進む円安と減少する購買力
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4880516.html
2015年05月28日 NEVADAブログ
円安が一段と進んでおり、一ドル124円を突破してきており、125円を視野に入れてきています。
この125円を簡単に突破するようなことがあれば、130円までそのまま進むこともあり得ます。
国際金融専門家の中にはそう遠くないうちに一ドル150円もあり得ると指摘する向きもあり、その理由は「格下げ」です。
先般の日本の格下げが今になって響いてきているものであり、格付けからすれば一ドル150円も妥当という判断をしているのです。
ところでこの一ドル150円という世界はどのような世界でしょうか?
年収で400万円を貰っているサラリーマンがいるとしますと以下のようになります。
一ドル80円時 $50,000
一ドル100円時 $40,000
一ドル120円時 $33,300
一ドル150円時 $26,600
今の一ドル124円台で換算しますと、世界から見れば$32,000となり、円高が進んだ時に比べ$18,000も減少したとなるのです。
それだけ日本人の「購買力」が減少したと言えるのです。
400万円を貰っていましても、海外からみますと日本人は<貧困層に近い貧乏>になっていると見えるのです。
もっと悲惨な比較は以下の通りとなります。
時間給 1000円
一ドル80円時 $12.5
一ドル120円時 $8.3
一ドル150円時 $6.6
時間給1000円を貰って働いているパートはかつては$12.5も貰っていましたが、今や$8.3となり、今後
$6.6にまで減少するかも知れないのです。
これで海外から人(移民)が集まるでしょうか?
そして時間給$6.6となれば、アメリカではあり得ない低賃金となり、生活など出来ない水準となります。
円安は日本人を貧乏化させる現象であり、輸出企業は儲かるでしょうが、国内産業は壊滅的打撃を受け、更にはドル換算では日本人を奴隷のように低賃金で働かせるには最適となります。
何せ時間給1000円を払えば一ドル150円では$6.6となり、アメリカの最低賃金を大幅に下回る金額となるからです。
日本の地方では時間給で800円も多いと言われていますが、800円では一ドル124円では$6.4となり、一ドル150円では$5.3となり、海外企業からすれば夢のような低賃金となります。
ところが、反対に一ドル150円では海外資産を保有する人は最高の状態になります。
仮に100万ドル分の海外資産を保有していれば、以下のようになるからです。
一ドル120円 1.2億円
一ドル150円 1.5億円
何もしなくて3,000万円増えていることになるからです。
円しか保有しない人は円安で貧乏化しますが、海外資産を保有する人は反対に資産を守ったということになり、日本が破たんした時には更に円安が進むことになりますので、海外資産保有を増やす資産家が多くなっているのもわかります。