お金の問題に突き当たったときは「ダチョウ効果」にご用心
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2015年9月3日 18時0分 ライフハッカー[日本版]
お金の話はそもそも触れにくい種類のものであり、金銭的につらい時期ならば、なおさら見て見ぬふりをしたくなるものです。そうした姿勢を研究者たちは「ダチョウ効果」と呼んでいますが、私たちは、このことに実は注意しなければなりません。
投資家の金融活動を観察したところ、良くないことが起きた場合、彼らはダチョウが頭を砂の中に突っ込むようにリスクを無視する傾向があることが、社会科学分野のネットワーク「Social Science Research Network」に発表された研究からわかりました。研究者たちは次のように述べています。
「メンタル・アカウンティング」分野の知見を借りて、このおかしな現象について考えてみましょう。私たちは、こうした現象を「ダチョウ効果」と名づけ、明らかに危険な状況に遭遇すると、それを存在しないものとみなして避ける行為だと定義しました。
一部の個人投資家には、不確実性の高い投資先を前にすると、頻繁にリスクが指摘されている投資先よりもそうでない投資先を好む傾向が見受けられました。もっと具体的に説明すると、たとえば「損失回避タイプ」の投資家が、日々相場が変動する上場国債へ投資するか、非譲渡性の定期預金へ預け入れるか、いずれかの選択を迫られた場合、「ダチョウ効果」に照らせば、その人は預金の預け入れを好む傾向が見られるということになります。
投資に関しては、「ダチョウ効果」が多少違った働きをする可能性もあります。投資における成功とは、自分の身の丈に合った適切なリスクを負ってポートフォリオを作成し、それを保有することを意味します。世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が指摘していますが、投資家は日々の相場変動に一喜一憂すべきではありません。ただし、投資と言えども、ある程度リスクを把握しておく必要はあります。思いがけないリスクが生じたときに、パニックになりたくはありませんよね。
さて、お金に関する問題が起こると、投資家と同じように私たちは砂の中につい頭を突っ込んでしまうのですが、それは良くありません。お金の問題を放置しても、事態は悪化するばかりです。ファイナンシャルプランニングサービスを提供する「LearnVest」は、人はよく高額のクレジットカード請求書や税金納付書、期限の過ぎた支払い通知書といった嫌な知らせをあえて知らんぷりする、と指摘し、次のように述べています。
「ダチョウ効果」は、山のような領収書や伝票の処理をぎりぎりまで放っておきたくなる気持ちにさせます。しかし、結局、確定申告の期限直前に大慌てするはめになるのです。申告書類の作成を先延ばしすればするほど、支払いのためのお金が足りなくなるという危険性が増えるだけでなく、老後の貯金を増やすチャンスも逃してしまいます。また、書類でうっかりミスをしやすくなり、高額なペナルティを支払う結果にもなりかねません。
こうした経験は、誰にでも一度や二度はあるものです。ですから、見て見ぬふりをしているお金の問題があるのなら、ぜひ考えてみてください。
Kristin Wong(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)