1. 2015年10月18日 00:03:46 : gjSWR86AiA
日本の自動車産業は、長期的に見ると、明らかに海外での生産を拡大して日本国内生産を縮小する方向だ。そして新型車の開発業務や技術開発についても、海外に移転する方向である。そのような中において、新規採用を増やすことは考えられない。
新規採用することは、人材育成することでもある。一旦採用した若者を企業人として育ててこそ、会社としての永続性が保てるのだが、日本における自動車生産を今後どのようにしていくのか。各メーカーとも、それについては悲観的に見ていると思う。
世界的に見て、自動車の最低価格帯を占めるのは、1,000ccクラスである。このクラスには三菱ミラージュや日産マイクラ(マーチ)、スズキ・セレリオがあるが、これらの車種の生産はタイに移管されている。日本国内では軽自動車があるから、売れないのだ。
しかし日本国内の自動車市場は縮小傾向である。これは軽自動車において深刻である。確かに絶対量は出ているが、日本以外で走っている姿を見ることは少ない。新車では、三菱アイ・ミーブが見られる程度だ。安全基準が諸外国の基準に適合しないため、正規に輸出できない。中古車が発展途上国に流れているようだ。
縮小する日本国内市場にあわせて、開発体制も他社と統合せざるを得ない。三菱自動車は、軽自動車の新規開発を日産自動車と共同で行なっているが、今後は電気自動車にも拡大させる。台数の見込める1,000ccクラスは、最初からタイで生産することにしている。
世界的に市場が拡大しているSUVとUTEについては、三菱自動車がパジェロ・スポーツとトライトンをタイで生産しているが、いすゞ自動車もMU-XとD-MAXを同じくタイで生産しているし、日産もナバラを生産している。これらの車種は、もはや日本に生産が戻ってくることはないだろう。
日本国内の小型車市場は、トヨタが大半を取ってしまいそうな勢いだ。トヨタはヴィッツ、アクア、カローラなど、ヴィッツ・ベースのプラットフォームを使って生産しているが、日本国内のカローラは、外国で売られているカローラとは全くの別物だ。外国のカローラは、全幅が1,770mmもある。日本国内で導入すれば、3ナンバーになり、トヨタの車種体系が崩れる。買い替えのたびに大型化させる販売戦略が取れなくなり、トヨタの目論見は崩れるのだ。
トヨタ以外の他社は、トヨタみたいに日本国内専用車種と外国販売車種の二本立てを取ることができない。販売台数から採算が合わないためだ。このため、日本国内では、トヨタの一人勝ちに近い状況になっている。
トヨタの日本国内向け小型車を一手に担うトヨタ自動車東日本が好調なのは、これらの理由だ。しかし、この好調さがいつまで続くのか。福島第一原発の大事故によって、東北の地も深刻に汚染された。だから生産の多くが国内向けだ。
●家電産業のシャープの例が挙げられているが、同社は今後、事業の継続性に疑義が生じてくると思われる。求人どころじゃないだろう。
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/543.html#c1