最後の武器は世論
http://jun7398.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
東京新聞:本音のコラム・山口二郎 ツイッター用ブログ
7月31日には、安保法制に反対する学者の会と、「SEALDs=自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ」が共同で、集会とデモを行った。集会の中で学生が憲法と平和の大切さを切々と訴えるのを聞くと、涙が止まらなかった。先日、ある友人から60年安保の時の丸山真男先生たちが繰り広げた戦いは今引き継がれているとのメールをもらった時にも、涙が出てきた。年を取ると何かにつけてすぐ感激して、涙もろくなったようだ。
ここは個人的な感懐に浸っている場合ではない。運動は自己満足のためではなく、安保法制を粉砕するためにしているのだ。暑い8月を迎えたが、闘いはこれからが正念場である。政府与党も相当慌て始めた。自民党の関係者が学生を誹謗中傷するのも、自信のなさの現れである。
参院でも与党が過半数を持っており、採決に持ち込まれたら結果は見えている。数の力を振るわせないよう、審議を粘り強く続けさせなければならない。8月には戦争関連の行事がいくつもあり、原発再稼働も予想されている。安倍晋三首相にとってはいばらの道である。
暑く長い夏を作り出し、安保法制なんて出すのではなかったと思わせてやろう。われわれが最後に持っているのは世論という武器である。世論は政治家を縛る目に見えない鎖だ。
(法政大学教授)
以上。