郵政上場承認も… 運用力アップは道半ば、収益性向上が課題に
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150910-00000508-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/9/10 22:44
株式上場によって日本郵政グループ3社は、完全民営化への大きな一歩を踏み出す。政府が全額出資するこれまでとは異なり、株式の値上がり益や配当に対する投資家の厳しい要求に応えるだけの収益を上げなくてはならない。収益性向上のカギは金融2社の資金運用力の強化だが、国債を中心とする運用方針からの転換は緒に就いたばかりだ。
上場承認に伴い日本郵政が10日、発表した平成28年3月期の連結業績見通しによると、経常利益は前期比22・9%減、最終利益は23・3%減といずれもマイナスを見込む。背景にあるのは歴史的な低金利の長期化だ。
グループ収益の柱であるゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の資金運用益は、それぞれ前期より10%前後落ち込む見通しだ。両社とも国債より高い利回りが見込める国内株式や外債への投資を増やしているが、金利低下による運用益減の影響が上回る。
与党は金融2社の貯金・保険に対する預入・加入限度額の引き上げを提言し、政府の郵政民営化委員会が議論を進めている。資金ばかりが膨らんでも、運用体制の整備が追い付かなければ、収益増は望めないのが実情だ。(山沢義徳)