甘利経済再生相 着実にデフレを脱しつつある
掲載日時:2015/06/26 (金) 09:25
着実にデフレを脱しつつある。
アベノミクスが次第に効果を現していると評価
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=263743
経済界や与党に高まる「デフレ脱却宣言」期待、政府は慎重
2015年 06月 26日 10:04 JST
[東京 26日 ロイター] - 賃上げや設備投資の拡大を背景に国内景気に活気が戻り、与党や経済界に政府による早期の「デフレ脱却宣言」に対する期待感が高まっている。ただ、政府内ではデフレに逆戻りしないという確信が持てないために慎重姿勢が目立つ。
同時に宣言によって「日銀の出口」が近いと市場が先読みし、長期金利が上昇することへの懸念もくすぶっている。安倍晋三首相がデフレ脱却を高らかに宣言できるかどうか不透明な情勢だ。
<経団連会長発言の背景>
「政府・日銀が今年のある時期に『デフレ脱却宣言』をすると推測している」──。今月初め、複数のメディアインタビューで飛び出した榊原定征・経団連会長のこの発言に、一部で注目が集まった。
経団連によると、デフレ脱却に向けて現実味が出てきた今、内部留保よりも実物投資の方が有利だとなれば、設備投資に取り組む前向きな企業心理が台頭し、景気の好循環を生み出せるという狙いがあったという。
政界でも独自の思惑がうねりを見せている。ある参院議員は「安倍首相にとって、デフレ脱却という実績を作るという面で大きな効果がある。参院選で改選となる自民党議員には、デフレ脱却宣言が選挙で追い風となるだろう」と、与党内の思惑を解説する。
ソシエテジェネラル証券・チーフエコノミストの会田卓司氏は「16年の夏の参院選までには、構造的な内需低迷とデフレからの完全脱却を安倍首相が宣言し、その成果を国民にアピールしていくことになる」と予測している。
また、2017年4月に予定されている消費税10%への引き上げとの関連を指摘する声もある。ニッセイ基礎研究所の経済調査室長・斉藤太郎氏は「消費税を10%に引き上げるための経済環境を整えるには、心理的効果も重要。物価ととともに景気も回復していると宣言することで、明るい雰囲気を醸成する助けになる」と述べる。
政府が2013年12月の月例経済報告で、「デフレ」の表現を削除してからすでに1年半が経過した。「デフレではない」と説明しながらも、「脱却には至っていない」とわかりにくい説明に終始し、いったい正式な脱却宣言はいつするのか、と政府を取り巻く「外野」からは、様々な観測が出ていた。
<日銀出口論への明確な説明を迫ることに>
物価目標2%の達成を掲げる日銀内部でも「政府はデフレ脱却宣言をいつする気だろうか」と、脱却宣言の時期を気にする声が出始めた。
ただ、政府内には「日銀が2%の物価目標を実現していることが前提となる」という声もあり、政府・日銀が互いに「本音」を探り合っているとも見受けられる。
政府がデフレ脱却宣言をしてしまえば、日銀が封印している異次元緩和からの出口論についても「時期尚早とは言えなくなる。実際にテーパリングを開始することはなくとも、日銀は(その時までに)きちんと出口の手順を説明できるようにしておく必要がある」(先の参院議員)との指摘も出ている。
ただ、出口議論を切り出すタイミングは、政府と日銀双方にとって、デリケートな問題だ。出口の議論が本格化することで、長期金利が上昇すると、財政再建の基礎が揺るぎかねない。
また、宣言後にデフレに逆戻りすれば、政府と日銀の双方の信認を傷つけることになる。
このため内閣府など政府サイドは、正式なデフレ脱却宣言の時期について「ずっと先の話」とし、慎重な姿勢を崩していない。
政府がデフレ脱却の判断材料としている経済指標からみれば、「消費者物価指数(CPI)」「GDPデフレーター」「単位労働コスト」「需給ギャップ」などは、すでに改善方向ないしは来年にかけて改善が見通されている。
しかし、最も重要な「デフレに戻る見込みがないこと」という5つ目の条件をクリアすることは、デフレ体質の根深さや先行き経済情勢の見通し次第で「自信が持てない」(経済担当部局の関係者)というわけだ。
小泉純一郎政権終盤にデフレ脱却宣言を検討したある政府関係者は、賃金引上げに伴う「単位労働コスト」の改善がクリアできる見込みがたたず、宣言を断念したとの経緯を明かす。
今回も「宣言見送りも有力な選択肢」とする声が政府部内にはあり、デフレ脱却宣言をめぐる「濃霧」は、晴れる兆しが見えない。
(中川泉 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P602F20150626
石油危機・デフレ… トップの声で見る日本経済40年
稲田清英2015年6月24日18時13分
日本経済の現場を担う企業トップの言葉から、統計だけではつかみにくい景気の動きを探る朝日新聞の「100社景気アンケート」は、ことし6月の調査で40年を迎えました。回答や顔ぶれには、時代の空気が映し出されています。
グラフで見る40年
100社中96社が「景気拡大」 過半数が夏の一時金増
調査初回の1975年2月は、第1次石油危機後の「狂乱物価」とも呼ばれた上昇率2割ものインフレが、暮らしを直撃したころだった。回答した製造業の4分の3超が、業績見通しを「減益」とした。記事では「高度成長の担い手であった重化学工業が、資源の制約などによって構造転換を迫られていることの反映」と解説している。
77年6月の6回目の調査から、いまもほぼ一貫して尋ねている質問が「今後の景気の懸念材料」だ。このときは「消費者物価の騰勢」などを、およそ半数の企業が選んだ。第2次石油危機のころの1979年10月には「石油供給不安」が、最も多く選ばれた答えだった。
89年1月の調査では、景気は拡大基調とみる企業が95社に達し、「人手不足 高操業率 過熱感も広がる」との見出しが新聞の1面に載った。日経平均株価はこの年末に、最高値の3万8915円を記録する。
一転して、91年11月調査では景気を「下降」「悪化」とみる企業は93社に。バブル経済の崩壊で、90年代後半は「不良債権問題」や「金融システム不安」「個人消費の伸び悩み・低迷」などが、懸念材料の上位に入った。98年9月調査では、当時近畿日本ツーリスト社長の田平英二氏が「日本経済は今、真っ暗やみの暴風雨の中を航行している感じだ」と語っている。
2001年9月には、調査期間中に米国の同時多発テロが起き、6割の企業がテロは業績に「悪い影響がある」と答えた。リーマン・ショック直後の08年11月調査では、当時ソニー社長の中鉢良治氏が「9月以降、一気に負のスパイラルに入った」と話した。その1年後の09年11月調査の1面見出しは「50社、デフレと認識」だった。当時ファミリーマート社長の上田準二氏は「安売りが加速して体力勝負となり、さらにデフレを加速させている」と語っている。
東日本大震災から3カ月後の11年6月調査では、39社が「夏場の電力不足」を懸念材料に挙げた。
業績を大きく左右する為替の動きにも、敏感だ。「円高不況に企業悲鳴」が1面トップの見出しになった77年11月調査は、1ドル=260円でも赤字になると答えた企業が3割あったが、「東京市場は240円割れ寸前」だった。
日米欧の主要5カ国がプラザ合意でドル高の傾向を変えようと動いた直後の85年11月調査では、「円高による輸出不振」が、懸念材料トップになった。
輸出企業を悩ませる円高に、日本企業の多くは海外生産の拡大などで対応した。40年の間に、最高値では75円台まで進んだ。為替レートは企業動向をうかがう主要な質問項目として、いまも聞き続けている。
ときの政権や日本銀行に求める政策の内容も、時代とともに移り変わる。
75年4月には「公定歩合『再引き下げを』9割」、76年11月には「大半が(所得税の)減税実施望む」が、見出しになった。80年代後半には貿易摩擦の拡大などを受けて、内需拡大を求める声が強まる。
政治改革が焦点になっていた93年11月には、企業献金の是非を聞いた。「ただちに」と「一定期間後」を合わせ、「廃止すべきだ」は69社。ゼネコン汚職などを受け、経団連が自民党への献金あっせんをやめる方針を打ち出した直後だった。00年代以降には法人税減税や規制緩和が要望の主役となり、財政再建や社会保障改革を求める声も強まった。14年11月調査では、消費税率10%への引き上げをこのとき法律に書かれていた15年10月に予定通り行うよう、求める企業が60社あった。
■変わる対象企業
調査は経営トップへの面談取材を原則としており、全国各地の幅広い業種から代表的な企業を選んでいる。重厚長大型産業の存在感が大きかった75年2月の初回は、製造業が65社。随時見直しをかけ、98年以降は製造業と非製造業が半々ずつになり、IT企業が増えて電力会社は外れた。
初回と直近の今年6月調査で社名を比べると、カタカナとアルファベットの増加が目立つ。松下電器産業はパナソニックに、東陶機器はTOTOに変わった。
JFEホールディングス(HD)は、初回は日本鋼管だった。持ち株会社を意味する「HD」は初回は1社もなかったが、この6月調査では19社に入る。90年代以降に各業界では統合・再編が進み、百貨店の大丸は松坂屋と統合して、持ち株会社のJフロントリテイリングとして回答。三和銀行と東海銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)として、富士銀行はみずほFGとして、100社に入る。(稲田清英)
■初回調査の100社はこんな顔ぶれ(1975年2月)
味の素、サッポロビール、宝酒造、三井製糖、キッコーマン醤油、雪印乳業、日魯漁業、鹿島建設、熊谷組、安藤建設、奥村組、岡崎工業、三井不動産、角栄建設、永大産業、三菱油化、昭和電工、鐘淵化学工業、日本曹達、ブリヂストンタイヤ、日本合成ゴム、日立化成
花王石鹸、関西ペイント、武田薬品工業、東レ、東洋紡績、ユニチカ、林紡績、日本板硝子、東陶機器、日本セメント、王子製紙、レンゴー、新日本製鉄、日本鋼管、住友金属工業、日本軽金属、東京製鉄、三菱製鋼、古河電気工業、三菱金属、小松製作所、新潟鉄工所
東芝機械、住友重機械工業、久保田鉄工、日本精工、石川島播磨重工業、東急車輌製造、ワシノ機械、トヨタ自動車工業、日産自動車、本田技研工業、日立製作所、松下電器産業、ソニー、富士通、マキタ電機製作所、安川電機製作所、アルプス電気、日本ビクター
リコー、カシオ計算機、日本楽器製造、日本光学工業、シチズン時計、大日本印刷、三菱商事、伊藤忠商事、蝶理、東急百貨店、西友ストアー、大丸、富士銀行、三和銀行、東海銀行、東京都民銀行、東京海上火災保険、日興証券
東京電力、中部電力、九州電力、東京瓦斯、出光興産、共同石油、丸善石油、日本鉱業、日本航空、日本通運、大阪商船三井船舶、山下新日本汽船、関西汽船、東京急行電鉄、近畿日本鉄道、西日本鉄道、西濃運輸、三菱倉庫、帝国ホテル、東宝(順不同)
財政再建、51社が「不十分」 主要100社アンケート
大内奏、高木真也、生田大介2015年6月22日23時36分
安倍政権の政策の評価は?
写真・図版
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朝日新聞の主要100社への景気アンケートでたずねた安倍政権の政策の評価では、51社が「財政再建への取り組みが足りない」と指摘した。法人税の減税や金融緩和など、企業行動にかかわる項目には評価が集まった。
■評価する政策、「法人減税」が61社で突出
「取り組みが足りない政策」「評価する政策」は、18項目からそれぞれ三つまで選んでもらった。「財政再建」は「評価する」が5社あったが、51社は不十分と指摘。大阪ガスの瀬戸口哲夫副社長は「財政再建が遅れることで、日本の財政への国際的な信認がゆらぐリスクは大きい」、JXホールディングスの松下功夫社長も「基礎的財政収支の黒字化をやらないと、将来に問題を残す」と言う。清水建設の黒沢成吉副社長は「財政再建は後回しになっている」と懸念を示す。
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