日本では電力会社、東芝などプラントメーカーも潰れそうですが、中国はイケイケなんですね。
原子力規制委員の新任委員も人材不足を懸念してます。
「赤い」原子力規制委員会は中国、韓国と連携して原子力を廃止するのが目的でしょうか?
田中委員長の古巣「民青」はSEALDsだけじゃなくて、あちこちで大活躍ですね。
Newsweekから
http://www.newsweekjapan.jp/ishii/2015/09/post-2.php
■原子力の覇権は中国に
「原発に『賛成』『反対』」...。エネルギー・原子力をめぐって東京電力福島第1原発事故以来、このような議論が延々と続いている。もちろん国民合意を目指す議論の積み重ねは必要だ。しかし、こうした議論からすっぽり抜け落ちている論点がある。「経済」だ。
原子力発電所は電気を作る工場だ。その製造も発電も企業活動の中で行われる。それを担う企業と産業を育てるという議論が日本であまり行われなくなった。
日本が停滞する間に、著しい成長を遂げているのが中国だ。私の集めたニューススクラップから、中国政府と企業の直近2年の活発な活動の一端を紹介する。
「中国政府と企業、アジア、東欧、南米で原子力輸出の広報、販売活動」(13年からの情報)
「パキスタン、中国の支援で原子力発電所起工、中国企業受注」(13年7月)
「中国で世界最大の原子炉が完成。出力175万kW、台山原発(広東省)で」(13年9月)
「中仏原子力協定強化」(13年12月)
「中国企業、英ヒンクリーポイント原発に出資、建設も受注」(13年12月)
「中国海軍、原子力空母建造を計画(正式公表はせず)」(14年からの情報)
「サウジアラビア、原発導入計画を発表。中国政府・企業が協力」(14年9月)
「中国の原子力メーカーが再編。国家電力投資集団(SPI)、中国核工業集団(CNNC)、中国広核集団(CNC)3グループに」(15年6月)
「中国企業CNNCとCNC、国産技術による安い原子炉『華龍1号』を発表。途上国輸出狙う」(15年3月)
「経営危機の仏原子力メーカーアレバに、CNNC・CNCが出資の意向」(15年7月)
「中国企業(CNNC)、アルゼンチンで原子炉2基受注」(15年7月)
「東芝、不適切会計で経営危機。原子力製造子会社の米ウエスチングハウス社、英ニュージェネレーション社を中国企業が買収する観測」(15年8月)
「中国政府、ケニアと原子力協定」(15年8月)
「中国政府、ビル・ゲイツ氏の出資する次世代原子炉会社テラパワーと提携確認。17年にもCNNCが実験炉建設」(15年9月)
これらは一部にすぎない。わずか2年で中国が官民一体になって、新興経済国で原子炉の販売で活発に動いていることが分かる。
日米の参加がないことで話題になっている中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、その目的の一つを「『赤い原子炉』の輸出支援ではないか」と、在東京のアジア某国の外交官は分析していた。中国政府は非常にビジネスに協力的だ。中国の原子力産業は安さ、向上する技術力、そして政府の外交力を武器に、原子力発電システムの新興経済国への売り込みで着実に成果を出している。
中国は国内でも原子力発電の拡大を計画している。15年1月時点で中国は現在23基の原発を運転しているが、15年1月時点で、現在建設中が45基、提案中が127基もあり、30年までに200基の運転開始を目指す。これほどつくる予定の国はない。「プラント建設、運用の質は経験で決まる面がある。中国の原子力の技術は必ず向上する」(研究者)という。
中国は21世紀の原子力の覇権を、経済の側面から握るかもしれない。
■原子力は巨大なビジネス
原発は建設に約3000億円(炉などの主要設備。出力120万kWの中型炉の場合)、操作・管理・修繕は毎年数百億円が必要だ。原発を制すれば、その国の電力システムへの影響度を増やせる。販売に成功した国と企業は、多くの利益を得られる。
原発を使う方にとってもメリットは多い。他電源に比べて、建設費が高いが、ランニングコストが低く、大量に発電できる。経済成長に伴って電力は必須だ。また原発は化石燃料と違って大気汚染の心配もない。もちろん原子力にはデメリットもあるが、それでも余力のある新興経済国は、原子力の活用に関心を向けている。
いっぽう日本の原子力メーカーはこの2年、目立った動きが少ない。トルコで全4基の新規原発計画のうち、日本企業の連合体が2基を受注した程度だ。中国勢に日本勢は国際入札で負けている。
2010年ごろから「原子力ルネッサンス(復興)」という言葉が、各国で使われた。日本には東芝、日立、三菱重工という原子炉をつくれるメーカーが3社ある。東電、関電などは原子力運用のノウハウの輸出体制づくりをしていた。その利益を享受できるという期待があった。
ところが福島事故で状況は激変した。電力会社は市民の抗議への対応、めまぐるしく変わった政策と規制への対応に忙殺された。メーカーもそれに巻き込まれた。混乱は今でも続いている。理由の一つは、民意に右往左往する政治と行政の動揺だ。日本の政策は原子力を盛り立てるのか、原発ゼロを目指すのか、事故から4年経過した今でもあいまいなままだ。
日本のどの産業も、国際競争でかつての優位を失って厳しい状況に陥っている。原子力は日本が優位性を持つ数少ない産業だった。強い産業の生み出す富は、めぐりめぐってその国の人々を豊かにする。原子力は製造、発電を適切に使えば、日本社会に豊かさをもたらす産業であるはずだ。それが今、停滞している。さらにそれを憂慮する声も広がっていない。
福島事故から4年が経過した。検証と反省の上に冷静な議論を始めてもいいころだ。「産業としての原子力」の価値を、考え直すべき時ではないだろうか。このままでは中国に日本は原子力競争でも、敗れてしまう。
<参考リンク>
◆規制委員に新任の伴氏、会見で原子力人材不足を懸念
電気新聞-2015/09/24
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20150925_02.html
19日付で原子力規制委員に再任された更田豊志委員長代理、新しい委員に就任した伴信彦・前東京医療保健大学教授が24日、そろって記者会見に臨んだ。両氏は「いったん初心を厳しく思い起こし仕事を進めたい」(更田氏)、「原子力人材が・・・
◆北陸電力、破綻シナリオが現実味増す 関電と中部電、救済要請を拒否か
Business Journal (風刺記事) (プレスリリース)-2015/09/08
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11470.html
北陸電力志賀原子力発電所1号機(石川県)直下の断層を「活断層の疑いがある」と原子力規制委員会が認定し、同原発の再稼働は事実上不可能となった。北陸電の経営を直撃する事態となり、政府筋は「最悪の場合、経営破綻もあり得る」と・・・
◆関電、遠のく再稼働…規制委発足3年、長引く議論
産経ニュース-2015/09/19
http://www.sankei.com/west/news/150919/wst1509190082-n1.html
原子力規制委員会が19日、発足丸3年を迎えた。福井県内の3原発9基の再稼働を目指す関西電力は、安全審査で地震想定などをめぐり規制委と激しい議論を戦わせてきた。関電の八木誠社長は18日の記者会見で「議論から互いに合意・・・
◆「東芝」だけではない「原発事業」の世界的衰退
ハフィントンポスト-2015/09/14
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/toshiba-nuclear-power_b_8131564.html
だが、重電業界担当のアナリストたちの注目の的は、同社の電力・社会インフラ部門、中でも原子力発電事業での損失計上の有無・・・
◆原子力規制委員会 田中俊一委員長とは (Will 2013年4月号p191より)
https://www.facebook.com/permalink.php?id=178948802220209&story_fbid=393120220803065
原子力規制委員会 田中俊一委員長とは (Will 2013年4月号p191より)
・大学時代は共産党系の民青(日本民主青年同盟)
・原研入所後は共産党系の原研労組で教宣部長、中央執行委員を務める。
・原研時代を通して原子力安全研究に携わったことはない
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/883.html