安保関連法案、安倍首相の“たとえ話”に野党が批判
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2535651.html
安保関連法案を巡り、安倍総理が法案の説明に使った「たとえ話」を野党側が国会で批判。その野党にも急転直下の動きがみられました。
「憲法違反であることは、これまでいくらでも説明してきましたし」(慶応義塾大学小林節名誉教授)
先月、国会で「安保法案は違憲」と明言した憲法学者らが8日午後、法案に反対する会見を開きました。
国民の理解がなかなか広がらない中、安倍総理は、自民党のインターネット番組への出演を始めています。7日の内容は・・・
「我々が認めた集団的自衛権とは何かと言えばですね、例えば安倍晋三は生意気なやつだから、今度殴ってやるという人たちが、そういう不良がいる」(安倍首相)
集団的自衛権をたとえ話で説明しました。
「困ったなと思っているときに、例えば私の友達の麻生さんという人が『俺はけんかが強いから、一緒に帰って守ってやるよ』と言って、私の前を歩いてくれている。そこに3人くらい不良が出てきて、いきなり麻生さんに殴りかかった。私と麻生さんと一緒にこの人たちに対応する。これはまさに今度の平和安全法制において、これは限定的にできますね、と認めたこと」(安倍首相)
しかし、8日の国会では、このたとえ話への批判が相次ぎました。
「ちょっとおかしいんじゃないかと思うところがございまして、安倍は生意気なやつだから今度殴ってやるというその意思を持ってるだけなんですね。これだけで存立危機事態が生じ得るというふうに思われますか」(民主党 緒方林太郎衆院議員)
「総合的に判断して、合理的に判断をするということでございます」(中谷元防衛相)
「私ね、軽すぎると思います。アソウ君だ、アベ君だ。私ね、こういう姿勢そのものが、安倍政権一体どうなってるんだと。菅さん、これやめさせた方がいいと思いますよ」(民主党 辻元清美衆院議員)
「ある意味では理解を進めるための一つの手法じゃないでしょうか」(菅義偉官房長官)
一方、野党側には8日、急な展開が見られました。
「共同作業してきた法案、同じような法案をバラバラに出すのは議会に大変失礼な話」(維新の党 松野頼久代表)
安保法案の対案として武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に対応する領域警備法案を、交渉決裂のため別々に提出することにしていた民主党と維新の党が急転直下、共同で提出したのです。
「維新は国会運営の常識から外れている」(民主党)
「民主党に対しては、大人の対応を取らざるを得ない」(維新の党)
巨大与党に対抗し、安保法案そのものや対案を徹底的に議論するためにも、共同で提出すべきだとの判断が両者にあったものとみられます。ただ、互いに不信感は残り、今後の野党共闘にも影響を与えそうです。
対する与党は8日午前、幹部が会談し、来週15日の委員会採決、16日の衆議院通過を目指す方針を改めて確認。
採決はいつか?安保法案を巡る与野党の攻防は、来週に向けていっそう激しくなるとみられます。(08日16:40)