JR放火事件「大量に電力消費 JR許せず」供述[NHK]
9月16日 11時59分
東京都内のJRの施設などで相次いだ放火事件で、品川区の変電所の事件に関わったとして逮捕された42歳の男が、動機について「大量に電力を消費するJRが許せなかった」などと供述していることが警視庁への取材で分かりました。
警視庁はさらに動機を調べるとともに、男が一連の放火事件に関わったとみて捜査しています。
東京都内のJRでは、品川区のJR東日本の変電所で敷地の一部が焦げたほか、渋谷区や目黒区、それに中野区などでケーブルや架線の一部などが焼けるなど、先月以降にわかったものだけで放火事件が8件相次ぎました。
警視庁は、防犯カメラの捜査などから、東京・武蔵野市に住む自称、ミュージシャンの野田伊佐也容疑者(42)が品川区の変電所の事件に関わった疑いが強まったとして15日夜、威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
警視庁によりますと、これまでの調べに対し、野田容疑者は「やったことはやった。業務妨害とは思っていない」と供述しているということですが、その後の調べに対し、動機について「大量の電力を消費するJRが許せなかった」などと供述していることが警視庁への取材で分かりました。また、変電所以外にも複数の放火に関わったという趣旨の供述をしているということです。
警視庁は、さらに詳しい動機を調べるとともに、野田容疑者が一連の放火事件に関わったとみて裏付けを進めています。
容疑者の父親「原発再稼働に反対していた」
逮捕された野田容疑者の父親が千葉県内の自宅で取材に応じ、「きのうの夜、息子が逮捕されたと報道で知りました。信じられないことで大変申し訳なく思っています。最後に会ったのは1年くらい前で、原発の再稼働に反対していると聞きましたが、JRや鉄道に関する話は聞いたことがありません」と話していました。
そのうえで野田容疑者について、「高校を卒業したあたりから20年ぐらい音楽をやっていて大学も中退していました。音楽をやっているのだから、作詞や文章で表現してほしかったです。事件を起こすような人間ではなかったと思いますが42歳にもなっているので大人としての自覚をもってほしかったと思います」と話していました。
近所の人「逮捕されたと聞き驚き」
野田容疑者の自宅の近所に住む50代の女性は「家が近いので、野田容疑者が洗濯物を干したりする際に顔をあわせることがありました。昼間はギターの練習をして夕方になると出かけていて、何をしている人かと思っていました。ギターの音がうるさいこともありましたが、逮捕されたと聞いて驚きました」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150916/k10010236641000.html