「STAP有志の調査委員会の存在」(EJ第4079号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/422440218.html
2015年07月17日 Electronic Journal
『週刊ポスト』2015年2月13日号に、小保方氏をES細
胞の窃盗容疑で兵庫県警に告発した理研OBの石川智久氏のコメ
ントが紹介されています。
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小保方さんはSTAP論文が疑われた直後から、実験室にあっ
た細胞サンプルをこっそり処分し始めました。怪しいと感じた理
研の研究者有志がサンプルを保全して独自に調査したところ、小
保方さんの共同研究者だった若山照彦さん(現・山梨大教授)の
研究室から紛失していたES細胞が見つかった。そこで、私は彼
女がES細胞を窃盗したと推定し、刑事告発に踏み切りました。
日本の科学の国際的信頼を回復するためにも絶対にうやむやにし
てはいけない。
小保方さんの研究室から見つかったES細胞は、若山研にいた
中国人留学生が作成、凍結しておいたもの。若山研が理研から山
梨大学に引っ越したときに紛失が発覚し、留学生は研究を継続で
きなくなったそうです。 ──石川智久氏
『週刊ポスト』2015年2月13日号より
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この石川氏のコメントが事実と違うことは、EJをここまで読
んできていただいている読者にはわかると思います。小保方氏は
留学生の李氏の作製したES細胞「GOF─ES」を若山研から
正式に譲り受けており、そのことは昨年12月に行われた桂調査
委員会報告書の7ページに明記されているからです。(16日の
EJ第4078号参照)
したがって、「留学生は研究を継続できなくなったそうです」
というのは完全なウソということになります。李氏は自分のES
細胞を探しているフシはないし、研究の継続に困ってもいないの
です。理研CDBから山梨大学に持っていくべき試料などはすべ
て山梨大学に運ばれているからです。
どうやら石川氏は、NHKスペシャル「不正の深層」の内容を
固く信じており、桂報告書も「STAP細胞はES細胞である」
という結論だけ読んで、全文を読まずに小保方氏を告発したこと
になります。人の名誉を傷つけかねない警察への告発をこのよう
に乱暴に行うとは、理研のOBらしからぬ軽率な行為であると思
います。告発状は受理されたらしいですが、結果がどうなったか
は現時点では不明です。ちなみに理研としては被害届を出してい
ないのです。もし裁判なって一番困るのはおそらく理研になると
思います。
しかし、これで一つわかったことがあります。小保方氏がST
AP細胞の発表を行い、疑惑が生じた直後から、理研内部に「S
TAP細胞有志の調査委員会」なるものが結成され、STAP細
胞について調べたり、小保方氏の行動をそれとなく監視していた
ことです。おそらく理研内部では、途中から彗星のごとく現れ、
笹井CDB副センター長の信任も厚く、その内容が本当ならノー
ベル賞もありうる凄い研究発表をした小保方氏を妬む人がたくさ
んいたことになります。
当然のことながら、そういう人たちは率先してNHKなどのメ
ディアに進んで協力し、小保方氏の足を引っ張る情報をいろいろ
提供したはずです。理研内部には「敵」がたくさんいたのです。
そうでなければ、笹井氏と小保方氏とのメールのやりとりなどが
外へ漏れるはずがないからです。
聞くところによると、理研内部の有志の会は、小保方氏が休ん
でいるとき、細胞などを勝手に外に持ち出さないように、小保方
研の鍵を取り替えるなどしたそうです。これについて「研究者・
教育者」のブログでは、次のように批判しています。
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「有志の調査委員会」が行った「小保方氏が細胞サンプルを自
由に処分できないように実験室の鍵を付け替えた」という行為は
「建造物侵入」と「威力業務妨害」に当たるだろう。「建造物侵
入」というのは不思議に思うかもしれないが、19歳の「つまよ
うじ混入少年」の容疑が「建造物侵入」であることを考えれば理
解できるだろう。スーパーのように誰でも入れる場所であっても
購入とは別の目的で入ればこの罪に問われる可能性がある。
また、小保方氏が管理している部屋の鍵を付け替えれば、「威
力」によって小保方氏の正常な「業務」を妨害しているので「威
力業務妨害」だ。このような行為ができるのはCDBのセンター
長である竹市氏や理研理事長の野依氏だけだ。彼らにしても正当
な理由無しに小保方氏の管理下にある研究室を勝手に捜索したり
鍵を付け替えることは違法行為となる。警察であっても捜査令状
が必要であり、そして捜査令状の対象外の場所を勝手に捜査した
り封鎖したりすることはできないのだ。 http://bit.ly/1fwkMUf
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このように第三者が小保方研に侵入できたということは、その
冷凍庫のなかにある細胞の容器に、誰かがある特定の細胞を入れ
ることもできることを意味します。
というのは、ここでもう一つの疑惑が浮上しているからです。
小保方氏の冷凍庫の容器のなかから、若山研が小保方氏に譲渡し
た李氏作製のES細胞「GOF─ES」のほかに、別種のES細
胞「FES1/FES2}が出てきたからです。
そのES細胞は、10年前の2005年にCDBの若山研に所
属していた大田浩研究員が作製したものであり、そのES細胞に
は、あのアクロシンGFPが組み込まれていたのです。
大田氏によると、確かにそういうES細胞は作製したが、研究
には使わず、そのまま保存し、他の大学に転出するときにすべて
持ち出しているはずだと述べています。
桂調査委員長は、この細胞株を若山教授と小保方氏に見せたが
2人とも「ぜんぜん知らない」と否定したというのです。つまり
若山氏も小保方氏も知らない細胞株が小保方氏の冷凍庫から見つ
かっているのです。この細胞株については、来週のEJで詳細に
究明します。 ── [STAP細胞事件/052]
≪画像および関連情報≫
●STAP細胞報道のNHKスペシャル批判/下田親氏
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この番組(NHKスペシャル『調査報告/STAP細胞/不
正の深層』)では「小保方、若山、笹井さんたちのチームが
研究不正をしてネイチャー論文をでっち上げた」という結論
が先にあったようです。それを導くために、様々な間接証拠
を積み上げ、あたかも客観的な事実によって不正を証明した
と言わんばかりの番組構成でした。ナレーションが「これも
不正、あれも不正」と解説するのですが、具体的に視聴者が
判るように映像や言葉でもって証明するものではありません
でした。例えば、ネイチャー誌に発表された2報の論文の図
表の内、理研の調査委員会が不正と認定した2つの図表に加
え、番組では他の多くにも不正な操作があったと断定して、
映像ではその図を赤い色で塗りつぶしていきました。これだ
け見ると、論文は不正なデータばかりででっち上げたのかと
思ってしまいます。これは映像による、とても酷いイメージ
操作です。調査委員会が不正と断定した2つの図については
僕の講演では詳しく、どこに問題があり、それが全体の結論
にどのように影響したかを解説し、綿密に分析しました。し
かし、このNスペではそういった説明は一切なく、赤く塗り
つぶされた図表のイメージのみが示されたので、視聴者は論
文がもう捏造データで溢れていると考えてしまう仕組みにな
っていました。そもそも、上から赤く塗りつぶすわけですか
らどんな図だったのかさえわかりません。
http://bit.ly/1L0YTta
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