貿易赤字の実態から見えてくるもの
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4924632.html
2015年08月20日 NEVADAブログ
貿易収支が発表され、2681億円の赤字と報じられているだけですが、専門家は以下のような数字をしっかり見ています。
11月 −8988億円
12月 −6655億円
1月 −1兆1737億円
2月 −4284億円
3月 +2226億円
4月 − 592億円
5月 −2205億円
6月 − 704億円
7月 −2681億円
これは昨年11月から今までの貿易収支ですが3月だけが<黒字>になっている他はすべて赤字となっています。
ところで、この3月の2226億円の黒字ですが、いったい何が起こったのでしょうか?
答えは簡単です。
輸入額がなんと<−14.4%>も激減していたのです。
これが黒字の原因なのです。
*因みに7月の輸入は<−2.9%>となっています。
今や日本は貿易赤字が定着してしまったとも言えますが、輸入も減少を記録しており、輸出入が減少するという縮小経済となっているのです。
*7月の輸出額は<+7.6%>増加していますが、数量ベースでは<−0.7%>となっており、金額の増加は円安(20.9%に相当)によるものであるというのが分かります。
製品の輸出が減っている以上、輸入も減るのは当然と言えますが、日本人の消費も減っており、日本経済は今や円安と爆買いに依存しているとも言えますが、円安も爆買いもいずれはなくなります。
その時、日本経済はどうなるでしょうか?
経済の牽引者がいない状態で世界的に蔓延しつつあるデフレが襲ってきたら、日本経済はひとたまりもありません。
株式市場を見た場合、外人投資家が逃げ出せば株を買い支えるのは日銀と公的年金資金しかありませんが、郵政の上場となれば、1兆円以上の資金が吸い上げられる訳であり、それだけのマイナス要因を今の株式市場は吸収できるでしょうか?
下手をしますとFRBの利上げで世界同時株安が進行している中、郵政が1兆円以上の資金を吸い上げる状態になりかねないのです。
そこに更に円高が襲ってきたら、と考える機関投資家も多くいます。
膨大な貿易赤字を出し続ける日本ですが、財政赤字、貿易赤字と双子の赤字に、とどめは経常赤字となりますが、もしそうなれば日本はもう助かる道はありません。
いつ経常赤字に転落するのか。それともしないのか。
専門家の意見は分かれていますが、専門家が「もうだめだ」と考え始めた時は、個人が行動を起こしましても手遅れとなっているはずです。