戦前日本への回帰を目指す復古調といわれる安倍政権だが、実際に結果として出てきているの日本のさらなるアメリカ属国化である。現在進行中のアジェンダは、以下のようなものである。
1. TPP
TPPは自由貿易のツールなどではもちろんなく、日本の経済/社会制度をアメリカ企業が収奪しやすいように変更する目的を持ったものである。医療制度、農業、消費者保護など公的な関与がアメリカよりも多く、アメリカ企業の「障壁」となっているものは次々と後退させられる。薬価を含む医療費の自由化、農業保護政策の廃止、アメリカを上回るような消費者保護政策の撤廃、軽自動車課税等の「不平等」の是正等が行われることになる。
2. 安保法
一緒に集団自衛権を行使するのはアメリカ軍以外には当然想定されていない。自衛隊をアメリカ軍の一部に組み込むための法律である。そのために、新ガイドラインの同盟調整メカニズム(ACM)も準備されている。アメリカ軍と海外でも「集団」として自衛権を行使するためには、当然普段から一体として行動する準備が必要で、今後自衛隊のアメリカ属軍化がますます進む。(この日本属軍の利用方法に関しては下に記述)
3. 英語教育
日本語もアメリカから見ると「障壁」である。英語でビジネスができない国は面倒である。さらに、一緒に自衛権を行使する軍隊の兵士が英語が苦手では、足手まといになったり、最悪、同士討ちになる可能性がある。アメリカとしては、日本を英語が少なくとも第二公用語となり、公文書が日本語、英語並記になるような社会に改造する必要がある。そのための小学校からの英語義務教育化である。
中国も後押しする日本のアメリカ属国化
中国は、どういうわけか、タイミングよく、尖閣列島周辺で騒動を起こし、日米安全保障条約の重要性を日本人に理解させる行動を繰り返してる。これば、日本が単独でプレーヤーになるよりも、アメリカの属軍でいてもらった方が都合がいいと判断してためである。アメリカとは、西太平洋での勢力争いが続くが、自国の国力が増大すれば、距離的に離れたアメリカがvital interestと考える権益圏を縮小させていく余地がある。一方、日本を自由にした場合、核武装を行う可能性もあり、地理的な関係から直接の脅威になる。まだ、日本に侵略された記憶はそこまでは薄れてはいない。今のところは、日本を特に軍事的に属国にしてもらっておいた方が、中国にとっては心地がいい。どうにかすると中国アメリカ間では、西大西洋での当面の勢力圏で合意し、日本属国化については、了解がされている可能性がある。
自衛隊は、アメリカ軍の指揮権の下で戦争に
上述した属軍としての訓練を受けた自衛隊の使い道だが、手始めは、最近話題になったようにやはりPKOでのより重要(=危険)な任務である。国力の低下からアメリカとしても自国の失策が招いた失敗国家の対処に手を焼いており、後始末の手伝いはネコの手も借りたいほどである。スーダンで練度を上げたあと、その後は、イラク、アフガニスタンの後始末の手伝いをしてもらいたい。その過程で、多少の戦死者を受け入れるような社会改造も実行されるであろう。つまり、集団で自衛行動をすると言っているのに、数百人程度の戦死者が出ただけでもう自国だけは引き下がりますと言うような行動は、属国にあるまじきことであり、鍛え直す必要があるということである。状況により、アメリカに雇われたテロリストによる自衛隊を狙った狙撃攻撃や自爆テロが起こる可能性がある。そして、イスラム国、ボコハラム、ウクライナ等に対してアメリカが戦闘行為を行う際には、集団自衛権の行使として、日本も馳せ参じることになる。「いざ鎌倉」である。馳せ参じなければ、忠誠心を疑われるとともに「国際世論」から大非難を浴びるだろう。それに耐えきれる政治家は日本にはいない。そして、実際に派兵した暁には、属国日本は実質上指揮権も米軍に移譲して、自衛隊は米軍の指揮命令の下、ご奉仕することになる。
安倍晋三は、アメリカに脅されているのか、買収されているのか
安倍晋三は、このような日本の属国化を日本民族が生き残るための最善の方法と判断して、国民を欺きながら、その目標に邁進しているのであろうか?まず、そのような可能性はない。アメリカにその復興調主張を利用され、その流れに乗っているだけである。アメリカは、第二次大戦で多大な犠牲を払って手に入れたtrophyである日本を決して手放すことはない。多分、植民地の宗主国が二重統治を効果的に行うために行う植民地支配層の優遇、懐柔が行われている。アメリカの言うことを聞いていれば、自分と一族だけは社会的及び経済的地位も安泰である。一般人に取っては何もいいことはないが、支配層にとっては魅力的である。それには、もちろん裏がある。ご主人様に逆らった場合は、鞭である。田中角栄、小沢一郎、鳩山由紀夫のようにアメリカの植民地支配に異を唱えるような態度を取ったとたん失脚する。何せ宗主国様は、日本政府中枢の動きまで盗聴しており、弱みはいくらでも握っているであろう。さらに、CIAの支援を受けたといわれる政党、政治家、マスゴミ、御用文化人は、アメリカの植民地政策に本格的に逆らうことはない。
安倍政権は使い捨て、10年後には日本は収穫期に
このようにご主人様に尻尾を振る安倍政権だが、そのご主人様は、安保法とTPPだけ通してくれればいいのであって、その後は早々に退場してもらいたいと考えている。安倍政権は、安保法を通すには二度と現れないような好都合な政権であった。この機会を十分利用しない手はない。そのため、円安容認を行い、経済面では安倍政権を支援した。多分、安倍政権は辞任と引き替えに強行採決であろう。安保法だけは、守ってアメリカの期待に応えることになる。TPPの一時的な頓挫もプロレスの可能性があり、急転直下解決、合意がされ、めでたしめでたしとなるのではないかと疑っている。TPP、安保法、英語教育の3点セットは、その後、じわじわ効果を現し、10年後には日本はアメリカにとって豊穣の収穫期となるだろう。
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