海外事業の失敗(日本企業)
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2015年10月28日 NEVADAブログ
今や日本企業は海外企業を買収したり、拡張をしていますが、海外には詐欺師がいたり、また合弁相手には百戦錬磨のコンサルタント等がついており、気がつけばとんでもない契約書にサインをさせられていたとなることもあり得ます。
合弁で会社を作るとして任せていたものの、調べればその合弁会社に相手側しか名前が入っておらず、口座の資金をすべて盗まれたという事例もありますし、また契約書に必要な記載がされていないために、三菱重工のように、改修費負担を決めていなかったために1,000億円の受注に対して損失が1500億円を超えて更に拡大するというとんでもない契約を締結した大企業もあります。
昨日発表されました日本車両の決算修正でも、アメリカ車両納入問題でプロトタイプで契約をしたものの強度が足らないとなり、作り直しとなり、納入出来ないことで損害遅延金も発生し、黒字を予想していた業績も発表段階では138億円の赤字となり、これで2期連続して大幅な赤字となります。
平成27年度 −145.68億円(一株当たり赤字額100.91円)
平成28年度 −138億円(一株当たり赤字額95.59円)
2年併せれば合計で284億円余りの赤字となりますが、JRの事実上の子会社でもあり経営が揺らぐということはありませんが、今後も損が発生し続けるかも知れません。
今や、保険会社も続々と海外の保険会社を買収をしていますが、本当にすべてのデリバティブ保有内容等を精査したのでしょうか?
古くは、三菱地所のロックフェラーセンター買収の失敗、日本板硝子の買収の失敗、住友商事のシェールガス事業の失敗、リクシルの買収の失敗等々、うまくいっている方が少ないのではないかと言える位であり、膨大なお金をどぶに捨てている日本企業が多くあります。
勿論、失敗したからと言って経営が揺らぐような企業ではありませんが、そのどぶに捨てたお金を社員に還元したり、国内事業に生かせば、どれだけ有意義になったかを考えるべきかも知れません。
人口が減り、じり貧になる日本ではなく海外展開を求めるのは理解できますが、海外にはとてつもない「リスク」が潜んでいるもので、それとどう調和させるか。
経営者はしっかり判断する必要があります。