「若山研究室では何を解析したのか」(EJ第4064号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/421259864.html
2015年06月26日 Electronic Journal
そもそもSTAP細胞などは、はじめから存在せず、その正体
はES細胞だったとするSTAP細胞不存在説は実は論文発表直
後から出ているのです。もちろん正式にではなく、匿名のブログ
上で、一貫してその不存在を訴えている研究者と思われる人物が
複数います。
さて、STAP細胞の発現に最も近い位置にいたはずの若山照
彦山梨大学教授が、なぜ「STAP細胞はES細胞である」と判
断するに至ったのかについて、もう少し詳しく知る必要があると
思います。しかし、このSTAP細胞不存在説について詳細に述
べると、極めて専門的な話になってしまうので、相当簡略化して
述べることにします。
若山研究室では、小保方氏が客員研究員として共同研究してい
た2012年1月〜2013年3月までに樹立したSTAP幹細
胞を山梨大に運び、冷凍保存していたのです。全部で25株あり
それぞれ次のように名前が付けられていたのです。
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1. FLS ・・・ 8株
2.AC129 ・・・ 2株
3.FLS─T ・・・ 2株
4. GLS ・・・ 13株
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予備知識ですが、既に述べているように、STAP細胞は生後
一週間の赤ちゃんマウスの脾臓から採取したリンパ球から作られ
ています。それらのマウスには、「GFP」という細胞を光らせ
る遺伝子が人工的に挿入されています。
その遺伝子をどこに挿入するかは、マウスの作製者によって染
色体上の挿入位置は異なるのですが、若山研究室では、18番染
色体にGFPを挿入していたのです。
マウスのすべての染色体は、ヒトと同じように2つがセットに
なっています。その両方にGFP遺伝子が挿入される場合と、片
方だけに挿入される場合があります。これを次のように呼称して
います。
─────────────────────────────
両方に同じ遺伝子が挿入される場合 ・・ ホモ
片方に遺伝子が1本挿入される場合 ・・ ヘテロ
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つまり、若山研究室では、GFP遺伝子は18番染色体の両方
に挿入される「ホモ」であったのです。こういう細工を施したマ
ウスを使ってSTAP幹細胞を作製し、それを解析すると、GF
P遺伝子は18番染色体のホモ──すなわち、2本挿入されてい
なければならないのです。この確認によって、そのSTAP幹細
胞はSTAP細胞由来のものであることが証明されるのです。
若山教授は、研究室が管理していたSTAP幹細胞25株中の
14株(FLS+AC129+FLS─T+GLS中の2株)を
第三者機関(放医研の知人研究者)に解析依頼をしたところ次の
結果が返ってきたのです。
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マウスの系統 GFP挿入場所 性別
FLS ○ × オス
AC129 × ○ オス
FLS─T ○ ○ オス
GLS ○ ○ メス
──毎日新聞科学環境部/須田桃子著
『捏造の科学者/STAP細胞事件』/文藝春秋
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一番重要なのはFLSの8株ですが、マウスの系統は論文と同
じであったものの、GFP遺伝子の挿入位置が18番ではなく、
15番の染色体のヘテロ、すなわち片方にのみ挿入されていたの
です。これは、若山研究室が小保方氏に提供したマウス由来の細
胞ではないことを意味します。
しかし、遺伝子の挿入位置については、解析の誤りであったこ
とがわかり、訂正されたものの、元のマウスと矛盾していること
の謎は残ったままです。
AC129の遺伝子の挿入位置ついては、18番染色体のホモ
であったのですが、マウスの系統が異なっています。唯一、FL
S─Tについては、マウスの系統も遺伝子の挿入位置も正しいの
です。このFLS─Tは、FLSの樹立の一年後に同じ系統のマ
ウスを使って、若山教授が小保方氏に教わりながら樹立したもの
ですが、これは論文には記載されていません。
GLSについては、マウスの系統や遺伝子の挿入位置に矛盾は
なかったものの、性別はメスだったのです。これについても解析
結果が違っていて、GLSの13株すべてがオスであることがわ
かったのです。
このように、解析結果には多くの間違いが発生します。絶対と
いうことはあり得ないのです。したがって、いくつか解析に矛盾
があっても、笹井芳樹氏がいうように、それは研究者によるラボ
でのディスカッションによって解決すべきテーマであり、少なく
とも公共放送にリークしたり、記者会見を開いて疑惑を煽る性格
のものではないはずです。
もうひとつ若山教授は会見で、AC129、FLS─T、GL
Sのいずれも同様のES細胞が研究室に存在したことを強調して
います。このあたりに、あたかも小保方氏がそれらのES細胞と
すり替える余地があったことを匂わしており、その最初から疑っ
てかかる姿勢には疑問を感じます。
そのなかで注目すべきは、FLS─Tの2株がマウスの系統も
遺伝子の挿入位置も矛盾がないことです。しかもその1株は若山
教授自身が自ら小保方氏の監督の下に作製に成功したものであり
若山教授自身もノフラー博士に100%自分の手で作製したこと
を告げています。これは、STAP細胞があることの証明ではな
いでしょうか。 ─ [STAP細胞事件/037]
≪画像および関連情報≫
●「ネット廃人嘘日誌」ブログ記事より
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小保方さんのSTAP細胞論文の疑惑の第一発見者は、ブロ
ガーの kaho 氏のようだ。最近、小保方さんが新聞・雑誌な
どでめちゃくちゃに叩かれている。もちろん、論文にいろい
ろ問題があったことは確かだが、当初は、各報道機関はノー
ベル賞級の論文とか、絶賛していたのが不思議だ。論文の問
題点の最初の指摘は、有名研究者でも大手報道機関ではなく
匿名のブロガ― kaho 氏の指摘からだ。生物学に非常に精通
したブロガーによるブログ 「kahoの日記」 である。そのブ
ログでは、論文の実験資料を分析し、STAP細胞の存在を
最初から疑問視していた。この指摘が、インターネット上で
広がり、関係研修者や、大手報道機関の目にもとまり、今回
の論文疑惑報道へとなったようだ。その kaho 氏は、最近の
疑惑論文の犯人探し、小保方さん叩きに等について、ブログ
に下記のように書いている。「STAPの話題は#5で最後
にと述べましたが,少しだけ追加する必要ができましたので
補足を。聞く所によると犯人探しのようなことが起きている
ようでとても残念です。今回私が投稿した内容は,神戸でN
GS解析を担当した研究者を批判するものでは全くありませ
ん.アップロードされたデータや解析内容から伺えることは
彼らは言われたデータをただとって,言われたように解析し
たのだろうということです。外部に対してはプロジェクトの
一員としてある程度の責任はあると思いますが,内部的には
被害者という側面もあると思っています.恐らくサンプルの
細胞名すら聞かされていなかったのではないでしょうか。
http://bit.ly/1Ji5sak
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