなくなったとき(=悪性インフレ)に行えばいいものである。
※ 参照投稿
「KjuCTXCyEoさんへ:消費税は歳入増加(財政再建)が目的ではなく経済政策:特別会計400兆円の内実と意味」
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/743.html
「ZL7o43eS1oさんへ:所得税の「ゼロ税率」とは何か?税の公平性という曖昧な観念:生活保護費減額問題について」
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/659.html