新国立、もうけ度外視の受注戦 大成、竹中が入札参加 実績強化狙う
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150724-00000500-biz_fsi-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/7/24 07:07
白紙撤回となった新国立競技場の整備計画について、大成建設と竹中工務店が今秋にも実施される再入札に参加する方針であることが23日、分かった。採算性、工期とも厳しい案件だが五輪メーン会場の建設は実績づくりやブランド力の向上につながるためだ。他のゼネコンも計画が提示され次第、入札参加の是非を検討するとしており、受注合戦が激しくなることも予想される。
大成建設は「新国立競技場は国家プロジェクトなので、引き続き関わっていきたい」として再入札に応札する方針だ。竹中工務店も応札に向けた検討に入る。白紙に戻ったザハ・ハディド氏の旧設計案では、スタンドや周辺部分を大成建設が、巨大アーチを含めた屋根部分を竹中工務店が施工する予定だった。
他社も「今後の推移を見守り対応を考えたい」(清水建設)とし、大林組や鹿島も含め新計画の提示段階で入札参加を検討する見通し。建設業界の頂点に位置する「スーパーゼネコン」の複数社が応札する可能性も出てきた。
旧案では、建設費が当初の2倍近い2520億円に膨らんだが、ゼネコンにとって「頑張ってトントン。もうけはほとんどない」(大手関係者)という低採算案件。新計画も採算面で厳しくなるとみられ、人件費や資材費の高騰も収益の圧迫要因となる。一方、五輪主会場で将来の東京のランドマークになる競技場の建設は各社にとって大きな実績となる。知名度や人材確保の面で有利に働くこともあり、“実より名”を取る形となる。
ただ工期は50カ月強と限られている。ゼネコンの業界団体、日本建設業連合会の中村満義会長(鹿島会長)は同日の会見で「速やかに施工業者を選定し、一緒に考えていく必要がある」と述べた。
一方、ハディド氏の英国の建築事務所の担当役員が来日し、22日に都内で事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)側と会談して引き続き計画へかかわることに意欲を示した。JSCの吉尾啓介理事が23日、明らかにした。