野党が旗印を立てることもできずすったもんだしている状況で、安倍政権は、所得分配機能の強化による低所得者対策というリベラルな政策に舵を切ってきた。
野党が国策の方向性を見失うなか、安倍政権がこのような政策にプラス消費税税率引き上げ延期で信を問うかたちで来年7月に衆参ダブル選挙を行えば、自公が大きな勝利を得ることは間違いないだろう。
※関連参照投稿
「児童扶養手当を増額 厚労・財務省、第2子以降で調整:ひとり親世帯向け給付制度:乙武―橋下論争のテーマ」
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/548.html
「安倍政権支持率回復の秘策は「消費税増税再延期」の是非を問うかたちでの来年7月“衆参同時選挙”」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/463.html
「来年の参議院選挙も、老獪な政党と書生っぽい政党の闘いでは勝負の帰趨は明らか」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/648.html
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低所得者の税負担軽減 政府税調の中間整理案 若年層の子育て後押し
政府の税制調査会がまとめる所得税を中心とした税制の抜本改革に向けた中間整理案が12日、分かった。低所得者の税負担を軽減し、所得の再分配機能を高める。具体的には一定額を納税額から差し引く税額控除や「ゼロ税率」といった案を明記した。「結婚して子どもを産み育てようとする若年層・低所得者層に配慮する」とのメッセージを前面に打ち出す。
中間整理案は13日の総会で公表する。所得税改革は所得から一定額を差し引くことで課税対象の所得金額を減らす所得控除の見直しを中心に検討している。税額控除やゼロ税率に加え、新たに所得に応じて控除額が縮小・消失する控除の仕組みを検討する。
配偶者控除などに採用されている所得控除の仕組みは年収が高い人ほど税負担軽減の効果が高い。税額控除やゼロ税率などの仕組みを導入すれば、低所得者により負担軽減の恩恵が大きい税の仕組みに切り替わる。非正規雇用の増加などで若者の低所得者層が増えている。税制で所得の再分配を高めることで、成長の基盤である若年層の負担を軽減できるようにする。
所得税の所得は給与所得者が得る「給与所得」と自営業者の収入である「事業所得」などに区分けされている。整理案では働き方が多様化し、給与所得者に近い自営業者も増えていることから「明確に分ける意義が薄れている」と指摘する。
所得税改革は増減税がほぼ同じになる「税収中立」で実施する方針。整理案では負担を軽減する層への配慮に重点が置かれているが、負担が増える方向の高所得者への言及は曖昧だ。今後の課題になりそうだ。具体的な所得税の制度改正は2017年度の税制改正以降に議論する見通しだ。
[日経新聞11月13日朝刊P.4]