トルコ首相「ISの関与最優先に捜査」[NHK]
10月12日 19時07分
トルコの首都、アンカラで97人が死亡したテロ事件について、トルコのダウトオール首相は、過激派組織IS=イスラミックステートの関与を最優先に捜査していることを明らかにしました。
この事件は、トルコの首都アンカラで10日、政府軍とクルド人武装組織の衝突に抗議して和平を訴えるデモが行われていた際に爆発が起き、これまでに97人が死亡したもので、男2人が自爆テロを実行したとみられています。
この事件について、ダウトオール首相は12日、地元テレビのインタビューで「ISを最優先に捜査している。現場に爆弾を運んできた方法は確認できた」と述べたうえで、爆弾を爆発させた2人の男のうちの1人を特定しつつあることを明らかにしました。
今回のテロに使われた爆発物は、ことし7月にISとつながりのある男が自爆テロを行ったときに使ったものと似ていることから、トルコの捜査当局は、国内各地でISの関係者など40人余りを拘束して、ISとの関わりを捜査しています。
また、現地のメディアは、トルコ政府がアメリカ主導の有志連合によるISへの空爆に加わっていることや、トルコのクルド人武装組織がイラクやシリアでISと戦う別のクルド人勢力と協力関係にあることから、双方と敵対するISが、両者の対立をあおる目的で犯行に及んだのではないかという見方を伝えています。
クルド人の団体がテロの非難声明
97人が犠牲になったトルコの首都アンカラで起きたテロ事件を受けて、日本で暮らすトルコ国籍のクルド人などで作る「日本クルド文化協会」は、犠牲者に多くのクルド人が含まれているとして、テロ行為を非難する声明を出しました。
協会はホームページで、「テロ事件では無実の平和のために活動している人たちが大勢、命を失った。私たちはテロリストの攻撃を強く非難し、平和のために活動していく」とし、トルコ政府に対しても事件の真相解明を求めたことを明らかにしました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151012/k10010267601000.html