安保法制案を葬り去る最善の質問はこれで決まりだ
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2015年5月26日 天木直人のブログ 新党憲法9条
いよいよ今日から安保法制案をめぐる国会論戦がはじまるらしい。
私はいまでもこんどの国会論戦などはじめからボイコットすべきだと思っている。
それほど矛盾だらけのお粗末な法案であるからだ。
どんなに真面目な質問をしても安倍政権に聞く耳がないからだ。
しかし、審議をボイコットすれば世論から非難されるというなら、論戦に応じるのもいいだろう。
その場合はどう応じればいいか。
安保法制案を葬り去る最善の方法は、次の一点を繰り返し、繰り返し、馬鹿の一つ覚えのように安倍首相と中谷防衛大臣に質問すればいいのだ。
すなわち安倍首相には、いまでも本気でそう思っているのかと。
米国の戦争に巻き込まれることはなく、自衛隊には後方支援すらさせないと、本当にいまでもそう考えているのかとダメ押しするのだ。
そして中谷防衛大臣には、自衛隊への危険性が増えないと言うのは、本当にそうか、本気でそう思ってるのかと、繰り返し確かめるのだ。
考えても見るがいい。なぜ安倍首相は安保法制案を国会で成立させようとするのか。
その答えはただひとつ。集団的自衛権行使の容認を可能にするためだ。
この事は、安倍首相自身が昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定の時にそう公言した。
閣議決定をしたからといって、それだけで集団的自衛権の行使が可能になるわけではない。それを可能にするためには法律が必要であり、その際に国民の理解を得るようにしたいと。
すなわち、きょうから審議が始まる安保法制案は、集団的自衛権行使容認の為につくられるものである。
そして集団的自衛権行使を容認するということは、言葉の定義として、日本が攻撃されなくても、米国という同盟国が攻撃された時、米国を助け、ともに戦えるようにする、ということである。
それにもかかわらず、安倍首相は、後方支援をしないという。米国の戦争に巻き込まれないという。憲法9条を守るという。
それにもかかわらず中谷防衛大臣は、自衛隊に危険性が高まる事は絶対にないと繰り返す。
これは完全なウソだ。誰が聞いても理解不能だ。
そうなのだ。安倍首相と中谷防衛大臣には、何度も何度も同じ質問を繰り返せばいいのだ。
それは本当か。本当にそう思っているのか、と。
何度も何度も同じ質問をし、それに対していつまでもウソを繰り返せば、本人も嫌になって来るだろう。自己嫌悪に陥るだろう。
そして、これ以上ウソをつくことが嫌になって、 実は間違いでしたと訂正発言するようになれば、提出された安保法制案は もう一度つくり直して出直して来い、ということになる。
そうなれば、今度の国会で安保法制案を成立させることは不可能となり、米国への公約に違反することになって、内閣総辞職は必至だ。
もう一度言う。安保法制案を葬り去る最善の質問は、多くの難しい質問をするのではなく、簡単な、同じ質問を馬鹿のひとつ覚えのように、繰り返すことで決まりだ。
この質問こそ安保法制案を葬り去る最善の質問であり、安倍政権を退陣に追い込む最善の方策である(了)