「バブル弾ける動きあった」G20で中国人民銀総裁 構造改革に注文相次ぐ
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SankeiBiz 2015/9/5 09:06
【アンカラ=米沢文】4日開幕した20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、直近の国際金融市場の混乱を踏まえ、中国経済が抱える構造問題に議論が集中した。日本を含む多くの国から、中国経済が世界経済の脅威となっていることへの懸念が示された一方、中国側からも構造改革への決意が改めて示された。
「バブルが弾けるような動きがあった」
財務省筋によると、初日の討議の冒頭、中国の周小川総裁から、世界金融市場にショックをもたらした上海株式相場の急落に関する言及があった。周総裁は3回ほど「バブル」の表現を用いたものの、株安の原因分析までは触れなかった。
麻生太郎財務相は4日夜(日本時間5日未明)、記者団に「市場の変動は本来、中国が取り組むべき構造的問題を映し出している」と強調。会議でも中国側に対し、過剰設備の解消と人口減少に応じた社会保障制度の見直し、不良債権処理などの改革に取り組むよう注文したという。日本以外の国からも、中国に、経済政策運営の透明性を求める声が相次いだ。
4日発表された米国の雇用統計は市場予想を下回り、9月の利上げ観測はいったん遠のいた。新興国にとって米利上げは自国経済の重しとなりかねない問題で、市場との対話の必要性を強調する複数の意見が出た。
ただ、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は「もし米国が利上げするとすれば、それは米国経済がよりしっかりと成長してくことを物語っている」と述べ、世界経済全体にとってはプラスとの見方を示した。
5日は成長戦略や国際課税などのテーマ別に討議。世界経済の持続的な成長に向けた共同声明を採択し、閉幕する予定だ。