停止が続いている柏崎刈羽原発=2015年5月、本社機「希望」から :毎日新聞
わが目を疑う「東電、6年ぶりに社債発行」というニュースー(天木直人氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1snmm8m
21st Oct 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
きのう10月20日の毎日新聞の記事にわが目を疑った。
東京電力が2016年度に社債発行を再開し、3300億円を調達するという。
福島原発事故以来、財務体質が悪化し、社債による資金調達ができなくなっていたが、
コスト削減などで業績が回復したからだという。
社債発行を計画している理由は脱国有化への道筋を早期につけようとする狙いからだという。
何から何まで理解不能だ。
原発事故に追われ、電力会社としてのまともな仕事を何ひとつできなかった東電が、
どうして業績が回復できるのか。
原発事故の被災者に対する賠償のため1兆円もの出資を国から得て、
事実上国有化された東電が、
しかも経費負担を電力価格に上積みすることを政府から認めてもらって生き延びている
おんぶにだっこの東電が、どうして脱国有化を目指そうとするのか、それが出来るのか。
そのような東電の社債を誰が買うのだろうと思って読み進んでいけば、
社債発行の主要幹事社に野村、大和、三菱東京UFJなどの大手が並んでいる。
何から何まで国家ぐるみ、企業ぐるみで東電を支えている。
この国は壮大な八百長国家ではないのか。
大企業の偽装が頻発するはずである。
◇
<東京電力>社債発行で狙う早期に脱国有化 競争激化に備え
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151019-00000108-mai-bus_all
毎日新聞 10月19日(月)21時40分配信
東京電力が2016年度中の社債発行を計画しているのは、早期に脱国有化への道筋をつけようとの狙いからだ。東電は液化天然ガス(LNG)などの価格下落による収益押し上げ効果などで2年連続の黒字を確保。着実に社債発行への実績を積み上げつつある。だが、収益改善の柱となる柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は依然として見通せず、社債発行が思惑通りに進むかは不透明だ。
政府は12年7月、福島第1原発事故で被災者に賠償する責務が生じた東電に1兆円を出資して実質国有化。それ以来、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が議決権の過半数を握ってきた。機構は昨年3月、東電に対し9項目の経営評価基準を公表。福島復興の加速化などに加え、「自律的な資金調達」も評価基準の一つに挙げており、16年度末までに1回目の評価を下すことになっている。
機構は、基準を満たしていると判断すれば議決権比率を50%未満に下げ、東電への役職員の派遣も終了する。最終的には、30年代前半に全株式を売却し、事故の賠償費用に充てる方針だ。15〜16年度に1兆3000億円の資金調達を目指す東電にとって、社債市場に復帰できる格付けを確保し、銀行融資に頼る状況から脱することは、機構に「自律的な資金調達」を評価してもらう際の重要な材料となる。
ただ、柏崎刈羽原発の再稼働にむけたハードルは、依然として下がっていない。原子力規制委員会は8月、同原発を集中的に審査するプラントに選んだが、新潟県の泉田裕彦知事は再稼働に厳しい姿勢を崩しておらず、16年度中に同意する確証はない。1基で月100億円の収支改善効果のある原発の再稼働なしには、社債を引き受ける投資家の理解が得られない可能性もある。
さらに、16年4月からの電力小売り全面自由化で、現在東電が独占している首都圏の家庭向け市場への新規参入が相次ぐ。競争激化が見込まれる中、安定した黒字確保には燃料調達などでのコスト削減も引き続き求められそうだ。【寺田剛】