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2015年5月12日00時09分 〜
記事 [政治・選挙・NHK184] 日中関係改善を望む中国は、 日本のAIIB加入を待ち続ける(ダイヤモンド・オンライン)
      AIIBに日本はどうかかわっていくべきか? Photo:AFLO


日中関係改善を望む中国は、日本のAIIB加入を待ち続ける
http://diamond.jp/articles/-/71172
2015年5月12日 吉田陽介[日中関係研究所研究員] ダイヤモンド・オンライン


習近平指導部は外交の舞台で「中国の夢」という言葉をよく使い、外国との関係強化をはかってきた。昨年来、アメリカとの新たな大国関係の構築をはかると同時に、周辺諸国との外交では「運命共同体」という言葉を使っている。

 習政権は主に経済を軸に据えた活発な外交を展開しており、周辺諸国に対してインフラの整備などを盛り込んだ経済協力を進めている。現在中国が提唱している「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」と「アジアインフラ投資銀行」(以下、AIIB)構想はまさにこの「運命共同体」外交の根幹をなすものといえる。

■AIIB設立の理念は米国主導の戦後体制からの脱却

 中国はなぜAIIB設立を構想したのだろうか。その目的は三つあると思う。まずひとつは、アジア開発銀行(以下、ADB)の理念のような「貧困の撲滅」ではなく、アジア諸国のインフラ整備のための資金をサポートし、経済協力を促すことにある。現在アジア地域のインフラ建設は立ち遅れており、2011年から2020年までのアジアのインフラ需要を満たすには8兆ドルが必要だといわれている。その現状に立脚してAIIBが提起されたのである。

 二つ目は、アジア独自の国際金融機関の設立である。その理念は、昨年5月に上海で開かれたアジア相互協力信頼醸成措置会議での演説で習主席が述べた「アジアのことは結局、アジアの人民に依拠して解決し、アジアの問題は結局、アジア人民に依拠して守っていかなければならない」という言葉にあらわれている。アメリカ主導の戦後の政治経済体制は先進国の立場に立って作られたものであり、完全に途上国の開発に資するものとは言いがたい。各地域の特徴に合わせた経済体制はその地域に属する国々の発展に役立つ、という考えだ。

 実は、この理念は毛沢東時代からいわれている。1950年当時の中国は、アジアでの影響力を増そうとしているアメリカの援助を受けたら、それから抜け出せなくなって、アジア諸国の政治的・経済的独立が損なわれると考え、「アジアのことはアジア人民が処理する」と主張した。ただ、それは他の国への排斥政策につながるのではなく、独立を維持しつつ他の国との平和共存をはかるものであり、その理念は、現在にも受け継がれている。それはAIIBの位置づけ見ればわかる。AIIBは既存の金融機関に対抗するのものではなく、あくまでも補完するものとしている。

 三つに、中国企業の「走出去(海外進出)」をさらに促すためである。改革開放がとられてから中国は主に外資を受け入れて経済発展を遂げてきたが、最近は中国企業の「走出去」も盛んになってきており、2014年は対外直接投資の規模が外資導入額のそれを上回り、中国は資本の純輸出国になった。その背景下で、中国は各国に高速鉄道やインフラなどの売込みをかけており、AIIBは中国企業の海外進出を促し、新常態下の国内経済を活性化させる上でも有利である。

 筆者がみるところ、AIIBは中国が一方的に利益を得ることを目指してはいない。中国の外交は国際主義の伝統を継承しており、その中身は時代と共に変わっている。現在は平和と発展の時代であるので、習指導部は「平和・発展、協力、ウィンウィン」を旨として、各国、特に周辺諸国との関係強化をはかっていこうとしており、AIIBが、中国が一方的に利益を得るような金融機関になるとは考えにくい。

■中国は日本のAIIB加入問題をどうみたか

「開放、包容」の理念の下、中国が提起したAIIBだが、すでに57ヵ国が創設メンバーに入り、世界経済での中国の存在感が増している。中国主導のAIIBに、なぜこれほど多くの国が加入したのだろうか。4月3日付けの『中国社会科学報』に掲載された文章は次の三点を指摘している。

 第一に、各国の経済上の利益である。中国はアジア・アフリカ諸国だけでなく、ヨーロッパ諸国との関係強化にも努めており、経済的結びつきを強めたい思惑があるということである

 第二に、アメリカの政策ミスである。文章は「覇権を求めることがアメリカの外交政策の基本」だとして、アメリカは武力での恫喝や戦争手段に訴えるといった方法で勢力を拡大するが、同盟国の経済的利益には何の配慮もしないと分析している。

 第三は、中国の近隣諸国重視外交が支持を得ているという点である。中国は以前より周辺諸国との関係強化を重視してきたが、ここ2年はさらにその傾向が強まっている。

 以上のような原因もあって中国の「友達の輪」が広がる一方で、日本とアメリカは創設メンバー入りを見送った。これについて中国はどうみているのだろうか。

 AIIBの創設準備を始めた頃から中国は一貫して「創設メンバーとなる考えのある国の加入を歓迎する」と述べてきた。中国がいう「考えのある国」には何ら制限を設けておらず、これは当然に日本にもよびかけている。

 中国は日中関係のイベントでもAIIBについて言及している。2014年12月3日、中日21世紀委員会の唐家セン中国側主席委員は同委員会の会議の開幕式で、中国は「一帯一路」とAIIB構想を呼びかけて、関係各国の前向きな反応を得られていると述べたうえで、日本がこれらのよびかけを理解、支持し、中国と手を携えてアジアの振興を推進する上での共通の利益を拡大し、共同の発展を実現することを希望すると述べて、日本の加入に期待を寄せた。

 また、中国メディアは直接的に日本のAIIB加入への期待感を示した論評ではなく、加入したほうが日本にとってメリットがあると結んでいるものが多い。

 3月23日付けの『経済観察網』に掲載されたコラムニストの陳言氏の文章は、アメリカと日本は根本的違いがあり、前者は自国の金融覇権の維持を主な目的としている国であるが、後者はインフラ技術で世界でも評判が高い国であると見ている。日本がAIIBに加入しないということは、今後アジアでインフラ関連のプロジェクトが進められる際、日本はAIIBでの投資を放棄することを意味しており、日本がこのようなプロジェクトに加われないことになる。AIIBに加入すればアジアで多くのインフラ関連プロジェクトに加わることができ、日本の国益に資する、と陳言氏は書いている。

 また、3月23日に人民ネットに掲載された評論は、日本はすでに歴史問題でアジアの中で孤立しており、それから抜け出すには、AIIBに加入するのがベストであり、経済面でも日本がAIIBに入らなければ、中韓両国の経済関係が強化され、日本は孤立してチャンスを失うとし、日本がAIIBに加入すれば、政治面での緊張も緩和できるし、経済面でもチャンスを失うことがないと述べていた。

 結局、日本は創設メンバー入りを逃すことになったが、これに対する中国側の見方は、次の四点にまとめられる。

 第一に、日本はアメリカの顔色をうかがって加入できないという点。日本外交は日米関係が機軸となっているため、外交政策を立案するにあたっては、アメリカの意向は無視することができない。この手の論評は中国には多い。例えば、3月23日に人民ネットに掲載された文章は、「安倍晋三はAIIB問題でアメリカを困らせて、日米同盟に影響を及ぼすことはない」と分析し、対米協調の観点から日本がAIIBに加入しないのではという見方を示していた。

 第二に、日本とアメリカが主導するADBの存在価値が低下することを懸念しているという点。3月23日付けの人民ネットの評論記事では、日本は一貫して自らが主導するADBが意味を持たなくなるということを危惧しているため、創設メンバーになる可能性が低いと分析していた。

 外交学院の周永生教授も同様の指摘をしており、「AIIBが発展すれば、ADBが隅に追いやられることを日本とアメリカは憂慮している」と述べている。4月17日付けの『亜太時報』の記事は、「当然のことながら、日本はAIIBが順調に創設されるのを望まない。アメリカの封じ込め政策に協力するだけでなく、自身の利益もある」として、日本は中国が主導するAIIBがADBと肩を並べるのを嫌っていると分析している。

 第三に、安倍内閣の中国牽制政策の影響を受けているという点。前出の陳言氏の文章は「対中牽制の外交路線をとる安倍にとって現在のAIIB問題は実に複雑な問題であり、加入に反対するのは容易なことであるが、仮にAIIBの創設メンバーになったとしても克服すべき困難は多いだろう」と述べており、安倍内閣の価値観外交が日本の外交政策策定の幅を狭めていることを指摘している。

 第四に、日本は近視眼的な思考でAIIBの創設メンバー入りを断念したという点。前出の周教授は、『環球時報』の記事の中で、アジアは巨大な市場を有しており、潜在力が大きいとした上で、「中国はすでに、AIIBはいかなる国の駆け引きにも加わらず、政治に関与せず、アジアの経済を推し進めるだけだと明確にしている。日本のAIIB拒否は間違いなく近視眼的行為だ。アジアが共に発展するため日本は当然、自身の小さなそろばんにとらわれるのではなく、時勢に従うべきだ」と述べ、日本の長期的戦略観の欠如を批判した。

 また、日本国内にもAIIB加入を望む声があるという旨の記事も発表している。3月31日以降は、その手の記事が多い。例えば、4月16日付けの新華社通信の記事は、藤井裕久元財務相、孫崎享元外務省国際情報局局長らが、AIIBに早く加入してその他の国や地域とともに、アジア経済の発展をはかるべきだと見ていることを伝えている。

 以上、日本のAIIB加入に対する中国側の見方を見てきた。ただ、中国メディアは日本の外交姿勢を批判しているが、AIIB自体にも課題がある。ガバナンス体制がまだ不透明であること、また、融資に中国の意向が大きく働くのではという疑問が残るのも事実である。

 4月1日付けの『日本経済新聞』が報じていたように、日本の一般レベルの人たちは「中国という国が信用できない」、「共産党独裁体制の国が主導する地域投資銀行などとても信用できない」と見ているようだが、この懸念を中国がどう取り除くか、中国側の今後の取り組みが重要になってくる。

■中国は日本のAIIB入りを待ち続ける

 日中関係は最悪な時期を脱して改善に向かっている。昨年の全人代の「政府活動報告」では、外交について述べる部分で「われわれは第二次世界大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序を守りぬき、歴史の流れを逆行させることは許さない」と、暗に日本の歴史認識を批判し、日中関係の改善の難しさを感じさせたが、今年は、昨年のような日本批判ともとれる内容はなく、ただ、「世界反ファシズム戦争・中国人民抗日戦争勝利70周年を記念する関連行事を催し、国際社会とともに第二次世界大戦の勝利の成果と世界の公平・正義を守る」と述べるにとどめている。

 また、3月15日の李克強首相の記者会見では、「日本人民もまた戦争の被害者」であり、「日本軍国主義者と広範な日本人民とを分ける」という毛沢東時代以来の対日政策の基本を強調して、日中両国の民間交流発展の必要性を述べた。

 外交に関する記述以外でも、日中関係改善に向けたサインはあった。昨年の報告では、日中韓FTAの記述はなかったが、今年は「中日韓FTA交渉を急」ぐという文言が記されている。これは日本との経済関係を強固にしていきたいというサインともとれる。このように、中国もまた日本との関係改善のための対話のドアをオープンにしている。

 だが、現在の日中関係は完全に改善したわけではない。特に歴史認識問題ではまだ火種が残っている。ただ、歴史問題が日本のAIIB加入の障害になるかという問題について、清華大学の劉江永教授はその可能性を否定し、「中国経済はすでに結果を出しており、(その成果を)各国と分かち合うことを願っている。アジアインフラ投資銀行のような金融形態は実体経済を確かなものにするのに役にたつ。他の国が加入するかどうかについては、中国は一貫して開放、実務的態度をとる」として、この問題はあくまでも経済上の利益で判断すべきだとしている。

 3月31日以降も中国は「待ちの姿勢」を崩していない。例えば、4月20日中国の楼継偉財政相は「AIIBは一貫して日米の加入を歓迎する。加入前にもすべての情報を日米に公開する」と述べている。

 さらに、4月22日にインドネシアのジャカルタで行われた日中首脳会談で、習主席は、中国の提唱する「一帯一路」建設とAIIB設立の呼びかけは、国際社会から広く歓迎されていると述べて、日本の加入への期待感を暗に示した。

 そのため、恐らく今後も待ちの姿勢を続けるではないかと思われる。

 なぜ中国は「待ちの姿勢」なのか。それには、経済面での関係強化によって、冷えている政治関係を温めようとしている中国側の思惑があるように思える。

 日中関係の歴史を振り返ると、関係打開には民間交流が大きな役割を果たした。1950〜60年代、日中関係打開を目指す一部の企業家や友好団体によって国交回復の下地が作られていった。現在も日本の政治は右傾化しており、当時と様子が多少は似ている。AIIBは両国関係を改善し、発展させるための突破口のひとつであると見られる。

 中国は政治が安定しているため、物事を長いスパンで見ることができる。これまでの動きから考えると、日中関係について、中国は「速決戦」ではなく、「持久戦」の姿勢をとっており、長期的視点で関係改善に取り組もうとしている。

 これに対し日本はどう向き合うのか。日本は加入の可能性を完全には否定していないが、まだ様子見の状態にある。

■日本が判断を誤らないために取るべき選択肢とは

 現在、AIIB自体もどのように運営していくか、まだ不透明なところがあるのは否めない。ただ、現在すでに多くのアジア諸国が加入しており、さらにいえば、中国のアジア地域での存在感も大きくなっており、加入せずに既存の金融機関で対抗することは孤立を招く可能性がある。現在の状況から考えると、三つの可能性があると思う。

 一つ目の可能性は、時期が来たら加入することである。また先ほども述べたとおりアジアのインフラ需要が大きいため、AIIBが軌道に乗ったら、多くのインフラプロジェクトが行われることが予想されるため、加入しない場合は損害が大きい。現在日本国内でも加入を望む声があり、また中国の国際社会での影響力などを考えて、6月末に決断するだろう。

 二つ目の可能性は、加入せず何らかの形で連携するというものである。日本は安倍内閣の外交政策との関係もあり、またADBでの地位を維持するために、加入に積極的な態度をとらず、何らかの形で連携するのではと考えられる。

 三つ目の可能性は、加入も連携もせず、AIIBとは距離を置くというものである。これは中国の国際社会での存在感を考えるとプラスよりもマイナスのほうが多くなる可能性が大きいので、あまり現実的ではないように思える。現在の状況から考えると、一つ目か二つ目の可能性が実現しそうだが、日本外交は日米関係を軸としているため、アメリカの動向に大きく影響される。そのため、アメリカがどう動くかが重要となってくる。

 中国は一見アメリカと対立しているようだが、アメリカ国債を多く保有しており、両国の経済的結びつきは強い。アメリカは、すぐには加入しなくても自国にとって利益があれば、何らかの形で関わってくる可能性が高い。そのため、1972年に当時のニクソン大統領が日本に知らせることなく突如訪中することの再現もありうる。

 AIIB問題は経済問題であると同時に国際政治の問題でもある。国際政治も国内政治同様、「一寸先は闇」であるので、日本が判断を誤らないために、徹底した情報収集が必要となってくるだろう。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/658.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「都構想」は大阪の衰退を決定づける“論外の代物” 藤井聡(ダイヤモンド・オンライン)
                  大阪市民は果たしてどう決断を下すのか


「都構想」は大阪の衰退を決定づける“論外の代物”
http://diamond.jp/articles/-/71331
2015年5月12日 藤井聡 [京都大学大学院教授] ダイヤモンド・オンライン


■100名以上の学者が一瞬で「都構想」にダメ出し


 いわゆる「大阪都構想」、すなわち「大阪市の廃止五分割」(以下、『都構想』と略称)をめぐる住民投票日、5月17日が目前に迫ってきた。今、大阪では激しい論戦が繰り広げられており、世論調査によればその賛否はおおむね拮抗している状況だ。本ダイヤモンド・オンラインでも(大阪市特別顧問でもある)高橋洋一氏が「『大阪都構想』を逃せば大阪の衰退はさらに進むhttp://diamond.jp/articles/-/70878」という自説を公表しているが、この主張はもちろん、橋下市長率いる「維新」の勢力のそれと同様だ。

 しかし、この高橋氏の見解は学術界では極めて「特異」なものであり「圧倒的少数派」である。学術界では「大阪市を廃止して、5分割して、東京都のような都区制度を導入すれば、大阪は衰退していくだろう」という見解が圧倒的多数なのだ。


 例えば賛成派の学者は先月、大阪市内で、都構想のメリットを主張する記者会見を開いているが、参加した学者はたった2名。しかも両名とも大阪市の特別顧問経験者(上山信一・慶応大学教授、および、佐々木信夫・中央大学教授)で、それ以外の(大阪市との特別顧問関係を持たない)一般の学者は含まれていなかった。


 一方で筆者は4月末日、「大阪都構想の危険性を明らかにする学者記者会見〜インフォームド・コンセントに基づく理性的な住民判断の支援に向けて〜」を5月5日に開催するとして、さまざまな分野の学者に「都構想」についての所見を供出するよう、インターネット等を通して呼びかけた。



ふじい・さとし
京都大学大学院工学研究科教授、同大学レジリエンス研究ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、同大学助教授等を経て現職。専門は公共政策論、都市・国土計画。『大阪都構想が日本を破壊する』、『凡庸という悪魔〜21世紀の全体主義』など著書多数。


 当初筆者は7、8人集まれば御の字、あわよくば10名以上集まればありがたいと考えていたのだが、これほど多数の学者が一瞬にして「都構想の危険性」についての各自の独自の所見を寄稿したのには、正直驚いた。


 これだけの学者が、「自らが知る都構想の危険性を有権者・公衆に伝えねばならぬ」という「学者の良心」に基づいて所見寄稿をしたという事実はまさに、あらゆる分野の学者が、「都構想」について強い危機感を抱いていたことの証左としか言いようがない。


 いずれにせよ、このように学術界では都構想に賛同する学者はほとんどいない一方、その危険性を指摘する声が圧倒している(というより、あくまでも事実として申し上げるが、上山氏や佐々木氏、そして高橋氏のように、大阪市役所等の推進勢力との一定の関係があった学者を除けば、筆者は都構想に「賛成」している学者を文字通り一人も見たことがない)。その実情は、関西大学の鶴田廣巳教授(財政学)の次の記者会見での発言に全て集約されている。


「大阪都っていうのは本来これだけ注目されますと学会等でも取り上げられるかと思いますけれども、学会では全くですね、荒唐無稽過ぎて取り上げるに値しない。そういう代物だと言うことを是非、ご理解いただきたいと思います」


 すなわち、「都構想」なぞ、真面目な学者にとっては本来なら「取り上げるに値しない、そういう代物」、つまり「論外の代物」なのである。


 さて、この発言も含めた、106名の学者からの寄稿、ならびに、それに基づく記者会見や講演会は全て筆者のHPhttp://satoshi-fujii.com/に掲載しているので、是非、そちらをご覧いただきたい。それら所見は、実に様々な視点から「都構想」が如何に「論外」な代物であるかが指摘しているのだが、ここでは特に、高橋氏が論じたような「都構想で大阪を活性化する」という見通しが、如何に「荒唐無稽で、学会等では本来取り上げるに値しない程の代物」であるかを明らかにすべく、「都構想による大阪の衰退」についての様々な学者所見を紹介することとしよう。

■「都」になれば繁栄するというのは間違い 「都区制度」自体が“粗悪品”である


 まず、都区制度を導入している東京都が繁栄しているから、大阪も都区制度にすれば繁栄するだろう、と考えるのは完全な間違いだ。


 なぜなら東京が繁栄しているのは、日本の有力企業の大半が、その本社を東京に置いているからだ。事実、数少ない「賛成派」の学者の一人として紹介した、大阪市特別顧問であった佐々木信夫氏(行政学)ですら、特別顧問就任前の2011年には、「都になれば成長するわけではない。東京が繁栄しているのは企業の本社機能が集まっているためで、都制という自治制度とは関係ない」と言明していたのである(日経2011年12月11日)。


 佐々木氏は、顧問就任以後、こうした方向の発言は控えるようになっているようだが、それ以外の学者は、この佐々木氏と同様、都区制度そのものに辛辣な批判を差し向け続けている。


 例えば、地方財政論の遠藤宏一・大阪市立大学名誉教授は次のように述べている。


「『大阪都』という行財政制度をつくれば、東京都に匹敵する経済力・行財政力になるというのは本末転倒した錯覚としか言いようがない」


 地方自治論の池上洋通氏(千葉大学)は、「もともと東京都の特別区制は、憲法の『法の下の平等』原則に反する疑いがあり…なぜ『都』になりたいのか、全く理解できない」とまで言っている。なぜなら、憲法学者の今井良幸・中京大学准教授が主張するように「『特別区』は憲法上の地方公共団体とは解されておらず、その制度的な根拠は立法政策に委ねられることになり、その存在は不安定なものである」からである。


 さらには、行政学の今村都南雄・中央大学名誉教授は、(大阪が)「特別区になったその日から自治権拡充の闘いが始まることを覚悟しなければならない」とも指摘している。


 なぜ、そんな闘いが始まるのかと言えば、都区制度に移行すれば、大阪市から2200億円以上の財源とまちづくりの権限が「府」に吸い上げられると同時に、まちづくりの都市計画部局もまた解体されるからである。そもそも、都区制度というものは、「本質的には中央集権化の手段として案出されたもの」(竹永三男・島根大学名誉教授・歴史学)であり、「分権の流れに逆行」(入江容子・愛知大学教授・地方自治論)するものなのだ。行政法が専門の紙野健二・名古屋大学教授が指摘するように、「東京都23区の多くは、数十万の人口を擁しているのに、市ではなく自治を大幅に制限されている」のである。


 こうした実情に鑑み行政学の堀雅晴・立命館大学教授は、「『大阪都構想』は…『特別区への格下げ』という“粗悪品”である」とまで断じている。


■特別区に“格下げ”となれば大阪の「都市力」「都市格」が低下する


 このように、大阪市が自治、財源、権限が著しく制限されている特別区に「格下げ」になれば、その結果として、大阪市内のまちづくりが著しく停滞するのは明白なのだが、「都構想」で大阪の街がさびれるのはそれだけが理由ではない。


 大阪市が5分割され、それによって行政手続きが一挙に複雑化し、そこに行政パワーも財政も削がれることとなり、その結果として、「大都市の活力を削ぎ、長期低迷を生む」(木村收・阪南大学元教授・地方財政学)ことともなるのである。


 しかも、これから都心まちづくりを担う大阪府には、その経験もノウハウも十分ではない。そしてこれまで120年にわたって都心まちづくりを担ってきた「大阪市長」は都心投資に専従できたが、数多くの郊外自治体を抱えた「大阪府知事」は都心投資を優先できなくなるのも明白だ。事実、北山俊哉・関西学院大学は「大阪都構想は…大阪府に…都市計画を任せてしまうものです。大阪市は府の3割しかなく、都市計画がうまく進むとは思えません」と主張している。


 こうなれば必然的に大阪府、関西を牽引する大阪都心の投資はその質も量も低下し、必然的に大阪の街は衰退していくことになる。


 例えば、宮本憲一・元滋賀大学学長(財政学、都市経済学)は、「大阪地域は京都市や神戸市に比べて都市力や都市格ははるかに低いものになるであろう」と述べ、中山徹・奈良女子大学教授(都市計画学)は「大阪都構想では大阪の活性化は望めず、破綻への道を歩むことになるだろう」と述べている。


■「二重行政」が税金のムダづかいを生むという主張には根拠がない


 最後に、多くの一般の方々が素朴に信じている「二重行政を解消して大阪を豊かにする」という言説が、如何に学術界では否定され尽くしているか、という点について付言しておきたいと思う。


「二重行政論」については、106名の学者達から様々な批判が寄せられているが、それを紹介する前に再び、都構想推進派の2名の大阪市特別顧問学者のもうお一方、上山氏の言葉を紹介しよう。彼もまた、特別顧問就任直前、次のような辛辣な批判を、維新が喧伝する「二重行政論」に対して差し向けている。「図書館が府と市で2つあって無駄だとか…けち臭い話…稼働率が高けりゃ置いとけばいいし、改善が進んでいる(府も市もあほじゃない)」(2011日10月26日ツイッター)。


 つまり、既に府と市で調整がほぼついており、二重行政なんてほとんどない、と、橋下市長があつい信頼を寄せる上山特別顧問がおっしゃっているわけだ。


 もちろん、現在、橋下維新側は、17年間で2700億円程度の財政効果があると喧伝し、これが都構想賛成論の重大な根拠とされているが、この金額の内訳を知る人々は一般にはほとんどないだろう。しかし財政学者はその中身を冷静に分析し、これが如何に「粉飾」された「盛りに盛りまくった数字」であるかを明らかにしている。


 財政学の森裕之・立命館大学教授は次のように指摘する。「大阪府市は特別区になった場合の財政シミュレーションを示しているが、再編効果には大阪市の事業の民営化(地下鉄・バスや一般廃棄物事業など)や『市政改革プラン』など、『大阪都構想』による二重行政の解消とは関係のないものが意図的に盛り込まれている。それらを差し引けば、純粋な再編効果は単年度でせいぜい2〜3億円程度」。要するに、「大阪府と大阪市の二重行政が税金のムダづかいを生むというのが、『維新の会』が『大阪都構想』を主張する最大の根拠になっています。しかし、その主張には根拠がありません」(鶴田廣巳・関西大学教授・財政学)ということなのである。


 そもそも、政令市の府と市の二重行政が問題なら、20もある政令市のどこかで、それが問題視されているはずだ。その点に着目した平岡和久・立命館大学教授(地方財政学)は、全国の政令市を対象に調査を行っている。そして、平岡教授は、次のような結論を導き出している。「道府県と政令市とのいわゆる『二重行政』については、多くの場合ほとんど問題になっていないことから、そもそも政令市を解体する理由にはならない」。


 つまり、「二重行政を解消し、豊かな大阪をつくる」というキャッチコピーは、政治的プロパガンダ以上の意味を持たない、単なるデマである疑義が極めて濃厚なのである。


■「都構想」は大阪の衰退を決定づける事実と論理に基づく判断を


 以上、いかがだろうか。多くの読者にとって、本稿で述べた諸事実は、意外なものであったに違いない。


 しかしそれは当たり前のことだ。そもそも学者というものは、一般世間の常識を疑い、事実と論理と理性に基づいて結論を導こうとするものなのだから、学者が言うことは常に一般の人々にとっては一見、意外なものに見えるのである。むしろ、政策項目を問わず政治的スローガンにすら一致するような当たり前の主張を繰り返す学者は、学者としての価値は低いとすら言えよう。


 しかし、学者たちの論理は決して難しいものではない。以上に述べた事を丁寧にお読みいただければ、あるいは、その原文http://satoshi-fujii.com/を丁寧に読めば、たやすくご理解いただけるはずだ。

 いずれにせよ、(一部の大阪市特別顧問らを除けば)彼らの主張は、驚くほど一貫している。それはつまり、「大阪都構想など、論外だ」ということなのである。大阪市をつぶし、数多くの学者が一貫して批判し続けている都区制度に移行すれば、必然的に大阪は衰退する他ないのである。


 彼らの主張(そしてそれは、筆者がこれまで著書『大阪都構想が日本を破壊するhttp://satoshi-fujii.com/book/』で論じた主張と完全に軌を一にする主張だ)に是非、耳を傾けていただきたい。言うまでもなく今、大阪の「住民投票」にて求められているのは、特定政治家に対する好き嫌いやイメージやムードに基づく判断などでは断じてない。事実と論理に基づく理性による判断以外に、何も必要ないのである。

参考:本稿に合わせて、是非、下記をご参照願いたい。
●106名の学者所見
http://satoshi-fujii.com/scholarviews/
●その抜粋版
http://satoshi-fujii.com/scholarviews2/
●記者会見の様子
http://satoshi-fujii.com/informedconsent/
●所見についての説明会の様子
http://satoshi-fujii.com/briefing/





http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/659.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 緊急提言!グーグル検索を新党憲法9条で埋め尽くそう!  天木直人
緊急提言!グーグル検索を新党憲法9条で埋め尽くそう!
http://new-party-9.net/archives/1354
2015年5月12日 天木直人のブログ


 きょう5月11日、ついに自公両党が安保法制の案文について最終的に合意する。


 一年あまり続けられた自民党と公明党の茶番劇、八百長劇の終わりだ。


 安倍政権はそれを14日に閣議決定し、集団的自衛権行使容認を含む10本の法案を「平和安全法制整備法案」として一本化し、新法「国際平和支援法案」とともに国会で同時審議して成立を目指す。


 とんでもない言葉のごまかしだ。


 この安倍政権の暴挙をきょう5月11日の東京新聞がこう書いている。


 安倍首相は米国で約束した「今夏までの成立」を達成するため国会審議を短縮しようとしていると。


 すなわち法案をまとめて審議し、問題点を見えづらくして、最後は強行突破だ。


 憲法9条が完全に破棄されることになる。


 そして野党はこれを防ぐことはできない。


 絶望的な政治状況だ。


 いまこそ新党憲法9条の出番ではないか。


 しかし、新党憲法9条は選挙が行われるまで現実のものとはならない。


 新党憲法9条ができる前に憲法9条が否定される。


 どうすればいいのか。


 私は考えた。


 これが、これから書く緊急提言である。


 安倍首相に憲法9条を否定させるものか。


 こう考えて新党憲法9条の結党に賛同する同志たちよ。



 2インターネットという最強の武器を使って我々が政治を動すんだ、と考える同志たちよ。


 いまこそ一人一人が新党憲法9条をネット上に立ち上げて、グーグル検索を新党憲法9条で埋め尽くそう。


 グーグル検索を新党憲法9条で占拠しよう。


 具体的にはこうするのだ。


 みずからのブログやツィッターで毎日配信している同志たちは、それぞれ新党憲法9条を立ち上げるのだ。


 新党憲法9条という文字を使った名前のネット上の言動を展開するのだ。


 その名前は「新党憲法9条を応援する」でも「新党憲法9条で安倍改憲を阻止する」でも「新党憲法9条で世界を平和にしよう」でも何でもいい。


 もちろん「新党憲法9条で安倍政権を倒す」でもいい。


 何でもいいから「新党憲法9条」という言葉を使ったブログやツィッターを各人がそれぞれ作っていますぐ発信するのだ。


 そして安保法制が国会で審議されている間中、発信し続けるのだ。


 書くことがなければ、私の新党憲法9条のHPに書かれている私の考えやブログの内容をそのまま勝手に引用してもらってもいい。


 そこに投稿される支援者の声をそのまま使ってもいい。


 私の著作権はすべて皆のものだ。


 皆がそれぞれ勝手に新党憲法9条を立ち上げたら、世の中はどうなるか。


 グーグルの検索に、ある日突然無数の新党憲法9条が立ち現れることになる。


 それぞれが安倍政権がやろうとしている安保法制に反対し、日米同盟の従属性に怒り、世界の平和の敵だという言葉がネット上にあふれ返る。


 これはインターネット上のひとつの社会現象となる。


 新党憲法9条とは何か、それを動かしているのは何者か、ということに皆が騒ぎ出す。


 まさしくインターネット上に革命が起きるのである。


 それこそが、私が狙っていたインターネット政党なのである。


 そして、そのことは、来年夏の参院選に向けたインターネット政党立ち上げの最大の宣伝になる。


 一石二鳥だ。


 新党憲法9条に賛同を寄せる皆の中には、どうすれば参加できるのか、どうすれば役に立てるのか、という問い合わせが寄せられる。


 もしあなたがブログやツィッターを通じて毎日発信しているのなら、直ちに新党憲法9条を自分で立ち上げて発信を始めてもらいたい。


 そこで書くことはなんでもいい。


 それらが集まって最後は新党憲法9条に結集することになればいいのだ。


 私はそのきっかけを提供したのだ。


 まさしく私はあなたであり、あなたが私だというわけだ。


 さあ、きょうからどんどんと色々な人が新党憲法9条を叫ぼう。


 新党憲法9条でグーグル検索を占拠しよう。


 それがインターネット上の話題になって、必ず安倍首相の暴政をストップすることになる(了)




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/660.html

記事 [政治・選挙・NHK184] ケリー米国務長官に相手にされていない岸田首相  天木直人
ケリー米国務長官に相手にされていない岸田首相
http://new-party-9.net/archives/1352
2015年5月12日 天木直人のブログ


 安倍首相の訪米に同行していたはずの岸田外相がまったく報道に登場しない。

 そう思っていたら、きょう発売の週刊現代(5月23日号)の「霞が関24時」というコラムが書いていた。

 ケリー米国務長官は岸田外相に不満を募らせているという。

 「会談の時にずっと紙を見つめて読むだけなのはやめてほしい。政治家なのに自分の言葉を持たないのか」

 そうかねてから日本側に伝えてきたという。

 ケリー氏はまた安倍首相の言動が中韓との関係に悪影響を与える事を懸念し、安倍首相の言動を止められない岸田外相にも不満を持っているという。

 ケリー国務長官ならずとも、日本国民は誰でもそう思って居るに違いない。

 私がその週刊現代の記事で注目したのは次のように書かれていたことだ。

 「外務官僚は岸田氏にケリー氏の不満を伝えていない。岸田氏が自分の言葉で語り始めると、外務省の思い通りに進まないからだ」(政府関係者)

 「9月に行われる自民党総裁選後の内閣改造が噂される中、外務省内からはやくも岸田文雄外相の続投を要望する声が上がっている。『これほど扱いやすい外相は珍しい』(外務官僚)からだ・・・」

 外務官僚にここまでなめられていては何をかいわんやだ。

 岸田外相は国民にとって役立たずの外相、いや政治家であるということである(了)


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/661.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「英国労働党ミリバンド党首写真誤用」:深刻な誤りとは言わないが、隠蔽体質がなかなか消えないNHK

 クローズアップ現代のヤラセや日米首脳会談共同記者会見同時通訳における“誤訳”など姿勢や体質が問題視される過ちが続いているなかでしでかした“軽い過ち”なのだから、即座に訂正してお詫びすればいいものを、NHKの幹部社員は、それがなかなかできないようだ。

(日付が12日に変わった時から放送された時論公論で「9日放送の「保守党勝利 英国の行方は」で労働党党首の写真が違っていたのでお詫びします」という説明があった:どういう間違いだったかは説明なし)

 日米首脳会談共同記者会見同時通訳における“誤訳”事件も、誤訳という説明で訂正しお詫びすれば済むレベルではなく、同時通訳者がそのような誤りの“原稿”を読むに至ったワケをきちんと説明する義務がある深刻な過ちである。

※参照投稿

「NHKが同時通訳で誤訳 オバマ大統領の発言で:誤訳ではなく“陰謀”:誤訳をもとに書いた記事を報じた読売・朝日・産経」
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/148.html

「NHK、報道番組「不適切な演出」 やらせは認めず:“やらせ”の柔らかな表現が「不適切な演出」 だろうに」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/904.html


 9日放送分の時論公論は録画で見たが、労働党のエド・ミリバンド党首の顔写真に違和感を覚えたのでネットで検索して、その顔写真が、兄であるデイヴィッド・ミリバンド氏(二人で熾烈な党首選を戦い敗北:ミリバンド兄弟はユダヤ系で、兄のデイヴィッドは、ブレア氏のブレーンとしてニューレイバー政策の立案に関わり、ブレア氏の秘蔵っ子とも言われていた。ブラウン政権で英国史上2番目に若い外務大臣に就任)のものであることを確認した。

 訂正してお詫びしたからもう終わったこととも言えるが、NHK解説委員室スタッフは、ずっと前に(遅くともNHKオンラインに該当記事をアップする時点で)過ちに気づいていたフシがある。
 というのは、NHKオンラインの時論公論コーナーに掲載された9日放送分の「保守党勝利 英国の行方は」のなかに貼り込まれていた画像に修正が加えられていたからである。
 オンラインのコーナーにアップするときに訂正とお詫びを付け加えておけば、このような投稿もしなかったのに...

 NHKオンラインサイトの該当記事の上から2番目の政党別獲得議席数グラフ画像は、キャメロン保守党党首の顔写真だけになっているが、番組のなかでは、兄の顔写真になっているが労働党・SNP・自民党・UKIPそれぞれの党首の顔写真が並んでいたものである。

「保守党勝利 英国の行方は」オンライン記事
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/216317.html

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2015年05月09日 (土) 午前0時〜
時論公論 「保守党勝利 英国の行方は」

二村 伸 解説委員

史上最も予測が難しいといわれたイギリスの総選挙は、与党・保守党が野党に大差をつけて勝利しました。単独で過半数を制する政党がない「ハング・パーラメント」=宙ぶらりんの議会になるだろうという多くの人の予想を覆した点ではその通りになったともいえます。キャメロン首相が続投を果たし、今後は保守党が公約に掲げたEU離脱の賛否を問う国民投票の実施が大きな焦点となりそうです。きょうは、世界が注目した選挙の結果をもとにイギリスの行方とその影響を考えます。

まず、8日の開票結果を見てみましょう。定数は650。つい先ほど最後の1議席が決まり、

▼キャメロン首相率いる与党・保守党が331議席、

▼ミリバンド党首率いる最大野党の労働党が232議席となっています。
世論調査では投票直前まで保守党と労働党の支持率が拮抗し、史上まれにみる接戦といわれていましたが、蓋をあけてみると、保守党が労働党に100議席近い差をつけて第1党の座を守っただけでなく過半数を制しました。労働党は26議席減らしました。

▼現在、保守党と連立を組んでいる中道左派の自由民主党も大幅に議席を減らして8議席にとどまりました。

▼代わって第3党に躍り出たのが、地域政党のスコットランド民族党です。スコットランドの59議席中、56議席を獲得し、前回の6議席から大躍進です。スコットランドでは去年9月に独立の是非を問う住民投票が行われ、独立は否決されましたが、その後むしろ独立を掲げたスコットランド民族党の支持率が増え続け、前回労働党が獲得した議席のほとんどを奪うかたちとなりました。

▼移民の受け入れ制限やEU離脱を掲げて注目されたイギリス独立党は1議席にとどまりました。
二大政党の大接戦の予想が外れたのは、40%ともいわれる浮動票の動向が大きく左右したとの見方がありますが、保守党の勝因は、好調な経済が背景にあるようです。先進国の中でも高い経済成長と、巨額の財政赤字削減を実現させた実績が評価されたものと見られています。労働党がスコットランド民族党と連立すれば、スコットランド独立、国家分裂につながりかねないと危機感をあおったことも保守党勝利の一因にあげられそうです。

庶民院(House of Commons)と呼ばれるイギリス下院。5年に1度行われる選挙は、今回、政権の行方とともに2つの点で注目を集めました。1つは、イギリスのEU離脱の動きが加速するのかどうか、もう1つは二大政党制の行方です。
キャメロン首相は、保守党が勝利し政権を維持すれば、EU離脱の賛否を問う国民投票を
2017年までに行うことを公約に掲げました。これに対して労働党は、EU離脱はイギリスへの投資が鈍るなど悪影響を与えるとして国民投票の実施に反対していました。

最近の世論調査では、EU離脱に賛成と答えた人が39%、反対が40%とほぼ拮抗しています。イギリスは従来からEUへの大幅な権限移譲に反対の立場をとってきましたが、EU域内の移動の自由によってイギリスへの移民が増え、公共サービスが圧迫されて社会保障費などの負担が増していることや、移民に仕事を奪われているといった不満が強まったことなどから、EU離脱論が熱を帯び、選挙で国民がどのような判断を示すのか注目されました。
その結果、保守党が予想以上の大差をつけて勝利を収めたことで、EU離脱派の声がさらに強まり、公約に掲げたEU離脱の国民投票の実施は避けられないといった見方が強まっています。ただ、イギリスがほんとうにEUを離脱することになるかはまだ曲折が予想されます。
というのは経済界の反対が根強いからです。EUから離脱すれば、投資が減り、イギリスの経済やビジネスは大きな打撃を受けるといった声が上がっています。輸出も半分はEU向けで、メリットよりデメリットの方が大きいというのです。EU離脱による損失はGDPの3%、およそ8兆円に上るという試算もあります。イギリスに生産拠点を置く自動車メーカーなど日本の企業も戦略の見直しを迫られることになります。

▼イギリスの信頼性の低下にもつながるだけに、キャメロン首相自身もEU残留を望んでいると言われます。ただ、離脱を求める人が国民の半数近くに上り、保守党内部でもEUからの離脱を求める声が根強いため、そうした声を無視することはできないのです。選挙で賭けに出たキャメロン首相ですが、国民投票の早期実施を求める声にどう応えていくのか、また、EUから譲歩を引き出すことができるか、まさに手腕が問われます。
もう1つの注目点だった二大政党制の行方についてですが、前回に続いて単独過半数の政党がなければ、二大政党制の時代は終わりだという声が聞かれました。

二大政党制は、常に政権交代の可能性があるため、野党は政府を厳しく監視し、与党にはなれ合いや甘えが許されません。議会にも緊張が生まれ、国民は政権交代の選択肢があるため政治に高い関心を持ちます。日本が1994年に小選挙区制を導入する際のモデルと言われたのがこのイギリスの政治構造です。二大政党制の本家とも言われたイギリスで、その制度が大きく揺らいでいるのです。

これは、下院での保守党と労働党の2大政党の議席の占有率です。第二次世界大戦後、労働党と保守党が政権交代を繰り返し、2つの党で全議席の90%以上を占めていました。その後じり貧の状態が続いていますが、それでも80%以上の議席を占めてきたのは、小選挙区制のおかげです。
今回も2党合わせて86%を占めましたが、得票率は2党あわせても毎回下がり続け、今回も60%台でした。環境やエネルギー、福祉など有権者の関心が多様化していながら、そうした声が反映されないことへの批判はこれまでもたびたび聞かれました。今回イギリス独立党は得票率では3番目の12.6%ながら獲得議席はわずか1です。今後も政治制度の見直しを求める声があがることが予想されます。

では、イギリスはこれからどこへ向かうのでしょうか。
キャメロン首相は、「公約に掲げた政策をすべて実現させる」とさっそく2期目への抱負を語りましたが、EUとの関係を始め課題は山積しています。EU離脱をめぐって国民の世論は大きく割れているうえ、移民の受け入れをどこまで制限するのか、難しい対応を迫られそうです。また、第3党となったスコットランド民族党の発言力が強まり、再びスコットランド独立への気運が高まることも予想されます。スコットランド民族党は、スコットランドに配備されている核ミサイルを搭載した原子力潜水艦の撤去を求めており、イギリスの核政策の見直しを迫られる可能性もあります。

対外的には、EU離脱をちらつかせて国益優先の立場をとれば、イギリスに対する風当たりが強まり、EU内での孤立を深めかねません。EUの求心力の低下も予想されます。かつてのような影響力はなくなったとはいえ、イギリスがどこに向かうのか、ヨーロッパの統合と深化への影響は少なくないだけに、その行方を慎重に見守っていく必要がありそうです。
(二村伸 解説委員)



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/662.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 菅長官「全く理解できない」 都構想反対で民主、共産と共闘の自民大阪府連を批判 谷垣氏は「大きなシンパシー」と黙認@産経N
菅長官「全く理解できない」 都構想反対で民主、共産と共闘の自民大阪府連を批判 谷垣氏は「大きなシンパシー」と黙認
http://www.sankei.com/politics/news/150511/plt1505110019-n1.html

 菅義偉官房長官は11日の記者会見で、17日に住民投票が行われる「大阪都構想」に反対する自民党大阪府連の国会議員が民主、共産両党と合同街頭演説を行ったことに関し「個人的には全く理解できない」と批判した。自民党の谷垣禎一幹事長は「(府連に)大きなシンパシーを持っている」と述べており、政府・与党内で見解の違いが浮き彫りになった。

 菅氏はこれまでも「二重行政の解消」の観点から都構想に理解を示してきたが、府連を批判するのは初めて。11日の記者会見では、人口約370万人の横浜市の職員が1万9千人なのに対し、人口約270万人の大阪市の職員が約3万5千人いると指摘。「(課題解決に向け)いろんな案が出ており、都構想もその一つだ」と語った。

 一方、谷垣氏は11日の記者会見で「同志が必死に戦っているのに、党本部は『知らん』と言っていていいのか」と府連に賛同。民主、共産両党との演説にも「都構想という極めて特殊な事案の問題だ」と述べ、黙認する考えを示した。

 都構想に関し産経新聞社が9、10両日に大阪市民に行った電話世論調査では、自民党支持層のうち反対は53.3%、賛成は36.6%で、前回4月の調査から反対が7.9ポイント減る一方、賛成は9.6ポイント増えている。

 国政で対立する自民、民主、共産3党は10日、それぞれ竹本直一府連会長、辻元清美政調会長代理、山下芳生書記局長らが大阪市の2カ所で合同街頭演説を行ったほか、公明党関係者や市民団体などとの反対集会も開いた。

 安倍晋三政権の「暴走ストップ」を掲げ国政・地方選で躍進を続ける共産党の山下氏は11日、党本部で記者団に「愛する大阪市が壊されようとしているときに自民党も共産党もない。力を合わせて守るのは当たり前だ」と語り、共闘に理解を求めた。

[産経ニュース 2015/5/11]
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/663.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 捏造記者(?)や人権派弁護士の反応が見たい 韓国人教授が暴く「北から連行された女性たちが韓国兵の「性奴隷」になった過去」
2002年に朝日新聞が報じてましたが、パワーアップしてSAPIO2015年6月号が報道。

植村隆さんは慰安婦とニューヨークで講演したりと大忙しですが、

「韓国軍の実際の軍補給品は食料や被服類、燃料など一〜四種までで、慰安婦をそれに並列させるこの俗称は、慰安隊の女性たちが“物品”として扱われていたことを示している。これが「人権国家」を標榜する韓国の実態だった・・・」との告発にはどう反応するのでしょう?

記事には「北から連行された女性たち」とありますが、雑誌で確認してみてください。

★北から連行された女性たちが韓国兵の「性奴隷」になった過去
NEWS ポストセブン 5月11日(月)16時6分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150511-00000010-pseven-kr

 韓国政府が旧日本軍の慰安婦関連史料を永久保存し、ユネスコの世界遺産登録を目指しているという。だが、そこに自国による「韓国軍慰安婦」の史料は含まれない。ならば、歴史の闇に埋もれる前にここで公開しよう。

 韓国軍が女性をどのように扱ってきたかという歴史的記録の数々を、在韓ジャーナリストの藤原修平氏が明らかにする。

 * * *
 朝日新聞が「吉田証言」(文筆家・吉田清治氏の「日本軍が朝鮮人女性を連行し慰安婦にした」という証言)の誤報を認めた昨年8月以降、強制連行のカードを失った韓国政府は、慰安婦の“人権蹂躙”を訴える戦術に舵を切った。日本政府から謝罪と賠償をもぎ取るための材料だった「強制性」の根拠が揺らいでいるからだ。

 人権蹂躙は、韓国が慰安婦問題で日本を非難するうえでの基盤となっている。これをクローズアップし国際社会からの同調を得て、自国に有利な国際世論を形成しようという算段だ。その一方で、「正しい歴史認識」が口癖の韓国政府は、自国が主導したもう一つの慰安婦の存在をひた隠しにしてきた。

 韓国軍慰安婦の存在が初めて韓国メディアで報じられたのは2002年2月。慶南大学の金貴玉・客員教授(現・漢城大学教授)が「朝鮮戦争中に韓国軍慰安婦がいた」という調査報告を、立命館大学の国際会議席上で発表したのである。このことは『朝鮮日報』をはじめとする韓国の主要メディアで大きく報じられ、韓国社会に衝撃を与えた。

 金教授が根拠の一つとして挙げたのが、1956年に韓国陸軍本部が編纂した公式資料『後方戦史・人事編』にある記述だ。

 現在、この資料を民間人が閲覧することは困難であるが、筆者はわずかな手掛かりから資料の入手に成功した。そこには朝鮮戦争(1950〜1953年)時の「特殊慰安隊」設置の経緯が次のように記されていた。

「士気昂揚はもちろん、長期間の戦闘で異性に対する憧憬から惹起される生理作用がもたらしうる性格の変化、憂鬱症やその他の支障を未然に防止するために、特殊慰安隊を設置することになった」

 資料では、慰安隊として活動する女性を「慰安婦」と称し、「週2回、軍医官が厳格な検診を行い、性病に対する徹底的な対策を講じた」ことも明記されていた。性病検診を定期的に行うのは、慰安婦が不特定多数の兵士と性的な関係を持つことを前提としていたためで、韓国陸軍はそうした組織を公式部隊として運営していたことが判る。

 慰安隊はソウル市中区忠武路周辺と、日本海に面した江原道江陵地区にそれぞれ3部隊、そのほか江原道の主要都市である原州、春川、束草にそれぞれ1部隊が配置され、計9か所に89名の慰安婦が動員された。

 慰安隊の運営開始時期については定かではない。ただ、設置目的が朝鮮戦争で戦う韓国軍のためであること、前述の『後方戦史』に1952年の特殊慰安隊実績統計表が掲載されていることから、1951年までには運営が開始されたと推定される。なお、慰安隊の廃止は1954年3月と明記されていた。

 統計表には、4部隊における1952年の利用実績が月ごとにまとめられている。利用者が多くなるのは春から夏にかけてで、最も多いのは8月の約2万2000名。1年間の利用者は延べ約20万5000名に上った。慰安婦は単純計算で1日平均6名以上の兵士の相手をしていた計算になる。

 金教授は、「上記9か所の固定式慰安所のほかに、移動式慰安所があった」ことも明らかにしている。後者は軍部からの要請があると、指示された部隊まで出張して特定期間テントを張り、そこで運営する形態をとっていた。

 移動式慰安所については、朝鮮戦争に参加した元韓国軍幹部の回顧録にも書かれている。例えば、全斗煥政権下で陸軍第二司令部司令官などを歴任した車圭憲氏は、回顧録『戦闘』(1985年)の中で、「24人用の野戦テントの内部をベニヤ板と防水布で仕切った野戦寝室に慰安婦は収容されていた」と、当時の移動式慰安所の光景を綴っている。

 また、同じ頃に首都師団の小隊長であった金喜午氏の回顧録『人間の香り』(2000年)によれば、移動式慰安所には「小隊ごとに2名(中隊全体で合計6名)の慰安婦が日中の8時間に限って宛がわれていた」という。

 さらに金氏は、慰安隊が「第五種補給品」と呼ばれていたことを同書に記していた。

 韓国軍の実際の軍補給品は食料や被服類、燃料など一〜四種までで、慰安婦をそれに並列させるこの俗称は、慰安隊の女性たちが“物品”として扱われていたことを示している。これが「人権国家」を標榜する韓国の実態だった。

※SAPIO2015年6月号


★元朝日記者の植村氏「日本の記者は慰安婦問題報道を恐れている」=韓国ネット「日本には言論の自由がない」「韓国も謝罪や賠償を報じてない」
Record China 5月12日(火)0時28分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150512-00000002-rcdc-cn

★慰安婦証言を報道した元朝日新聞の植村隆氏、米大学で講演「安倍首相の米議会演説に失望、8月の戦後70年談話には説得力のある内容を期待」―米紙
配信日時:2015年5月6日(水) 12時39分
http://www.recordchina.co.jp/a108147.html


★週刊新潮・河野談話を出世の踏み台にした「福島瑞穂」売国の履歴書
http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/38968295.html

http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/664.html

記事 [政治・選挙・NHK184] プロ野球シーズン中に異例!安倍首相−巨人・原監督“会談”[SANSPO.COM]
プロ野球シーズン中に異例!安倍首相−巨人・原監督“会談”
http://www.sanspo.com/geino/news/20150512/pol15051205020001-n1.html

 安倍晋三首相(60)は11日夜、東京都内の公邸で、プロ野球巨人の原辰徳監督(56)と、甘利明経済財政担当相(65)を交えて会食した。時間は午後6時31分から8時16分で、野球談議に花を咲かせた。リーダー論や、スポーツ振興くじ(サッカーくじ、愛称toto)の対象をプロ野球に広げる構想についても意見交換したとみられる。

 原監督は会食後、記者団に「巨人軍についてアドバイスを頂きました。というのは冗談で、野球にとっても私の人生にとっても非常に貴重な時間でした」とにこやかに語った。甘利氏は「(監督が)現役時代に使っていたバットにサインを入れてもらい、(監督のおいの)菅野投手のサインももらった」と明かした。

 首相と原監督の会食は、2013年3月23日にも実現。東京・築地の日本料理店「河庄双園」で同じく甘利氏の同席で夕食を共にした。この時には約1週間後の4月1日、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督と、巨人と米大リーグ、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏への国民栄誉賞授与が発表されている。

[SANSPO.COM 2015/5/12]
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/665.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 米国との関係は「淡交」で行くべきだ。(日々雑感)
http://okitahidehito.blog.fc2.com/blog-entry-4829.html
2015/05/12 05:10

<米国の防衛政策の一部を肩代わりして地球規模の連携を打ち出す代わりに、軍事面で台頭する中国を日米で牽制(けんせい)する狙いがある。

 安倍内閣は法案を14日に閣議決定、15日にも国会に提出する方針。11法案をまとめて「平和安全法制」と名付けた。自衛隊の海外派遣の恒久法「国際平和支援法案」と、武力攻撃事態法改正案など現行法の改正案10本を一括した「平和安全法制整備法案」からなる>(以上「朝日新聞」引用)

 日本は米国と同盟関係にあるが、それはかつては旧ソ連と対抗するためであり、現在では台頭著しい中国の脅威に対抗するためのものだ。そして米国は決して世界平和のために米軍を世界に展開しているのでもないし、世界警察を自認しているものの世界正義をうち立てているのでもない。

 米国は極めて自己都合的に世界で振る舞っているし、時には相手国の主権を侵害して勝手自儘な軍事作戦を行うこともある。そうした国の軍事作戦の一部とはいえ世界の何処へでも自衛隊を派遣して、米軍の肩代わりして作戦に従事するのを可能にする安保法制改正には賛成できない。

 たとえば「差し迫った脅威がある」場合には自衛隊を派遣できるとして、安倍自公政権はホルムズ海峡封鎖により石油輸送が途絶する事態を想定して説明している。しかし国民生活に差し迫った脅威は石油が途絶するだけではない。カロリーボースで40%に満たない食糧自給率の我が国にとって、小麦などの穀物の輸入途絶も国民生活に差し迫った脅威となるだろう。

 米国が「小麦の対日輸出禁止」を実施すれば、自衛隊は米国と戦争することになるのか。いや日米同盟を結んでいるから米国と敵対することはあり得ない、と想定するのは国際政治に疎いといわざるを得ない。日米安保条約はどちらか一方から条約終了宣言をすれば破棄されることになっている。いつでも日米同盟関係はどちらか一方の国の意思により終了出来る。

 米国はプラグマティズムの国だ。いつでも「役に立たない」と判断すれば切り捨てるのに躊躇しない。また反対に役に立つと判断すれば無原則に国交改善を平気で行う。キューバとの関係改善が格好の例だ。なぜ米国がキューバと国交断絶をしたのか、その際キューバは何を行ったかを知らない人たちは単純に「仲良きことは美しき哉」などと能天気なことを言っている。
 ロシアのプーチンは『戦勝70周年行事』の場で「日本の帝国主義」と日本を批判したが、彼らが日本に対して何を行ったか、プーチンは知らないのだろう。彼はその当時誕生してもいなかったが、旧ソ連は「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄し、日本国民を終戦後に60万人もシベリアへ抑留し強制労働に従事させて12万人以上も死亡させた。そのことに対する真摯な反省の弁は一切なかった。何ともご都合主義の戦争大好きな老人だろうか。

 もちろん習近平も『戦勝70周年』だと噴飯ものの歴史認識を示しているが、中共政府が政権を樹立したのは戦後のことだ。先の大戦の終結に中国を代表していたのは国民党政府だった。その中共政府の習主席も70年前には生まれてもいなかった。何が『戦勝70周年』だ。傍迷惑な軍拡ゴッコを繰り広げて大きな顔をするガキのような国家指導者とは一体いつの時代の話だろうか。中国は秦の始皇帝時代のまま現代に存在しているかのようだ。

 一生かけても使い切れないほどの富を手に入れても、まだ富への執着を燃やし続けるのが人間の愚かさだ。世界の1%が世界の富の半分以上を手に入れても尚、強欲に世界の経済を軍事力を背景に恣に支配しようとする。まるで百鬼夜行の世界ではないか。

 日本はそうした世界の餓鬼どもとズブズブに交わってはならない。ある程度「間」をおいて、淡白な交流を旨とすべきだ。茶道裏千家の社団法人は「淡交会」と称している。淡交とは「荘子」山木の「君子の交りは淡きこと水の若( ごと)し」から》あっさりした交わり。君子の交際をいう。米国とは「淡交」を旨とすべきだ。

 安倍氏の米国との関わりはガキのズブズブベッタリの交わりに見えて仕方がない。安倍氏のいうアンシャンレジュームからの脱却とは米国への更なる隷属へ移行することなのだろうか。誇り高い独立国家日本の矜持を安倍氏は何処に捨ててしまったのだろうか。断じて安倍自公政権が目論む「軍事法制」の暴挙を許してはならない。それは未来の日本を滅ぼすモノに他ならないからだ。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/666.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「仮想敵国第1位=中国」とする日本の防衛戦略・戦術は、「武力攻撃事態=事変=戦争」を想定している(板垣 英憲)
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/ef6da2cda025979e5835779559e2851a
2015年05月12日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」

◆「仮想敵国第1位=中国」とする日本の防衛戦略・戦術が、着々とその実像を見せ始めた。安倍晋三首相、中谷元防衛相は5月14日、「安保関連法案」(自民、公明両党が11日、与党協議会で正式合意)を臨時閣議で決定し、15日国会に上程、6月24日会期末となる国会会期を1か月超延長して、7月下旬から8月上旬に成立させる。

 今回の「安保関連法案」は、集団的自衛権行使を可能とする「武力攻撃事態法改正案」など関連法案で、「武力攻撃事態=事変=戦争」を想定し「切れ目のない」対処を行おうとしている。また、陸海空3自衛隊を米軍の行動に伴って「地球規模」で展開できるようにしているので、「米欧」VS「ロシア・中国」の対立構図に「中東〜ASEANイスラム教諸国」を巻き込む「第3次世界大戦」への即応を可能にする安保法制の整備と言っても過言ではない。

 しかし、国連安保理事会との関係は、必ずしも明確ではなく、どちらかと言えば、「米英両国軍」を中心とする極めて私的な「有志連合軍」に陸海空3自衛隊を参加させることが、大前提になっている。

◆この「安保関連法案」の国会成立を睨んで、中谷元防衛相は5月10日、「沖縄・宮古島に配備を計画している陸上自衛隊「警備部隊」について、島中部にあるゴルフ場『千代田カントリークラブ』と北部の『大福牧場』の2カ所の用地を取得し、部隊を配備する方針」を固め、これに基づいて、左藤章防衛副大臣が11日、宮古島市を訪れ、下地敏彦市長に配備方針を伝えた。下地敏彦市長は、「部隊の受け入れに同意」しているものの、手続き上、「市議会にも諮って決めたい」と答えた。中谷元防衛相は、「部隊の受け入れに同意を得られれば防衛省は2016年度政府予算案の概算要求に用地取得費として数十億円を計上することを決めている。すなわち、「仮想敵国第1位=中国」共産党人民解放軍からの武力攻撃に対する「備え」を万全にする目的で、沖縄県宮古島への陸上自衛隊配備を粛々と実行しているのだ。

 宮古島は、沖縄本島から宮古海峡を経て南西に約290km、東経125度、北緯24度に位置し、太平洋と東シナ海の間にある島で、南西諸島西部の島嶼群宮古列島に属し、先島諸島の一部を成している。面積は158.87km²。宮古島市は2005年10月1日、平良市と宮古郡伊良部町・上野村・城辺町・下地町の5市町村が合併(新設合併)して誕生した。総人口5万1583人(推計人口、2015年2月1日)

 だが、防衛省が「警備部隊の施設として(1)駐屯地(2)訓練場(3)隊員宿舎−を整備し、2018年度末までに約600人の隊員を擁する部隊配備を完了する」ことを計画しているので、下地敏彦市長ら賛成派は、人口増と経済的効果を期待している。

 宮古海峡では、中国海軍の艦艇、空軍機、公船などによる領海、領空侵犯が頻発しており、陸上自衛隊は、宮古島内で「1カ所に地対艦ミサイル(SSM)、もう1カ所に地対空ミサイル(SAM)を置く」態勢で、「武力攻撃事態」に備える。

 なお、海上自衛隊潜水艦隊は、宮古海峡域の海中で潜航して、中国海軍、空軍の動静を常備監視して、すでに「武力攻撃事態」に備えてきている。

【参考引用】 
 産経ニュースは5月11日午前5時、「陸自警備部隊、宮古島2カ所に配備 ゴルフ場と牧場、市長に伝達へ 用地取得費の数十億円計上へ」という見出しをつけて、以下のように配信した。

 防衛省は10日、沖縄・宮古島に配備を計画している陸上自衛隊「警備部隊」について、島中部にあるゴルフ場「千代田カントリークラブ」と北部の「大福牧場」の2カ所の用地を取得し、部隊を配備する方針を固めた。左藤章防衛副大臣が11日、宮古島市を訪れ、下地敏彦市長に配備方針を伝える。下地氏から部隊の受け入れに同意を得られれば防衛省は平成28年度予算案概算要求に用地取得費として数十億円を計上する。

 防衛省は警備部隊の施設として(1)駐屯地(2)訓練場(3)隊員宿舎−を整備し、30年度末までに約600人の隊員を擁する部隊配備を完了させる。1カ所に地対艦ミサイル(SSM)、もう1カ所に地対空ミサイル(SAM)を置く。

 宮古島の警備部隊は、東シナ海で挑発を強めている中国軍の海・空戦力ににらみを利かせるため、艦艇と航空機に対処するSSMとSAMの配置を重視している。宮古島や周辺離島で災害が発生した場合も警備部隊が対応にあたる。

 中国を念頭に置く南西防衛強化に伴う警備部隊配備は鹿児島・奄美大島に続くもので、防衛省は沖縄では石垣島にも配備する方針。

 左藤氏は11日、石垣市も訪問し、中山義隆市長に部隊配備に向けた調査に着手したい意向を伝え、了承を得られれば約1年かけて配備候補地を絞り込む。石垣島でも宮古島と同規模の部隊を配備し、SSMとSAMも配置する。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/667.html

記事 [政治・選挙・NHK184] <悲報>救急車の有料化案が浮上!財務省が軽症者対象に検討開始へ!フランスでは30分3万円超に!
【悲報】救急車の有料化案が浮上!財務省が軽症者対象に検討開始へ!フランスでは30分3万円超に!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-6452.html
2015.05.12 06:00 真実を探すブログ



財務省で救急車の有料化案が浮上しています。報道記事によると、財務省は11日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、救急車の一部有料化を検討すべきだとの見解を打ち出したとのことです。


具体的には軽症にもかかわらず救急車を呼んだ人に、費用を請求する案などが検討されています。財務省は「フランスなどの例を参考に軽症の場合の有料化などを検討すべきだ」と述べ、5月末にまとめる財政審の建議(報告書)に救急車の有料化を含める方針です。
ちなみに、財務省が参考例としているフランスでは、30分で3万円超の有料制を採用しています。


アメリカなどの国でも救急車は有料化されていますが、お金のない貧困層で救急車を呼べないという問題が多発中です。同じ様な問題は避ける事が出来ず、救急車の有料化は格差拡大に繋がる可能性が高いと見られています。


☆<救急車>「有料化」提案 財務省、軽症者対象に
URL http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150511-00000073-mai-bus_all
引用:
 財務省は11日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、救急車の一部有料化を検討すべきだとの見解を打ち出した。軽症にもかかわらず救急車を呼んだ人に、費用を請求する案などが浮上している。先進国で最悪の状態にある財政状況を改善するための歳出改革の一環として、年約2兆円の消防関係予算にメスを入れる狙いがある。タクシー代わりに救急車を利用しようとする一部利用者への「警鐘」の意味合いも強そうだが、有料化には利用者の反発も予想される。
:引用終了


☆【海外の反応】外国人「日本はすごいな!」日本の救急車の利用料金が安すぎると海外で話題


☆[Emergency Vehicles] 消防車・救急車・緊急車両総集編 [福井県総合防災訓練]





http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/668.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 決定! 日本をダメにした10人 1位鳩山由紀夫 2位に菅直人。小沢一郎、竹中平蔵も当選(週刊現代)

決定! 日本をダメにした10人 1位鳩山由紀夫 2位に菅直人。小沢一郎、竹中平蔵も当選
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43257
2015年05月12日(火) 週刊現代 :現代ビジネス


デフレ、円高、株安に震災、そして原発事故と、あまりにも試練が多すぎたここ最近の日本。いまだに垂れ込める厚い雲は、誰が吐き出したものなのか。ハッキリさせておこう。この国の未来のために。

■思いつきだけの男

せっかく景気が上向き始めたというのに、どこか気分が晴れないのはなぜだろう。株価がどれだけ上がっても、相変わらず日本社会に蔓延する「閉塞感」はいったい、どこから来るのか—。日々のニュースを眺めながら、なんとなくこう感じている人も多いはずだ。

本誌は今回、長きにわたって政界を見守ってきた識者たちに、「21世紀の日本をダメにした最大の『戦犯』は誰か」を聞いた。最も多くの識者が挙げたのは、3年と3ヵ月の間政権を担った、民主党政権の人々である。彼らは国民の期待を一身に受けながら、それを裏切り、粉々に打ち砕いた。政治評論家の田崎史郎氏がまず言う。

「そもそも、民主党に政権運営を担う実力があったのか、ということです。官僚を動かすことはおろか、党内をまとめることさえできなかった。現在の安倍政権のしたたかさと比較するならば、赤ちゃんと大人ほどの実力差があったといえます」

たった6年前、民主党は日本中の期待を一身に集めていた。政権交代以外に道はない—国民は心からそう信じ、'09年夏の総選挙に臨んだ。その結果が、308議席の圧勝と、支持率70%の鳩山由紀夫政権誕生だった。

しかし、いきなり雲行きが怪しくなる。「日本を変える」と喧伝した彼らの公約「マニフェスト」は、とうてい実現不可能なシロモノだったのだ。東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が振り返る。

「特に問題だったのは、沖縄の基地問題への対応でしょう。『最低でも県外』という言葉はあまりに有名ですが、当時、鳩山氏の発言に民主党議員からほとんど異論が出なかった。つまり鳩山氏だけでなく、民主党の公約だった。しかし、その政策が正しいのか、どうやったら実現できるのかについて議論する雰囲気さえ党内になかったのです」

政治評論家の浅川博忠氏も、こう述懐した。

「'09年当時、官邸で鳩山総理に会った時、私は『今からでも発言を撤回して謝ったほうがいい』と言いました。しかし鳩山さんは自信に満ちた表情で『そんなことはない』と答えた。『何か案があるんですか』と聞いたら、『徳之島だ』と言うんです」

当時、民主党は鹿児島県の徳之島に飛行場を移そうと考えていたが、地元の強い反対で後に断念したという経緯がある。

「私はすでに徳之島の首長が軒並み移設に反対しているという情報を掴んでいたので、鳩山さんにその旨を伝えました。でも彼は『それは違う。大丈夫だ』と言い張る。

つまり彼は、側近が上げてきた『絶対に大丈夫』という報告を信じ込み、正しい情報を全く把握していなかった。結局その数ヵ月後、発言を撤回することになるわけです」

思いつきで夢のような政策をぶち上げるが、実現のためにどう動けばいいのか分からず、現場を仕切る人材もいない。ずぶの素人が官邸の主になったも同然だった。

対案も根回しもなく「県外移設」を断言する鳩山氏に、アメリカ政府は激怒。さらに日米関係の亀裂を突くように、中国は尖閣諸島周辺の海へ船舶を次々侵入させた。裏切った期待の大きさ、そして日本の国益に与えたダメージという点で、鳩山氏は群を抜いている。

■オモチャみたいに軽い男

民主党にはムリかもしれない—鳩山政権の体たらくに、少なからぬ国民がそう気づいたが、簡単に後戻りも効かない。後を受けた菅直人総理も、悪い意味で歴史に名を残す総理となってしまった。

菅氏が東日本大震災発生翌日の'11年3月12日、ヘリで福島第一原発に降り立ち、事故現場をさらに混乱させたことは知られている。なぜ彼はこの無謀な「現地視察」に踏み切ったのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「そもそも、総理としての器に問題があった」と分析する。

「私は、総理大臣には『なったら総理』と『なりたい総理』がいると考えています。つまり『総理になったら何をするか』と考えて総理になる人と、『ただ総理になりたい』というだけの人。菅さんは後者の典型で、初当選の頃から『総理になるにはどうしたらいいんだ』と人に聞いて回っていた。覚悟も理念も哲学もないから、あんなパフォーマンスに出たのでしょう」

ある意味で、東日本大震災は民主党政権にとってチャンスにもなり得たはずだった。例えば「原発を即ゼロにし、再生可能エネルギーを国の主要電源に据える」といった、自民党には実現できない大胆な改革を打ち出すこともできたのだ。しかし、菅氏も結局何もできなかった。鳩山氏と同じく、彼はビジョンも実行力も備えていなかった。前出の浅川氏がこう語る。

「本来、政権与党は役人をいかにうまく扱えるかが問われます。しかし、菅さんは彼らに無視され、踊らされただけだった。『事業仕分け』も財務官僚はせせら笑っていましたよ。『民主党には木の枝の先っぽしか見えていない。それで蓮舫(参議院議員)なんかは喜んでいる。オモチャみたいに軽い政権だ』と」

国民の期待を裏切り続け、地に落ちた民主党政権の評価。それでも国民は、実務家風の野田佳彦総理に「三度目の正直」とチャンスを与えた。

だが野田氏は、またもや国民を裏切った。それだけではない。衰弱した日本に追い討ちをかけたのだ。ジャーナリストの須田慎一郎氏が言う。

「野田政権は『消費税増税さえ決めなければ』ということに尽きます。彼が消費税増税のレールを敷かなかったら、もっと早く日本は景気回復の軌道に乗れたはずでした。

『年金・医療・介護の財源をまかなうため』という理屈は分かる。しかし、本当に日本の財政がそれほど危険だったのかどうかという点は、今も疑問が残ります。増税するにしても、景気回復を待ってからで間に合ったはずです。結局、自分が親しかった当時の勝栄二郎財務事務次官以下、財務省の言い分を鵜呑みにしただけなのではないか」

先の2人の総理は、あまりに政権運営能力がなかったために、役人たちにうまく「操られる」ことさえできなかった。だが野田氏には、中途半端に実務能力があった。結果として、彼は霞が関の忠実な僕となった。

■何もかもぶっ壊し過ぎた男

鳩山、菅、そして野田。たった3人の総理、期間にしてわずか3年3ヵ月。あれよあれよという間に、日本は後戻りのできない窮地に追い詰められた。なぜ私たちは、「民主党にやらせてみよう」と一瞬でも思ったのか—政権交代劇で暗躍したあの「黒幕」について指摘するのは、京都大学名誉教授の中西輝政氏である。

「'09年当時、政権奪取前夜の民主党内で、最大の実力者は小沢一郎氏でした。鳩山氏と菅氏は、しょせん小沢氏に使われていたにすぎません。そして民主党政権誕生をめぐる政局で、小沢氏は勝利しましたが、日本は完全に道を誤ってしまった」

自民党にいた頃から、小沢氏の行動パターンは変わらない。「見栄えがよくて軽いみこしを担ぎ、自分は裏で好き勝手に振る舞う」—民主党政権とは結局、小沢氏が権力奪取を目論んでプロデュースし、生み出した政権だったというわけだ。中西氏が続ける。

「政権交代直前、小沢氏は自公政権を揺さぶるため、国政を機能不全に陥らせたのです。'07年に自民党との『大連立』が失敗すると、翌年に日銀総裁人事に異を唱え、あえて自民党との対決を演出し、自身の求心力を高めようとした」

この時の日銀総裁人事で、小沢民主党が推した人物こそ、白川方明前日銀総裁だった。

おそらく小沢氏は、単に「自民党案に反対できれば誰でもいい」と考えて白川氏を担ぎ出したのだろう。だが、この選択が期せずして、日本経済に深刻なダメージを与えることとなる。前出の長谷川氏が言う。

「白川さんは『金融政策はデフレ脱却には効果がない』と考えていましたが、そもそも『金融政策に物価をコントロールする力がない』と考える人が金融政策を担当して、上手くいくはずがない。

金融緩和に実効性があることは、黒田東彦総裁に交替した途端、株価が上昇へ転じたことが証明しています。白川さんはその逆をやり続け、庶民を円高とデフレで苦しめた。もし彼が日銀総裁にならなければ、日本はあと5年早くデフレから脱却できていたと思います」

民主党が下野したとき、多くの国民はこう思った。「初心者」に政権を委ねたのは間違いだった。もう野党には期待できない—。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が指摘する。

「民主党最大の罪は、国民を失望させ、結果的に現在の自民党一強体制を作り出す手助けをしてしまったことだと思います。

民主党政権は大事なときに党内をまとめきれず、自民党がマネできないような抜本的改革も、言うだけで実現しなかった。今、安倍総理の政策に各論では反対の人が多いにもかかわらず、安倍政権が高支持率を保っているのは、国民が野党ひいては政治そのものに幻滅しているからでしょう」

経済学者で明治大学准教授の飯田泰之氏も、鈴木氏と近い見解を寄せた。

「民主党政権は、国民の期待に応えるどころか、むしろデフレと増税という日本停滞の大きな要因を作ってしまいました。経済政策があまりにまずかったため、『リベラル勢力は経済に弱い』というイメージを国民に植え付けてしまったのです」

民主党政権に徹底的に裏切られた記憶が、今なお日本人最大の「トラウマ」になっているのだ。

さらに、野党の体たらくについて、少し違った角度から語ったのが評論家の呉智英氏である。

「私は、元社民党党首の福島瑞穂氏も間接的に『日本をダメにした』と考えています。彼女は理想論を学級委員のように唱えるだけで、自分の信念にもとづく政策を決して語ろうとしない。空論を振りかざすだけの姿に、有権者は『この人たちに政権を預けても、当事者能力はない』と幻滅している。そのせいで、『野党が何を言ってもムダだ』という世論まで生まれてしまったのです」

「与党に反対することが自分の仕事」と決めてかかり、無責任な立場に安住するさまは、現在の民主党も同じ。こうしている間にも有権者は「日本にマトモな野党はない」と不信を募らせているのに、彼らはそれを自覚すらしていないのだ。このままでは、再び政権を任せてもらえる日は決してやって来ないだろう。

では、一方の自民党には何の非もないのかというと、まったくそんなことはない。もとを辿れば、国民が素人集団と分かっていながら民主党に縋らざるを得なくなったのは、自民党政権で日本がガタガタになったからだ。

東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は、医師の視点からこう語った。

「自民党政権で道を誤った政治家というと、森喜朗・小泉純一郎の両元総理が浮かびます。森政権の前後、内需拡大のために道路工事など公共事業に毎年10兆円近いカネが使われました。その借金が、いまだに国民にのしかかっている。あのとき医療や社会保障に投資していたら、ここまで日本の医療はダメにならず、地方の経済が土建依存体質になることもなかった。

さらに小泉政権は、改革の名の下に科学行政を役所へ丸投げしたので、官僚が好き勝手をするようになり、組織も人材も育たなくなってしまった。いわゆる『STAP騒動』も、過熱する予算獲得競争の果てに起きた事件という側面があります」

「改革を断行する」「自民党をぶっ壊す」と叫び、国民を熱狂させた小泉氏。だが、今振り返れば、あの頃を境に日本は完全に変わってしまった。

物事は単純であればあるほどいい。小難しい理屈は鬱陶しい。仕事がないのも、貧乏なのも、モテないのも自己責任。格差はあって当たり前—小泉氏が繰り返した「ワンフレーズ」が、日本人の新たな「価値観」になってしまったのだ。評論家の佐高信氏が指摘する。

「私は小泉氏が重用した竹中平蔵氏の存在も大きいと思います。竹中氏は『慶應義塾大学教授』と紹介されることが多いですが、一方では人材派遣会社パソナの会長を務め、かなりの収入を得ているはずです。それなのに、大学教授の肩書で中立を装って政府の審議会に参加し、労働者派遣法の改悪に手を貸して、あげく『正社員は必要ない』とまで主張して憚らない。さすがにおかしいでしょう」

■メディアを堕落させた男

そして、竹中氏と同時期に小泉氏に引き立てられた人物がもう一人いる。安倍晋三現総理である。

「小泉元総理は、自民党のいい部分までぶっ壊してしまった。党内で異論を唱える人には選挙で『刺客』を送り込んで切り捨て、結果として自民党は人材の厚みを失った。これが現在の、総理に誰一人異論をさしはさめない『安倍一強体制』の土壌を生みだしたのです」(前出・伊藤氏)

確かに今、安倍総理に対抗しうる人物は、自民党の内外を問わず見当たらない。ポスト安倍政権は「院政が始まる」とまで囁かれるありさまだ。この状況に、前出の佐高氏は懸念を強めている。

「政治家の最も大切な役目は『国民を飢えさせないこと』そして『戦争をしないこと』ですが、安倍総理は両方破ろうとしています。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で日本の食を脅かし、周知の通り安保法制も変えようとしている。反対意見は封じ込め、受け入れない。とても自民党本流の政治家とは思えません」

かつて自民党には、タカ派からハト派までさまざまな人材がひしめき、決して「安倍独裁」のような状況は生じなかった。なぜ、清濁併せ呑む「古き良き自民党」は消えてしまったのだろうか。

ひとつの大きな原因は、本来は政権の監視機関たるマスコミが、いまや完全に政権と同じ側に立ち、反対する者を袋叩きにして恥じないことである。

「読売新聞の渡邉恒雄主筆は、言論を殺したと言っていい。『言論には言論で応じる』というメディアの原則を破り、批判記事に裁判で応じるなんて、自分の意見に自信がないことの証拠です。

最近はマスコミ各社の幹部が安倍総理と頻繁に会っていますが、こうした権力との癒着も彼以前にはありませんでした。メディアの権力監視機能を壊した責任は、極めて重い」(前出・佐高氏)

二度と過ちを犯さないためには、われわれ国民が時代を読む目を、人を見る目を養うしかない。

「週刊現代」2015年5月9日・16日合併号より



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/669.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「都構想」賛成促し 橋下市長“肉声スパム電話”に大阪市民激怒(日刊ゲンダイ)
      泣きを入れる橋下市長(C)日刊ゲンダイ


「都構想」賛成促し 橋下市長“肉声スパム電話”に大阪市民激怒
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159681
2015年5月12日 日刊ゲンダイ


「大阪都構想」の住民投票まであと1週間。賛成派と反対派が熾烈な争いを続けているが、橋下徹大阪市長による“スパム電話”に、大阪市民がカンカンになっている。


「自宅の固定電話に電話がかかってきたので取ると、何の説明もなく、いきなり橋下さんの録音テープが流れ始めたんです。都構想への賛成を促すものでした。終わると、そのまま電話は切れました。こんな失礼な電話は初めてです」(大阪市内の主婦)


 この電話は約30秒の録音で、橋下市長が「大阪を変えるラストチャンスです。5月17日は投票所で賛成票を投じてください。投票しなければ賛成になりません」などと呼びかけている。


 大阪維新の会によると、電話は9日午前9時〜午後5時半、10日午後1〜6時の2日間で、計100万件にかけられた。今回の投票は、大阪市内の有権者約211万人が対象で、その約半数もの市民に録音電話が流された計算だ。休日に突然かかってきて、一方的に橋下市長の声が流され、勝手に切られるという“非常識ぶり”は呆れてしまう。職場にかかってきた人もいて、インターネット上で「迷惑」「うざい」と怒りを爆発させている声も目立つ。


「電話をする先はコンピューターがランダムに選んでいます。仕事場にかかってしまい、ご迷惑をおかけしたのだとしたら、申し訳ないとしか言いようがありません。ただ、一件でも多く、代表の声で意見を届けたいという思いから電話をしています」(大阪維新の会)


■佐賀県知事選では安倍首相の応援テープで推薦候補惨敗


 ただ、こうした録音テープによる電話作戦は、マイナスでしかない。今年1月の佐賀県知事選では、自民党が正月早々、安倍首相の応援テープをランダムにかけまくった結果、県民が激怒。自民党が推す候補者が大惨敗した。


 共同通信が9、10両日に行った「大阪都構想」の世論調査では、反対が47.8%で、賛成の39.5%を8.3ポイントも上回っている。「起死回生」を狙った“スパム電話”のようだが、効果はサッパリのようで、橋下市長にも焦りの表情がにじむ。10日の街頭演説では「明日、世論調査で反対派優勢と出ます。簡単なんですよ、反対派は。税金が上がります、保育料が上がります、と言えばパッと広まる。都構想は未来をどうするかという話なんです。はしょって話しても1時間はかかる。市営住宅の前でしゃべっていると、みんなピシャピシャと窓を閉めるんですよ。自民、民主、公明、共産、各種団体……向こうは組織力が凄いんです」などと“泣きを入れる”場面もあった。


 いよいよ土俵際のようだ。


      ◇


とおるちゃんからのでんわ





http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/670.html

記事 [政治・選挙・NHK184] メルケル首相と安倍首相のかくも大きな器量の違い  天木直人
メルケル首相と安倍首相のかくも大きな器量の違い
http://new-party-9.net/archives/1350
2015年5月12日 天木直人のブログ


 一国の指導者として、ここまで器量が違うものか。


 メルケル独首相とロシア訪問のニュースを聞いて思った。


 過去の歴史認識の違いの事を言っているのではない。


 対ロシア外交の戦略の差について言っているのだ。


 きょう5月11日の各紙が一斉に報じていた。


 メルケル独首相が訪ロしてプーチン大統領と会談したという。


 ウクライナ問題について話し合ったという。


 その事を報じる記事の中で私が注目したのは次のくだりだ。


 すなわちメルケル首相はロシアが開いた戦勝70周年記念式典には先 進7か国(G−7)首脳と共に欠席したが、一日ずらしてモスクワを訪れ、露兵士の墓に献花し、プーチン大統領と会って首脳会談を行ったというのだ。


 この手があったのだ。


 なぜ安倍首相はこの手に気づかなかったのか。


 あれほどプーチン大統領との関係を重視してきたはずなのに。


 本来はこれこそが安倍首相が行うべき外交だったのだ。


 メルケル首相は語ったと言う。
 「ロシアとの意見の相違は深いが、戦没者を共に追悼することは重要だ」と。


 米国もドイツ国民も、この言葉に反対できるものはいないだろう。


 プーチン大統領はさぞかし喜んだだろう。


 安倍首相も少しはメルケル首相にならって気の利いた外交をしてみろと言いたくなる見事なメルケル首相の外交である(了)


             ◇


独首相 増す存在感 「加害国の自覚」G7で唯一訪ロ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015051102000130.html
2015年5月11日 東京新聞



10日、モスクワの「無名戦士の墓」に献花するドイツのメルケル首相(手前)とロシアのプーチン大統領=ロイター・共同


 【モスクワ=宮本隆彦】ドイツのメルケル首相は十日、モスクワを訪問し、第二次世界大戦で戦死した旧ソ連軍兵士の遺骨を埋葬した「無名戦士の墓」に献花した。プーチン大統領との共同記者会見では「クリミア併合は欧州の平和的な秩序への脅威だ」とくぎを刺すのも忘れなかった。


 ウクライナでのロシアの行動を認めない立場から、ロシアが前日開いた対独戦勝七十周年記念式典は先進七カ国(G7)首脳とともに欠席したが、翌日の訪問で旧ソ連に大きな犠牲を強いた加害国の自覚を示した。巧みなバランス感覚を発揮するメルケル氏は、ギリシャ債務問題やウクライナ情勢など欧州で「危機」が起きるたびに影響力を強めている。


 メルケル氏はプーチン氏とクレムリン脇にある無名戦士の墓に献花し、首脳会談と共同記者会見をこなした。結果としてロシア国民が国際情勢への関心を高めるこの時期にプーチン氏と会談した唯一のG7首脳となり、存在感を示した。


 二日に発表したビデオ映像では、ウクライナ危機をめぐり「ロシアと意見は大きく異なるが、ドイツの責任で亡くなった何百万もの人たちを追悼することは重要」と訪問の必要性を強調。「政治的に重要な妥協を見いだした」(政治学者アレクサンダー・ラール氏)などと評価されている。


 メルケル氏は旧東独出身でロシア語が堪能。プーチン氏とは通訳なしで会話ができるとされる。二〇一四年二月以降のウクライナ危機では電話協議を含めてプーチン氏と頻繁に会談し、孤立するロシアと欧米とのパイプ役になっている。


             ◇


独首相がロシア訪問、「無名戦士の墓」に献花
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2489091.html


 ドイツのメルケル首相は10日、ロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領とともに、第二次世界大戦で犠牲となった旧ソ連軍の兵士の慰霊碑を訪問しました。


 メルケル首相はプーチン大統領とともに、第二次世界大戦で犠牲となった旧ソ連軍の兵士を追悼する「無名戦士の墓」に献花を行いました。


 モスクワでは前日、対ドイツ戦勝70周年の記念式典が行われ、中国の習近平国家主席らが出席しましたが、ウクライナ危機によるロシアと欧米との対立を背景に、ドイツを含めたG7各国首脳は軒並み出席を見合わせました。


 一方で、メルケル首相は1日訪問をずらし、戦争当事国としての責任を果たした形ですが、ロシアとの関係をつなぎとめておきたいとの狙いもあります。(11日00:07)


             ◇


ロ独首脳会談、ウクライナ問題 交渉による解決目指す
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2489164.html


 ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相が10日、モスクワで会談し、ウクライナ問題について、交渉による政治的解決を引き続き目指すことで一致しました。


 「ウクライナ問題は、(和平プロセスを定めた)ミンスク合意を順守させること以外に解決方法はない」(ロシア プーチン大統領)


 ウクライナ東部では停戦合意後も散発的な戦闘が続いていて、メルケル首相も「非常に困難な状況ではあるが、和平へのプロセスを定めたミンスク合意に基づき、粘り強く交渉を続けていくしかない」と述べました。


 モスクワでは前日、戦勝70周年の記念式典が行われましたが、ウクライナ危機を背景にG7各国首脳は軒並み欠席、メルケル首相は1日ずらしての訪問となりました。


 一方、会見でメルケル首相は、「クリミア編入は国際法違反」との考えを改めて表明するなど、ロシアと欧米との間にできた亀裂は、そう簡単に埋まりそうにありません。(11日01:52)




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記事 [政治・選挙・NHK184] 「残業代ゼロ」で働いているひとたちが、「残業代ゼロ」法案を批判している不思議
http://diamond.jp/articles/-/71323
2015年5月11日 橘玲
「残業代ゼロ」で働いているひとたちが、「残業代ゼロ」法案を批判している不思議
[橘玲の日々刻々]
 安倍内閣が今国会で法制化を目指す「高度プロフェッショナル労働制」は、メディアによって呼び方がまったくちがいます。ある新聞は「脱時間給制度」、別の新聞は「残業代ゼロ制度」で、この3つが同じ法案だということを知らないひとも多いでしょう。

 このなかでもインパクトが大きいのは「残業代ゼロ」で、働いてもお金がもらえないのなら、そんな法律を支持するひとがいるわけはありません。これは「人種差別法案」とか「戦争参加法案」と同じで、最初に問答無用で否定的なレッテルを貼り、議論そのものを拒絶する典型的なプロパガンダの手口です。

 不思議なのは、「残業代ゼロ」を旗印にこの法案を強く批判する新聞社が、従軍慰安婦問題や原発報道でトラブルを起こし、今後は「中立公正な立場」で報道すると紙面で宣言していることです。「残業代ゼロ」という決めつけに対しては、法案の作成にかかわった経済学者などから「あまりにも偏向して不公正」と抗議されていますが、それとこれとは別なのでしょうか。

 さらに困惑するのは、「残業代ゼロ」制度を「問題なのは残業代が出ないことではなく、長時間労働に歯止めがきかなくなることだ」と批判していることです。これではますます論点がわからなくなるばかりで、「過労死法案」とでもしたほうがよほどすっきりします。

「高度プロフェッショナル」は年収1075万円以上という要件ばかりが強調されますが、これは本来、社内弁護士や社内会計士など専門的な資格・技能を持つスペシャリストを想定しています。彼らは「会社に所属している自営業者」ですから、報酬が青天井で転勤など人事異動の対象にならない代わりに、働き方は自分で管理し、会社が要求する成果を達成できなければ職を失うことになります。自営業者に収入の保障などないことを考えれば、これは当たり前の話です。

 それに対して「正社員」という日本独特の職業身分では、定年までの雇用保障と引き換えに、会社はどのような理不尽な要求をしても許されることになっています。日本では労使協定で事実上無限定の時間外・休日労働が認められていますが、グローバルスタンダードの労働基準ではこれは明らかな違法行為です。そのため日本は、ILO(国際労働機関)の労働時間関係条約をひとつも批准できません。

 日本人の長時間労働は終身雇用・年功序列の日本的雇用の悪弊で、「残業代ゼロ」制度とはなんの関係もありません。同じサラリーマンでありながら、一部の人間が「プロフェッショナル」として高給を得ることに嫉妬するひとが批判しているのでしょう。

 日本では一部のブラック企業だけでなく、いたるところでサービス残業という名の「残業代ゼロ」すなわち無給の“奴隷労働”が蔓延しています。日本のマスコミでも、サービス残業のないところなどありません。

 この話がグロテスクなのは、「残業代ゼロ」で働いているひとたちが、「残業代ゼロ」法案を批判していることです。それよりさらにグロテスクなのは、本人がそのことに気づいていないらしいことです。

 サービス残業は「現代の奴隷制」ですから、それを一掃するには経営者に懲役刑を科せばいいだけです。こういう当たり前の主張をする「リベラル」が日本にいないのは、みんな奴隷労働が好きだからなのでしょう。

参考:濱口桂一郎「適切な規制で選択多様に」(日経新聞2015年3月23日朝刊「経済教室」)
『週刊プレイボーイ』2015年4月27日発売号に掲載


<橘 玲(たちばな あきら)>

作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(以上ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、政治体制、経済、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ最新刊 『橘玲の中国私論』が発売中。
●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)にて
橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を配信中!(20日間無料体験中)
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記事 [政治・選挙・NHK184] 財務省のお役人は偉いのかもしれないが、救急車を呼んだ人が軽症かどうかは病院に運ばれてからでないと分からない





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記事 [政治・選挙・NHK184] <過労死>裁量労働の男性認定…東京の労基署 遺族側が立証

毎日新聞 5月12日(火)7時0分配信

<過労死>裁量労働の男性認定…東京の労基署 遺族側が立証
男性の標準的な1日のスケジュール
 証券や国債などの市場情報を提供する東京都内の会社でアナリストとして働き、心疾患で亡くなった男性(当時47歳)について、三田労働基準監督署(東京都)が過労死として労災認定していたことが分かった。男性は仕事の進め方などを労働者の裁量に委ね、実際の勤務時間とは関係なく一定の時間を働いたとみなして給料を支払う「裁量労働制」で働いていた。労働時間が重要な判断材料になる過労の労災認定で、労働時間が不明確な裁量労働制の勤労者が過労死と認定されるのは極めて異例。

【成果賃金の不安拡大】47歳アナリスト過労死 会社は「本人が居残り望んだ」

 遺族代理人の棗(なつめ)一郎弁護士によると、男性は1996年に入社。市場の動向を分析し、ネットを通して顧客にリポートを発信していた。会社側と合意のうえで裁量労働制で働き、残業時間は月40時間とみなされていた。2013年7月に倒れ、心室細動で亡くなった。

 過労死の労災認定は、直前の1カ月の残業が100時間を超えるか、発症前2〜6カ月の残業時間が月平均80時間を超えるのが基準。男性は裁量労働制だったため正確な労働時間を会社側が把握しておらず、みなし残業時間の40時間では労災認定は困難とみられた。

 遺族側はリポートの発信記録や同僚の証言などを基に男性の労働実態を調べた。遺族によると、男性は午前3時ごろに起床して海外市場の動向を分析。午前6時ごろに出社し、朝一番の顧客向けリポートの発信記録はいずれも午前6時40分ごろだった。1日のリポート数は午後5時半までに30を超え、早朝出勤しているにもかかわらず「他の従業員より早く帰るな」と注意されたり、高熱でも出勤を命じられたりするなど本人の裁量は実質的になかったという。

 遺族側はこれらの調査から発症前1カ月の残業を133時間、発症前2〜6カ月の平均残業時間を108時間と判断し、14年8月、三田労働基準監督署に労災認定を申請。同署は15年3月、労災認定した。

 遺族は「裁量労働制で労働実態が分からず泣き寝入りしている遺族はたくさんいると思う。経営者がきちんと労働時間を把握すべきだ」と話している。【東海林智】

 ◇労基法改正案、営業職へ拡大

 厚生労働省によると、2013年度に脳疾患や心疾患で倒れて労災認定された306件のうち、死亡は133件。このうち裁量労働制の人は1人だった。

 裁量労働制は1988年の改正労働基準法でスタート。政府が今国会に提出している労基法改正案には裁量労働制の営業職への拡大とホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ制度)導入が盛り込まれている。1日8時間や深夜業務割り増しなど時間規制の適用が除外され残業の概念がなくなる残業代ゼロ制度と違い、裁量制は深夜や休日出勤など労働時間規制が適用される。

 棗弁護士は「労災申請さえままならないような制度を安易に拡大すべきではない。労働時間の規制緩和の前に長時間労働削減が優先されなければならない」と話している。

【関連記事】
【低賃金でノルマ地獄、ブラック企業合法化?】「残業代ゼロ」最悪のケースは…
【それでも懸念消えず】成果賃金導入の報告書「健康確保」義務付け
弁護士に聞く ホワイトカラー・エグゼンプションの問題点
【拡大も?】表で見る・成果のみで賃金が決まる対象者
【生活設計への影響】対象者の収入は? 会社員としての働き方は?
最終更新:5月12日(火)7時0分毎日新聞

Yahoo!ニュース関連記事
こういう会社が社員をサボらせる-「週80時間労働」なんてうそ Bloomberg 11日(月)7時3分
介護、子育て、真夜中まで仕事−日本の女性は大変 Bloomberg 11日(月)6時0分
5月7日の海外株式・債券・為替・商品市場 Bloomberg 8日(金)6時44分
任天堂:今期営業益500億円に、市場予想上回る-スマホアプリ期待 (2) Bloomberg 7日(木)16時3分
国家公務員に対しても導入、フレックスタイム制って何? THE PAGE 7日(木)7時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150512-00000003-mai-soci
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/674.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 安倍首相には、精神の看護が必要です(生き生き箕面通信)
http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/97826d85676c146593c5c037c2be2243
2015-05-12 08:57:37

 本日5月12日は看護の日。195年前にフローレンス・ナイチンゲールが生まれた日です。彼女は、英国人の両親がイタリア旅行中にフィレンツェ(英語読みはフローレンス)で生まれたのだそうです。

 恵まれた家庭で育ったフローレンスは、フランス語、ギリシャ語、イタリア語に通じ、ラテン語で哲学も学んだ。数学、天文学、統計学、歴史、美術、音楽にも造詣が深く、いわばスーパーウーマン。

 それが、恵まれない人の境遇に思いをいたすようになり、クリミア戦争では負傷兵の看護にあたるようになる。さまざまな障害を乗り越えて、劣悪だった看護の実態を改善し、やがて「クリミアの天使」「看護の天使」と呼ばれるようになった。名実ともに、「近代看護教育の母」と呼ばれるにふさわしい実績を残しました。

 ところで、わが安倍首相は、戦争放棄を定めた憲法を忌み嫌い、なんとか新しい憲法に書き替えようと頭を絞っています。まず緊急事態条項などを入れる「お試し改憲」で、人々のアレルギーを取り除き、本命の9条骨抜き改憲をしようと動き出しました。狂気の沙汰です。

 9条改憲ができなくても、事実上の改憲を意味する「集団的自衛権の行使容認」を決めました。それを実際に可能にする法整備のため、今国会の会期を大幅に延長してでも、あるいは強行採決してでも、成立させるハラです。

 そして、アメリカ軍について世界中どこへでも出かけて戦争をする。戦争は、大企業には儲かる事業です。最近は自慢だったアベノミクスを宣伝しなくなりましたが、経済活況のために戦争経済も辞さない考えです。狂っているとしか言いようがありません。

 日本国は、格差があまりにも酷くなり、結婚もできない若者が増えています。ようやく結婚して子どもを授かっても、その子どもには貧困にあえぐ運命が待ちかまえています。

 日本国はいま、明らかに病んでいます。安倍首相には、自らが病ました日本国を看護して、健全な姿に戻す責務があるはずです。

 といったところで、彼は理解できないでしょう。彼は精神を病んでいるように見えます。彼自身が看護を要する状態です。彼は、ナイチンゲールが残した言葉、「看護とは美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である」という言葉を理解できるでしょうか。「苦悩する者のために戦う者」という言葉を行動で示すことができるでしょうか。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/675.html

記事 [政治・選挙・NHK184] あざとい、アブナイ安倍内閣の安保法制。国民は無視、米国の了解を得て公開(日本がアブナイ!)
http://mewrun7.exblog.jp/23103523/
2015年 05月 12日

 自民党は、安倍内閣が今国会に提出する予定お安保法案の条文案を公明党に提示。公明党が11日の与党協議で合意する意向を示した。^^;
 これを受けて、安倍内閣は14日にこの法案を閣議決定して、今週中にも国会に提出する予定だという。(-"-)

 この辺りは、また改めて突っ込みたいのだが。今回の安保法制は、11の法案、法改正案からなっていて。本来であれば、一つ一つの法案に関して国民の意見も問いつつ、何ヶ月もかけて審議してもいいぐらい、日本の国や安保軍事のあり方を大きく左右するものなのだけど・・・。
 
 何と安倍内閣は、集団的自衛権の行使を可能にする武力攻撃事態法改正などの10法案を、「平和安全法制整備法案」としてまとめてしまい、一括審議をすることで、野党の抵抗を防ぎ、早期成立を目指すことに。 (゚Д゚)
http://mewrun7.exblog.jp/22887646/
 しかも、本当は「戦争」法案のくせに、「平和安全」法案という名前をつけて、国民をだまくらかそうとするあざとさ&えげつなさには、怒りを通り越して、呆れてしまうとこがあるし。(@@)
 他の法案の名も、やたらに平和、安全、支援などの名を入れていたりして。「重要影響事態安全確保法案」とかラッスンゴレライを超える意味不明の名前をつけたりしているのだ。(>_<)
(関連記事・『ラッスンG化する安保法制〜重要法案が、国民軽視で勝手に決まってもいいのか?』)

 とりあえず、今回の記事では、今回、公になった政府の安保法案の要旨を、今後の参考資料のためにもアップしておこうと思う。(・・)

* * * * *

 また、この安保法制案は、実のところ、2月末から3月の初めには、ほぼ決定していたと言われている。^^;
 その原案をベースに2月に公明党と与党協議を行ない、公明党の意見も多少取り入れる形で法案を作成。(どれぐらい公明党の意見を入れるかは、高村ー北側の悪代官コンビが、様々なこととバーターで取引する形で、水面下で話をつけたんだろうな〜と邪推しているです。)
 
 で、高村副総裁が3月に訪米して、米政府に「こんなもので、いかがでしょう?」とチェックを受けて。米国が納得するように修正をした上で、4月末に中谷防衛大臣、岸田外務大臣が米国に行って、2プラス2会合に出席。これらの法案が夏までに成立することを前提にして、日米ガイドラインを改定。
 それで、同じく4月末に念願の米国への正式訪問を果たした安倍首相が、オバマ大統領との会談や会見、さらには米議会での演説でまで、日本が新たな安保法制を夏までに作ると断言し、いわば国際公約をしてしまったのである。(ーー゛)

<まだ、法案の中身が国民に公開や説明もされておらず。国会にも法案提出されていない段階なのに。(-_-;) しかも、世論調査の結果を見ると、今国会で急いで法案成立させることに反対、慎重な国民の方が多いのにね。(・・)>

 つまりは、今回、安倍内閣が作ろうとしている安保法制は、日米ガイドラインの改定(=日米軍一体化による安保軍事活動の第一ステップ)とリンクしている部分が大きいわけで。
 チョット長くなってしまうが、参考資料のために、その新たに決められた日米ガイドライン(日米防衛協力の新指針)の要旨も後半部分にアップしておきたい。(**) 

* * * * *

『政府が今国会に提出する安全保障関連法案の全条文案が8日、判明した。自衛隊の他国軍への後方支援を随時可能にする新法「国際平和支援法案」では、国際社会が国連憲章の目的に従って共同対処する活動を対象とすることを明記。焦点だった自衛隊派遣をめぐる国会承認については、首相が承認を求めてから7日以内に議決する努力義務規定を盛り込んだ。集団的自衛権の行使を可能にする武力攻撃事態法改正など10法案を一括し「平和安全法制整備法案」とした。

 国際平和支援法案は、国際社会の平和および安全の確保に資することを目的と規定。安保法制に関する与党協議会で「例外なき国会の事前承認」を求めた公明党の主張通りに合意したことを受け、「首相は対応措置の実施前に基本計画を添えて国会の承認を得なければならない」と明記した。自民党が当初求めた事後承認規定は盛り込まなかった。

 一方で迅速な派遣手続きを行うため「首相が国会の承認を求めた後(もしくは先議の議院から議案送付があった後)国会の休会中の期間を除いて7日以内に、それぞれ議決するよう努めなければならない」と位置づけた。ただし、国会承認から2年後に継続手続きを取る際は、国会閉会中または衆院解散時に限り「その後最初に召集される国会で承認を求めなければならない」と事後承認を認めた。
 自衛隊の活動範囲については、一部の捜索救助活動を除き「現に戦闘行為が行われている現場では実施しない」と明記した。

 平和安全法制整備法案では、朝鮮半島有事を想定した周辺事態法を「重要影響事態安全確保法」に名称変更。自衛隊の活動範囲に対する地理的制約を撤廃したことを明確化した。(産経新聞17年5月8日)』

* * * * * ☆

『安全保障法制整備に関する法案要旨は次の通り。

(1)国際平和支援法案(自衛隊の海外派遣を随時可能にする新法)

 〔目的〕国際社会の平和および安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い、わが国が国際社会の一員として主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの(国際平和共同対処事態)に際し、諸外国軍隊等への協力支援活動を行い、国際社会の平和および安全に資する。

 〔基本原則〕対応措置の実施は武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならない▽協力支援活動および捜索救助活動は、現に戦闘行為が行われている現場では実施しない▽外国領域における対応措置は、当該国の同意がある場合に限る。

 〔対応措置〕国連(総会または安全保障理事会)決議が存在する場合の諸外国軍隊等に対する協力支援活動(武器提供を除く物品・役務提供)、捜索救助活動、船舶検査活動▽協力支援活動を円滑かつ安全に実施することが困難と認める場合は速やかに実施区域の指定を変更、または活動を中断▽活動場所やその近傍で戦闘行為が行われるに至った場合や、それが予測される場合は活動を一時休止。

 〔基本計画〕首相は国際平和共同対処事態に際し、対応措置に関する基本計画案の閣議決定を求めなければならない。

 〔国会承認〕首相は対応措置実施前に国会の承認を得なければならない▽先議の院は首相が承認を求めた後7日以内(休会期間を除く)、後議の院は議案送付後7日以内(同)の議決に努めなければならない▽首相は国会承認から2年を超えて対応措置を実施するときは、30日前から当該日までに国会の承認を求めなければならない(閉会中または衆院解散中は事後も可)

(2)平和安全法制整備法案(関連法を一括改正)

【自衛隊法改正】

 〔防衛出動〕わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(存立危機事態)を追加。

 〔在外邦人の保護措置〕外国における緊急事態に際し、生命または身体に危害が加えられる恐れがある邦人の警護、救出その他の保護措置の依頼があった場合、首相の承認を得て実施▽自衛官は保護対象者の防護または職務を妨害する行為の排除のため、やむを得ない必要があると認める相当の理由があるときは、合理的に必要と判断される限度で武器を使用できる(任務遂行型武器使用の容認)。

 〔米軍等部隊の武器等防護〕自衛官は、わが国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場を除く)に従事しているものの武器等を警護するに当たり武器を使用できる(警戒監視活動時の米艦防護など想定)。

【国連平和維持活動(PKO)協力法改正】
 対象活動に国際連携平和安全活動(非国連統括型)を新設し、協力業務に次を追加。

 (1)住民、被災民に対する危害の防止および抑止その他特定区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問および警護(安全確保業務)。

 (2)活動を統括または調整する組織における企画立案、調整、情報の収集整理(司令部業務)。

 (3)活動関係者に対する不測の侵害または危難が生じ、または生じる恐れがある場合に、緊急の要請に応じて行う保護(駆け付け警護)。

 〔国会承認〕首相は、安全確保業務または停戦監視を実施する場合、実施計画を添えて国会の承認を求めなければならない。

 〔武器使用〕自衛官は、外国部隊要員が共に宿営する宿営地が攻撃されたときは、当該要員と共同して武器を使用できる▽安全確保業務に際し、業務を妨害する行為を排除するため武器を使用できる▽駆け付け警護に際し、自己と活動関係者を防護するため武器を使用できる。

【周辺事態安全確保法改正】

 〔名称変更〕重要影響事態安全確保法に改める。

 〔目的〕そのまま放置すればわが国に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態(重要影響事態)に際し、米軍等を支援し、日米安全保障条約の効果的運用に寄与することを中核とする外国との連携を強化する。

 〔基本原則〕後方支援、捜索救助活動は現に戦闘行為が行われている現場では実施しない。外国領域では当該国の同意がある場合に限る。

 〔定義〕「米軍等」は(1)日米安保条約の目的達成に寄与する米軍(2)国連憲章の目的達成に寄与する外国軍隊(3)その他これに類する組織。

 〔武器使用〕職務に伴い自己の管理下に入った者を防護するために武器を使用できる▽米軍等と共に宿営する外国宿営地が攻撃された場合、米軍等の要員と共同して武器を使用できる。

【船舶検査活動法改正】

 〔目的〕重要影響事態、国際平和共同対処事態にも対応。

 〔武器使用〕職務に伴い自己の管理下に入った者を防護するため武器を使用できる。

* * * * *

【武力攻撃事態対処法改正】

 〔目的〕存立危機事態への対処のための態勢を整備する。

 〔対処基本方針〕記載事項に(1)事態の経緯、事態認定の前提となった事実(2)他に適当な手段がなく武力行使が必要である理由−を追加▽存立危機事態の自衛隊出動は、国会の事前承認が原則(衆院解散中は緊急集会による参院の承認)。

【その他の法改正】

 米軍行動関連措置法=存立危機事態新設に対応▽特定公共施設利用法=米軍以外の外国軍隊も対象に追加▽海上輸送規制法=存立危機事態新設に対応▽捕虜取扱法=同
 ▽国家安全保障会議(NSC)設置法=審議事項に(1)存立危機事態(2)重要影響事態(3)国際平和共同対処事態−への対処を追加。

(3)グレーゾーンの手続き迅速化(閣議決定案)

【外国軍艦の領海航行】海上警備行動発令のため特に緊急な判断を必要とし、速やかな臨時閣議開催が困難なときは、首相の主宰により、電話等により各閣僚の了解を得て閣議決定する。

【武装集団の離島上陸】不法上陸事案が発生し、対処を総合的かつ強力に推進する必要がある場合、内閣に首相を本部長とする対策本部を速やかに設置▽海上警備行動、治安出動発令のため特に緊急な判断を必要とし、速やかな臨時閣議開催が困難なときは、首相の主宰により、電話等により各閣僚の了解を得て閣議決定する。

【公海上での民間船舶への侵害行為】現に行われている侵害行為への対応に関し、海賊対処行動、海上警備行動発令のため、特に緊急な判断を必要とし、速やかな臨時閣議開催が困難なときは、首相の主宰により、電話等により各閣僚の了解を得て閣議決定する。(時事通信15年5月11日)』

〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜

『日米防衛協力の新指針要旨)

 新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)の要旨は次の通り。
 
【防衛協力と指針の目的】
 切れ目のない、力強い、柔軟かつ実効的な日米共同の対応▽日米両政府の国家安全保障政策間の相乗効果▽政府一体となった同盟の取り組み▽地域、他のパートナーとの協力▽日米同盟のグローバルな性質。

【基本的な前提・考え方】
 日米安全保障条約、関連取り決めに基づく権利・義務、日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されない。日本の活動は、専守防衛、非核三原則などの基本的方針に従って行われる。
 指針は、2国間協力の実効的な態勢の構築が目標で、両政府が努力の結果を具体的な政策、措置に適切な形で反映することを期待。

【強化された同盟内の調整】
 日米両政府は平時から利用可能な同盟調整メカニズムを設置し、運用面の調整、共同計画の策定を強化。

【日本の平和・安全の切れ目のない確保】
 平時から緊急事態までのいかなる段階においても、切れ目のない形で日本の平和、安全を確保するための措置をとる。

 (1)平時からの協力措置 情報収集、警戒監視、偵察▽防空、ミサイル防衛▽海洋安全保障=航行の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持するための措置に関し、相互に緊密に協力。海洋監視情報の共有をさらに構築し、強化▽アセット(装備品など)の防護▽訓練・演習▽後方支援=日米物品役務相互提供協定、関連取り決めに規定する活動について、補給、整備、輸送、施設、衛生、これに限らない支援を相互に行う▽施設の使用。

 (2)日本の平和、安全に対して発生する脅威への対処 同盟は日本の平和、安全に重要な影響を与える事態に対処する。当該事態については地理的に定めることはできない。
 非戦闘員を退避させるための活動▽海洋安全保障=国連安保理決議その他の国際法上の根拠に基づく船舶の検査を含む▽避難民への対応のための措置▽捜索・救難▽施設・区域の警護▽後方支援▽施設の使用。

 (3)日本に対する武力攻撃への対処行動 空域を防衛するための作戦▽弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦▽海域を防衛するための作戦▽陸上攻撃に対処するための作戦=自衛隊は島しょに対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施。米軍は自衛隊の作戦を支援し、補完するための作戦を実施▽領域横断的な作戦▽通信電子活動▽捜索・救難▽後方支援▽施設の使用▽化学・生物・放射線・核防護。

 (4)日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動 自衛隊は日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に対処し、日本の存立を全うし、日本国民を守るため、武力の行使を伴う適切な作戦を実施。
 アセットの防護▽捜索・救難▽海上作戦=自衛隊、米軍は海上交通の安全確保を目的とするものを含む機雷掃海において協力▽弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦=自衛隊と米軍は適切な場合に弾道ミサイルの迎撃に協力▽後方支援。

 (5)日本における大規模災害への対処協力 米国は日本の活動に対する適切な支援を行う。捜索・救難、輸送、補給、衛生を含む。

【地域、グローバルな平和と安全のための協力】
 日米両国は、アジア太平洋地域、これを越えた地域の平和、安全、安定、経済的な繁栄の基盤を提供するため、パートナーと協力しつつ、主導的役割を果たす。3カ国、多国間の協力を追求。
 平和維持活動▽国際的な人道支援・災害救援▽海洋安全保障▽パートナーの能力構築支援▽非戦闘員を退避させるための活動▽情報収集、警戒監視、偵察▽訓練・演習▽後方支援。

【宇宙、サイバー空間に関する協力】
 両政府は宇宙空間の安全保障の側面を認識し、平和的かつ安全な宇宙の利用を確実なものとするための連携を強化。
 深刻なサイバー事案が発生した場合、日米両政府は緊密に協議し、適切な協力行動をとり対処。

【日米共同の取り組み】
 防衛装備・技術協力▽情報協力・情報保全=日米両政府は秘密情報の保護に関連した政策、慣行、手続き強化における協力を推進▽教育・研究交流。(時事通信15年4月28日)』

                  THANKS


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記事 [政治・選挙・NHK184] 百田尚樹氏がTwitterで元朝日新聞記者・植村隆氏の海外講演について猛批判「よくもぬけぬけと!」(トピックニュース)


百田尚樹氏がTwitterで元朝日新聞記者・植村隆氏の海外講演について猛批判「よくもぬけぬけと!」
http://news.livedoor.com/article/detail/10100583/
2015年5月12日 7時0分 トピックニュース


10日、作家の百田尚樹氏が自身のTwitterアカウントに、元朝日新聞記者・植村隆氏のアメリカ講演について厳しく批判する投稿をした。


1991年、朝日新聞大阪社会部に在籍していた植村氏は、旧日本軍の強制連行を受けたとされる慰安婦女性の証言を元に記事を執筆した。同記事は当時国内外で話題を呼んだが、23年が経過した2014年、朝日新聞は「『挺身隊』との混同 当時は研究が乏しく同一視」と題した記事の中で、当時の記事内容が誤っていたことを認めている。


今回、百田氏は、植村氏がアメリカ・ロサンゼルスにあるカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)にて「『捏造(ねつぞう)記者』とバッシングを受けている」「言論の自由、報道の自由、学問の自由、民主主義に対する攻撃だ」などと講演したと伝える産経新聞のリンクを貼り「よくもぬけぬけと!」「アメリカで日本を貶める目的は何か!」と厳しく批判している。




「民主主義への攻撃」元朝日記者の植村氏、LA講演で持論
http://www.sankei.com/world/news/150509/wor1505090051-n1.html
2015.5.9 20:28 産経新聞


 【ロサンゼルス=中村将】元朝日新聞記者で慰安婦報道に関わった北星学園大(札幌市)非常勤講師、植村隆氏が8日、米ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)で講演し、「『捏造(ねつぞう)記者』とバッシングを受けている」と訴えた。


 植村氏は「最初に署名入りで、慰安婦のおばあさんが証言を始めたという記事を書いたことで標的にされた」と持論を展開。自分に向けられる攻撃を「言論の自由、報道の自由、学問の自由、民主主義に対する攻撃だ」とも述べた。


 講演には、安倍晋三首相の訪米に合わせて韓国から訪れた元慰安婦も出席。会場には約200人がいたが、植村氏に批判的な参加者もいた。 




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/677.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 安保法制の全条文 与党合意 戦闘参加 厳格基準示さず(東京新聞)

安保法制の全条文 与党合意 戦闘参加 厳格基準示さず
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051290070726.html
2015年5月12日 07時09分 東京新聞


 自民、公明両党は十一日、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認をはじめとする新しい安全保障法制に関する与党協議で、関連法案の全条文に最終合意した。政府は十四日に関連法案を閣議決定し、週内に国会に提出する。集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈を変更した昨年七月の閣議決定を法制化する与党協議では、日本が戦闘に参加する基準は厳格化されなかった。経済混乱の際に集団的自衛権を行使する可能性も排除しなかった。

 安保法制は、集団的自衛権の行使容認のほか、周辺事態法を改正して地球規模で米軍の戦闘などを支援できるようにする重要影響事態安全確保法案、「国際社会の平和と安全」を目的に他国軍の戦闘を随時支援できるようにする国際平和支援法案が主な内容。これらに加え、あらゆる事態に「切れ目なく」対応するとして、海外での自衛隊の活動を大幅に拡大する。

 集団的自衛権の行使容認については、武力攻撃事態法改正案で、他国への武力攻撃が発生し「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」事態を「存立危機事態」と規定。自衛隊法改正案は、存立危機事態の場合には武力行使できることを明記した。

 集団的自衛権の行使を可能にする主な法改正はこれだけで、何が存立危機事態なのかの明確な基準は示さなかった。安倍政権は、原油や天然ガスが国内に入ってこなくなるような経済混乱は存立危機事態に該当する可能性があるとして、中東での戦時の機雷掃海を集団的自衛権行使の事例に挙げる。

 こうした法解釈に基づき、日本に波及する何らかの経済混乱が海外で発生した場合に「自衛」を名目にした武力行使が広がっていく恐れが残った。

 与党は、閣議決定では明確でなかった集団的自衛権行使の基準は、法制化を通じて厳格化すると説明していたが、法案には閣議決定で示した「武力行使の新三要件」の要素を盛り込むことにとどまった。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/678.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 小沢一郎検審の偽装捜査報告書のネット流出事件から3年、小沢裁判の評価には真相解明が不可欠(MEDIA KOKUSYO)
小沢一郎検審の偽装捜査報告書のネット流出事件から3年、小沢裁判の評価には真相解明が不可欠
http://www.kokusyo.jp/mori_shiki_saiban/7641/
2015年05月12日 


 偽装捜査報告書のネット流出事件とはなにか?

この事件は、Media Kokusyoでも小沢一郎検審問題との関連で、たびたび取り上げてきた。紙メディアも事件の当初は報道している。

記事の大きさは、社によって異なるが、新聞の場合、少なくとも読売、朝日、毎日、産経は報じている。特に産経は、偽装報告書がネット上で公開された後の2012年5月5日に第1面で大きく取り上げた。

産経の報道によると、小沢検審へ送られ、その後、外部へ流出し、ネット上で公開された偽装の捜査報告書は、「何者かが意図的に流出させた可能性がある」という。

■5月5日付け産経新聞の記事
http://www.kokusyo.jp/wp-content/uploads/2015/05/mdk150511a.pdf

捜査報告書の流出ルートは、窃盗などのケースは別として、原則的には、検察側から流出したか、小沢弁護団側から流出したかの2ルートしかない。

2012年5月18日付け毎日新聞によると、「小川敏夫法相は18日の閣議後の記者会見で、『調査の結果、検察庁から流出したものではなかった』と明らかにした」という。

小川法相のコメントが真実とすれば、小沢弁護団側を調査する必要があるが、これまでどのような調査が行われたのだろうか。真相を解明するための最大限の努力は行われていない。これ自体が異常だ。新聞ジャーナリズムも調査対象からも外れている。

改めて言うまでもなく、真相解明が必要なのは、小沢氏の無罪判決の中身が、偽装報告書の流出により生じた検察批判の世論に、若干は影響された可能性も完全には否定し切れないからだ。だれが偽装報告書を流出させたかを解明しなければ、小沢一郎裁判の正しい評価もできない。

事件から3年、いま再検証が求められている。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/679.html

記事 [政治・選挙・NHK184] [報ステ]安保法制2法案で審議・歯止めの「事前承認」は…/[NEWS23]自公・安保法制正式合意・今の国会で成立50%が
反対


05/11 22:09
 
テレビ朝日 【報道ステーション】
安保法制2法案で審議・歯止めの「事前承認」は…


自公・安保法制正式合意・今の国会で成立50%が反対


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/680.html
記事 [政治・選挙・NHK184] 安保法制を自公がシナリオ通りに合意。国会もスンナリ通過しちゃえば、これからの日本は、毎日が「開戦前夜」ってことですね。
http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-cdb1.html
2015年5月12日 くろねこの短語


 今朝の東京新聞の運勢欄によれば、「うま年:子供を教育するには欺くなと教えるのを第一とせよ」とあった。白昼平然と主権者たる国民を欺くレレレのシンゾー(こやつはうま年です)にはさぞかし耳の痛いことだろう・・・って、そんな殊勝な玉じゃないか。

 でもって、欺きのシンボルとも言える安保法制を自公がシナリオ通りに合意して、いよいよこの国も「開戦前夜」です。しかしまあ、ナンミョー・公明党も落ちるところまで落ちたもんです。オザワンの懐刀だった平野君が「「安保法制は『これをやっちゃいけない』という出発点から発想すべきなのに、公明党は弁護士出身の幹部たちが理屈をこねて『ここまではできる、あれもできる』と法案を認める針の穴を開けていった。やはり連立を切られる怖さがあるから」ってコメントしているけど、まさにナンミョー党は語るに落ちましたね。

・安保法制の全条文 与党合意 戦闘参加 厳格基準示さず
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051290070726.html

 このまま地獄に落ちやがれってなもんなだが、これを迎え撃ち野党がこれまたヘタレ集団だからいやんなっちゃうんだね。二枚舌の猪八戒・枝野君なんか「(野党間で)考えに違いがあるが、しっかりした審議が必要という点は間違いなく最大公約数だ。共通する部分で連携するため、野党第一等のわれわれが汗をかく」なんてのたまっちゃってるけど、民主党のなかにだって松原仁のような「米国によって短期間につくられた憲法にはドラマがない。日本人を奮い立たせる背景はない。憲法を変えることによって初めて日本人は大きなエネルギーと活力を持つようになる」なんてほざく輩がいるんだから、まずはそこを整理整頓しないと説得力がないんだね。

 大阪都市構想ではオール野党で共産党の街宣車に乗って反対演説してるけど、そんな具合に安保法制で徒党を組めるかといえば、それは無理な相談というものだ。結局のところは、おざなりな国会審議をダラダラ続けた挙句に、時間切れで採決ってのが暗黙のスケジュールなんだろうね。でもって、「この夏までに安保法制成立」っていうレレレのシンゾーの勝手なアメリカとの約束が履行され、これでまたアメリカ植民地の総督として覚えめでたくなるっていうわけです。

 ようするに、国会は、違憲総理の独断と偏見による政策の、たんなる追認機関へと成り下がっちゃってるんだね。昨日のテレビ朝日『スーパーJチャンネル』で、ヘビースモーカー・大谷君が、「存立危機事態なんてとんでもない。いまは、憲法の存立危機ということだ」ってな意味のことをコメントしてたけど、たまにはいいこと言うもんだと感心しちまった。そう、「憲法の危機」ってことを、どれだけマスメディアが認識してるか。戦後70年、いまほどジャーナリストの矜持が問われている時代はなかったに違いない。でも、もう遅いかもね。違憲総理による新聞・TVの幹部連中の接待漬けを見ていれば、戦前の軍部との談合のように、もう既にレレレのシンゾー一派と盃交わしちゃってるかもしれない。そんな嫌な予感がする台風襲来目前の朝であった。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/681.html

記事 [政治・選挙・NHK184] AIIBと中国共産党の日本工作 門田隆将(WiLL)
AIIBと中国共産党の日本工作【門田隆将】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150512-00010000-will-pol
WiLL 5月12日(火)11時59分配信


■AIIBをめぐって中国は対日チャンネルを総動員

「中国が焦っている。“対日チャンネル”が総動員されているらしい」

 春先、そんな真偽不明の噂が、永田町を駆けめぐっていた。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加の是非をめぐって焦っていたのは、「日本側だろう」と思い込んでいた向きには、それは、意外このうえない噂だった。

 そして、その“対日チャンネル”とやらが功を奏したのか、三月から四月にかけて、“親中派”と目される政治家たちの「発言」や「パフォーマンス」が目立ち、日本のメディアでも、盛んにAIIBへの参加を促す論陣が張られていった。メディアでは、日経新聞が社説で〈中国が主導するインフラ銀に積極関与を〉(三月二十日付)と訴えたのをはじめ、朝日新聞や毎日新聞を中心に、積極的に参加を呼びかけるものが目立った。

 しかし、周知のように、日本は、アジア開発銀行(ADB)の最大出資者として、アメリカと共に一九六六年の創立以来、これを取り仕切ってきた歴史がある。歴代総裁は、すべて日本人だ。これに対してAIIBは、中国の楼継偉・財務相が、「西側が示すルールが最善だとは思わない」と語ったように、真っ向から「対抗する形」で発足するものである。

 もし、これに参加し、出資するというのなら、相当な「理由」と貸し倒れに対する「覚悟」が必要であり、国民に納得いく説明が要求されるだろう。常識的に考えるなら、金融分野における主導権を日米から奪いたい中国が、円・ドルに代わる人民元による一大経済圏をつくる野望の一環がAIIBではないか、と捉えるのが妥当かもしれない。

 日米が参加しない国際金融機関は信用性に欠け、格付けの面でも打撃を受けて資金調達にコスト面で直接、影響が出る。それだけに中国による日本への参加要請が相当なものだったことは想像に難くない。しかし、理事会の透明性や融資基準など、クリアされなければならない問題が数多くあり、そのための「日本側からの質問」に回答がないままの参加など、あり得なかったはずだ。

 それでも、やはり親中派として知られる福田康夫・元総理が、「AIIBに参加を拒否する理由はない」と語るなど、参加拒否を貫く安倍政権への揺さぶりは大きかった。

 私は、前号(『WiLL』2015年6月号)の当コラムでも書いた共産圏による日本の政治家への工作について、あらためて想起した。中国の人民解放軍総参謀部第二部に原籍を持つ工作員が竹下総理の事務所に私設秘書として入り込んでいたという前号での指摘には、かなりの反響があった。

 しかし、日本の政治家が中国の工作員に脇が甘いのは、いわば伝統とも言えるものだ。

■親中派の政治家が多い理由

 一九九〇年代、橋本龍太郎総理その人が、中国の女性工作員と男女の関係となり、国会でも取り上げられたことがある。共産国からの工作に、日本の政治家はあまりに無防備だ。

 しかし、中国共産党は長い間、日本の社会党や共産党にしかルートを持たず、政権への直接的な影響を行使できないでいた。それは、中華民国の国民党が自民党と太いパイプを持っていたからでもある。その突破口を開いたのは、自民党の有力者だった松村謙三氏(一八八三年〜一九七一年)だ。

 清貧な人柄で知られる同氏は、蘭の花が唯一の趣味と言われ、この人物に狙いを定めた中国は、わざわざ蘭の協会を立ち上げ、その訪日団を組織して、自然な形で松村氏と接触することに成功する。中国は、そこから自民党内部に徐々に浸透していく。そして、ついには竹下事務所にまで人民解放軍の工作員を私設秘書として送り込むまでの関係を築いたのだ。ちなみに河野洋平氏は、松村氏が日中友好を押し進めるために池田勇人氏の後継総裁として推した河野一郎氏の次男である。

 なぜ、これほど日本の政治家には親中派が多いのだろうか──国民はそんな素朴な疑問を抱いているに違いない。だが、それは苦労の末に掴んだルートを“運営”する中国共産党による「不断の努力」の結果に過ぎない。

 河野洋平氏と翁長沖縄県知事がなぜこの時期、中国に招かれ、わざわざ李克強首相まで、その会談に出てきたのか。そこには、計算し尽くされた中国共産党の深謀遠慮がある。

 それを思えば、「われわれは歴史を忘れていないし、忘れてはいけない。中国が提唱したAIIBを私たちは重視している」(河野氏)や、「沖縄はかつて琉球王国として、中国をはじめ、アジアとの交流の中で栄えてきた歴史がある」(翁長氏)というその会談での発言も、不思議でも何でもない。

 今も現在進行形で行われている中国共産党による水面下の「日本工作」を想像しながら中国報道に接することを是非、お勧めしたい。

門田隆将(ノンフィクション作家)


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/682.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 戦争法案の危険性にフタするマスコミとお気楽与党(田中龍作ジャーナル)
戦争法案の危険性にフタするマスコミとお気楽与党
http://tanakaryusaku.jp/2015/05/00011146
2015年5月12日 11:52 田中龍作ジャーナル



与党協議。記者クラブのみ「取材可」だった。何とか潜り込んだ筆者は質問もせず沈黙を貫いたので、つまみ出されずに済んだ。=11日、衆院会館 写真:筆者=


 こんなにお気楽でよいのか? 与党とマスコミの危機感のなさに驚いた。


 11日、集団的自衛権の行使を容認する安保法制について自公が合意した。いつでも世界のどこへでも自衛隊が出かけて行って戦闘できるようになる。


 日本が戦後70年間、続けてきた専守防衛をかなぐり捨てたのである。歴史の転換点となった与党協議の場に入った。


 14日に閣議決定され、今週中にも国会に上程される法案が記者団に配布された。


 ホルムズ海峡の機雷封鎖などを想定した「存立危機事態法」。武器を使用して邦人を救出できるようにする「自衛隊法」・・・突っ込みどころ満載だ。


 にもかかわらず、記者団からは当たり障りのない質問が続いた。


 某紙の記者が「地球の裏側に行って戦争するんじゃないか、と心配する国民がいますが?」と質問した。問題意識のある質問はこれくらいだった。


 自民党の高村座長は「地球の裏側で新3要件(※)に合致するようなことは思い浮かばない」。


 公明党の北側座長代理は「自衛権の行使が世界的にあるとは思えない」。


 両氏ともお気楽だ。高村座長に至っては「不安を煽る人がいるからね」とまで言って鷹揚に振る舞った。



これが地球の裏側まで自衛隊を派遣して戦争させる法案だ。分厚い。


 ホルムズ海峡の機雷を除去すれば、イランと戦闘になることは避けられない。精強なイスラエル海軍を撃破した中国製の地対艦ミサイルを持つイランと戦えるのか?


 ISに囚われた人質は、アメリカの特殊部隊でさえ救出できなかった。ノウハウも経験もない自衛隊が本当に救出できるのか?


 質問した記者がなぜ突っ込まないのか、不思議でならなかった。


 配布された資料には日本の安全保障にとってコペルニクス的転換となる11法案が盛り込まれている。2冊で計191ページにもなる。


 大ベテラン政治記者の岸井成格氏(毎日新聞・特別編集委員)は「こんな厚い法案を見たことがない」と驚く。


 岸井氏は「これだけの(重要で大量な)法案は3つ位の国会を経て審議して当然」と指摘する。


 安倍政権はそれを後半国会だけで あげて しまおうというのだから拙速という他ない。


 問題点を追及する気概のないマスコミと安定多数にあぐらをかく与党。危機意識なき報道と政治が、「戦争法案」の本質に蓋(ふた)をしたまま、日本を危険な方向に導いて行く。


 ◇
※新3要件(武力行使の新3要件)


@ 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。


Aこれを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。


B必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。
〜出典:ウィキペディア〜




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/683.html

記事 [政治・選挙・NHK184] NHK解説スタジアム「安全保障法制を問う」:同床異夢の日米安保協力:中国脅威論で自衛隊の米軍下請け化を正当化する愚

2015年04月29日 (水) 午前11:00〜[NHK総合放送]
解説スタジアム 「安全保障法制を問う」

安達 宜正 解説委員 / 島田 敏男 解説委員 / 高橋 弘行 解説委員 / 津屋 尚 解説委員 /  司会:西川 吉郎 解説委員長


○西川 政府与党は、戦後日本の安全保障政策を転換する、新しい安全保障法制の検討を進めています。連休明け、来月半ばには、国会に関連法案が提出される見通しです。今日はこの安全保障法制のあり方について、討論して行きます。まず、安全保障を考える上で重要な、日米首脳会談が、今日未明行われました。高橋解説委員に解説してもらいます。


○高橋 日米同盟の一層の強化を強くアピールした、今回の日米首脳会談。“OTAGAINO TAMENI”。お互いのために。オバマ大統領は、今回の会談の後の記者会見でこの日本語を使って、『会談の成果はアメリカと日本の双方に、大きな利益になるんだ』と強調しました。会談の最大の特徴は、日本の防衛協力の大幅拡大の方針が歓迎されたことです。具体的には、日本が集団的自衛権の行使を可能にすることによって、自衛隊のアメリカ軍への新たな協力、例えば、弾道ミサイルの迎撃などの協力が想定されています。また、アメリカ軍への後方支援における、地理的制約をなくし、さらに有事だけでなく、平時での協力など、自衛隊の幅広い活動が想定されています。

一方、経済面では、TPP、環太平洋パートナーシップ協定が重要であるとして、早期妥結を、改めて確認したんですが、その背後にあるのが、中国の存在です。南シナ海での権益拡大の動き。また、AIIB、アジアインフラ投資銀行に見られる、経済面での存在感も拡大させる中国を強く意識した日米双方が、連携を強化した形の会談でもありました。
ただ、自衛隊がアメリカ軍への協力を、実際に大幅に拡大するためには、安保法制の整備が必要です。そのための、国会での議論はまだこれから始まるというのが現状です。


○西川 では討論に入ってまいります。まず、安全保障法制の議論に入る前に、きょう未明行われた日米首脳会談をどのように見たか、ということなんですけど、まず私から。
高橋解説委員からあったように、やはり中国が大きな存在感となって見えて来たと思います。両首脳、必ずしも個人的にはしっくり行っていないとされるものの、この日米同盟を強化するという思惑のところでは一致して、記者会見での強い発言になったと思うんですけれども、そういう意味では、この点でも中国が日米関係の向こう側に一層強く立っているという構図が見えて来たと思います。では、まず、島田さんからお願いします。


○島田 今の西川さんの話にもありました。安倍総理とオバマ大統領は、良く言われるのが、太い信頼関係というもので結ばれた間柄ではない、ということだったんですけど、今回は、まさに2人の政治家の思惑が一致した、という会談だったと思うんですね。
1つは、オバマ大統領は、自分の8年の任期の最後の仕上げとしての、いわゆる遺産、レガシー作りということで、日米安保というこの枠組みを、これまでアジア太平洋と言っていたものを、それをさらに世界の規模にまで広げるということを宣言した。これを1つの成果としたい。一方で、安倍総理の方も、長期政権をこれから先、まだ目指して行く上で、日米の同盟関係の一層の強化。日本の負担をもっと増やすから、アメリカもずっと日本と共にいてくれ、というメッセージを大きく打ち出した。自らの政治的な、今後に向けての大きな足掛かりにしたということなんでしょうね。これが思惑の一致だと思います。


○西川 高橋さんはどう思いますか。


○高橋 はい。今の島田さんの意見と、かなり似ているんですけども、アメリカの立場から言うと、やはり、アメリカも、その国際的な力関係から見て、自分の力が相対的に落ちて来たということを、徐々に自覚し始めています。ですから、こうした中で日本の側から、集団的自衛権の行使を容認しますということを、言って来てくれているというのは、ある意味非常にタイミングとしてはアメリカにとってありがたい、その意味では、相思相愛の時期での首脳会談だったということが言えるんですけれども、ただ、日本の側に立ってみれば、これだけ自衛隊の活動が大きく変わる、それなのに日本国内の議論がまだ充分ではない、と思われる中で、先にアメリカと極めて良好な関係で、歓迎しましょうっていう、合意を結んだということは、これから先の議論で、どうなのかなという気はします。


○西川 安達さんは。


○安達 今、高橋さんが言った最後のところは重要だと思うんですね。この前、自民党の幹部と話したんですけど、安全保障を巡る議論はまったく盛り上がってないって言うんですね。そういう中で、オバマ大統領が首脳会談の中で、日米はグローバルなパートナーと。日米の防衛協力というか、軍事面での協力の拡大ということを強調したんですけど、これは一体誰が決めたんだと。安倍総理大臣は確かにおっしゃっているんですが、国会の議論は、まだまったくやっていないわけですよね。で、これからの立法機関である国会の議論を前にアメリカと約束することが良いことなのか。また、憲法解釈の変更や、今までの安全保障政策を大きく踏み越えることを、ここで約束していいのかっていうのは、今後の議論として残ってくるんじゃないかと思いますね。


○西川 津屋さんは、どうですか。


○津屋 中国の軍事的台頭に対して強い懸念を持っているという点では、日米は間違いなく一致していると思います。ただ、脅威の認識のレベルというか、危機感の強さとなると、必ずしも一致しているわけではないと思います。つまり、安倍政権に比べてオバマ大統領の方が脅威認識の度合いは低いと言われています。
首脳会談では、今回強固な日米同盟というものが強調されはしましたけれども、実際に抑止力を強化して行くという時に、この認識のずれをどのように埋めて行くのかが課題になって行くと思います。


○西川 こうした日米関係を踏まえたところで、安全保障法制を巡る問題を具体的に考えて行きたいと思います。島田解説委員に、その内容を解説してもらいます。


○島田 はい。政府が来月中旬の閣議決定を目指しています、安全保障の法制整備関連法案、これは内容が実に複雑多岐にわたっていますので、あえて2つの柱にまとめて見ますと、こうなります。


第一の柱は、集団的自衛権の行使を限定的に容認するための自衛隊法などの改正です。日本が直接攻撃をされていなくても、日本の安全確保につながる場合には、武力行使を可能にします。
第二の柱は、外国軍部隊に対する後方支援を大幅に拡大するための法整備です。こちらは自衛隊が、直接武力を行使するのではなくて、外国の軍隊に物資を補給したりする活動です。
まず、このうちの第一の柱、集団的自衛権。こちらについて見てみますと、政府与党は、武力行使が可能な要件を厳しく限定したと、こう言います。しかし、ここにありますように、この密接な関係にある他国というのは、どこまでを指すのか。我が国の存立が脅かされる明白な危険、といったのは、一体どういう状況なのか。こうした疑問点について、政府与党がどこまで具体的に説明出来るか。ここがポイントになります。


そして次に、第二の柱の、外国軍隊に対する後方支援。こちらの方の拡大ですけれども、これはですね、周辺事態法を改正する、重要影響事態法というものへの抜本改正。そして、もう1つ。新たな法律、国際平和支援法の新規立法。この2つに分かれます。
上の方は、日本の安全を守る外国軍隊に対する後方支援で、下の方はと言いますと、国際社会の平和と安全のために活動している、外国軍隊の後方支援です。


とりわけこちらの国際平和支援法に基づく活動と言いますのは、新規立法で、自衛隊の海外派遣を一気に広げる面がありまして、「どこまでやる必要があるんだろう」という国民の素朴な疑問に政府与党がどう答えるかがポイントになりますね。自民党の中でも、安保政策というのは、勢いで変えてはいけないんだという意見の議員は決して少なくありません。必要性、そしてそれと同時に歯止めをどうかけるか。この点を国民にどこまで説明出来るかというのが、政府与党の大型連休明けの大きな課題になります。


○西川 この安全保障法制、相当複雑ですね。そこで、まず、そもそも論のところで、こういう法制を見直すということをどういうふうに捉えているか。まず、津屋さん、いかがですか。


○津屋 中国や北朝鮮など、現在の安全保障環境は非常に厳しくなっている。それに加えてサイバーやテロの脅威も出て来ている中で、自衛隊に許される活動の範囲を拡大することで日米の協力態勢を強化し、日本の防衛のために抑止力を高めるということが目的だと政府はしています。この問題では、日本がアメリカの戦争に巻き込まれるのではないかという見方があると思うんですが、実は、正反対の見方も出来るんです。どういうことかと言いますと、アメリカは今、「世界の警察官」を返上し、逆にアジアの紛争に巻き込まれることを恐れているということなんですね。日本にとって、中国の軍事的、軍事力に対峙し、対処するためには、アメリカ軍の存在は不可欠ですから、そこをガイドラインによってアメリカの関与を確保するということが1つの目的だったと思います。


○西川 アメリカが出て来たんですが、高橋さん、いかがですか。


○高橋 今の津屋さんの話は、要するに、アメリカの危機の認識がどうか、ということだと思うんですけれども、去年、オバマさんが4月に日本を訪問して、日米首脳会談がありましたけれども、あれからちょうど1年経ちました。で、この1年経ってみると、やっぱりアメリカにとって、中国は、より脅威の方が強い存在になっているという分析がアメリカから出ています。ですから、日本の集団的自衛権の行使というのは、もともとアメリカがずっと強く求めていたことですけれども、よりその要求は、アメリカにとっては強くなっているという問題だと思います。ただ、一方でアメリカは、安倍政権に対して、近隣諸国との摩擦を起こしかねない言動がしばしば見られるということについて懸念がありますので、日本がそういう不要な行為は行わないように、必要な時には釘を刺しているという状況であろうと思います。


○西川 なるほど。中国、朝鮮半島をはじめとする世界の安全保障情勢の変化に対応する、あるいは日本の安全保障に同盟国アメリカを強く巻き込んでおこうと。そういうことは、アメリカ側の要望でもあるということだと思うんですけど、特に中国は、安全保障面では気がかりな存在になっています。尖閣諸島周辺での示威行動、それから力を背景とした南シナ海への海洋進出、その背景にする軍備増強ですね。やはり共産党体制の不透明性というものもありまして、中国のその行動というのは、覇権主義的と言われることもあります。
世界の安全保障環境を考える際には、安全保障体制の見直しが行われるというのは自然な流れかとも考えられます。そこで、島田さん、日本政府の認識というのは、どういうことなんでしょう。


○島田 これはもう歴史的な、いろんな経緯、議論があるんですけども、こういう不等式があるんですよ。


これをどう見るかと言いますと、日米の力、大なり、中国の力。中国の力、大なり、日本の力。この不等式。これは冷戦崩壊の1980年代の末に、当時防衛事務次官だった西廣整輝さん、西廣さんはもう亡くなられたんですけどね、21世紀の東アジアの安定のために必要なパワーバランス。それがまさにこの不等式だと、このように後輩たちに予言をしたんです。それが今日に引き継がれているんですよ。いずれ、日本の力が、経済力、そして安全保障を支える軍事の力、そういったものが、トータルで中国に及ばない日が来る。その時には日米の協力で、経済、そして軍事の総合的な力が中国を上回るようにする必要があるんだと。これは日米が力を合わせないと、中国に及ばない現実を予言したものですけれども、どうもそんな実際の姿が、今、目の前に現れて来ているということだと思うんですね。


○西川 こういう安全保障政策の転換という際にですね、安倍総理大臣は積極的平和主義ということを訴えているわけなんですけれども、これはどういう意味を持っているんでしょう。安達さん。


○安達 今の島田さんの説明もありましたし、皆さんの発言もあるように、国際情勢の変化は重要なファクターではあると思うんですが、もう1つ、日本の国内を考えると、今、この時期に、安倍さんが総理大臣だったっていうのが、やっぱり大きいと思うんですよね。
安倍さんの外交姿勢は、今、西川さんがおっしゃった積極的平和主義、日本が世界の平和のために、先頭に立って頑張って行きましょうということ。それからもう1つ、政治姿勢として、戦後レジームからの脱却、戦後体制をもう1回見直すべきじゃないか、というのが安倍さんの政治信条なわけですね。この積極的平和主義と、戦後レジームからの脱却というのが相まってですね、今の安全保障法制の再検討が始まっているのは間違いないと思います。特に、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を限定的に認めるというのは、今までの内閣でやって来なかったことですからね。安倍総理大臣だというファクターというのは大きいと思います。


○西川 周辺国にも影響が及んでいるようですね、津屋さん。


○津屋 そうですね。周辺国が持っている懸念は、今、安達さんが話したことにも関連すると思います。つまり、安倍総理大臣がリーダーであるという点です。
韓国政府の当局者、国防当局者や外交の当局者と話をしますと、彼らが言うのは、日本が今の安全保障環境に対応するために安全保障の政策を見直そうとしていることそのものは理解は出来ると言うんですね。では何が心配なのかというと、安保法制をやろうとしているのが安倍総理大臣だという点だということのようなんですね。日本はこれまで平和的な国家で、他国への侵略は絶対にしないということを彼らも信頼することが出来たけれども、安倍総理大臣が歴代の総理大臣の談話などを見直そうとしているような動きに対する警戒感が広がっていてもう安心出来ないということなんです。


○安達 安倍総理大臣だからこそやっているという側面もあるんですよね。韓国や中国が心配だという意見もあるのかもしれませんけれども、安倍総理大臣だからこそ、ここに踏み出しているという面も強いと思いますね。


○西川 周辺国からは、日本が独立国として、どのような形であれ、自衛権は持っている、国際平和に貢献しようというのも当然というところもありながら、警戒を含んだ視線が投げかけられているというのも事実だということのようですね。
さて、そこで、今回の安全保障法制の中身に入って行きたいと思います。個別の論点を考えて行きます。
島田さんから解説があったように、その柱の1つは、集団的自衛権に基づいて武力行使を限定的に認めるということです。憲法解釈を変更するということで進められることになっていて、大きな議論が起きています。まず安達さん。


○安達 そうですね。今も議論があったように、国際情勢の変化がありますから、何らかの対応をしなければならないというのは、まぎれもない事実ですね。それが一気に憲法解釈の変更まで進んでいいのかどうか。今、日本の国民が脅威と感じているのは、むしろ沖縄県の尖閣諸島をめぐる中国の領海侵犯だとか、そういうことだと思いますね。そうすると、そういう国際貢献よりも、まず領域警備、今まで海上保安庁がやっていた領域の警備を自衛隊が協力してやる形にするとかですね、そういうところから、まず議論をすべきで、一気に国際貢献とか集団的自衛権の行使まで行くことが正解なのかどうかというのは、これは慎重に検討すべきところではないでしょうか。


○津屋 今の点でちょっと申し上げたいことがあります。自衛隊が領域警備に協力するということなんですが、このやり方については慎重に見ないといけないと思うんですね。
今、海上保安庁がやっている領域警備に自衛隊も協力してやるということは、自衛隊が今まで出て来なかった前面に出て来るということで、一種の危険な選択肢になる可能性があります。どういうことかと言うと、今、アジアの海洋をめぐる領土領海の争いでは、中国も含めて海上保安庁のような法執行機関が対応することで、いわば「緩衝材」の役割を担っているという側面があるんです。そこに自衛隊が出て来るということになると、対立のステージを上げてしまうという懸念がありますから、その点は注意しないといけないというのが一点です。
それと、今の中国の軍事力の増強の現状を見ると、ミサイルですとかアメリカ海軍の動きを封じる数々の兵器を持っている。これらを増強していることを考えると、そこについても日米は連携を深めて対処せざるを得ない状況だということが言えると思います。


○島田 そもそも、先ほど話が出ました憲法解釈の変更ということで、どこまでやっていいのかという点なんですけれども、やはり本来ならば憲法を改正して、そして自衛隊、そして自衛権、こういったものの存在を明記してから、日本は、なすべきことだと思うんですよね。今の憲法には一言も書いてないわけですからね。
しかし、憲法9条にも関わるそうした部分を改正するというのは、簡単でない。だから、その状況の中で、政府の憲法解釈の変更で、出来ることを増やそうと、こういう選択なんですね。この便法で進むならば、これは国民に必要性というものを、相当に詳しく理解してもらって、納得を得てやって行くということが必要だと思うんですね。
だけど、これは、現状では、与党の中の、しかも開かれていない密室の中での会議が、断片的に外に伝えられているという状況ですから、これはとても説明は不足しています。法案が今後提出された後の国会審議で、検討すべき点というのは、やはり、洗いざらい国民の前に示して、そして議論をするということが前提にならないといけないと思います。


○西川 そのへんの事情をアメリカの方はどう見ているんでしょうね。


○高橋 今、逆の立場から言うとですね、まさにその島田さんが言ったことの裏返しなんですけども、アメリカにしてみたら、やはり今の日本の状況を見て、憲法を改正することは極めて難しいと。しかも、今、与党の中に公明党がいて、なかなか自民党だけの考えで進めることも難しいという状況の中で、今、解釈を変えることで行使を容認するということについては、日本政府は、今、出来る範囲で最大限のことをしてくれてるな、という、アメリカから見ると、そういう評価なんですよね。
だから、今のアメリカの側の立場としては、この動きは歓迎しているということであって、実際、島田さんが言ったように、オバマ大統領と安倍総理大臣の人間関係というのが、決して濃厚ではないにも関わらず、今回の会談は歓迎ムードですよね。あれは、日本はよくここまでやったという、アメリカのある種のサインだと思って良いと思います。


○西川 そういうアメリカ側の事情もあるわけですね。
さて、それでは次に、その集団的自衛権に基づく武力行使の要件を見て行きたいと思います。3つの要件があります。他に適当な手段がない、必要最小限度の実力行使などが、これまで個別的な自衛権の時は要件になって来たんですけれども、これが新たに加わったところですね。密接な関係にある他国が攻撃を受けて、これによって我が国の存立が脅かされ、明白な危険があること、ということで、こうした事態のことを「存立危機事態」と呼んでいたりするんですけれども、この要件をどういうふうに見ますか。まず、島田さんからどうでしょう。


○島田 これは自民・公明の両党の協議によって、憲法解釈を変更した上で、どこまで集団的自衛権の行使を認めるかということの、ぎりぎりの合意点として出たものですね。
アメリカへの攻撃であっても、それが日本の存立を脅かすような場合のことであれば、日本が、自衛隊が、武力行使するのは可能と、こういうふうに限定的にしたわけなんですけど、これは、「日本を守るために」という、この言葉がキーワードになっていて、個別的自衛権の行使、それに一番近い、接触している部分を少し広げて、集団的自衛権の行使を可能にしたと、こういう考え方でして、自民・公明の両党の合意づくりとしては、これで筋は通ると思うんですね。
しかしですね、これは、法律に書き込まれる条文だけで、どういう場所で、そしてどういう状況ならば、集団的自衛権の行使としての武力行使が可能なのかということは、まったく分かりませんね。この説明がどこまで出来るんだろうかと。出来なければ、すべて政府に任せて下さいということになりかねませんから、これは解釈の拡張が、いくらでも出て来ます。ここは国民が厳しく見て行かなきゃいけない点です。


○西川 限定的にしようという仕掛けは見えるけれども、というところですね。


○島田 本当にそうか、と。


○西川 安達さん、どうですか。


○安達 個別的自衛権に接触する部分との違いが、本当に分かるようで分からないような感じがするんですね。例えば、それを具体的に考えると、朝鮮半島有事はかなり接触して来る部分があるかもしれません。それから、あと、今、自民党と公明党との間でも意見の分かれている、もしかするとペルシャ湾岸での機雷の掃海みたいなのが含まれるのかどうか。確かに日本の原油は、この地域に9割依存しているという事実もあって、ここが経済封鎖されてしまうと、原油が入って来ないから打撃を受けるっていうこともある。その一方で、官民合わせて160日間備蓄があるという事実もあるわけですね。これを政府がどう判断するか。時の政府、誰が総理大臣で、どういう政権が組まれているかで、だいぶこの3要件の捉え方っていうのは、幅が広くなるんじゃないかという気もしますね。


○西川 具体的な事態を前にしているわけではないというところですね。
高橋さん、それはアメリカから見たらどうなんでしょう。


○高橋 例えば、その新3要件ですよね。存立が脅かされる、という文言がありますけど、その文言は、じゃあ、具体的にどの程度だったら脅かされるのか、というのは、今の段階ではまったく不明ですよね。だけど、それは逆に、アメリカの立場に立って見ると、その曖昧さゆえに自衛隊の幅広い防衛協力を期待出来るという、そういう思いも、アメリカ側にはあるわけです。
例えば、具体的には、まだガイドラインの合意までされていない段階ですが、アメリカ海軍の太平洋を管轄する第7艦隊のトーマス司令官が、もし防衛協力がさらに緊密になるのであれば、是非日本には、南シナ海での自衛隊の監視活動、参加を期待すると、こういう発言もしています。いったいアメリカがどこまでお願いして来ることになるのか、というのは、日本側がきちんと決めておかないと、かなり歯止めが効かなくなる可能性があります。


○西川 南シナ海という話が出て来たんですけれども、具体的に歯止めとして、この3要件が働くかどうか、実際に武力行使が行われる可能性というのは、どうなんですか。


○津屋 私はですね、この要件の文言を、日本語として素直に読むのであれば、特にこの「根底から覆される明白な危険」という表現。「根底から覆される」というのは、相当の事態だと思うんですが、素直に読むとこの集団的自衛権を行使するハードルは非常に高い。武力行使が行われるケースはほとんど考えられないのではないか、というのが多くの専門家の見方だと思うんです。そうした意味で、この積極推進派と慎重派・反対派にとって、この要件は「痛み分け」のような結論ではないかという気がします。つまり、どちらから見ても不満が残る内容だと思います。反対派から見ると、集団的自衛権を限定的であれ容認するということ自体が不満なわけですし、推進派にとっても、このハードルが高いことで、実際に集団的自衛権の行使が必要になった時に本当に行使出来るのかという疑問が生じてくると。この状況で仮に集団的自衛権を本当に行使すると決断することになると、それはかなり無理をして行うという印象が拭えないんじゃないかと思いますね。


○安達 今、津屋さんの方から、この条文を素直に読むと、という発言があったんですけど、もう1つちょっと考えてみると、憲法9条を素直に読むとですね、これは集団的自衛権の行使が容認される文章なのかどうか、というのは、かなり議論のあるところだと思うんですね。それを時の政府の判断で、憲法解釈の変更まで踏み込んでいますから、この条文を素直に読むと、逆に言うと、政府の裁量というのは大きいんじゃないかっていうふうに思います。


○西川 この自衛権については、いろんな幅広い議論があって、自衛権は個別的・集団的もない、自然権なんだということで、当然認められるべきだという議論もあるわけですけれども、そのへんはどうなんでしょうか、島田さん。


○島田 今の点ですね。集団的、個別的の考え方、これは、去年5月に有識者懇談会が、安倍総理に提出した報告書の中に、1つの考え方として盛り込まれていたんです。だけど、安倍総理は、そうした考え方は採用しませんでした。で、これまでの歴代内閣が積み重ねて来た個別的自衛権、これは行使出来る。それに極めて近い、さっきも言いましたけども、一種、日本の安全確保つながりというか、そういう理屈を使ってですね、集団的自衛権の行使を可能にする方針というのを決めたわけですね。

ただ、この地理的な限定がかかっていない。だから、世界中どこでも、武力行使が可能な余地を残している。それともう一つ、先ほど、根底から覆すというのは、どういう状況かということも疑問だという話も出ましたけど、もう一つ、密接な関係にある国というのが、アメリカだけなのかと言ったら、どうもこれは、アメリカは安保条約があるから当然だけど、その後、日本の安全を守るために手伝ってくれる国だったら、どんどん、どんどん広がって行くというふうに読めてしまうんですよ。こういったことも議論すべきですね。


○西川 歯止めをめぐる議論は、やはり注目されるところですね。これから法案が固まって、来月以降、国会で議論が始まります。この論戦、それから世論の動向をしっかり見守って、私たちも考えていきたいと思います。
続いて、法整備の2つ目の大きな柱とされる、外国軍隊への自衛隊の後方支援を拡大することなんですけれども、まず、日本の安全を守る外国軍隊を支援するための周辺事態法の改正による後方支援の拡大ということを考えて行きたいと思います。
安達さん、この改正、どういうふうに見ますか。


○安達 僕は、今度の安全保障法制の中で、実は一番大きいのは、この周辺事態法の拡大じゃないかと思っているんですね。
先ほど、南シナ海の話もありましたけれども、今までは、事実上、地理的制約はないと言いながらも、周辺という名前があるとおり、日本周辺地域の平和と安全のために、この周辺事態法を適用して来たわけですね。これを、地理的要因をなくして、言ってみれば、世界どこでも、日本の平和と安全に影響がある事態ならばアメリカ軍への後方支援が出来るようになるわけですから、これが一番大きな拡大ではないかと。で、今度のガイドラインでも、日本の島しょ防衛、島を守るために、アメリカが日本に協力するというところは、本来、安保条約の中で、日本は基地を提供することで、防衛義務がアメリカにあるわけですね。ただ、安全保障条約の方では、極東の範囲というのがあって、そこが日米の協力範囲だったのが、この周辺事態法の改正によって世界中に広がるわけですから、日本の方が持ち出しが大きくなっているんじゃないか、というふうに思いますし、その点のところは、これから慎重に議論して行く必要があるのではないかと思います。


○西川 津屋さんはどうですか。


○津屋 その範囲が際限なく広がって行くのではないかという懸念はもちろんあると思うんですね。で、その一方で、日本にとって海上貿易が生命線であるということに変わりありませんから、遠くの離れた場所だからと言って必ずしも無関係とは言えない事態というのはあり得ると思います。
日本のシーレーンが通る、南シナ海とか、またペルシャ湾での事態に何らかの対応をしなければならない局面はあり得るかもしれないと思います。
しかしその一方で、地球の裏側で自衛隊が戦争に参加するというようなことを国民が望んでいるのかと言うと、望まない人の方が多いのではないかという印象を持っています。そもそも、自衛隊の能力を考えると、遠方での本格的な軍事作戦であったり、自衛隊を動かして大規模なオペレーションを行うということは、実は、日本の自衛隊の能力からすると、特に兵たんの能力、物資を運んで補給したり、隊員を輸送したりという能力ですが、そういうことがそもそも十分ではないわけですね。今の時点では、そういう地球の裏側で自衛隊が本格的な軍事作戦を行うことは起こりにくい。


○西川 ただ、その点では、アメリカ側は期待があると思うんですね。


○高橋 そうですね。ちょっと具体的な話になりますけど、例えば、南シナ海で、仮にフィリピンと、例えば中国が軍事衝突が起きてしまったと。それを、例えば、アメリカが、様々な艦船などを使って、この事態を鎮静化するために問題の海域に展開する、というケースがあったとします。そうしますと、じゃあ、日本はアメリカ軍に対して燃料補給するのかどうかということが問題になって来たりする。多分、その時に、当然アメリカは、お願いしますと言って来ると思います。その時、日本にとって中国との関係をどう考えるのか。南シナ海など様々な幅広い地域の中で、日本はどこまで協力するのか。当然アメリカは求めて来ますし、日本はその都度きちんと考えなければいけないと思います。


○西川 この点、島田さん、どういうふうに見ていますか。


○島田 今の南シナ海の問題というのは、これから実際の現実がどういうふうになって来るかによって、まさに今回の、この日米の同盟関係の拡大というものが、まったく今までと違うものとして現れるかどうかの、一つの大きな試金石になると思うんですね。
東シナ海なら分かります。日本の領土、領海、領空のすぐ近くですからね。南シナ海は、シーレーンではあるけれども、日本の領土、領空、領海、守るべき対象と、ちょっとイコールとは言い難いんじゃないか。そういう議論は当然起きると思うんですよね。
ですから、そこのところで、あまり軽々に何でもやりますというふうに、日本が言ってはいけないんだろうと思う。その時に、NOと言える日本というものが、そういう時にこそ、初めて意味を持って来ると思うんですよね。そこがどうなのかな、というのは、これから注目すべき点ですね。


○西川 日本側の判断が大切だ、ということですね。


○島田 出来ないことまで無理してやるか、ということですね。


○西川 はい。実際に自衛隊の能力としても、そこまでの能力があるかどうか。その議論はまだまだ、ということになるようですね。
次に、国際社会のために外国軍隊を支援するというケースについて考えて行きたいと思います。これについては国際平和支援法という、新しい法律を作るということになっています。これについては、島田さん、どう見ていますか。


○島田 この新規立法は、やはり、膨張主義というような批判を、当然浴びる性格があると思うんですよ。湾岸戦争の時、冷戦崩壊直後の湾岸戦争の際の、あの130億ドルの拠出。日本がそれだけのお金を出しながら、国際社会から評価されなかったことに、当時の政府関係者、とりわけ外務省の関係者はショックを受けたんです。その湾岸トラウマ、これが長年の間、引きずって来られて、先ほど話が出た、安倍さんの政権になって安保法制整備という形が現実になったので、そこに飛び乗って来たということだと思うんですね。
直接の武力行使はしないとは言いますけれども、外国軍隊に弾薬も提供出来るという内容に、今回最終的に着地しそうですので、そうなって来ますと、果たして外国軍隊と一体となる、外国軍の武力行使と一体となるという懸念がないのかどうか。これまで憲法上、それは認められないと言い続けて来たわけですから、その問題を、果たしてきちんと整理出来るのかなと、ここは大いに疑問の残る点ですね。


○西川 一体化の歯止めが難しいというところでしょうか。津屋さん、実際、自衛隊の能力という点ではどうなんですか。


○津屋 先ほども少し申し上げましたけれども、自衛隊の海外での任務を拡大するということは、実際にどの程度能力があるのかというのを冷静に見ないといけないと思います。
他のミッションでも同じことが言えるんですが、例えば海上自衛隊には、護衛艦が40隻あまりあります。ただ、実際にすぐに使える護衛艦がどれぐらいあるかというと、ソマリア沖で今、海賊対処もやっている、東シナ海では連日のようにパトロールもやっていて、運用的にはぎりぎりな状態です。それに加えて、整備・修理とか、訓練をしている船もあるということを考えると、実は、同時に任務につける船というのはあまり多くはないんです。
ですから、海外での活動を拡大すると言っても、自衛隊の現場の状況を考えると、その計画は「絵に描いた餅」になる可能性もありますから、そのへんも議論しないといけないと思いますね。


○西川 やはりこの点についても、アメリカは。


○高橋 新規立法にして恒久化するということについては、当然、アメリカは歓迎です。
ただ、アメリカはやはり、日本での審議の様子も見ていまして、自衛隊の支援活動の歯止めとして、国連の総会、もしくは安保理の決議が必要、というようなことが要件に入っているんですけれども、国連についてアメリカは結構冷やかな認識で、特に、アメリカが対中国、対ロシアという関係が膨張を増していくという意味で、安保理常任理事国の間の対立が、むしろこれからさらに激しくなって来るのではないかということなんですね。そういう中で、安保理決議はなかなかこれまで以上に出にくくなってしまうと。冷戦が終わったんだけれども、むしろ出にくくなってしまうということを考えると、逆にここは日本にとっては、大きな歯止めになるだろうという認識です。


○西川 今回の新法の中ではですね、武器・弾薬の提供、これまで後方支援には含まれないというのが政府の立場だったわけなんですけれども、これも可能とするような変更が検討されています。安達さん、そのへんはどうなんですか。


○安達 今までは、武力行使との一体化はだめだっていうことで、武器・弾薬はやめたんですけど、弾薬については消耗品だからいいじゃないかというような議論になって、軍隊の後方支援で弾薬を提供して、これは一体化してないっていう議論は、なかなか説得力に乏しいと思うんですね。向こうからしてみれば、弾薬を提供している国が、どう考えたって、これは戦闘行為ですよ、みたいなところですね。だから、敵から攻撃を受けたところで、なかなか文句は言えませんよね。
それからもう一つ重要なのは、武力行使の一体化をしないために、今までは、非戦闘地域っていう概念があって、現に戦闘が行われていない、かつ仕事をしている間に戦闘に巻き込まれない地域っていうのはあったんですけれども、今は現に戦闘が行われてない地域だったら後方支援出来るというふうに、法改正になりそうですから、ここはさらに踏み込んでいると見ていいと思います。


○島田 確かに、これまでは非戦闘地域、後方地域というものを、大きなゾーンとしてね、安全ゾーンとして設けてという、そういう手続きを作っていたんですけれどもね、それが今度は、自衛隊が現地に行って、そして現場に行って、弾が飛んでいないということを確認したら、そうしたらOKと、こういう論法なんですよね。
これは一体化すること、外国軍隊の武力行使と一体化することを避けるという、その面から言っても、充分かどうか疑問ですし、自衛隊が危険な場所に置かれて、犠牲が出たりしないかと、そういう問題にも直結して来ますので、私は、これは、用心深さというものを、もう少し再確認するということが必要だと思います。


○西川 さて、ここまで、安全保障法制について議論して来たんですけれども、その背景にある国際関係、とりわけ冒頭に触れた日米関係なんですけれども、今一度、これを考えてみたいと思います。
その背景にある国際関係、どの点に注目して行ったらいいんでしょうか。まず島田さん、いかがですか。

○島田 やはり、この東アジアのことを考えますとね、日米が力を合わせれば中国の力を上回るというパワーバランス。経済力、そして安全保障上の力、このトータルの総合力においてですね、そういう関係を維持することが重要だと思います。かと言って、アメリカに言われたら何でもする、ということでは、決して国家の姿勢として好ましいとは思いません。それに、今回、この日米首脳会談、そしてその前の日米の新しいガイドライン、そこで日本側から相当新たな持ち出しをして、アメリカに是非日本と一緒にいてくれと、つなぎとめるような努力をしているように見えるんですね。これは確かにアメリカが離れて行きかねないという一面もあるから、そういう判断になるんですけれども、逆に言うと、オバマ大統領が去年日本に来た時に、尖閣諸島も日本の施政権の下にあるので、何らか事が起きた時には、日米安保条約の適用の範囲内だと、こういうふうに発言をして、日本側でそれを歓迎する人たちも大勢いました。けれども今回、この問題について、領土問題は中立だという今までのアメリカの基本姿勢を変えて、日本に関しては特別ですよと言っているかと言うと、何も言ってないわけですよ。ですから、それはその時々の、アメリカの国益に照らして、日本と協力はするけれども、領土の問題で、もしのっぴきならないところまで行った場合に、最後までアメリカがついて来るかと言ったら、これは疑問のままです。ここを忘れてはいけないと思います。


○西川 そのアメリカはどうですか。
 

○高橋 島田さんの発言に加えると、やはり、アメリカは、当然日本との同盟関係も重視しますけれども、その日本の周りにいる近隣諸国と日本との関係というのも極めて注意深く見ています。つまり、同盟関係が深まっていくことは歓迎しつつも、安倍総理大臣が、これから近隣諸国に対して、どんな態度を取るのか。ちょうど、折しも70年談話などもあるようですけれども、そうしたことを注意深く見ているというのがアメリカのスタンスだと思います。
 

○西川 アメリカは、日本が中国、韓国に、どうやって向き合おうとするのか、というところにも注目しているということですね。安達さんはいかがですか。
 

○安達 日米関係は大事ですし、日米安保条約が極東の平和と安全に貢献していることも間違いないと思うんですけれども、少し心配しているのは、沖縄問題なんですね。沖縄では、県民を挙げて、今、普天間基地の辺野古への移設に強く反対をしています。ここが政府と沖縄との関係が、あまりにこじれてしまって、仮に、今の法律に基づいて移設をした場合、沖縄県民のアメリカに対する反米感情みたいなのが、どんどん高まって行きかねないのではないか。そうすると、冷静に考えてみると、逆に日米安保条約が弱くなってしまうんじゃないか、という懸念を持っています。
 

○西川 津屋さんはどうですか。
 

○津屋 アメリカが世界でどう見られているか。日本だけではなくて、例えば、ヨーロッパにおけるアメリカの同盟国が、今、アメリカをどう見ているかと言いますと、これまで頼ってきたアメリカの軍事力に対する信頼感が下がってきていると思うんですね。というのは、アメリカは、リビア情勢ですとか、シリア、またウクライナの情勢に対して、ヨーロッパ諸国が期待したような軍事的関与をしなかったわけです。ですから、アメリカの同盟国であっても、アメリカを信頼していいのかどうか、迷いが生じているという点があると思います。で、日本にとっては、アメリカとの同盟関係は基軸であることに変わらないと思うんですけれども、これまでのように、アメリカ一辺倒でいいのかどうかという点は、議論の余地があって、日本の多層的な外交をより進めて行く必要があるのではないかという見方もあると思います。
 

○西川 そうなって来ますとね、やはり、中国、韓国との関係ということなんですが、島田さん、戦後70年の談話が予定されているんですけど、これが鍵になって来そうですね。
 

○島田 そうですね。そこに向かって、どのような姿勢を取って行くか、ということですよね。今の日本政府の立場から行きますと、基本認識として、中国との関係は、今、小康状態に入ったと。先日、安倍=習近平会談も実現出来たということで、これは一息つけたかな、と。中国との個別外交関係というのは、アメリカにちょっと待ってくれと言うためにも、これから太くしていく必要がある。その共通認識はある。一方で、韓国ですね。こちらは東アジアの安定の上で、日米韓という、この3か国の枠組みが基本になって来たわけですね。ところが、その韓国との関係が、今ひとつ上手くいかない。ここに向けてですね、私は朴槿恵大統領の側にも、かなり神経過敏な行き過ぎがあるとは思うんですが、ここは、安倍総理の側も、一歩こちらからですね、朴槿恵大統領、韓国に、こちらの日本の認識に近づいてもらうための努力、そのメッセージは必要だと思うんです。その意味で、日本時間の明日の未明に、上下両院の合同会議で、安倍総理が行う演説の中で、やはり、韓国を大事にしているんだというメッセージを、どこまできちんと出せるのか。そして、また、それが70年の総理大臣談話というものの中の表現ということにもつながって行けば、そうしたら、意味が出て来るんじゃないかなと思うんですけれどもね。
 

○西川 今夜のアメリカ議会での安倍総理大事の演説に注目したいと思います。さて、この今日の議論を通じて来てですね、各委員、これだけは強調しておきたいということについて、まず、津屋さん、どうですか。
 
○津屋 付け加えておきたいのは、アメリカの中でも、中国については脅威の認識にずれがあるわけですね。ホワイトハウスと国防当局、あるいはさらに米海軍との間では違いがあり、その辺のブレを、どう日本として見て行くかということが、これから大事になって来ると思います。
 

○西川 高橋さん。
 

○高橋 はい。その意味で、今回の首脳会談というのは、その中国の台頭をどう日米が自分たちでコントロール、抑えて行くかということで言えば、お互いの思惑が、非常に今回合致したタイミングでの会談だと思うんですけれども、一方で、アメリカと中国というのは、これから経済的にもさらに接近して行く可能性がありますので、日本、中国、アメリカ、この距離感ですね。今後しっかり外交で見て行かなくちゃいけないと思います。
 

○西川 米中から目が離せないということでしょうか。安達さんは。
 

○安達 僕は国会の役割だと思いますね。安全保障法制は、これから国会に付されるわけですね。ここで議論があったように、いろんな論点がある。それを1つ1つ、安全保障政策の大転換になるわけですから、慎重に審議してほしいということ。それから、外国軍隊の後方支援のところで、国会の事前承認ということを義務付けました。これも国会が機能しなかったら、ただの絵に描いた餅になりますので、国会の役割は、これから重要になって来るんじゃないかというふうに思います。
 

○西川 島田さん。
 

○島田 安保法制をめぐる、これからの議論です。これは、その先に、憲法改正問題があると思います。ですから、今回、法律案の先に、そもそも自衛隊というものと憲法の関係、これを視野に入れた、懐の深い論戦というものが、是非、国会で繰り広げられることに期待したいと思います。
 

○西川 今度のこの議論、大きな国際情勢の変化を受けて、新たな事態に向けてということだけに曖昧さも指摘されるのですけれども、やはり深く、広く、議論を重ねて行くことが大切だというふうに感じました。

(司会:西川吉郎 解説委員長 /安達宜正 解説委員 / 島田敏男 解説委員 / 高橋弘行 解説委員 / 津屋 尚 解説委員 )

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/1100/215900.html#more


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/684.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 大阪市民が都構想を否決しなければならない理由(植草一秀の『知られざる真実』)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-cfec.html
2015年5月12日

5月17日に大阪市で大阪都構想の賛否を問う住民投票が行われる。

大阪市長の橋下徹氏が大阪都構想を提示している。

共同通信社が大阪市の有権者を対象に5月9、10両日実施した電話世論調査では、

大阪市を廃止し5つの特別区を新設する「大阪都構想」について、

賛成 39.5%

反対 47.8%

で反対が賛成を8・3ポイント上回った。

ただし、投票までまだ時間があること、また、賛成者と反対者の投票率に差が生じる可能性があることを踏まえれば、結果を断定することはできない。


橋下徹氏は、昨年12月の総選挙において、創価学会、公明党と連携する姿勢を示した。

苦境に立たされている橋下氏が創価学会に大阪都構想への支持を「懇願」する可能性もあり、予断を許さない。

決定権を有するのは大阪市民であり、大阪市民には参政権を放棄することなく、意思表示の一票を投じてもらいたいと思う。


今回の住民投票で大阪市民は二つのことを考察しなければならない。

ひとつは、大阪都構想そのものの是非。

もちろん、これが基本にはなる。

しかし、もうひとつの事情を十分に考慮しなければならない。

それは、今回の住民投票結果が今後の日本政治全体に与える影響が大きいことだ。

具体的に言うと、住民投票で都構想が否決される場合、橋下徹氏は「政治家を辞める」と明言している。

とはいえ、平気でウソをつく人物だから、本当に政治家を辞めるのかどうかは分からない。

しかし、橋下徹氏の政治的影響力はいよいよ地に堕ちることになる。

逆に、大阪都構想が肯定される場合、橋下徹氏が政治的影響力を維持する可能性がある。

ここが最重要のポイントだ。

それは、安倍政権が憲法改定を強行するに際して、橋下維新の力を活用しようと企んでいるからだ。


大阪都構想が肯定された場合、橋下大阪市長は大阪都構想実現の目途をつけたうえで、来年夏の参院選に出馬すると見られている。

安倍晋三氏は国会議員となる橋下徹氏と連携して、憲法改定を強引に推し進める可能性が高いと見られているのだ。

つまり、大阪市民は、今回の住民投票において、二つのことがらを考察し、どちらに比重を置いて投票するのかを決める必要がある。

大阪都構想の是非

と同時に、

憲法改定の是非

を考察し、どちらに軸を置いて投票するのかを定める必要があるのだ。

二つの問題のうち、圧倒的に重大であるのは後者だ。

憲法改定が強引に推し進められることを、私たちは体を張って阻止しなければならない。

このことに比重を置いて考えるなら、答えは明瞭である。

大阪都構想に断固NOを突き付けて、橋下徹氏の政治的影響力を完全に封殺することが望ましいのだ。

憲法改定に賛成ならば大阪都構想に賛成票を投じるのもよいだろう。

しかし、日本を再び戦争国家に転落させることは、体を張ってでも阻止しなければならないと考える主権者は、地を這ってでも今回の住民投票に参加して、都構想反対の一票を投じるべきである。

世論調査で反対多数でも、住民投票でこれを否決するには、投票所に足を運び、反対票を投じることが必要不可欠だ。

総選挙を棄権した人も、今回の住民投票には必ず行かねばならぬ。

都構想の賛否よりもはるかに重要な問題のために、必ず、投票所に行って、都構想反対の一票を投じるべきなのである。


私は日本の地方自治体制の抜本的な刷新が必要であるとの持論を有する。

その観点から言えば、人口266万人の単一自治体は規模が大きすぎると考える。

しかし、現行制度下で大阪府を5つの特別区に分割しても、この特別区の自治権は制限付きのものにしかならない。

問題は大阪市単独の問題ではなく、日本全体の問題である。

このことについては、改めて、国全体の問題としてじっくりと検討するべきだ。

いま、拙速に大阪都構想を推進すべき理由は見当たらない。

憲法破壊、憲法改定に突き進む安倍晋三政権の暴走を阻止するには、まずは、今回の住民投票で大阪都構想を否定しておかねばならないのである。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/685.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 戦後70年を経た日本の安全保障体制と、これからの道(私論)[岡本行夫氏]

 安保法制の条文が明らかになった今、親米主義者の安保観が垣間見られる言説の一つとして、敗戦70年目の首相談話の内容を考える「21世紀構想懇談会」で元外務官僚岡本行夫氏が行ったプレゼンテーションの資料を確認するのは役に立つことだろう。

 岡本氏は「安全保障では“保守”、歴史認識では“リベラル”」と自称してはばからないが、安全保障も歴史認識も同じ対米従属をベースとした価値観であり、保守でもリベラルでもなく良く言ってせいぜい現実追随主義者といえる人物である。

 外国の軍隊を屈辱的な地位協定の基で領土領海内に駐留させることを是とする人物が、保守主義や愛国主義を自称するのは笑止千万である。

 先の大戦について日本の内閣総理大臣は政治的に反省し謝罪すべきだと思っているが、歴史認識としては、勝者敗者いずれかの論理に引きずられない総合的で歴史的な評価が必要だと考えている。
 末期大日本帝国やナチスドイツは悪だったという歴史認識で始末が付けられるのなら、歴史から学べることはあまりに少ないからである。


※ 参照書き込み

『【外務省の本性】内閣官房参与の岡本行夫氏(元北米1課長)は過去に松尾元室長とクルーザーヨットを共同所有』
http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/591.html

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20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(「21世紀構想懇談会」)

第三回議事説明資料


2015年4月2日
(21世紀構想懇談会説明資料)

戦後70年を経た日本の安全保障体制と、これからの道(私論)

岡本行夫

基本認識


(1)日本がとりうる防衛体制

日本の選択肢は三つだけ。「非武装中立」か「武装中立」か「同盟」。

(「集団安全保障」はアジアにおいては存在できる基盤がない )。

@「非武装中立」は、国民の2.6%しか支持していない(内閣府調査)。

A「武装中立」のためには、自衛隊の大増強と、更に核武装の覚悟も必要。日本が取り得る道ではない。

Bさすれば、「同盟」しかない。どの国と? 中国?ロシア?韓国? 結局 米国との同盟しかない。

(2)日本の戦略環境

東アジアは軍人数でみた世界のトップ5ヵ国のうち3ヵ国(中国、ロシア、北朝鮮)が集中し、軍備集積度が世界で最も高い地域。
中国は領土と資源・エネルギーを求めて膨張主義を止めず、ロシアは武力による国境変更を躊躇せず、北朝鮮は核兵器と弾道ミサイル開発を続けている。しかも、日本はその全てと領土問題を抱えている。

そうした戦略環境の中で、日本の防衛費はGDP対比で言えば世界で103位という「軽負担」。それなのに侵略される怖れなくやってこれたのは何故か。憲法9条の存在ではない。日米安保体制である。

(3)防衛力の考え方

本来、国家の防衛力の水準は、周辺の脅威に対応する「所要防衛力」として決められるべき。

しかし日本は財政的理由から、51大綱をもって「基盤的防衛力(平和時に必要な防衛力の限界)」の考え方に転換し、「GNP1%」という経済指標をもって上限とした。
その後、07、16大綱を経て、即応性・機動性・柔軟性を重視する(ただし量を軽視)22大綱の「動的防衛力」に進み、現在は25大綱の「統合機動防衛力」(質、量とも重視)の下にいる。

しかしいずれの大綱も「基盤的防衛力」の考え方を基礎とし、簡単に言えば、日本が財政事情で一方的に防衛費を決めて残りを米国に頼るという構図が続いている。


2.日米安保体制

(1)仕組みと効果

日本の防衛力(盾)と米国の攻撃力(矛)の組み合わせによる日本防衛(第5条)と極東の平和と安定の確保(第6条)。

日米安保の最大の目的は「抑止」。抑止力とは、周辺諸国に対し、「安保条約は現実に発動される態勢にある」という印象(パーセプション)を与え続けること。関係が必要。

(2)課題

@ 柱は1本か2本か

日本の防衛体制は「日米安保」という1本柱か、「自衛隊」と「日米安保」という2本柱か、という二つの思想。「小規模限定侵略は独力対処」というのは2本柱論。しかし安保条約の下では、いかなる侵略でも最初から日米が共同対処する。この認識のズレがFSX問題でも顕在化。

A 日米の非対称

米国にとっては日本は多数の同盟国の一つ。(日本にとっては米国は唯一の同盟国)。このことからくる議会やメディアの日本に対する認識不足がある。(例えば日本フリーライド論)。

日本にあっても、地方自治体やメディアの理解不足がある。(例えば日米地位協定不平等論)


B 5条事態優先か、6条事態優先か

日本側は、当然ながら5条事態(日本有事)重視。米側は、日本が直接侵略を受ける可能性より、周辺の紛争が日本に波及する可能性のほうが高いとして、6条事態(極東有事)重視。

もっとも周辺事態法の成立以降、日米間の齟齬は縮小しつつある。

C 沖縄の過重負担

沖縄の不平等感に対する国民的理解と持続的取組みが必要。国として「沖縄問題」の優先順位の引き上げを。
(普天間飛行場移設については、経緯を見れば政府と県との間でボタンの掛け違いがあるが、現段階に至れば普天間の騒音と危険性除去のためには政府方針が唯一の方策。)。

D 中国が狙う日米分断

米国から切り離された日本は、中国にとっては、たやすい標的。中国は米国を重視しつつ、日米間の離間を図っている。98年クリントン大統領の訪中時のミサイル照準の取り外し、習近平政権の「第二次大戦時の反ファシスト連合(米が含まれる)の結束」の呼びかけなど。

3.国際平和協力活動への貢献

(1)日本が国際平和に貢献するべき理由

@グローバル化した世界では脅威は拡散しやすく、すぐに日本にも影響が及ぶ。

A日本だけがリスクをとらなければ、世界で二流市民扱いを受ける(湾岸戦争)。

B消極姿勢は金銭的に高くつく。(湾岸戦争への非協力のコストは130億ドル。インド洋での洋上給油活動中止のコストは5千億円)

(2)新安保法制の意義

成立すれば、日本の国際平和への貢献は重層化する。

今回の一連の作業の本質は、内閣法制局の硬直的見解(「個別自衛権以外の武力行使は全て『他国を武力で守る行為』である集団的自衛権」と定義した1972年見解)を是正したところにある。
(一方、憲法9条は厳然として存在するから、日本の自衛につながらない武力行使は、今後とも許容されない。)

4.日本が目指すべき道

(1)海洋安全保障のための自衛隊強化

米国と共同して海洋の自由を確保するために、自衛隊の態勢拡充が必要。

@ 陸自を着上陸対処の部隊ではなく、機動化した上で世界平和のために迅速に行動できる部隊に。
A 海自を「護衛艦60隻(51大綱の水準)・潜水艦26隻」態勢に。
B 空自の迎撃能力(戦闘機とPAC3)強化
C 過度の財政介入の抑制(実員数を定員数より更に削減する「充足率」方式の廃止等)

(2)積極的平和主義の具体化

@ 日本は、これまで国際平和構築のための多くの支援要請を断ってきた。イラン・イラク戦争の時にペルシャ湾内の商船隊を防護するための国際護衛艦隊への参加。湾岸戦争の際の輸送・医療協力。インド洋におけるテロリストの通交遮断のためのパトロール艦隊への参加。南スーダン及びアフガニスタンへの陸自ヘリの派遣。PRT(アフガニスタン地方復興チーム)への参加・・。
断った理由の多くは、「自衛隊を危険なところには派遣しない」という政治的方針。これを転換できるか。(例えばバグダッド日本大使館警護など)。

B「海洋アジア」での連携強化。
日本は、「海洋アジア」のリーダーとして、航行の安全、地域各国のガバナンス強化、経済の持続的発展などを目指して、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどの域内諸国との関係を強化すべし。

C ODA大国としての復活(省略)

以上


http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/dai3/siryou2.pdf


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/686.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 中国「沖縄独立プラン」戦慄実態(日刊大衆)

中国「沖縄独立プラン」戦慄実態
http://dmm-news.com/article/965207/
日刊大衆 2015.05.12 07:00


基地移設を巡り、対立を深める総理と知事。その混乱に乗じ、かの国が日本最西端の島に魔の手を伸ばしている。民意をも巧みに操る工作活動の全貌!

沖縄が揺れている。

「在日米軍普天間基地の辺野古移設をめぐって、移設を強硬に進めようとする政府と、沖縄の翁長雄志(おながたけし)知事がガチンコ対決。これまでのように"最終的に補助金で解決"する策はもはや通じず、互いに振り上げた拳の下ろしどころが、見えない状況です」(全国紙官邸詰め記者)

なぜ、こんなにも、こじれてしまったのだろうか?

発端は昨年11月、"オール沖縄"を合言葉に辺野古移設絶対反対を掲げた、翁長新知事の誕生だった。

「翁長知事はもともと保守系で支持母体は自民党層。ですから、最後は政府と妥協点を探ると見られていました」(全国紙政治部記者)

だが、そんな政府の甘い期待はどこへやら。翁長知事は、辺野古移設反対の姿勢を、現在に至るまで頑なに貫き通しているのだ。

「そればかりか、4月14日には自民党ハト派の重鎮・河野洋平元衆院議長とともに中国・北京を訪問。現在、尖閣諸島をめぐって中国と緊張状態にあるにもかかわらず、2人は中国ナンバー2の李克強(りこくきょう)首相と会談までしています。

3月に谷垣禎一自民党幹事長たちが訪中した際は、李首相との会談は実現していません。中国側の翁長知事らに対する歓迎ぶりは、異例ですよ」(辺野古移転強行派の自民党中堅議員)

翁長知事は、この熱烈歓待がよっぽどうれしかったのだろうか、同会談席上、
「沖縄はかつて琉球王国として、中国をはじめ、アジアとの交易で栄えた。当時、福建省から500〜600人が帰化し、多くの技術や文化を伝えてくれた」
と、関係の深さを強調している。

前出の議員は、
「帰国後は、那覇空港で記者団を前に"自立の道を歩む重要な局面だ"と、沖縄"自立論"までぶち上げました。いざとなれば"沖縄独立"も選択肢にあると知事が言い切ったと、政府は捉えています」

この"自立論"に慌てたのが安倍総理だった。

これまで翁長知事の会談要請を完全に無視していたが、4月5日の菅義偉(すがよしひで)官房長官−翁長会談から日を置かずして、安倍−翁長会談(4月17日午後)の設定を余儀なくされた。

「ただし、この会談でも2人の主張は平行線のまま。

とはいえ、今や沖縄独立という切り札を手に入れ、安倍政権は言うに及ばず、中国政府をも動かす翁長知事に、沖縄県民は"ニューヒーロー誕生"と沸いています」(地元紙記者)

さらに、翁長知事に勇気づけられたのか、沖縄独立を主張する声が次から次へと聞こえ始めているのだ。

たとえば、糸数慶子(いとかずけいこ)参院議員(沖縄大衆党)。数回にわたって国連の人種差別撤廃委員会に琉球王国時代の服装で出席し、
「沖縄県民は、日本と異なる琉球民族だ。辺野古移設は、沖縄の先住民族の権利を侵害している」
と"琉球独立"を主張。

さらに、照屋寛徳(てるやかんとく)衆院議員(沖縄2区・社民党)も、自身のブログで「沖縄は、日本国から独立したほうが良い、と真剣に思っている」と意見を述べ、さらに、
「第2次世界大戦での沖縄戦で、本土防衛のために"捨て石"にされた沖縄の人々の悲しみは、いまだ根深いものがあります。そこに、今度は日本の安全保障のためとはいえ、辺野古移転で再びの犠牲を沖縄に強いる。あんまりだ、というのが沖縄県民の偽らざる気持ちです」

こうした理由に加え、全国最低の所得と最悪の失業率も、県民の反本土感情を後押ししているという。そこに、つけ込もうとしているのが中国だ。

「北京を訪問した翁長知事への熱烈歓迎も、懐柔工作のひとつ。

また、6月に福建省で開催される国際会議にも、翁長知事が正式に招待されています。アジア各国の閣僚級が集う会議に招くことで、中国は沖縄を"独立国"であると考えていると言いたいんでしょう」

こう語るのは、通信社の外信部記者。また、中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏はこう言う。

「すべては中国の軍拡路線から発しています。現在、中国は対米防衛網として"第1列島線"と"第2列島線"を設定。沖縄と密接につながっているのがこの第1列島線です。これは九州を起点に沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至る長大な中国防衛線です」

その前進拠点が沖縄なのだ。さらに、軍事評論家の神浦元彰氏がこう続ける。

「中国が、太平洋進出の際、必ず通るのが沖縄本島と宮古島間の海峡。中国の軍艦、潜水艦、軍用機のすべてが、ここを利用します。ですので、"太平洋利権"を米国と二分しようとの野望を抱いている中国には、"沖縄占拠"は欠かせない最重要事項です」
"工作"は確実に進行している

中国の"沖縄占拠"の野望は、ここ数年の言動からも明らかだった。

13年5月8日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が、〈中国は琉球独立運動を支持すべき〉とし、続けて大半の沖縄住民のルーツは中国にあるとしたうえ、住民を「同胞」と呼び、「同胞」を解放せよと声高に主張。

また、昨年は中国国務院直属のシンクタンクである「中国社会科学院」が発行する学術誌『国際法研究』で、31ページにわたって琉球独立問題論文を発表。

同論文では、〈琉球は歴史上、中国の属国である〉〈日本は今や、琉球の管理に対する法的根拠が欠乏している〉と強調している。

「仮に、沖縄が親中国家として独立すれば、悲願の第1列島線の突破口が開けるばかりか、日中懸案の尖閣諸島問題も、中国有利の解決が得られると踏んだうえでの琉球独立支持であり、支援という名の懐柔なんです」(防衛省関係者)

それは、すでに具体的な形として現れている。

「先日、辺野古移転に反対する有志が、国内外の反対世論を盛り上げる活動に使うことを目的とした『辺野古基金』の設立と、賛助の呼びかけを行いました。対して中国は、この団体に介入すべく、資金提供や現地の中国シンパを送り込んだと言います」(同)

また、自衛隊利権への介入や、内部情報の引き出し工作にも余念がない。

「与那国島など先島一帯への自衛隊配備や増強の動きに対し、中国は地元議員や有力者にフレンドリーコンタクト(自分が中国の意を受けていると気づかずに、友好的に協力する人々)を介して基地、部隊への浸透を画策しています」(同)

また、世界屈指と言われる日本の測量技術を狙っていると指摘するのは、外交評論家の井野誠一氏だ。

「中国は領土的野心を背景に近年、先島諸島を含めた沖縄全土の精密地図(ジオラマ)の入手と作製に力を入れています。そのため、日本の測量メーカー、特に航空測量会社の買収に動いています。すでに1社は、中国資本が事実上、経営権を握ったと言います」

不動産や企業を支配下に置く「併呑戦略を敢行」(前出の神浦氏)しているというのだ。また井野氏は、
「中国は最終的に、沖縄を海南島のように軍事基地を持つ観光地に、と考えています。沖縄には、さまざまな泉質の温泉があり、中国人にも人気が高い。中国は警戒を逸らすため、韓国企業をトンネル会社にして、温泉リゾート物件を買い入れる場合が多いようです」

これらの動きが、すぐに沖縄独立となって具体化することはないだろうが、中国の長期的な目論み、沖縄支配への工作は、確実に進行していると言えるだろう。

先日、毎日新聞が実施した世論調査(4月18、19日)では、辺野古移設の政府対応に、反対の意見が53%。賛成の34%を大きく上回る結果になった。

世論の後押しのない"無理強い"を続けると、琉球王国、または中国琉球省を誕生させた総理として、悪名を残すことにもなりかねないと思うが……。安倍総理、いかがだろうか?


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/687.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 7年も君臨し続けた橋下売春市長には早々にお引取り願おう(simatyan2のブログ)
7年も君臨し続けた橋下売春市長には早々にお引取り願おう
http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-12025623409.html
2015-05-12 09:00:14NEW ! simatyan2のブログ



9日放映のテレビ東京番組で、橋下徹が、


「(大阪都構想が)住民に支持されなかったら政治家の能力がない
 ということだ。早々と政治家をやめないとダメだ」


と言ったそうですね。


橋下氏 「大阪都」否決なら政界引退を重ねて強調
http://www.sankei.com/politics/news/150509/plt1505090014-n1.html

これは自分のやりたいこと出来なかったら逃げますよ、という脅し
のような最後の悪あがきに見えます。


そして、ただ橋下が好きか嫌いかという投票にしようとしてるよう
にも見えます。


こう言えば馬鹿な大阪市民は橋下さん可哀想と、支持者が増えると
思ってたんでしょうね。


しかし大阪市民も馬鹿じゃないです。


現時点では伯仲というより橋下維新は劣勢のようですね。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6159548

そりゃそうでしょう。


大阪府知事、大阪市長と7年も大阪に君臨してきて、改革は愚か
逆に悪化させてきたんですから。


確かに2年や3年で結果を出せというのは無理かもしれませんが、
7年ですからね。


言い逃れは出来ません。


ずっと嘘を付き続けてきたことがバレだしたこともあります。


橋下は「2重行政解消」とか「借金を減らす」とか言いながら逆に
増やしてきたこと、橋下が首長になってから治安が悪化したこと、
テレビや芸人を最大限利用してきたことなど、


僕のブログでは、その時、その時点で橋下が付いてきた嘘を克明に
記録してあります。


だから最近の橋下の記事にはいつも、批判コメントを書き込むとき
は過去記事に目を通してから書くように注意書きを書いています。


すると先日、橋下信者が下の様なコメントを書いてきました。


2年以上前の記事にです。


橋下大阪市長「裁判で637億円の支払命令の判決」
http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-11487925985.html

9. 責任の所在
1993年に始まった土地信託事業の失敗の責任がなぜ橋下市長にあるのでしょうか?
この事業を進めた当時の大阪市議会、市役所の責任だと思いますが
暇な大学生 2015-05-02 02:03:39 >>このコメントに返信


そこでこのコメントに下のような返信をしました。


10. Re:責任の所在
>暇な大学生さん
あなたは馬鹿ですか?
責任が有る無しに関わらず過去の責任を負うのが現役のトップの役目です。
でなければ過去の慰安婦問題で歴代政権が謝る必要もないのです。
水俣病然り、アスベスト問題然りです。
そもそも橋下が負債は踏み倒すなどと言わなければ問題化しなかったかもしれないのです。
自分で火をつけて炎上させて喧嘩をするのが橋下のいつものやり口です。
simatyan2 2015-05-02 08:01:17 >>このコメントに返信


すると今度はさらに下のような応酬コメントをしてきました。


11. 失敗の責任と現役トップの役割
確かに謝罪は必要です。
土地信託事業で市民に損失を与えたことに対する謝罪はすべきであるし、実際橋下市長は謝罪しています。
しかし、現役トップの役割または責任の取り方は、なぜ失敗したのかを検証し、同じ間違いを二度としないような対策を打つことにあると考えます。
以下の記事にあるように、橋下市長は検証を行っています。
責任の所在は明確になりませんでしたが、橋下市長は問題はガバナンスの欠如にあると考え、大阪都構想がその対策になると考えています。
これがトップの役割、責任の取り方だと思います。
http://www.sankei.com/west/news/141201/wst1412010073-n1.html
暇な大学生 2015-05-02 12:48:03 >>このコメントに返信


このコメントには大阪都構想の必要性に誘導しようとする思惑が見ら
れたので今度は下のように返信してみました。


12. Re:失敗の責任と現役トップの役割
>暇な大学生さん
あなたは橋下と同じ論点のずらしています。
僕の記事は橋下が支払い命令の判決を受けたことに関して書いているのです。
また検証をしても責任の所在を明確に出来なければ意味がないのです。
橋下が常日頃言ってるように結果こそが全てなのです。
結果が出せなくてはだめです。
詐欺師は言い訳から入ります。
僕の記事の橋下最新論から読み直して勉強し直しなさい。
simatyan2 2015-05-02 14:26:26 >>このコメントに返信


昔の記事だから批判コメントもしやすかったのかも知れませんが、
これ以降書き込みをしなくなりました。


このように橋下徹も橋下信者も、あれもしました、これもしました、
と言い訳から入るのが常です。


それで結果が出て、市民や府民の暮らしが良くなったかと言えば
ノーなんですね。


財政悪化然り、治安悪化然り、府が購入したWTCビル失敗然り、
http://togetter.com/li/305028

学校給食の不評然り、鳴り物入りで始めた民間人公募校長と区長
の半数以上が犯罪行為で処分然り。


それぞれに口実を設けて言い訳しています。


また橋下が知事時代、2重行政は市長も維新が務めれば解消できる
と断言していましたが何ら変わらなかったのです。


反原発で関電に物申すと意気込んで見たものの、逆に関電の言い
なりになって原発推進派になっています。


しかし橋下は他人には結果が全てだと言い切っています。


これこそが橋下の2枚舌、詐欺師、ペテン師たる所以なのです。


「都構想を実現させてください、任せてくださいよ」


と橋下は言う。


7年も任せてきたじゃないですか。


その場その場の言い訳で7年もやってきたんですよね。


結果、何も変わらなかったどころか悪化したのです。


まるでヤブ医者が患者の開腹手術を次々繰り返し、さらに病気を
酷くさせてるようなものですね。


そして今度は大阪市を壊すと言う。


先人が苦労して築きあげてきたものを目先の甘言で壊そうという
のです。


橋下は簡単に言ってますが、一度政令指定都市を無くせば2度と
元に戻せないんですよ。


今、橋下は多額の費用をかけて説明行脚に明け暮れています。


広告代理店電通に税金を投入し、テレビCMや芸人たちを雇った
費用やパンフレットに数億円もかけて説明に回っています。


問題なのは、大半の市民が説明を聞いてから決断しようとしてる
ことです。


しかしこれほど意味がないことはないのです。


なぜなら詐欺師やペテン師と同じ土俵の上に上がってしまうこと
になるからです。


彼らは言葉巧みに相手を騙すために全力で説得にかかってきます。


例えば金融先物取引などの悪徳セールスマンが、最後の詰めに使う
クロージングトークというものがあります。


「今のままか、ここで現状打破のために新たな一歩を踏み出すかで、


 あなたの今後の人生がかかってます」


こう迫られると、多くの人は前向きな方を選びがちです。


うなづく人を確認しながら営業マンは心の中でニヤリとします。


そしてすかさず、


「私に任せてください。私の言う通りにすれば必ず儲かります。


 この設計図を見てください。絶対損はさせません」と。


橋下の著書に48手とも言うべき相手を騙す手法が載ってますが、




その術中にはまると、まず勝つことは不可能になります。


なぜなら未来のことは誰にも否定する根拠もなく、予想に甘い夢
を持ってしまうからです。


しかし術中にはまらない方法が一つだけあります。


それは未来ではなく、この7年と言う期間を振り返ることです。


はたして市民、府民の生活が良くなったかどうかですね。


2年や3年ならともかく、小泉長期政権5年を上回る7年をかけて改革
できなかった事実は隠しようもないのです。


過去記事にも書いたように、売春宿との縁切り一つ出来てない事実。


やる気があれば簡単に出来たことですね。


つまり詐欺師ペテン師ほど行動に伴わない「正論」を言うのです。


そしてネトウヨが応援してるのも禄でもない証拠ですね。


宣言通り、早々にお引取り願いましょうか




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/688.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第三回議事要旨から岡本氏プレゼン関連部分

「21世紀構想懇談会」第三回議事要旨の全文は別に投稿させていただく。
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(3)ついで、岡本行夫委員から「戦後70年を経た日本の安全保障体制と、これからの道(私論)」というテーマの下、概要以下の発表があった。

私はどこの組織にも属していない一私人であるが、それでも「私案」と書いたのは、率直な自分の考えを述べたかったからである。安全保障面に限った話をする。
自衛隊は、警察予備隊から育ち、効率的かつ有効な部隊になり、日本の防衛力として、そして抑止力として大変立派な役割を果たしている。今日そのような状態を実現できている経緯については、皆さんもよくご存じなので、私のメモには記していない。

今、田中理事長からこれまでの流れをご説明いただいたが、日本が憲法9条の下で世界に冠たる平和国家として辿ってきた足跡は、国民として誇りに思って然るべきである。ただ、安全保障については、率直に言って、合意形成が他の行政分野に比べて難しいこともあって、あるべき方向について国民的なコンセンサスを作るのが必ずしも容易ではなかった。その間に、国際的なニーズと日本が行い得ることが一部乖離してきたことも否定できないと思う。その意味で、このメモに記したのは、日本の防衛体制というものが、現在どういう地点にあって、そして、これからどうあるべきかということについてである。メモの要点だけをご説明する。

最初に「基本認識」であるが、1(1)に記したことは、理論的に考えても、国を守る上で選択肢というのは、「非武装中立」か「武装中立」か「同盟」しかなく、消去法からいって、結局、その中で日米安保同盟しかないという結論である。「集団安全保障」というのは、耳に心地良い言葉だが、現在のアジアにおいては、軍事的にも政治的にも成立し得る基盤が存在していないので、選択肢の中に入らないという前提である。

「日本の戦略環境」に記したのは、この東アジア地域は、兵員数で見てトップ5か国のうち3か国が集中しているという、世界で最も軍事的な集積度の高い地域であることだ。その中で、日本の防衛費は、極めて軽い防衛費負担でやってこれた。対GDP比で言えば世界の100位以下という水準である。それでも我々がどこからも攻撃される心配なくやってこられたのは、憲法9条の故ではない。日米安保という防衛体制をとってきたからである。

次に「防衛力の考え方」について。国家の防衛力の水準は、その国の直面する脅威の水準を客観的に分析して、それに対応できる防衛力を持つことが本来の姿だ。それを「所要防衛力」と呼ぶ。ところが日本の場合、周辺諸国の軍事費の膨張があまりにも大きく、それに対応して日本の防衛予算を組み立てることが実際上不可能であったので、「所要防衛力」の考えを捨てて、「基盤的防衛力」という考え方に51大綱で転換したわけである。「基盤的防衛力」というのは、要するに、日本がこのサイズの国家として独立を保全していくために平常的に持つべき防衛力という考え方である。よって、日本の周りの脅威がいかに増加しようと、日本だけは淡々と「基盤的防衛力」という考え方の下に、主として予算上の考慮によって防衛力の規模を決めてきたのである。北岡座長代理が22大綱と25大綱の両方に関わってこられたので、ここで私が一々申し上げることもないが、現在の大綱の考え方というのは大変機能的であるし、実際的でもあると思うが、根っこは依然として「基盤的防衛力」の考え方なので、まわりの脅威に対応した大きな防衛力の伸長は望めないという枠組みである。

次に「日米安保体制」である。日米安保体制というのは、日本の「盾」と米国の「矛」の組み合わせにより日本を防衛し、極東の平和と安定を確保するものである。安保体制は、抑止力の確保を最大の目標とする。抑止力とは、他国が攻めてきた時にどれくらい叩き返すことができる実力を持っているかということではないと私は思っている。そうではなくて、周辺諸国に、「自分たちが日本に手を出した時には、日米安保条約が発動される、そして、自分たちは米国からの報復を受ける、日米の共同行動に直面しなければならなくなる」と思わせるということである。つまり抑止力とは、周辺諸国に与える印象、いわゆるパーセプションである。いくら日米安保条約というものがあっても、米国は日本のために自分たちの兵力を損傷させてまで戦ってくることはあるまいと周辺諸国が思ってしまえば、その途端に、安保体制は張子の虎になる。そういう意味で、安保体制は常に発動されるものだと周辺諸国に思わせ続けるための日米の日頃からの安保協力と、安全保障の面に限らない政治的、あるいは、国民交流の面まで含めた緊密な日米関係が必要なのである。その良好な日米関係が抑止力の根幹を成していると私は思う。

安保体制には、いろいろな課題もある。「柱は1本か2本か」、あるいは、「日米の非対称」とこのメモに書いたような問題もある。「1本か2本か」というのは、例えば、FSX(次期支援戦闘機)問題というのがなぜあれだけ揉めてしまったかということにも関係してくる。当時の日本の考え方は、「小規模限定侵略は独力対処」ということだった。ソ連軍が攻め込んでくれば、航空自衛隊の戦闘機が超低空で海面すれすれで飛んで行って、離れたところからソ連艦隊に空対艦ミサイルを発射して、そして、そのあとは直ちに反転上昇して新しい任務につくという大変苛酷な運用・性能が要求されていた。しかし米国にしてみれば、「いや、小規模限定侵略といっても、米軍は最初から出勤するのだ。その時に上空にいるのはソ連ではなく米国の警戒管制機で、制空権も米軍がとっているだろう。だから、日本の戦闘機は海上すれすれなどという極端な運用要求を満たさなくても良いはずだ。だから、米国の既存の戦闘機であるF16やF18を使えば良いではないか」ということになる。結局は共同開発ということで決着がついたが、日本は独立国家として「独力対処」とは言いたいところであるが、日米安保体制が先ず存在していることは前提として忘れてはならない。

もう一つ、沖縄の基地負担ということも、日米安保体制上、解決しなければいけない重要な課題である。ご承知のとおり、面積で言って、米軍基地の74%が沖縄に集中している。この74%というのが象徴的にも実体的にも沖縄県民に重くのしかかっている。74%という数字を減らさなければならない。どうしたら減るか。沖縄の基地を減らしただけでは、分子も分母も減るわけだから、74%という数字はあまり減らない。沖縄の基地を減らし、そして本土の基地を増やして、初めて74%という数字が目立って減るのである。

普天間飛行場の移設については、私は今の段階では辺野古移設が最善であり、このままいくべきだと思うが、普天間が移設された後も、沖縄に残る諸施設。これをできるだけ本土が負担できるかどうかということだ。これが本土側のわがまま、いわゆるNIMBY(Not In My Backyard)、つまり「俺のところにだけは持ってくるな」という態度のために、容易に実現しない。全国の知事の中で「自分のところで受け入れても良い」と言ったのは当時の橋下徹大阪府知事だけであり、あとは皆さん「とんでもない」という反応であった。「沖縄の負担軽減」を掛け声として言うのは良いが、本当に本土側が沖縄のことを思いやっているのかどうか。それが問われている。

それから、いま深刻なのは、中国が日米の分断に動いていることである。特に70周年の今年、中国は「反ファシスト戦線」で世界がもう一度結束しようと呼びかけている。つまり日本というファシストに対して戦った近代的な価値を信奉していた中国、北米、欧州、豪州、そういった国々がもう一回まとまろうというもので、取りも直さず日米の分断策である。これは日本として対応が必要とされる深刻な事態である。

それから最後に「国際平和協力活動への貢献」を記した。なぜ国際協力しなければいけないのか。3(1)@、Aは当たり前の話である。Bは、やはりそろばん勘定から言っても、日本は安全保障面で協力しておいた方が安くつくという意味である。例えば、民主党政権の時に、インド洋で給油活動していた海上自衛隊の補給艦を撤収した。100億円未満の予算で行っていたものだが、撤収したことに国際社会の失望は大きかった。それで、「給油活動の代わりに、日本はアフガニスタンにもっと支援をいたします。アフガニスタンの警察官の給与を負担します」と言わざるを得なくなった。それが総額5000億円にもなっているわけである。安全保障上の協力のほうがずっと安くついたのである。

次に集団的自衛権の問題。これは、なにもおどろおどろしいものではなく、法制局が長年に亘って続けてきた解釈を正しいものに修正したというに過ぎない。
それから、「日本が目指すべき道」を最後に記した。陸上自衛隊については、機動化する。例えば、米海兵隊のように、機動的に世界の平和貢献に対処できるようにしたらどうか。海上自衛隊については、これまで護衛艦を削りに削ってきたが、増加する周辺の脅威を考えれば、51大綱の水準の60隻に戻すべきではないか。潜水艦は16隻から22隻になったが、これは鉛筆をなめて潜水艦の退役年齢を延ばしただけであるので、やはり中長期的にはあと4隻位は持つべきではないか。空自については迎撃能力の増強。

この項の最後に、「過度の財政介入の抑制」と書いた。これは、例えば、いま自衛隊の定員数は防衛大綱によって決まっているのに、財政上の理由によって「充足率」というものをかけられて、本来24万7千名いるはずの自衛隊員が、実員としては21万人しか存在していないという問題だ。これはやはりおかしなことだと私は思っている。

そして、「積極的平和主義の具体化」。日本としてこれがこれから進むべき道だと思う。ただ、そう言うは易いけれども、実際には、日本はこれまで米国を始めとする国際社会から国際平和構築のために多くの要請を受けてきたが、多くを断ってきた。断った理由は、「集団的自衛権に抵触する」とか、「憲法上の問題」といったものは実は少なかった。多くの場合、「自衛隊は危険なところには派遣しない」ということで、国際社会からの要請に応えなかったのである。今回の安保法制は正しい方向の措置だと思うが、ただ、「危険なところには自衛隊は派遣しない」という政治意識を変えられるかどうか。つまり、リスクを分担するためにはやはり日本も覚悟をもって国際平和協力に臨まなければいけないというところまで踏み込めるかどうか。それが鍵だと思う。

もうひとつ、「海洋アジアでの連携強化」、つまり日本は海洋アジアのリーダーたるべきだということも記した。

最後に安保法制に絡んでエピソードを一つご紹介したい。2001年の9.11の直後、アルカイダが世界中の米軍を攻撃するという情報が駆け巡り、第7艦隊が一時的に硫黄島周辺に退避したことがある。その時に米軍は海上自衛隊に警護を頼んできた。しかし、海上自衛隊は応えられない。根拠となる法律もない。結局、防衛庁設置法の「調査・研究」という名目で護衛艦を出した。そういう解釈を用いてでも米軍を警護すべきであるという、当時の海幕の大変勇気ある決断であった。そしてこの自衛隊の護衛艦と第7艦隊が東京湾を並走して南下していく映像は米国のテレビで繰り返し放映され、日本に対する大きな感謝という米国民感情につながったのである。正にあのようなことが日米安保を堅固なものにしていく。今度は新安保法制によって、そういうことが堂々とできるようになった。これから日本の安全保障の体制は良い方向に向かっていくと思う。


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※岡本氏の説明を受けた参加委員からの発言(岡本氏のプレゼンに関わる部分のみ抽出)

○米国との関係については、安全保障においては、米国が圧倒的に日本に関与してきたということは明白である。経済面では、時期によって違うと考える。1950年代においては、日本の経済復興にとり、米国が自らの市場を日本産品に対して相当オープンにしてくれたということはとても大きいことであったと思う。当時、日本の繊維産業にとって最大の買い手は米国であった。また、日本は1955年にGATTに入る際、英国や豪州は絶対に日本など入れないと反対していたが、これに対し、「日本を入れなければだめだ」と言ってくれたのが米国であった。この点でも、1950年代における日本の経済復興に米国が果たした経済的役割は大きいと思う。ただ、その後は日米間の経済関係はひたすら経済摩擦であり、米国が日本に対して言っていたのは、「自分のところをクローズにしたままで、製品を売ってばかりいるのはダメだ。」ということであった。
(後略)

○日米関係の非対称性については、安全保障の面においては、日米両国は望遠鏡の真逆からお互いに見合っているようなところがあった。米国は世界中に30か国以上の同盟国と地位協定を有しており日本はそのうちの一つである、ということを考えれば、これは仕方がないことである。したがって、日本が米国に対して有している関心に比べて、米国議会が日本に対して持っている関心が相対的に低いことも仕方がないことである。

しかし、それ以上に重要なことは、両国の指導者がどのように相手を見るのかということである。オバマ政権が誕生する時に、クリントン国務長官は上院外交委員会の証言で、まず日本に言及した。そして最初に訪問した外国も日本であった。米国の国民に、米国政府が日本を大事にしているということが強く伝わった。しかし、日本の民主党の悪口を言うわけではないが、日本はその後日米関係を育てる努力をしてこなかった。そしてクリントン国務長官はその3年後、「アジアでは三つの大国がお互いに協力し合っていかなければいけない。すなわち、米国、中国、インドである。」と宣言し、米国民の目から日本が抜け落ちてしまう構図を示してしまった。つまり、非対称性というのは、日本にも責任があるのである。日本の努力によって日米関係は更に緊密にできるのである。


○(前略)
また、岡本委員の発表に関し、日米安保が中国からどう見えていたかという点は複雑であり、必ずしも一貫して敵対していたということではなく、キッシンジャーの「瓶のフタ」論にあるように、それはそれで評価をされてきた。中国自身が、日米同盟、あるいは日米安保が東アジアの安定に寄与していたと認識していた部分もあった。色々な議論はあるが、そうした意味で、戦後の変容、あるいは日本の中国との関わりの中にも、ODAの話にしても、日米安保の話にしても、多様な戦後の姿を見出すことが出来る。


○(前略)
岡本委員の日米安保条約に対する指摘はそのとおりである。他方、今の中東の構図がますます複雑になり混乱を極めている大きな原因は米国における中東の安全保障のあり方、米国の各国との同盟友好関係のあり方において、オバマ政権の政策が安定していないことがある。伝統的な同盟国であるイスラエル、サウジアラビア、トルコはいずれも違った次元において、米国の中東における安全保障を支えてきた要因であるが、イランの核武装を阻止するという命題のもとに米国がイランとの急接近を図っている現実もある。アラブの一部では、イラン・アメリカ同盟という言葉を用いるメディアや識者もいるくらいである。こういう米国の中東政策における揺らぎは、東アジアにおける日本、韓国、豪州との米国の同盟関係を考える場合にも比較の参考になる。イランに相当するのは中国となるかと思うが、中国の拡張主義、膨張主義といったものを考えた場合に、米国と日本の関係について、楽観視ばかりできるとはいえない。手入れしなければならないのが日米関係であるとすれば、米国の中東との不安定な関係を見た場合、どのような手の入れ方が米国にとっても、日本にとっても更に必要なのか、といった点についても比較して見ることが重要であろう。


○(前略)
岡本委員から発言があった、「70年間平和を得られたのは憲法9条が存在していたからではなく日米安保体制のためである」、及び、「米国にとって日本は多数の同盟国の一つであるが日本にとって米国は唯一の同盟国」、といった観点から、(中国等の台頭がある中で)今後の日本と世界を考えていく必要がある。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/689.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第三回議事要旨

※ 関連投稿

「戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第一回議事要旨」
http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/286.html

「戦後70年首相談話懇談会(21世紀構想懇談会)第二回議事要旨:きわどい内容もあり一読の価値:「敗戦責任」の国民的議論を」
http://www.asyura2.com/15/senkyo182/msg/287.html
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20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(「21世紀構想懇談会」)

第三回議事要旨

1.日時:平成27年4月2日
2.場所:総理大臣官邸4階大会議室
3.出席者

・21世紀構想懇談会委員
西室泰三日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長
日本国際問題研究所会長【座長】
北岡伸一国際大学学長【座長代理】
飯塚恵子読売新聞アメリカ総局長
岡本行夫岡本アソシエイツ代表
川島真東京大学大学院教授
小島順彦三菱商事株式会社取締役会長、
一般社団法人日本経済団体連合会副会長
古城佳子東京大学大学院教授
白石隆政策研究大学院大学学長
瀬谷ルミ子認定NPO法人日本紛争予防センター理事長
JCCPM株式会社取締役
中西輝政京都大学名誉教授
西原正平和・安全保障研究所理事長
羽田正東京大学教授
堀義人グロービス経営大学院学長、
グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー
宮家邦彦キャノングローバル戦略研究所研究主幹
山内昌之明治大学特任教授
山田孝男毎日新聞政治部特別編集委員

・政府
安倍晋三内閣総理大臣
菅義偉内閣官房長官
加藤勝信内閣官房副長官
世耕弘成内閣官房副長官
杉田和博内閣官房副長官
兼原信克内閣官房副長官補

・有識者
田中明彦国際協力機構理事長

4.議事概要

(1) 冒頭、杉田官房副長官が次の通り挨拶を行った。

今回は、安倍総理より提示があった5つの論点の2つ目の論点である、「日本は、戦後70年間、20世紀の教訓をふまえて、どのような道を歩んできたのか。特に、戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献をどのように評価するか。」という点につき、皆様にご議論いただきたい。総理が先の会合にて述べられたように、未来の土台は過去と断絶したものではあり得ず、20世紀の普遍的な教訓を踏まえ、日本が戦後70年をどのように歩んできたか振り返ることは、今後の日本のあり方を考えていく上で非常に重要である。国民は戦後70年の歩みを誇りに思っている。本年3月中旬に日本テレビ系列が実施した世論調査において、「戦後70年の談話において、何を最も強調すべきか」という質問に対しては、最も多い4割を超える方が「70年の平和国家としての歩み」を、3割弱の方が「今後の日本の国際的な取組」を、1割強の方が「大戦の反省」をそれぞれ挙げている。
本日は、幅広い視点から、戦後70年間の日本の歩みについて活発なご議論をいただければと思う。

(2) 次に、田中明彦国際協力機構理事長から「戦後70年の日本の歩み--「世界の中の日本」という視点から」というテーマの下、以下の発表があった。

※引用者注:資料は http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/dai3/siryou1.pdf


今日話す内容は、JICAという組織の公式見解ではなく、田中個人の見解である。戦後70年の日本の歩みを、「世界の中の日本」という観点から振り返って見たい。その際、日本人の自己認識・自国認識、国際社会における目標、そのための政策手段の三つの観点に着目したい。そして、このような観点における変化に着目したとき、おおむね戦後70年は、三つの時期に区分することができるのではないかと思う。

第一の時期は、敗戦から高度成長が実現するまでの時期、すなわち1945年から1970年くらいまでの時期。第二の時期は、世界第2の経済大国としてJapan As No.1と言われた時期、すなわち1970年代から1990年くらいまでの時期。そして第三の時期は、バブル崩壊と国内経済低迷の中で国際社会での役割を模索する時期、すなわち1990年ころから現在にまで到る時期である。

この三つの時期は、世界システムの状態の変化ともおおむね対応している。第一期は、冷戦前期であり西側におけるアメリカを中心としたリベラルな秩序が形成され定着していった時期。第二期は冷戦後期で、アメリカ中心の国際秩序に揺らぎと調整がみられた時期。そして第三期は、冷戦後のグローバル化が進展し、主体の多様化、国際関係の複雑化などが進む時代である。

日本の自己認識、国際社会における目標、そのための政策手段も時期によって変わってきた。

まず、第一の時期について。この時期の日本の自己認識は、いうまでもなく戦争によって荒廃した貧しい敗戦国そして当初は占領された国家としての自己認識であった。その目標は、したがって、一刻も早く独立を達成し、国際社会の中で通常の国家としての地位を回復するということであった。しかし、完膚なきまでに敗北した国家として、そのために取り得る手段は限られており、自らの経済再建に努力するとともに、もっぱら誠実かつ地道な外交努力によって、平和条約を結びできるだけ多くの国々と国交正常化を遂げ、重要な国際機関に加盟するということであった。

1951年9月8日に署名されたサンフランシスコ平和条約によって翌年4月28日に独立が達成され、1956年12月18日に国際連合に加盟できたことは、このプロセスを象徴している。サンフランシスコ平和条約によって国交正常化が実現しなかった国々については、個別に平和条約を結び正常な国際関係を築く努力をとげてきた。とくにビルマ、フィリピン、インドネシア、南ベトナムとは賠償協定を締結し、賠償事業を実施してきた。

当時、国際社会への復帰のため賠償に加え、今日ODAとみなされるような経済協力も開始した。1954年のコロンボ・プランへの加盟とともに技術協力を始め、1958年には、最初の円借款をインドに対して供与した。賠償を請求しなかった国々に対して、このような経済協力で日本との関係をよりよいものにすることが追求された。賠償で行った事業のなかでは、現在もミャンマーの水力発電の重要な役割を担っているバルーチャン第二水力発電所が1960年に完成した。また、インドネシアでは、ブランタス流域開発プロジェクトという非常に巨大なプロジェクトを、賠償で開始し、その後円借款・無償資金協力・技術協力事業を組み合わせ、1980年代に到るまで延々と続けてきた。その結果、電力や水の供給に加え、灌漑事業による食料増産、洪水被害やマラリアの被害を低減することに貢献した。

この二つの事業の例にみられるように、日本が賠償や経済協力事業に誠意を持って実施にあたってきたことは間違いない。ただし、経済復興が最優先であった当時の事情からして、このような国外事業もまた、国内経済の復興のために重要であるとの認識があったことは否めない。当時の経済協力が日本産品の調達を義務づける「タイド」であったことはそのことを示している。

この時期の日本の経済復興や高度成長は「奇跡」とまで言われたほどめざましいものであった。その背景には、戦後アメリカを中心にして作られた自由貿易に向かう体制が、日本産品の輸出を受け入れてくれたという事情がある。他方、この時期、日本の自己認識は「小国」のものであり、みずから積極的に自由貿易に貢献しようとの意図は少なく、外国からの「自由化」要求は外圧であるとか「黒船」であるとかとの受け止め方であった。

さらにいえば、劇的な経済成長の過程に問題や課題がなかったわけでもない。「四大公害」をはじめとする環境問題が各地でおきた。東京をはじめ深刻な都市問題が発生した。1970年には交通事故による死亡者数は1万6765人に達した。
こうして、日本は世界第二の経済大国になるという第二の時期を迎えた。この時期、二つのニクソン・ショックや石油危機など、国際政治経済秩序が大きく揺らいでいった。日本にとっては、石油や大豆などの食料の供給に不安がみられるようになった。

他方、世界第二の経済大国となった日本自身に対しては、世界の視線はきびしさを増してきた。アメリカを中心として、経済摩擦が頻発した。経済発展にむけた日本の懸命な輸出努力は、「集中豪雨的輸出」などとも言われ、国内市場を保護しつつ他国の市場を制覇しようとしているとの批判を呼んだ。また、1974年1月に東南アジアを訪問した田中角栄首相は、ジャカルタとバンコクで大きな反日デモに見舞われた。

この時期の日本には、「経済大国」になったとの自己認識が生まれてきた。1975年の先進国首脳会議に招請されたことも、そのような認識を強くした。しかし、石油危機などの環境激変のなかでの自らの脆弱性についての認識は強く、国際秩序の調整局面で大きな役割を果たすと言うよりは、「応分の負担」で国際社会の批判を乗り切ろうというような態度もみられたと思う。いずれにしても、そこで、有力な手段と考えられたのが経済協力であった。1978年にODAの倍増宣言がだされ、その直後に福田赳夫総理は、マニラでアジアの人の「心と心」をつなぐという「福田ドクトリン・スピーチ」を行った。

以後、ODAの額は上昇を続け1989年には、世界一位となった。それより前に批判された円借款のタイドだが、円借款のアンタイド化も進んだ。1979年には、賠償請求を放棄した中国への経済協力を開始した。もちろん量だけでなく、振り返ってみて、質的にも大きな効果をあげたプロジェクトをいくつも行った。ODAをはじめて以来30年たち、日本型の援助とでもいうようなプロジェクトが育ってきたのである。ブラジルを世界的な大豆生産国に変化させたセラード開発、タイの工業化に一大転機を与えた東部臨海開発、さらには人と人が技術協力で国づくりに貢献するとのやり方も確立してきた。ブータンで孤軍奮闘、農業指導を続けてきた西岡京治JICA専門家が国王から最高の称号「ダショー」を授かったのは1980年のことである。

次から次へと起こる経済摩擦への対処の過程で、日本が国際経済システムの維持に貢献してきたことは間違いないと思う。累次の多国間貿易交渉を日本は着実に受け入れてきたが、やはり自由貿易達成のために指導力を発揮したとまではいえなかった。どうしてもその反応は遅れ、当時、日本は「外圧」がなければ動かない「反応国家」であるなどと言われた。

第三の時期は、ベルリンの壁の崩壊を伴う1989年以降の時代である。冷戦が終結し、グローバル化がますます進行し、良い意味でも悪い意味でも非国家主体の役割の増大した時期といえる。東西イデオロギー対立が消滅し、核戦争の脅威が低下する中、国際関係は複雑化し、人々への脅威も多様なものになってきた。この中で、日本ではバブルが崩壊し、かつての「経済大国」の自信は薄れ、国際社会の中での自己認識にもやや曖昧なところが生まれてきた。

日米同盟が重要であることの再確認は比較的容易にできたが、新しい時代にあわせて日米同盟をさらに強化するにはどうしたらいいか、さらには日米同盟の枠を超える国際的役割をどうするかについて、議論が延々続いてきていると思う。「普通の国」、「グローバル・シビリアン・パワー」などという言葉が使われたこともあり、「積極的平和主義」もその流れの中からうまれてきた概念であろう。この時期におこった様々な危機が、その後の課題を規定してきたとも言えると思う。

いずれにしても、世界の平和、繁栄と普遍的価値の増進に貢献し、それによって「名誉ある地位を占めたいと思ふ」という目標は広範に共有されていると思う。しかし、この時期になってもいかなる手段を使っていくかについては、まだまだ十分な合意ができているわけではないのかもしれない。自衛隊をどのように活用するかについては現在も議論が続いている最中である。

国際経済体制を維持するための努力も重要な課題であった。この時期にはアジアや太平洋地域での地域協力が活発化した。APECの設立をはじめ日本はかなり積極的な役割をはたした。地域の自由貿易の達成のためにも努力した。現在進行中のTPP交渉の成否は、この面での日本の指導力が発揮しうるかの試金石ともいえると思う。

もちろん、合意が比較的容易でしかも日本に能力もある分野も多い。たとえば、ODAの分野でいえば、1990年代から現在にいたる四半世紀の間、日本はきわめてユニークな役割をはたしてきたといえると思う。すなわち、国際的な援助潮流が変化するなか、日本は一貫して持続的経済成長のためのインフラ建設の重要性を指摘しつづけてきた。世界各地でランドマークとなるインフラ事業をすすめた。
都市問題に苦しんだ日本は、大都市の交通問題には率先してとりくんできた。バンコクの都市交通システム、デリーの地下鉄網の整備、現在実施中のジャカルタのMRTなどが事例である。また、戦後の日本の生産性向上の教訓を凝縮した5Sカイゼンの技術協力プロジェクトは、中小企業支援に使われるだけでなく、現在ではアジアやアフリカの数多くの病院の衛生状態を改善するためにも試みられている。その他、「人間の安全保障」に資するさまざまな事業を行っている。資料の4ページにはこれまでのODAの実績を掲げているので、ご参照いただきたい。

資料の5ページに掲げているが、1954年に開始した日本国内における研修事業への参加者は、約32万5千人に及び、日本の成功だけでなく失敗から世界が学びうる機会を提供する重要なプログラムになっている。このプログラムの参加者で各国の要人になった人のリストも資料に掲載している。防災にしても公害対策にしても、日本における研修ほど世界に貢献するものは数少ないと思う。つまり、日本は、世界中の課題への取り組みに貢献しうるきわめて豊富な経験と知識を持っているのではないかと思う。そのなかで、ODA予算が1997年をピークにほぼ半減していることは、皮肉な感じがする。ODAについてきわめて生産性高く事業を実施しているということもできるが、潜在力を十分発揮していない可能性もあるかもしれない。

戦後70年の日本の歩みを振りかえってみたわけであるが、全体を通していかなることがいえるか少し考えてみたい。

第一には、やはり、戦後の歩みは戦前の侵略に対する痛切かつ全面的な反省の上に成り立ったものだといえると思う。戦後史を通覧して、日本の国際的行動のなかに軍事的自己利益追求行動は存在しなかった。大筋でいって、1930年代の行動とは180度転換した平和路線であったといってよいと思う。

第二に、しかしながら、戦後の日本の国際的行動には、変化もあり、時代時代の限界もあった。平和的な国際的行動であっても、自己中心的なもの、あるいは国際秩序形成に消極的なものもあった。しかし、おおまかな流れでいえば、リベラルな国際秩序形成においてより積極的な役割を果たそうとする意欲は増えてきたと言えると思う。また、さきほど述べたように、自らの成功だけでなく失敗に学んでいけば、日本には、知識とノウハウによって積極的な役割を果たす能力はかなり備わっているのだと思う。

第三に、さらに長期のスパンで考えれば、日本の現在は、明治維新以後の自由主義的民主制の発展の成果であるといえる。戦後、徹底的な平和路線という大筋のなかで、自らの失敗に学び、徐々にではあれ、リベラルな国際秩序形成への積極性を増す路線を追求してきた背景には、国内における強固な自由主義的な民主主義体制の存在があった。もちろん、戦後の自由主義的民主制の確立にあたって米国の果たした役割はきわめて大きかったわけだが、明治以来の自由主義的政治思想と大正デモクラシーにみられるような自由主義的政治体制の制度発展も忘れるわけにはいかない。福沢諭吉、中江兆民、吉野作造などという先人があってこそ、戦後の日本の歩みも理解できるのだろうと思う。


(3) ついで、岡本行夫委員から「戦後70年を経た日本の安全保障体制と、これからの道(私論)」というテーマの下、概要以下の発表があった。

私はどこの組織にも属していない一私人であるが、それでも「私案」と書いたのは、率直な自分の考えを述べたかったからである。安全保障面に限った話をする。
自衛隊は、警察予備隊から育ち、効率的かつ有効な部隊になり、日本の防衛力として、そして抑止力として大変立派な役割を果たしている。今日そのような状態を実現できている経緯については、皆さんもよくご存じなので、私のメモには記していない。

今、田中理事長からこれまでの流れをご説明いただいたが、日本が憲法9条の下で世界に冠たる平和国家として辿ってきた足跡は、国民として誇りに思って然るべきである。ただ、安全保障については、率直に言って、合意形成が他の行政分野に比べて難しいこともあって、あるべき方向について国民的なコンセンサスを作るのが必ずしも容易ではなかった。その間に、国際的なニーズと日本が行い得ることが一部乖離してきたことも否定できないと思う。その意味で、このメモに記したのは、日本の防衛体制というものが、現在どういう地点にあって、そして、これからどうあるべきかということについてである。メモの要点だけをご説明する。

最初に「基本認識」であるが、1(1)に記したことは、理論的に考えても、国を守る上で選択肢というのは、「非武装中立」か「武装中立」か「同盟」しかなく、消去法からいって、結局、その中で日米安保同盟しかないという結論である。「集団安全保障」というのは、耳に心地良い言葉だが、現在のアジアにおいては、軍事的にも政治的にも成立し得る基盤が存在していないので、選択肢の中に入らないという前提である。

「日本の戦略環境」に記したのは、この東アジア地域は、兵員数で見てトップ5か国のうち3か国が集中しているという、世界で最も軍事的な集積度の高い地域であることだ。その中で、日本の防衛費は、極めて軽い防衛費負担でやってこれた。対GDP比で言えば世界の100位以下という水準である。それでも我々がどこからも攻撃される心配なくやってこられたのは、憲法9条の故ではない。日米安保という防衛体制をとってきたからである。

次に「防衛力の考え方」について。国家の防衛力の水準は、その国の直面する脅威の水準を客観的に分析して、それに対応できる防衛力を持つことが本来の姿だ。それを「所要防衛力」と呼ぶ。ところが日本の場合、周辺諸国の軍事費の膨張があまりにも大きく、それに対応して日本の防衛予算を組み立てることが実際上不可能であったので、「所要防衛力」の考えを捨てて、「基盤的防衛力」という考え方に51大綱で転換したわけである。「基盤的防衛力」というのは、要するに、日本がこのサイズの国家として独立を保全していくために平常的に持つべき防衛力という考え方である。よって、日本の周りの脅威がいかに増加しようと、日本だけは淡々と「基盤的防衛力」という考え方の下に、主として予算上の考慮によって防衛力の規模を決めてきたのである。北岡座長代理が22大綱と25大綱の両方に関わってこられたので、ここで私が一々申し上げることもないが、現在の大綱の考え方というのは大変機能的であるし、実際的でもあると思うが、根っこは依然として「基盤的防衛力」の考え方なので、まわりの脅威に対応した大きな防衛力の伸長は望めないという枠組みである。

次に「日米安保体制」である。日米安保体制というのは、日本の「盾」と米国の「矛」の組み合わせにより日本を防衛し、極東の平和と安定を確保するものである。安保体制は、抑止力の確保を最大の目標とする。抑止力とは、他国が攻めてきた時にどれくらい叩き返すことができる実力を持っているかということではないと私は思っている。そうではなくて、周辺諸国に、「自分たちが日本に手を出した時には、日米安保条約が発動される、そして、自分たちは米国からの報復を受ける、日米の共同行動に直面しなければならなくなる」と思わせるということである。つまり抑止力とは、周辺諸国に与える印象、いわゆるパーセプションである。いくら日米安保条約というものがあっても、米国は日本のために自分たちの兵力を損傷させてまで戦ってくることはあるまいと周辺諸国が思ってしまえば、その途端に、安保体制は張子の虎になる。そういう意味で、安保体制は常に発動されるものだと周辺諸国に思わせ続けるための日米の日頃からの安保協力と、安全保障の面に限らない政治的、あるいは、国民交流の面まで含めた緊密な日米関係が必要なのである。その良好な日米関係が抑止力の根幹を成していると私は思う。

安保体制には、いろいろな課題もある。「柱は1本か2本か」、あるいは、「日米の非対称」とこのメモに書いたような問題もある。「1本か2本か」というのは、例えば、FSX(次期支援戦闘機)問題というのがなぜあれだけ揉めてしまったかということにも関係してくる。当時の日本の考え方は、「小規模限定侵略は独力対処」ということだった。ソ連軍が攻め込んでくれば、航空自衛隊の戦闘機が超低空で海面すれすれで飛んで行って、離れたところからソ連艦隊に空対艦ミサイルを発射して、そして、そのあとは直ちに反転上昇して新しい任務につくという大変苛酷な運用・性能が要求されていた。しかし米国にしてみれば、「いや、小規模限定侵略といっても、米軍は最初から出勤するのだ。その時に上空にいるのはソ連ではなく米国の警戒管制機で、制空権も米軍がとっているだろう。だから、日本の戦闘機は海上すれすれなどという極端な運用要求を満たさなくても良いはずだ。だから、米国の既存の戦闘機であるF16やF18を使えば良いではないか」ということになる。結局は共同開発ということで決着がついたが、日本は独立国家として「独力対処」とは言いたいところであるが、日米安保体制が先ず存在していることは前提として忘れてはならない。

もう一つ、沖縄の基地負担ということも、日米安保体制上、解決しなければいけない重要な課題である。ご承知のとおり、面積で言って、米軍基地の74%が沖縄に集中している。この74%というのが象徴的にも実体的にも沖縄県民に重くのしかかっている。74%という数字を減らさなければならない。どうしたら減るか。沖縄の基地を減らしただけでは、分子も分母も減るわけだから、74%という数字はあまり減らない。沖縄の基地を減らし、そして本土の基地を増やして、初めて74%という数字が目立って減るのである。

普天間飛行場の移設については、私は今の段階では辺野古移設が最善であり、このままいくべきだと思うが、普天間が移設された後も、沖縄に残る諸施設。これをできるだけ本土が負担できるかどうかということだ。これが本土側のわがまま、いわゆるNIMBY(Not In My Backyard)、つまり「俺のところにだけは持ってくるな」という態度のために、容易に実現しない。全国の知事の中で「自分のところで受け入れても良い」と言ったのは当時の橋下徹大阪府知事だけであり、あとは皆さん「とんでもない」という反応であった。「沖縄の負担軽減」を掛け声として言うのは良いが、本当に本土側が沖縄のことを思いやっているのかどうか。それが問われている。

それから、いま深刻なのは、中国が日米の分断に動いていることである。特に70周年の今年、中国は「反ファシスト戦線」で世界がもう一度結束しようと呼びかけている。つまり日本というファシストに対して戦った近代的な価値を信奉していた中国、北米、欧州、豪州、そういった国々がもう一回まとまろうというもので、取りも直さず日米の分断策である。これは日本として対応が必要とされる深刻な事態である。

それから最後に「国際平和協力活動への貢献」を記した。なぜ国際協力しなければいけないのか。3(1)@、Aは当たり前の話である。Bは、やはりそろばん勘定から言っても、日本は安全保障面で協力しておいた方が安くつくという意味である。例えば、民主党政権の時に、インド洋で給油活動していた海上自衛隊の補給艦を撤収した。100億円未満の予算で行っていたものだが、撤収したことに国際社会の失望は大きかった。それで、「給油活動の代わりに、日本はアフガニスタンにもっと支援をいたします。アフガニスタンの警察官の給与を負担します」と言わざるを得なくなった。それが総額5000億円にもなっているわけである。安全保障上の協力のほうがずっと安くついたのである。

次に集団的自衛権の問題。これは、なにもおどろおどろしいものではなく、法制局が長年に亘って続けてきた解釈を正しいものに修正したというに過ぎない。
それから、「日本が目指すべき道」を最後に記した。陸上自衛隊については、機動化する。例えば、米海兵隊のように、機動的に世界の平和貢献に対処できるようにしたらどうか。海上自衛隊については、これまで護衛艦を削りに削ってきたが、増加する周辺の脅威を考えれば、51大綱の水準の60隻に戻すべきではないか。潜水艦は16隻から22隻になったが、これは鉛筆をなめて潜水艦の退役年齢を延ばしただけであるので、やはり中長期的にはあと4隻位は持つべきではないか。空自については迎撃能力の増強。

この項の最後に、「過度の財政介入の抑制」と書いた。これは、例えば、いま自衛隊の定員数は防衛大綱によって決まっているのに、財政上の理由によって「充足率」というものをかけられて、本来24万7千名いるはずの自衛隊員が、実員としては21万人しか存在していないという問題だ。これはやはりおかしなことだと私は思っている。

そして、「積極的平和主義の具体化」。日本としてこれがこれから進むべき道だと思う。ただ、そう言うは易いけれども、実際には、日本はこれまで米国を始めとする国際社会から国際平和構築のために多くの要請を受けてきたが、多くを断ってきた。断った理由は、「集団的自衛権に抵触する」とか、「憲法上の問題」といったものは実は少なかった。多くの場合、「自衛隊は危険なところには派遣しない」ということで、国際社会からの要請に応えなかったのである。今回の安保法制は正しい方向の措置だと思うが、ただ、「危険なところには自衛隊は派遣しない」という政治意識を変えられるかどうか。つまり、リスクを分担するためにはやはり日本も覚悟をもって国際平和協力に臨まなければいけないというところまで踏み込めるかどうか。それが鍵だと思う。

もうひとつ、「海洋アジアでの連携強化」、つまり日本は海洋アジアのリーダーたるべきだということも記した。

最後に安保法制に絡んでエピソードを一つご紹介したい。2001年の9.11の直後、アルカイダが世界中の米軍を攻撃するという情報が駆け巡り、第7艦隊が一時的に硫黄島周辺に退避したことがある。その時に米軍は海上自衛隊に警護を頼んできた。しかし、海上自衛隊は応えられない。根拠となる法律もない。結局、防衛庁設置法の「調査・研究」という名目で護衛艦を出した。そういう解釈を用いてでも米軍を警護すべきであるという、当時の海幕の大変勇気ある決断であった。そしてこの自衛隊の護衛艦と第7艦隊が東京湾を並走して南下していく映像は米国のテレビで繰り返し放映され、日本に対する大きな感謝という米国民感情につながったのである。正にあのようなことが日米安保を堅固なものにしていく。今度は新安保法制によって、そういうことが堂々とできるようになった。これから日本の安全保障の体制は良い方向に向かっていくと思う。


(4)続いて、概要以下の意見が示された。

○田中JICA理事長の結論における、戦後70年の歩みの特徴に完全に同意する。田中理事長は、平和路線という言葉を使っているが、自分は、平和主義という言葉で良いと思う。日本の平和主義は米国との同盟関係で担保されていたという点が非常に重要。日本の圧倒的多数の国民はこの点を当たり前のこととして受け止めており、日米同盟をどう深化させて行くのかという点につき、国内的な制約を巡って現在議論が行われているという整理ができるのではないかということが一点目。二点目として、国際貢献も極めて重要であり、リベラルな国際秩序の適用から促進というのはまさにその通りである。日本は、軍事的に行動できない中で、国際貢献という形で途上国の発展に貢献してきた。このことが国際秩序の安定に貢献することになったということを申し上げておきたい。三点目として、明治以来の自由主義的な伝統を受け継いだ民主主義体制の発展ということもその通りである。この民主主義体制が、日本の戦後の市場経済と一緒になり、国際秩序の原理と極めて整合的な国内体制を発展させてきた。

○発表者二人、特に田中JICA理事長は、戦後の日本が非常に素晴らしい発展をしてきたということに重点を置いており、自分もこの点に賛成であるが、同時にマイナスの点も見ておくべきであると考える。一言で言えば、日本は戦争処理の問題を未だに引き継いでいるということも認識しておくべき。日本だけの問題ではないが、対韓、対中関係、靖国問題、慰安婦問題、戦没者の問題等、70年かけても処理できていない問題がある。

また、この70年の間で、平和主義ということについての国民の考え方が大分変わってきたと考える。憲法9条を誠実に文字通りに読んで行動していこうというグループがある一方、一国平和主義という議論は日本の国益にあわないという議論も出てきた。したがって、戦後日本の平和主義は二つの時期に分けて考えた方が良いと思う。日本は国内の平和主義者、純平和主義者に対応する難しさの中で、極端に軍事力を抑制するなどバランスを欠いた国家をつくってきてしまっている。どこの国にも同様の問題はあるが、日本はこの点で苦労してきた。

田中理事長から指摘があったとおり、日本は戦後、賠償支払いという形でアジア各国と経済関係を構築し、各国の経済発展に寄与してきた。もう一つの側面として、日本が第二次世界大戦を通じ、結果としてアジアのいくつかの国の独立を促すことになり、このことが戦後のアジア諸国の発展に大きく繋がったという点も指摘しておきたい。1955年のバンドン会議は、アジア人のみによる首脳会議であり、アジア人のみでアジアをつくっていこうという雰囲気の最初の芽が出た場であった。この会議の開催に日本が果たした役割は大きかったと考えている。


○世界の中での日本の歩みという観点から見た際、米国が果たしてきた役割をどの程度のものと評価するかという点につき意見を聞きたい。田中理事長の発表を聞く限り、相当程度日本が自立的に様々なことを行ってきたようにも聞こえた。先程の岡本委員の発表にもあったが、米国にとってみれば日本は同盟国の一つであるので、米国から見た場合、戦後日本は独立して自分の考えで様々なことを行ってきたように見えるのか。米国は戦後日本の歩みにどの位影響を与えたと言えるのか。

(上記に対し、以下の意見があった)

○米国との関係については、安全保障においては、米国が圧倒的に日本に関与してきたということは明白である。経済面では、時期によって違うと考える。1950年代においては、日本の経済復興にとり、米国が自らの市場を日本産品に対して相当オープンにしてくれたということはとても大きいことであったと思う。当時、日本の繊維産業にとって最大の買い手は米国であった。また、日本は1955年にGATTに入る際、英国や豪州は絶対に日本など入れないと反対していたが、これに対し、「日本を入れなければだめだ」と言ってくれたのが米国であった。この点でも、1950年代における日本の経済復興に米国が果たした経済的役割は大きいと思う。ただ、その後は日米間の経済関係はひたすら経済摩擦であり、米国が日本に対して言っていたのは、「自分のところをクローズにしたままで、製品を売ってばかりいるのはダメだ。」ということであった。その面で言うと、ODAについては、最初の頃は、米国が何か言うわけでもなく、日本が比較的独自の観点から様々なことをやってきたと思う。その過程で、相手国の人々と信頼関係を築いてきた。西欧、北欧等は、日本のODAはタイドが多いと批判し、米国は、日本は安全保障面で貢献をしていないのだから、ODAで貢献する必要があるという見方をしていた。ただ、ODAで何をして、それによって先方の経済発展にどれだけ役立つかということについては、我々の先人の創意工夫が非常に大きかったと思う。

○日米関係の非対称性については、安全保障の面においては、日米両国は望遠鏡の真逆からお互いに見合っているようなところがあった。米国は世界中に30か国以上の同盟国と地位協定を有しており日本はそのうちの一つである、ということを考えれば、これは仕方がないことである。したがって、日本が米国に対して有している関心に比べて、米国議会が日本に対して持っている関心が相対的に低いことも仕方がないことである。

しかし、それ以上に重要なことは、両国の指導者がどのように相手を見るのかということである。オバマ政権が誕生する時に、クリントン国務長官は上院外交委員会の証言で、まず日本に言及した。そして最初に訪問した外国も日本であった。米国の国民に、米国政府が日本を大事にしているということが強く伝わった。しかし、日本の民主党の悪口を言うわけではないが、日本はその後日米関係を育てる努力をしてこなかった。そしてクリントン国務長官はその3年後、「アジアでは三つの大国がお互いに協力し合っていかなければいけない。すなわち、米国、中国、インドである。」と宣言し、米国民の目から日本が抜け落ちてしまう構図を示してしまった。つまり、非対称性というのは、日本にも責任があるのである。日本の努力によって日米関係は更に緊密にできるのである。

○経済人として戦後70年の日本の歩みについて意見を述べたい。全体として戦後をとらえると、1951年のサンフランシスコ講和会議におけるスピーチで、吉田総理は、「平和なくして繁栄なく、繁栄なくして平和なし。」と述べられた。日本は戦後、この言葉を愚直に実行していると認識している。戦後の日本の政策は、民主主義、法による支配、市場主義、科学技術の尊重という、グローバリズムの根幹の価値を信じながら、平和的手段、対話重視を基本につくられてきたと考える。戦前の日本の政策に対する深い反省が、この70年間に様々な形で活きてきたのではないか。戦後の政策は、国家の政策であっただけではなく、企業及び経営者においても広く共有された価値観であったと思う。戦後の経済人の多くは、この国家の政策と共に、国際社会に対し、ある意味では謙虚で、かつ、率直に行動してきた。

日本は戦後、民主主義を基盤とした平和外交、人道外交を貫いてきた。また、日本経済の発展だけではなく、アジアの国々への技術移転、経済支援を通じて、優れた技術を伝え、経営者を生み出す等、これらの国々の経済発展に大きく貢献してきたのではないかと考える。一例としてODAがある。ODAは、インドネシアやタイなどの東南アジアにおける経済成長の枠組みの構築を助けた。日本企業は、これらの国でビジネスを伸ばしているが、特にインフラの整備、技術支援を通じ、経済成長の手助けもしてきた。70年代からは、これらの国々において、自動車用部品や電気製品の製造拠点を確立するとともに、天然ガスや石油鉱物資源の開発を開始した。そして、これらの資源はやがて、日本への輸出に結び付いた。このように、東南アジア諸国にインフラや技術を提供することにより、これらの国々と日本の貿易が伸びていくという形で協力をしてきた。この意味で戦後の日本の経済界の活動は日本経済とアジア経済の相互依存関係を構築したといえる。アジア諸国で働くに際し、我々は常々先輩から、「絶対に上から目線になるな。」と言われてきた。この点、日本の企業関係者は、できるだけ謙虚に仕事をするという努力をしてきたと思う。よく、「日本のエンジニアは、クーラーがきいている部屋にいるのではなく、クーラーのないところで、その国の工場の工員と一緒になって汗をながしながら働いているので良い。」という評判をアジア諸国において聞く。日本からの技術移転、経済支援を通じて、アジアにおいて優れた技術者が育ち、今やASEAN5だけではなく、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーにおいても、価値観が日本と共有されるようになり、日本の協力が経済発展の手助けをしている。これは大変感慨深いことであると思う。各国の現地社員と話すと、その国の人々が日本に対して感じていることを率直に言ってくれる。彼らからは、悪い意味でなく、「日本は違う」という評価をよく聞く。

韓国、中国との関係についても、我々は非常にreliableなビジネスパートナーがおり、議論ができる状況にある。これらのパートナーとよくコミュニケーションをとりながら、韓国、中国と更にビジネスを展開していく必要があると考えている。中国、韓国の人も経済の面で日本との縁が切れたら、自分たちの経済も成り立たないと言う。中国、韓国とも更に協力関係を強めて、アジアの経済発展に更に協力ができればと考えている。我々経済人にとっては、他国との付き合いがますます重要になってきていると思う。


○田中理事長、岡本委員の発表を聞き感銘を受けた。戦前の反省を踏まえ、戦後70年色々なことを行ったという話は良くでるが、戦前の反省を踏まえるだけでなく、戦後の変容の過程においても様々な問題があり、それらを克服する中で新しい価値を見出していったという姿が、発表から良く理解できた。特に、都市で公害が出てくれば、それを踏まえた新しい都市型のODAを海外で行ったことや、74年に行われた田中角栄総理のジャカルタ訪問時に強い反日運動に遭遇すれば、それに即してODAを行う中で新しい調和を求めるといったことに大変感銘を受けた。岡本委員が発言した、日米安保が様々な問題に直面する中で新しい対策が取られてきたということも良く理解できた。戦前のブロック経済、反国際協調に対する反省として戦後があるのみならず、戦後の中でも反省と調整がされたことは特筆に値すると考える。

歴史の世界においては、戦後の日本について「脱帝国化」ということを議論しており、帝国を抜け出して、一般の普通の国家になっていくということが良く言及される。普通の国家になる中で、田中理事長も述べていた、新しい外交関係の構築が出てくる。中国、韓国については、重要な一コマであって、国交正常化については北朝鮮とは課題を残しているが、中国とは1972年に国交正常化を行っており、本日の田中理事長のレジュメにもあるように1979年頃からODAを開始していくこととなった。このことの重みをどう考えるのかという論点があり、つまり、東アジアにおける西側、つまりアメリカと同盟関係にあった国の中で、日本はいち早く中華人民共和国を承認し、中国に対して様々な支援を行い、中華人民共和国が国際的な経済枠組、あるいは、東アジアの地域的な枠組の中にコミットするように促してきたということは言える。当然ながら、日中間には様々な問題は存在し、吉田茂が述べた「中国をこちらの方に引き込むためには経済的関係を発展させていくべき」という議論を踏まえた部分もあるであろうが、日本が中国に行ってきたことは、東アジアの安定に大きく貢献してきたと考える。

※ 引用者注:英国を含む西欧7カ国は朝鮮戦争が始まる50年6月までに中国と国交を結び、インドシナ問題を抱えていたフランスも64年に中国との国交を正常化しているので、72年の日中国交正常化が“いち早い”ものとは言えない。韓国(92年)よりも早かったということで、“東アジア”ではという条件を付けるのならそう言えなくもないが意味はないだろう。


また、岡本委員の発表に関し、日米安保が中国からどう見えていたかという点は複雑であり、必ずしも一貫して敵対していたということではなく、キッシンジャーの「瓶のフタ」論にあるように、それはそれで評価をされてきた。中国自身が、日米同盟、あるいは日米安保が東アジアの安定に寄与していたと認識していた部分もあった。色々な議論はあるが、そうした意味で、戦後の変容、あるいは日本の中国との関わりの中にも、ODAの話にしても、日米安保の話にしても、多様な戦後の姿を見出すことが出来る。昨今の議論にあるように、厳しい視線だけから戦後全体を俯瞰する必要はない。逆に言えば、戦後の日本を単純な成功の面だけから描くこともどうだろうか。日本は戦後においても、様々な問題に直面し、その都度解決を行ってきており、現在も、新たな問題に直面しているという部分もある。最も、それは、総理から諮問のあった諮問事項のうち、今後議論される論点の中で扱っていくということで良いと考える。


○田中理事長の発表内容については全く賛成である。レジュメに「リベラルな国際秩序への適応・支持・促進へ向かう流れ」と記されており、これはその通りであるが、最近の日本の政治構造の中では、「保守」対「革新」という構図の代わりに、「保守」対「リベラル」という言葉の使い方がなされている。「リベラルな民主主義」といった場合、自由民主主義ということで、自由民主党という、同じ内容を党是とする支配政党が存在している。メディアあるいは一部政党には、好んで、「リベラル」を「保守」の対抗軸に用いる傾向があるかと思う。この点との関係で、「リベラルな国際秩序」という言い方は、今の日本の国内政治の文脈において、誤解を受ける可能性があるので説明の必要があるのでは。岡本委員の日米安保条約に対する指摘はそのとおりである。他方、今の中東の構図がますます複雑になり混乱を極めている大きな原因は米国における中東の安全保障のあり方、米国の各国との同盟友好関係のあり方において、オバマ政権の政策が安定していないことがある。伝統的な同盟国であるイスラエル、サウジアラビア、トルコはいずれも違った次元において、米国の中東における安全保障を支えてきた要因であるが、イランの核武装を阻止するという命題のもとに米国がイランとの急接近を図っている現実もある。アラブの一部では、イラン・アメリカ同盟という言葉を用いるメディアや識者もいるくらいである。こういう米国の中東政策における揺らぎは、東アジアにおける日本、韓国、豪州との米国の同盟関係を考える場合にも比較の参考になる。イランに相当するのは中国となるかと思うが、中国の拡張主義、膨張主義といったものを考えた場合に、米国と日本の関係について、楽観視ばかりできるとはいえない。手入れしなければならないのが日米関係であるとすれば、米国の中東との不安定な関係を見た場合、どのような手の入れ方が米国にとっても、日本にとっても更に必要なのか、といった点についても比較して見ることが重要であろう。

○総理からの諮問事項は、70年間いかなる道を歩んできたか、平和主義、経済発展、国際貢献をどう評価するかということである。20年前であれば、自分も田中理事長、岡本委員からの報告をそのまま全体として賛成できたであろうが、20年前と現在では状況が変化している。平和主義を例にとれば、戦後の平和主義というのは一種の空想的平和主義であった。それが、朝鮮戦争から、安保条約、冷戦の開始、そして、91年に冷戦が終結し、漂流を始め、そこからある方向性が見え、現在に至るという流れを見ると、平和主義一つを見ても、頑張っては来たが、空想的なものからより現実的で、よりしっかりしたものへと変化している。経済発展についても同様であり、岡本委員からも発言があったとおり、安全保障があるからこそ経済発展が可能となるのであるが、これを、経済発展があるから安全保障があるといった様に逆に考えてはいけない。国際貢献についても、正に一昔前であれば「平和主義」という一言であったが、最近はより現実的、実体的な援助に変化している。これも安全保障上の発想が変化してきたことを意味していると考える。

前回参加できなかったので、今の話との関連で一言述べるが、戦後70年を見る際に、朝鮮戦争の存在は非常に大きいと考える。これによって、米国の対日政策は変化し、日本の安全保障政策も変化し、その中で、色々な議論が行えた部分、行えなかった部分があった。その一部については、先ほど、いくつか不手際があったという指摘があった。それを不手際と呼ぶかどうかは別として、やはり50年、51年、53年あたりで日本が大きく変わってきた、それが最近になって冷戦が終わった後の現実を見て、日本の歩み方がまた変わってきたというように自分は見ている。

○田中さんは日本が果たしてきた役割について、ODA、技術、人に言及されたが、経済的側面での観点も加えたい。先日逝去したリー・クァンユー元シンガポール首相が参加した会議にて雁行型経済発展論(Flying GeeseModel)について言及されていた。東アジアにおいても、日本が先行して経済的に他国を引っ張ってきたという事実が広く浸透している。技術、人、ODAに加え、経済的な意味での貢献も大きかったものと考える。

岡本委員から発言があった、「70年間平和を得られたのは憲法9条が存在していたからではなく日米安保体制のためである」、及び、「米国にとって日本は多数の同盟国の一つであるが日本にとって米国は唯一の同盟国」、といった観点から、(中国等の台頭がある中で)今後の日本と世界を考えていく必要がある。
日本は国連安保理において、非常任理事国として最も多く参加してきた国である。今後どういう形で、日本が世界の平和に貢献していくのかということを、70年談話には可能であればコミットメントのような形で言及できたら良いのではないか。例えば、世界の平和に積極的に参加をしていく「積極的平和主義」ということ、或いは、人的、技術的、経済的な貢献をこれまで行ってきたように今後とも世界に貢献していくということ、価値を共有する国々と共に法の支配に基づいた良き世界を作っていく等、こうした観点での談話となれば良いものと考える。

○これまで各委員から政府の政策について発言があったが、視点を変えて日本の国民、人々の認識に焦点を当てて話したい。田中理事長が述べた、戦後日本が戦前への反省に基づいていたという点について、人々の多くも戦前への反省に基づいていた。平和憲法の下に、国際的には多国間の枠組に参加していくということについてある程度合意が出来ていたことが日本の敗戦時の特徴であると言える。例えば、多国間主義について、日本は、国連機関や金融の安定に対して経済力の増大とともに多額の財政的貢献を行ってきたが、米国等では国民が反対し、議会が紛糾することがしばしば起こる。日本の場合には国際協力について国内で合意形成が一定程度可能である。日本の国民は国際貢献について高く評価するという認識を一貫して持っている点は評価すべき。また、忘れられがちであるが、国連における社会経済面で日本が果たしてきた役割は大きい。

日本の平和主義、多国間主義はある程度高く評価されてきたが、その中身を考えることについて、本来は、国際的な構造が変化するのに従い、国民的な議論を行っていくべきであったが、そのようなことは少なく、多国間主義、平和主義ということで議論が終わっていた側面は否めない。国際情勢の変化を踏まえ、中身についても考えていくという方向に一定程度なってきていることは望ましいことと考えるが、より議論すべきである。
米国との関係について、米国との同盟関係から制約もあったが、その制約の中で日本が独自に考えてきた部分もあった。例えば、日本が第二の経済大国となった後、80年代から90年代にかけて金融危機が国際的な不安定を引き起こすということで問題になっていたが、80年代に発生した最初のラテンアメリカの累積債務危機の際に、日本は、遠く離れていても、資金を拠出し援助プランを策定した。このように日本は、自身の立場から政策を出しており、経済大国として日本がどのように平和主義を推進していくか考えていなかったということではない。

○戦後70年を振り返りその中で日本が果たしてきた役割を考える上で、冷戦が捨象されていたら、画竜点睛を欠くことになってしまうのではないかと考える。期間で言えば、戦後70年のうち、45年間は冷戦期であった。冷戦終結から25年が経過したが、ここで冷戦とその終結に果たした日本の役割を確認しておく必要があると考える。歴史家として、この点は特に重視したい。また特に重要なこととして、今日、民主主義、人権、法の支配といったことは、グローバルな価値の基準となり、21世紀の世界を見ても、日本が重視すべき基準となる価値観である。「日本は冷戦の中で脇役に徹した、フリーライドであった」等々、色々と言われることがあるが、決してそうではなかったと考える。冷戦期に非欧米文明圏の有力な国として、日本が、民主主義、人権、法の支配を掲げたことは重要な意味をもった。また安全保障の面では、朝鮮戦争の際、日本は、占領下にあったが、日本の安全に直結するとの発想があり、当時から機雷掃海に格段の技術を持っていたので、昭和25年の段階で、元山沖の掃海に従事し、犠牲者も出している。しかし掃海を行ったことは決して間違った選択ではなかった。サンフランシスコ講和会議以来、日本は共産主義に反対する陣営を支援してきた。戦前、日本は誤って全体主義の一種であるナチズムの側と関係を持ってしまったが、同じく全体主義に属する社会主義や共産主義は、20世紀の世界に大きな不安定をもたらした。20世紀は人類史上にないほど人権が蹂躙された世紀であり、覇権主義、帝国主義、総力戦思想等いろいろあるが、その原因の一つにこうした全体主義のイデオロギーがあった。20世紀を通じ、共産主義、社会主義のイデオロギーと体制は様々な負の役割を果たしが、その中で冷戦期の日本は攻撃的な反共主義に陥ることなく、西側同盟の巾広い自由主義の路線と視野の中で、安定的に冷戦を終わらせる役割を果たした、特に、80年代の中曽根政権時代の西側同盟路線は非常に貢献をしたと言える。


○総理談話とこの懇談会の議論は、国内と国外の両方から非常に注目されている。冒頭、杉田副長官の方から、日本テレビの世論調査についてご紹介があったが、総理の談話について4割の人が70年の平和国家としての歩み、3割近くの人が今後の日本の国際的な取り組みに注目してほしいと考えているとのことである。これは本当に心強い調査結果だ。他方、米国、欧州、アジアを問わず海外おおむねの論調は、非常に残念ながら、例えばこのような世論調査結果が出ると、これは、日本全体の世論が保守化、右傾化しているから出てくるのではないかという議論になりがちである。私自身は、本日の田中理事長と岡本委員の話を伺い、日本が戦争中の反省を基に国際貢献、そして平和・安全保障について努力、貢献してきたという点に共感し、これを支持するものである。このように、戦後の日本が自由、民主主義、法の支配といった価値観に基づいてこれだけの国際貢献をし、努力をしているのだということが、自己満足や自己弁護のように映らないよう、海外にも少しでも客観的に響くよう、なんとか工夫して伝わるようできないか。

○日本が今まで果たしてきた国際協力分野での貢献については、田中理事長が述べたとおり、世界から評価、感謝されているということは疑いようがない。他方、同時に過去70年間の国際協力分野で、日本の貢献について浮き彫りになっている課題もあると思う。平和の分野、平和構築といわれる分野においては、いわゆる非インフラ系、ソフト系の貢献について日本は必ずしも世界でプレゼンスを発揮できていない。

何名かの委員がおっしゃっていたが、現場で必要な支援も多様化、複雑化しており、よりプラクティカルなものが求められるという意味で、平和構築支援といっても治安分野の改革、法整備などの面において、官民一体となって、戦略性、仕組み、信頼というものを持った上で、平和のための秩序を作る、あるいはまたモデルとなり得るものを提供するというところに世界のニーズも変わってきている。したがって、世界の中の日本、平和国家としての日本が今後求められているのは、モデルとなるものを提供する立場に回っていくことだと思う。

この点について、モデルとなり得る事例が一つある。国連の安保理決議1325号は平和構築や平和維持にジェンダー的視点を導入したり、性暴力から女性を保護したりするなど紛争と女性に関する決議であるが、この実行にあたって国連は各国ごとに国別行動計画を作ることを推奨している。現時点で国別行動計画を作っているのは45か国で、G8で作っていないのはロシアと日本だけとなっている。2013年には日本政府もこの実行について積極的に取り組む旨発表して、官民連携でかなり透明性の高い形で国別行動計画が作られた。日本の国別行動計画の画期的な点として、紛争だけでなく、震災など自然災害の分野におけるジェンダーの視点というものが取り込まれているという点が挙げられ、市民社会側からもモデルケースになりうるとして非常に高く評価されている。しかし、本件は今年3月初めの国連婦人の地位委員会で国際的に発表される予定で、外務省の承認もすでにおり、パブリックコメントも出たものだったのだが、何らかの理由で止まっている状態にある。本件については、市民社会の側には、これが世界に出ることで日本が新たに平和の分野で積極的な貢献を示していくことが出来る、しかも新たな秩序というかビジョンを提供しうるものであり、官民が協力して国際貢献分野に一層取り組むという21世紀型の貢献が打ち出せるという考えがある。日本としてもこういうイニシアティブがきちんと実現するように、市民社会や政府が協働できるところは協働していく姿勢を打ち出していくのが重要ではないかと考えている。
岡本委員の発表については、何人かの委員がおっしゃっていたが、東アジアで抑止力となり得るものが、他の地域、例えば中東地域では逆に脅威となり得ると考えている。また、日米同盟は日本の政治的な判断基準まで米国と一体化するのではないかという懸念もあり得る。インド洋での給油活動をやめた代償が5000億円かかったとのお話があった。この5000億円はアフガニスタンの復興に対して5年間で提供するという趣旨であったが、そもそもこの5000億円という金額が妥当だったのか、他のオプションもあり得たのではないかという点が検討されるべきだと考える。この点は、先ほど申し上げた日本の中での人材育成や戦略・仕組みが重要という点につながる。他の国は、それだけの金額を使う形でなくても、専門家チームの派遣などといった形で現場でのプレゼンスを保つ支援を行っている面もある。米国との一体化を目指す部分はめざし、日本の独自性を確保すべきところは確保する形でリスクを軽減していく方向も考えるべき。

○守るべき繁栄の質、どういう質の繁栄を守ろうとしているのかということが非常に重要と思っている。自由、民主主義、法の支配だけでなく、環境、資源保護を加え、そういう規範と質の繁栄を守っていく日本であるということを強調していくことが重要と考える。

○今日の議論の中でビジネスの側面に関する発言があったが、それは本日の第三のプレゼンテーションのような位置づけができると思う。米国のプレゼンスによって秩序の安定が図られる。そしてODAがある。さらにそこにビジネスが進出して、民間資金が出ていくことで色々な国が発展したというのは重要な点である。ビジネスの点でも、おそらく昔はもう少し上から目線であったと思うが、それがだんだん学習してきたという面があると思う。ビジネスの面が重要という点に関連して、賠償の話では出てこなかったが、台湾、韓国も含めた雁行型経済発展論という点についてもどこかで触れなければならないと思う。

また、50年代、アジアは本当にまだ貧しかったという点は強調したいし、議論の中であったとおり、冷戦という国際環境の変化を越えてきたという点も強調した方がよいと思う。また、我々はいろいろ幸運があったし、国際社会が受け入れてくれたという面もあった。そこは謙虚に幸運であり、受け入れてくれた国に感謝するという姿勢を出した方がよいのではないかと思う。
最後にもう一点だけ、憲法9条という言葉が何回か出てきたが、日本が侵略される恐れなくやってこられたのは「憲法9条があるからではない」という言い方ではなく、「憲法9条2項があるからではない」という言い方にもっていきたい。憲法9条1項は変える必要は毛頭ないと考えている。

○ODAの話について一言だけ言うと、対GDP比から言うと日本はごく小さく、今は0.2%である。ODA予算の問題は解決する必要がある。

(4) 最後に、安倍総理より、委員の熱心な議論に感謝しつつ、以下の点を述べた。

○日本の戦後70年については、かなり陰徳を積んだ70年だったのではないかと考えている。日本は貧しく、それほど豊かだったわけではない時代からODAを始めた。賠償からある意味で連続性を持っていたことによって国民的な理解があったのかもしれないが、同時に、ODAを税金の中から出していくことについて、日本では、他の国に比べて確かに多くの国民が理解している。日本も実は大変貧しい時代に世界の支援で今日を作った。例えば、新幹線も高速道路も黒部第四ダムも世界銀行からの融資で作ったのであり、91年までこつこつと借款を返済してきた。それが日本の高度経済成長につながったのではないだろうか、そして、これが日本の富につながっただけではなく、世界も裨益している、今度は日本の番ではないか。

○日本が歩んできた70年の道のりをもう一度確認しあって、そのことに静かな誇りを持ちながら、さらに今後の道のりについてやるべきことをやっていこうという気持ちを持つことが、これまでやってきたことを継続していく上においても大きな力となると思う次第である。

○何の繁栄を守って行くのか、繁栄の質という点についてご意見があった。環境とか大切な価値がたくさんあるわけで、それこそしっかり主張していくべきだろうと考える。経済の繁栄をひたすら求めていくのでなく、ODAにおいても量から質について考えなければならない時代を迎えている。質についてもちゃんと確保していくことに力をいれていきたい。

○TICADXの際にアフリカの首脳から、日本の企業が、職場に初めて倫理と道徳を持ち込んでくれた、働く喜び、規律を守ることの素晴らしさを教えてくれた、これは日本の企業だけだという話をしていただいて、私は大変誇らしく思った。

(以上)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/dai3/gijiyousi.pdf


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/690.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 朝鮮総連議長の次男を逮捕 マツタケ不正輸入事件(ZAKZAK)
             許容疑者宅の捜索に入る警察関係者=12日午前、東京都足立区


http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150512/dms1505121203007-n1.htm
2015.05.12


 北朝鮮産マツタケの不正輸入事件で、京都府警などの合同捜査本部は12日、外為法違反(無承認輸入)の疑いで、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の次男で朝鮮総連傘下企業「朝鮮特産物販売」(東京都台東区)社員の許政道(ジョンド)容疑者(50)ら3人を逮捕した。

 捜査本部は3月、事件の関係先として許議長本人ら朝鮮総連幹部の自宅も家宅捜索しており、組織的関与がなかったか調べる方針。3人は台東区の貿易会社社長らと共謀。2010年9月、北朝鮮産マツタケ約1800キロ(輸入申告価格約450万円)を中国経由で不正に輸入した疑い。

 許容疑者の逮捕を受けて、菅義偉官房長官は12日の記者会見で、「わが国は法治国家で、法と証拠に基づき捜査するのが自然なことだ」と述べた。北朝鮮による拉致被害者再調査への影響については「速やかに、正直に調査結果を通報するよう強く求める立場に変わりはない」と強調した。

 岸田文雄外相も、会見で「(日本は)昨年5月の日朝合意に基づき誠実に対応している」。山谷えり子国家公安委員長は会見で、拉致問題解決への取り組みに関し、北朝鮮への経済制裁を念頭に「継続している措置の実効性を確保することが重要だ」と述べた。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/691.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 大阪市民も気づき始めた? 橋下徹が「都構想」で使った脅しと騙しのテクニックを検証!(リテラ)
             「ワンチャンスだけ」と迫る橋下徹・大阪市長(「大阪都構想」公式ホームページより)


大阪市民も気づき始めた? 橋下徹が「都構想」で使った脅しと騙しのテクニックを検証!
http://lite-ra.com/2015/05/post-1091.html
2015.05.12. リテラ


 5月9、10日の週末、在阪民放5局で「橋下徹のラストメッセージ」と称する大阪維新の会のCMが流れた。青空をバックに「CHANGE OSAKA! 5.17」と書いた白いTシャツ姿の橋下徹大阪市長が妙に晴れ晴れした表情でこう語りかける。

〈いよいよ住民投票が近づいてきました。いやあ、ほんっとにここまで長かった。まあ振り返ってみても、山あり谷あり、地獄あり。まあそれでも、ここまで来れたのはただ一つ、とにかく大阪を良くしたい。その思い、それだけでここまでやってきました。

 大阪にはいろんな問題があります。二重行政の無駄。税金の無駄遣い。改革が進まない。市長と住民が遠すぎる。このまま放っておいては、今の大阪の問題、何も解決しません。

 大阪都構想で大阪の問題を解決して、子供たちや孫たちに素晴らしい大阪を引き渡していきたい。ただその思いだけです。大阪を変えれるのは、このワンチャンスだけ。ぜひ、住民投票で新しい大阪を作っていきましょう。よろしくお願いします〉


 なんのことはない、従来の漠然たる主張の繰り返しで、「ラストメッセージ」などともったいぶる内容は何もない。自らのゴリ押しとずさんな協定書が招いた当然の異論・反対を「山あり谷あり」と、さも障害を乗り越えてきたかのように語る一方、前回記事で紹介した、二重行政の無駄は存在しない、特別区のほうが税金の無駄遣い、賛成多数でも「都」にならない……といった数々の指摘はすべて無視。「カイカク」の響きにくるんで甘い夢を振りまき、それを手にするには「ワンチャンスだけ」と性急な判断を迫る。詐欺商法そのままのやり口である。

 維新はこうした宣伝費に4億円もつぎ込んでいるというが、さすがにその胡散臭さに気づき始めた大阪市民も多く、橋下の録音テープで賛成投票を呼びかける無差別電話作戦には「気持ち悪い」「どこで電話番号を調べたんだ」とブーイングが上がっているという話もある。まあ政党の宣伝など所詮そんなものかもしれないが、橋下は大阪市長という公職の立場でも、こうした詐欺まがいの誇大説明や目くらましを一貫して続けてきたのである。

■市民を騙すためにグラフの目盛りを細工した「詐欺パネル」まで使用

 前回書いた通り、橋下と松井一郎府知事は当初、「都構想」の行革効果は「最低でも年間4000億円」と何の根拠もなくぶち上げていた。それが特別区設置協定書案では、976億〜736億円に減少。ところが、これも橋下が府市の事務方に「もっとしっかり効果額を積み上げてほしい」「数字は見せ方次第でなんとでもなる」と指示して、市営地下鉄やゴミ収集の民営化、市民サービスの廃止を含む市政改革プランなど、「都構想」には何の関係もないものを盛り込んだ粉飾だったことが指摘され、最終的には「年間1億円」に落ち着いている。最初の4000分の1だ。

 しかも、特別区に移行後の庁舎建設(といっても、場所すら決まっていないが)やシステム改修などで最低600億円の初期費用や毎年20億円のランニングコストがかかることも前回記事の通りである。

 当初は「行政コストの削減こそ都構想のすべてと言っても過言ではない」と豪語していた橋下は、粉飾の指摘が相次ぐと、「僕の価値観は財政効果に置いていない」と手のひらを返し、議会や記者の追及にも「議論してもしかたない」「多様な算出方法がある」と逃げてきた。ところが住民投票が決まり、市主催の住民説明会が始まると、今度は「17年間で2762億円」という額を口にし始めた。

 いちおう市の試算に基づく「長期財政推計」と称しているが、毎年2%前後の経済成長が続き、市税収入が毎年度100億円以上増え続けるという夢物語を前提にした希望的観測に過ぎない。しかし、パンフレットではそのことには触れず、「特別区の財政運営は十分可能です」と太字で強調。さんざんムシのいい話を繰り広げたページの末尾に「粗い試算であり、相当の幅をもって見る必要があります」と申し訳程度に添えてある。「数字は見せ方次第」とは、要するに目くらましのことなのである。

 さらに、巷で「詐欺パネル」と呼ばれている、橋下の実績を誇張する説明図の数々。有効求人倍率のパネルでは、グラフの目盛を細工して伸び率を大きく見せたうえ、伸び率が大阪を上回る都県を比較対象から外す。府と市の借金の推移を表したグラフでは、前任者たちの実績と比較できないようその部分のデータを隠したり、先端部分だけを切り取って、さも橋下が劇的に改善したかのように見せかけたりと、やりたい放題である。

 このあたりは「新潮45」(新潮社)5月号で住民説明会をルポした適菜収が詳しく書いているが、それによれば、今や橋下は効果額を「無限」と言い始めたという。「二重行政をやめて、税金の無駄遣いをやめれば、大阪市には税金が入ってくるんですから。だから使えるお金は無限」と。もはや試算も論理も超越した、ただの誇大妄想である。

 どう言い繕っても、市民を騙す気満々としか見えない無茶苦茶ぶり。ほとんど「橋下信者」と化している維新関係者ならいざ知らず、加担させられる大阪市職員はたまったものではない。しかし、箝口令で縛られた職員たちは声を上げることもできないでいる。

 ある市役所OBは「現役の職員たちはみんな、『市民を騙す片棒を担がされるのはつらい』と泣いてますよ」と語り、現役の市幹部は親指を立てて「どう考えてもできるはずがないのに、これ(橋下)とその一派は、市の解体が正しいと本気で信じているようで、そのためにはどんな虚偽説明や詐欺的手法を駆使しても許されると考えているふしがある」と声を潜める。目的のためには手段を選ばず、というわけだ。

「住民説明会では本来、制度のメリット・デメリットをきちんと説明して判断材料にしてもらうべきなのに、職員からの制度説明は最初の10分程度。あとは市長が延々と『なぜ都構想が必要か』と自分の主張をまくし立てる。質疑の時間もほとんどなし。ひと通り終わって『都構想についてまだよくわからない人』と聞けば、結構な数の手が上がるのに、最後はなんとなく賛同の拍手が起こって終わり。維新関係者の動員がすごいので、どうしてもそういう雰囲気になってしまう、と職員が嘆いていました」

 これも現役市幹部の話である。根拠のない話で煽り、冷静な判断力や考える時間を奪って賛成へ誘導するやり方は、まさに催眠商法や悪質な新興宗教のセミナー会場と同じではないか。

■弁護士時代に培った詭弁、すり替え、恫喝のテクニックを全開

 こうした詐欺的弁舌の極意≠説いた、一部では有名な本がある。橋下が「茶髪の弁護士」時代に書いた『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』『図説 心理戦で絶対負けない交渉術』(いずれも日本文芸社)の2冊。詭弁、すり替え、前言撤回、責任転嫁などを交渉術≠ニして得々と披瀝する内容は、よくもまあこんな本を堂々と出したものだと感心するほど悪辣な記述に満ちているのだが、もう10年以上前から完成されていた彼のやり口を知るうえで興味深い。

 たとえば、橋下は「人を動かすには三通りの方法しかない」として、合法的に脅す、利益を与える、ひたすらお願いする、の3つを挙げたうえでこう説く。

〈そのなかでも、最も有効なのが利益を与える≠ナある。この場合の利益には二通りある。一つは文字通り相手方の利益。もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。言い換えれば、不利益を回避できることによって生じる実在しない利益≠ニ言える〉

 橋下がよく使うので有名な「仮想の利益」の解説だが、「大阪都構想が実現しないと大阪はダメになる」と、それこそ「合法的に脅し」ながら、「実在しない利益」を強調するのは、まさにこれであろう。また、「交渉をまとめる基本は二者択一の姿勢」という項目は、大阪の抱える複雑な状況を制度の問題に単純化してすり替え、賛成か反対かを迫る今回の住民投票をそのまま表しているかのようだ。

「相手に考える間を与えないテクニック」の項目は、先述した住民説明会のやり方そのものだ。

〈相手方が、「お話はよくわかった。もう少し考えてみたいので、結論は来週まで待ってもらえないだろうか」などと言ってくるのも常套手段である。この場合も、絶対持ち帰らせてはいけない。その場で決断してもらう。持ち帰られると、こちらに不利な展開となることは必至だ。(中略)交渉には勢いが必要である。相手が揺らぎ出したら、考える時間を与えず、一気に結論までもっていくように努力すべきなのだ〉

 さらに、「感情的な議論をふっかけて交渉の流れを変える」の項目。自分の発言の不当性や矛盾に気づいてもポーカーフェイスで通し、知らないふりを決め込むべしと言ったうえで、こう書く。

〈こんなとき私がよく使うテクニックがある。相手方に無益で感情的な論争をわざとふっかけるのだ。いよいよ攻め込まれて、自分の主張が通らないというようなときには法外な要求をして、場を混乱させる。(中略)さんざん話し合いを荒らしまくっておいて、最後の決めゼリフにもっていく。「こんな無益な議論はもうやめましょうよ。こんなことやっても先に進みませんから」。自分が悪いのに、こう言って終わらせてしまうのだ〉

 これなどは、「都構想」の効果額をめぐる議会や記者とのやり取りそのものである。

 「都構想」という名の大阪市解体プランは、橋下徹という稀代の詭弁家の詐術的弁舌と、彼がまとっている「改革者」イメージのみに支えられた砂上の楼閣であることに、もうそろそろ大阪市民は気づいてもいい。

(安福 泉)


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/692.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 自民のテレビ局聴取「まず局自身に検証機会を」 BPO新理事長・浜田純一氏[産経ニュース]
自民のテレビ局聴取「まず局自身に検証機会を」 BPO新理事長・浜田純一氏
http://www.sankei.com/politics/news/150512/plt1505120008-n1.html

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の新理事長に4月、元東大総長の浜田純一氏(65)が就任した。自民党がNHKやテレビ朝日に報道番組の内容を聴取し、各局に波紋が広がるなか、浜田理事長は産経新聞の取材に「(聴取する前に)放送局の対応を見極めてほしかった」と述べ、政党に慎重な対応を求めた。

 自民党の情報通信戦略調査会は4月17日、NHKとテレビ朝日の幹部に説明を求め、民主党の部門会議もこれに先立つ同15日、NHKに事情を聴いた。これに対し、他局からは「圧力との懸念を持たれかねない」(日本テレビの大久保好男社長)といった声が上がっている。

 浜田理事長は報道番組で問題が相次いでいることについて、「放送の自由を守るためには、放送局が自ら不偏不党を貫き、事実に忠実でなければならない」と指摘。そのうえで、「政党に呼ばれる前に、放送局自身が検証する機会が用意されるべきだ」と強調する。

 BPOは、NHKと民放各局が平成15年に設立した第三者機関。放送倫理検証▽放送人権▽青少年−の3委員会が、これまでに100件近い番組や制作体制の問題点を指摘し、放送局の自主的な取り組みを後押ししてきた。

 自民党が2局を聴取した際には、BPOのあり方を疑問視する意見も出たが、浜田理事長は「BPOは一定の実績を上げてきた。放送局が自ら問題を解決する現在の仕組みを大事にすることが必要だ」と語る。

 問題を指摘されたテレビ局からは時に「(BPOの意見は)厳し過ぎる」との声も上がり、BPOが視聴者とテレビ局との間で板挟みになることは多い。ただ、浜田理事長は「視聴者と放送局、双方の意見と真摯(しんし)に向き合うことで、社会や放送文化が成熟していく」と歓迎。テレビ局側も「BPOの審議対象になると、資料提出などで労力を使う。それも一つの抑止力。BPOは十分に機能している」(フジテレビの亀山千広社長)と述べるなどBPOへの理解は浸透しているようだ。

 浜田理事長は近年、視聴者の番組に対する倫理意識の高まりを感じるという。「放送局の『お目付け役』や『裁判所』としての役割が期待されることが多いが、それだけでなく、議論の中身やプロセスを知ってもらうことも重要だ」と語り、「(一連の番組の問題などで)話題になっているときは、逆にBPOを知ってもらう良いチャンス」と力を込めた。(三品貴志)

[産経ニュース 2015/5/12]
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/693.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 安倍首相の大いなる間違い!TPPと日米間の安全保障問題は別問題
安倍首相の大いなる間違い!TPPと日米間の安全保障問題は別問題

2015年5月11日 ニュース

希望の同盟へ。

これは、先月末に米議会上下両院合同会議で講演された安倍首相の演説テーマでした。今後の日米関係は斯くあるべしと考えたのでしょう。

ただ全文に目を通したところ、安倍首相の国際情勢に関する認識が、ご自身がこれまで主張してきたこととは裏腹に、戦後レジームから一歩も脱却できていないのではとの印象を受けました。

※外務省「安倍総理大臣演説」

本日は、演説で触れられたTPP問題を中心に安倍首相の国際情勢に関する誤解について述べたいと思います。

安倍総理は自身のHPにおいて、戦後レジームを「憲法を頂点とした行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組み」と規定しており、「その多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」ために、憲法改正の必要性を述べられています。

「米国から押し付けられた憲法を日本国民が自主的に制定し直すことによって初めて、戦後レジームから脱却できるのだ」という主張は、多くの国民を納得させるものでしょう。

特に、現憲法を奉じたままで日本の安全保障は確保できるのかという問題意識が、安倍総理の憲法改正意欲を高めてきたと思われます。

他方、戦後レジームからの脱却とは、表面上、憲法改正を標榜しつつも、その本質は「米国から押し付けられた価値理念および制度的取り決めからの脱却」を指向するものと広義に解することも可能です。

経済思想および経済制度の観点から見れば、戦後レジームとは正に米国流の資本主義そのものです。

日本はそれを受け容れブレトンウッズ体制の下で、結果的に経済大国になりました。ここまでは良かった。

しかし、本家の米国では過度に効率を追求するあまり富が一部の階層に集中し、社会の安定に最も重要な存在である中間層の解体が進行しています。

明らかに米国流の資本主義は、米政府が分配問題を等閑視し税制および社会保障の面で手を打たなかったために、欲望剥き出しの資本主義へと変質してしまいました。

自由と自己責任に比重を置きすぎた結果として、富のバランスが崩れた歪な社会、格差社会が現出したのです。

それこそ、制御不能な強欲資本主義の必然的帰結です。

日本はそこまで米国流をまねる必要はないでしょう。追随してはなりません。

正しく21世紀の変動期にあって、日本の国益のためには米国流の強欲資本主義からの脱却が望まれるところであり、かつて安倍総理自身もそう考えていたのではないでしょうか。

ワシントンコンセンサスに象徴される米国の対外戦略、すなわち世界標準という名の米国標準の押し付けに屈することなく、日本独自の瑞穂の国の資本主義を目指すというのが政権奪取前の安倍総裁の政治姿勢だったと思います。

その表れが初期アベノミクスでした。

小泉政権時代から続いた、そして民主党政権もそれに倣った、構造改革路線および小さな政府指向を一端棚上げし、金融緩和と財政出動による拡張政策に転じたからです。

小泉構造改革とは米国流の強欲資本主義への追従策でありましたから、この政策転換は正しく安倍総裁の日本独自の資本主義システム構築への意欲の表れと看取できました。

この政策転換によって構造改革、小さな政府論といったデフレ化政策に辟易としていた国民の支持を獲得でき、政権奪取につながったのは周知の事実です。

ここ1年半ばかりの間に、安倍総理は当初のアベノミクスの内容を大幅に変更してしまいましたが、戦後レジームからの脱却という基本的な政治姿勢に変わりがないことを願っておりました。

しかし、残念なことに、今回の演説を見る限り目立ったのは対米追従姿勢だけでした。

外交上のリップサービスとして多少米国を持ち上げるのは仕方ないとしても、少し行き過ぎではとの感を抱きました(是非、演説文をお読みください)。

そうした追米姿勢の背後には、言うまでもなく、「米国の圧力によって中国の軍事的脅威を少しでも減らして欲しい」という意図がありありと見て取れます。

TPPに関する件を見ても、前段で「太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。その営為こそが、TPPにほかなりません」として、米国の価値理念を関係諸国に共有させること、つまり米国仕様を太平洋の隅々にまで行き渡らせることがTPPの役割だと論じています。

何かしら官軍(米国)の錦の御旗の役割をTPPが担っているというイメージですね。差し詰め、日本は露払いでしょうか。

さらに後段で「しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません」と安倍総理の考えが表明されております。

この認識が根本的に間違っているのです。

以前こちらのコラムに寄稿されていた東田剛先生が、再三再四、指摘されていたように「TPPは純粋に経済問題であって、安全保障の問題とは無関係」なのです。

東田先生の論じていたとおり、TPP交渉の21分野に安全保障の分野などありません。

経済の話をしているのであって、軍事同盟の話をしているわけではないのです。

安倍総理が、この点を見誤ると日本は将来多大なる損失を被る危険に晒されます。

そして、現に安倍総理は完全に誤解しており、TPPと日米間の安全保障問題は一体であると思い込んでいると思われます。

それゆえ何が何でもTPP交渉を合意させようとする意欲に満ち溢れています。

おそらく首の皮一枚になるまで譲歩を重ねるつもりでしょう。

TPP交渉のニュースを聞くたびに、農産物に関する譲歩につぐ譲歩の話ばかりです。

ムーンウォークのように前に進まず、後ずさりばかりしているようです。

報道されない他の分野はどうなのでしょうか。非常に心配です。

TPPで大きな経済的利益や利権を米国に手渡せば、その分、米国も日本の安全保障に真剣に取り組んでくれるはずだと勘違いしているのではないでしょうか。

そんな情緒的なことは国際社会では通じないと思います。

米国と中国の経済的関係は、貿易額で見れば日本を遥かに凌駕しているのです。

中国は米国にとっての第一位の輸入先であり、第三位の輸出先なのです(ちなみに日本は米国にとって、いずれも第四位です)。

今後の東アジアのパワーバランスを如何に考えるかを含めて、日中どちらに比重を置くかは米国の国益を基準に決定される問題なのです。

「同じ自由主義の国のよしみで何とか」とすがったところで、米国流の合理主義に足蹴にされるだけではないでしょうか。

総理の取り巻きの中に東田先生のような正論を助言する人はいないのでしょうか。

「TPPが経済的利益を超えた安全保障上の意義を持つ」と聞いた米国議員たちはどう思ったのでしょう。

おそらく驚いたのではないでしょうか。「えっ、そんなこと聞いてないぞ」と。

安倍総理とその周辺の人達だけが、「TPP国防論(本当は「亡国論」ですが)」という集団幻想に罹っているようなものです。

米国は現行の日米安保条約の範囲内で日本の安全保障に関わるだけであって、それ以上でもそれ以下でもありません。

米国の利益に資すると米議会が判断しなければ、TTPの締結国であろうとなかろうと、米軍を海外へ派遣などしないのです。

この現実から目を逸らしている限り、日本の安全保障は危ういと言えましょう。

日本が直面する安全保障上の問題を解決するためには、現在取り組んでいるように安保法制の整備や防衛予算の拡大によって対応するしかないのが現状なのです。

安全保障とリンクされていないことが認識されれば、当然、TPPの問題は経済的に見て国益となるか否かで判断されることになります。

TPP交渉への参加の可否が議論されていた頃は、問題は経済的メリットの推計にありました。

内閣官房「TPP政府対策本部」の推計では、関税の完全撤廃のケースとして農林水産業生産額が3兆円減少するものの、それを勘案しても日本経済全体では実質GDPが0.66%、3.2兆円が増加するとしています(うち消費増が3兆円)。

プラスになりましたが、政府の試算ですから裏があります。

これはGTAPモデルという産業構造の変化に対応して雇用が流動化することを仮定したモデルによる推計です。

これを使えば、雇用者数は関税撤廃前と後で不変となります。つまり誰も失業しないと仮定しているのです。

日本の農業総産出額は8兆円前後ですから、3兆円の減少はほぼ壊滅的な数字です。周辺産業を含めれば離職者も大変な数に上るでしょう。

しかし、その人達が全員再雇用されると仮定するならば、経済全体の所得額も減ることはありません。

なぜなら、一般に農業所得よりも再就職先の職業の所得の方が高いと考えられるからです。少なくとも減ることはない。

容易に理解されるように、所得が不変の下で関税撤廃により「一時的」に農産物価格が下落すればどうなるでしょう。

当然、消費が増えるのです。需要法則ですから。それが消費3兆円増の試算のトリックです。

さすがに非現実的だということで、最近、内閣府側も数値によるメリットを強調しなくなりました。

その代わりというか、いつものパターンというか、自由貿易を拡大することは基本的に正しい道であるといった空疎な理念を唱えることしかTPP推進論者には残されていないように思えます。

TPPは、ISD条項や国民の健康および安全性に関わる様々な問題を内包しておりますが、農業問題一点をとっても国益に反することは明白です。

日本の食糧安全保障は根底から揺らぐことになります。

食料自給率が39%で先進国の中でも低位にランクされる日本が、自ら進んで更に自給率を下げようとしているのです。

関税引き下げは長期的に徐々に実施すると言われたところで、衰退確実な産業に就業したい人などいないのです。

明日の目途が立たなければ、今日止めてしまうのです。

それゆえ、瞬く間に水田や牧草地は荒れ果て、日本の国土は荒廃するでしょう。

一旦、そうなったら元に戻せない。地方創生など夢のまた夢です。

安倍総理には、郷里の美しい風景を将来世代へ残すには今どうすべきかを熟考して頂きたいと切に願うばかりです。

『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015/05/09号より一部抜粋

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三橋貴明の「新」日本経済新聞 安倍 経済
http://www.mag2.com/p/money/3128

http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/694.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 安倍自公政権は派遣会社の代理人か。(日々雑感)
http://okitahidehito.blog.fc2.com/blog-entry-4830.html
2015/05/12 19:55

 安倍自公政権は派遣労働者を増やそうとしているとしか思えない。これまでは3年以上、同一企業に派遣されていると正社員への途が拓かれていた。事実上は3年未満で派遣を打ち切られ、他業種へ派遣されるのが通例で派遣社員が正社員に採用されることはほとんど皆無だった。

 つまり一度派遣社員として派遣企業に登録されれば一生派遣社員として「派遣会社」のピンハネにあって働き続けるしかない、派遣企業の格好の餌食でしかなかった。今後はこれまで以上に大っぴらに派遣会社は登録した社員を好き勝手に企業へ派遣してピンハネに勤しむことが出来る。

 安倍自公政権は派遣企業の代理人かと思うほどだ。これが『自由な労働のあり方」なのだろうか。同一労働・同一賃金というのは当然のことだが、それですら安倍氏に言わせれば熟練した正社員と未熟な派遣社員との間に賃金格差があるのは当然だ、ということのようだ。

 それなら正社員は未熟な間は派遣社員と同じく低賃金だったのだろうか。現実に正社員と派遣社員との賃金格差は2倍ないし3倍程度あるといわれている。正社員は未熟な当時からある程度の報酬を受け取っていたはずだ。決して派遣社員との格差ほど低賃金ではなかったはずだ。安倍氏の詭弁は派遣企業に利する、派遣社員の人格を大きく傷つけるものでしかない。

 派遣企業はかつては「タコ部屋」と呼ばれていた。ヤクザが労働者を囲い込んでピンハネして食い物にしていた。それを防ぐために様々な派遣規制法が設けられ労働者は守られてきた。しかし小泉・竹中改革以降、労働者の派遣業法への規制撤廃は逐次行われて、製造業へも適用されるに到って労働者の雇用環境は大きく改悪された。

 実質賃金はここ十数年間も減少の一途をたどっている。ただ例外として公務員だけはその限りでない。なぜなら公務員の職場に派遣業者が入っていないからだ。官僚たちは自分たちさえ守られれば、国民がどうなろうと知ったことではないようだ。それは政治家にも言える。バカな政治家が増えて、国民の生活が第一の政治を行う愚直な政治家が脚光を浴びなくなった。それは国民にとって不幸なことだ。

 この国の賃金格差は拡大の一途だ。それは年金にも直結している。派遣社員の多くは国民年金受給者だ。つまり満期の掛け金をかけても現行では満額年金月額6万5千円と生活保護費以下の年金しか手に出来ない。賃金格差は老後の年金格差にまで引き継がれる。

 そうした状態を放置して、何が「国を守る」だ。政治家なら国を守る以前に国民を守るべきだ。政治の貧困で拡大かる格差を放置して、何が「自由な労働環境」だ。言辞を弄して派遣企業に奉仕する政治をいつまで続け、老後の生活できない国民年金をいつまで放置するつもりだろうか。安倍自公政権の国民を人とも思わない政策を批判する。


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/695.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 東京都内の公園で無人機ドローンの使用が全面禁止に!ドローンの持ち込みや操縦、飛行を禁じる!政府の規制案では懲役1年以下!
東京都内の公園で無人機ドローンの使用が全面禁止に!ドローンの持ち込みや操縦、飛行を禁じる!政府の規制案では懲役1年以下!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-6459.html
2015.05.12 20:00 真実を探すブログ



東京都内の公園で無人機ドローンの使用が全面禁止になることが分かりました。報道記事によると、 東京都が管理するすべての都立公園と都立庭園で小型無人機(ドローン)の使用を禁止したとのことです。
都内の公園にはドローンの持ち込みや操縦、飛行を禁じる掲示が張り出され、使用を見かけた時は管理事務所の担当者らが注意するとしてます。


禁止されたのは4月28日からで、通知の根拠は都立公園条例の第一六条の「都市公園の管理に支障がある行為をする」という文です。東京都はドローンが落下すると危険だとして、警視庁などと協力して規制を強めました。
専門家からは「都心では、ドローンは公園でしか飛ばせず、いきなり禁止するのはおかしい」という反対意見も出ています。


また、安倍政権は先月の首相官邸ドローン騒動を受けて、規制法案の成立を急ぐと発表しました。11日に公開された法案の概要には、首相官邸など国の重要施設の敷地上空をドローンの飛行禁止区域とし、違反者に1年以下の懲役か50万円以下の罰金を科すと定められています。
今週中にも政府与党の手続きを終えて、今月中には国会で審議を開始する予定です。


☆都立公園でのドローン禁止
URL http://mainichi.jp/select/news/20150512k0000m040135000c.html
引用:
 東京都が、管理するすべての都立公園と都立庭園計八十一園で小型無人機(ドローン)の使用を禁止していたことが十一日、分かった。首相官邸の屋上でドローンが見つかった事件を受けた措置。ドローンの持ち込みや操縦、飛行を禁じる掲示を園内に張り出したり、使用を見かけた場合に管理事務所の担当者らが注意したりする。 
 都公園課によると、四月二十八日付で各園に使用制限の通知を出した。通知の根拠は都立公園条例の第一六条で、「制限できる行為」として「都市公園の管理に支障がある行為をすること」とされている。同課は禁止理由として、落下した際の危険性を挙げる。
:引用終了


☆ドローン:自民が規制法案、懲役1年以下
URL http://mainichi.jp/select/news/20150512k0000m040135000c.html
引用: 
毎日新聞 2015年05月12日 02時07分(最終更新 05月12日 08時44分)
 自民党がまとめた小型無人機「ドローン」規制法案の概要が11日、判明した。首相官邸など国の重要施設の敷地上空をドローンの飛行禁止区域とし、違反者に1年以下の懲役か50万円以下の罰金を科す。週内にも党内手続きを済ませて議員立法で国会提出し、早期成立を目指す。
:引用終了


☆イモ畑に「ドローン」が落下 栃木・皆川城内町(15/05/11)


☆ドローンが墜落する理由について、安全のための緊急停止仕様が逆に危険ではないかと考えてみた


これと同じくらいに賃上げ法案などを可決してくれれば自民党も評価出来るのですが、国民に悪い法案だけを猛スピードで可決するので最悪です。ドローン規制の問題点が放置されたまま、ドローン規制の話だけが進むのはどうかと思います。




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/696.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「大阪都構想」劣勢に危機感=維新、巻き返しへ1000人投入(時事通信)
「大阪都構想」劣勢に危機感=維新、巻き返しへ1000人投入
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015051200615&g=pol
2015/05/12-15:28 時事通信


 大阪市を廃止して五つの特別区に再編する「大阪都」構想に関し、報道各社が行った世論調査で反対が賛成を軒並み上回り、維新の党が危機感を深めている。同党は12日の執行役員会で、賛成の世論を喚起するため「都構想対策本部」(本部長・松木謙公衆院議員)を設置することを決定。17日の住民投票に向け、1000人を目標に運動員を大阪市に投入し、巻き返しを図る。


 松野頼久幹事長は12日の記者会見で、一連の調査結果で劣勢が明らかになったことについて、「危機感を持っている」と表明。「党としてこん身の力を振り絞って投票日に向けて運動したい」と述べた。 


 維新では、国会議員1人当たり10人、地方議員1人当たり3人の運動員を確保するよう要請。1000人規模の運動員を大阪に派遣し、14日から4日間、ビラ配りなどを集中的に行う。









http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/697.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「米国ネオコンの狡猾さには恐れ入りますな。日本から金を巻き上げ、ロシアから切り離すと。見事だわな」
「米国ネオコンの狡猾さには恐れ入りますな。日本から金を巻き上げ、ロシアから切り離すと。見事だわな」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17326.html
2015/5/12 晴耕雨読


フジヤマガイチ氏のツイートより。https://twitter.com/gaitifujiyama

>47NEWS 速報:安倍首相は6月上旬にウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領と会談する方向で検討に入った。 http://bit.ly/17n4iz

米国ネオコンの狡猾さには恐れ入りますな。

今のウクライナ政権に金を差し出すという事はネオコンとネオナチに資金提供するのと殆ど同じだもの。

そして日本とロシアとの関係は完全に冷え込む。

日本から金を巻き上げ、ロシアから切り離すと。

見事だわな

『むしろ日本のような全国民に強制される生涯不変の番号を多分野で活用するような番号制度を採用している国は、G7には「まだない」が事実である』これは結構知られた話の筈なのになあ

/「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ http://t.co/SdNLw0pX5X

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http://t.co/SdNLw0pX5X
303594 「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ
 
達磨防人 15/05/02 PM03 【印刷用へ】
 マイナンバー制度と称して、全国民に強制される生涯不変の番号を多分野で活用するような番号制度がこの10月から通知され来年1月から運用開始となるようです。

 こういう強制的な一括管理番号という番号制度はどこの国も実施していないというのが事実のようです。システムバグを危惧する意見も既にでておりますが、何か間違いがあった場合とてつもない影響がでることが予測されますし、そもそも情報を集約するリスクを犯してまで実行するべきことなのか疑問ですね。だからどの国も実行していないとも言えますが。

リンクより引用です。
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◆NHKは「先進国で番号制度がないのは日本だけ」と言うが

 2015年4月21日、NHKは「NEWS WEB」の「深知り」のコーナーにて「マイナンバー制度 準備どこまで?」と題してマイナンバー制度を扱った。
 その中でNHKの解説委員は「番号制度が先進国の中で入っていないのは日本ぐらいのもの」との発言をした。解説委員が言った番号制度は、マイナンバーのように税や社会保障など他分野で共通に使う番号を利用する制度のことであろう。しかし、これは間違いだ。

 そもそも番号制度にも色々ある。1つは、税だけに使う番号や、社会保障だけに使う番号など用途を限定した番号制度。もう1つは、1つの番号を税や社会保障など様々な分野に共通に使うもの。日本の住民票コードや基礎年金番号、健康保険の記号番号、所得税の整理番号などは前者である。用途限定番号による制度も含めると、日本にも既に番号制度があることになる。一方、マイナンバー制度は後者であり、10月までは「番号制度はまだない」ことになる。

 NHKの解説委員は、この程度のことは知っているであろうから「先進国で番号制度がないのは日本だけ」の番号が、この用途限定番号を指しているとは到底考えられない。解説委員の発言の趣旨は「共通番号制度がないのは日本だけ」ということで間違いないであろう。

◆ イギリスにもドイツにもフランスにもマイナンバーのような共通番号制度は存在しない

 しかし、「先進国の中で共通番号を入れていないのは日本だけ」は事実ではない。
 イギリスは、マイナンバーのような共通番号制度を創設しようと法を通し、具体的な準備まで進めていたのだが、制度廃止を唱える政権の誕生により実現することはなかった。
 またドイツには納税者番号はあるが共通番号制度はない。
 フランスには社会保障番号はあるが共通番号としての利用をしないというのが国の方針となっている。

 言うまでもないことだが、イギリスもドイツもフランスもG7の一員であり先進国である。NHKの解説委員は、イギリスやドイツ、フランスの状況を知らずに、調べもせずに、政府の説明を鵜呑みにしているだけなのだろうか。

◆ 政府の「すり替え」とNHK

 先に述べたような用途限定番号まで含めるなら「先進国にはみな番号制度がある」は、おそらく間違いではないだろう。しかし、マイナンバーのような共通番号にまで話を広げるなら、持たない先進国も多数存在するのだ。

 これまで政府は「先進国にはみな番号制度がある」という事実を、「先進国にはみなマイナンバーのような番号がある」という「ウソ」にすり替えてきた。
 NHKが、この「すり替え」を承知したうえで、「ウソ」を報じているのなら悪質極まりないと言わざるを得ない。しかし、私は「単に無知なだけ」と信じたい。

◆ むしろ「G7の中にマイナンバーのような番号制度のある国はまだない」が正解

 なおG7について見てみると、アメリカでは社会保障番号(SSN)が民間も含め様々な分野で利用されており、カナダでも社会保障番号が税務など多分野で使われている。ただし、どちらも番号の取得は国民側の任意であり、日本のような強制ではない。
 一方、イタリアでは納税者番号が社会保障の分野でも利用されているが、日本のような生涯不変の番号ではない。

 日本のマイナンバーもこれら3ヶ国に加えれば共通番号制度を採用しているのはG7では多数派にはなる。しかし、「先進国で導入していないのは日本だけ」が事実に反しているのは何ら変わらない。
 むしろ日本のような全国民に強制される生涯不変の番号を多分野で活用するような番号制度を採用している国は、G7には「まだない」が事実である。
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(引用おわり)
 


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/698.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 日本をダメにした10人 1位鳩山由紀夫 2位に菅直人。小沢一郎、竹中平蔵も当選
決定! 日本をダメにした10人 1位鳩山由紀夫 2位に菅直人。小沢一郎、竹中平蔵も当選 (引用)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43257
2015年05月12日(火) 週刊現代 :現代ビジネス

第1位  鳩山由起夫
 2位  管 直人
 3位  小沢一郎
 4位  安倍晋三
 5位  小泉純一郎
 6位  野田佳彦
 7位  渡辺恒雄
 8位  森 嘉朗
 9位  竹中平蔵
 10位  福島瑞穂


デフレ、円高、株安に震災、そして原発事故と、あまりにも試練が多すぎたここ最近の日本。いまだに垂れ込める厚い雲は、誰が吐き出したものなのか。ハッキリさせておこう。この国の未来のために。

■思いつきだけの男

せっかく景気が上向き始めたというのに、どこか気分が晴れないのはなぜだろう。株価がどれだけ上がっても、相変わらず日本社会に蔓延する「閉塞感」はいったい、どこから来るのか—。日々のニュースを眺めながら、なんとなくこう感じている人も多いはずだ。

本誌は今回、長きにわたって政界を見守ってきた識者たちに、「21世紀の日本をダメにした最大の『戦犯』は誰か」を聞いた。最も多くの識者が挙げたのは、3年と3ヵ月の間政権を担った、民主党政権の人々である。彼らは国民の期待を一身に受けながら、それを裏切り、粉々に打ち砕いた。政治評論家の田崎史郎氏がまず言う。

「そもそも、民主党に政権運営を担う実力があったのか、ということです。官僚を動かすことはおろか、党内をまとめることさえできなかった。現在の安倍政権のしたたかさと比較するならば、赤ちゃんと大人ほどの実力差があったといえます」

たった6年前、民主党は日本中の期待を一身に集めていた。政権交代以外に道はない—国民は心からそう信じ、'09年夏の総選挙に臨んだ。その結果が、308議席の圧勝と、支持率70%の鳩山由紀夫政権誕生だった。

しかし、いきなり雲行きが怪しくなる。「日本を変える」と喧伝した彼らの公約「マニフェスト」は、とうてい実現不可能なシロモノだったのだ。東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が振り返る。

「特に問題だったのは、沖縄の基地問題への対応でしょう。『最低でも県外』という言葉はあまりに有名ですが、当時、鳩山氏の発言に民主党議員からほとんど異論が出なかった。つまり鳩山氏だけでなく、民主党の公約だった。しかし、その政策が正しいのか、どうやったら実現できるのかについて議論する雰囲気さえ党内になかったのです」

政治評論家の浅川博忠氏も、こう述懐した。

「'09年当時、官邸で鳩山総理に会った時、私は『今からでも発言を撤回して謝ったほうがいい』と言いました。しかし鳩山さんは自信に満ちた表情で『そんなことはない』と答えた。『何か案があるんですか』と聞いたら、『徳之島だ』と言うんです」

当時、民主党は鹿児島県の徳之島に飛行場を移そうと考えていたが、地元の強い反対で後に断念したという経緯がある。

「私はすでに徳之島の首長が軒並み移設に反対しているという情報を掴んでいたので、鳩山さんにその旨を伝えました。でも彼は『それは違う。大丈夫だ』と言い張る。

つまり彼は、側近が上げてきた『絶対に大丈夫』という報告を信じ込み、正しい情報を全く把握していなかった。結局その数ヵ月後、発言を撤回することになるわけです」

思いつきで夢のような政策をぶち上げるが、実現のためにどう動けばいいのか分からず、現場を仕切る人材もいない。ずぶの素人が官邸の主になったも同然だった。

対案も根回しもなく「県外移設」を断言する鳩山氏に、アメリカ政府は激怒。さらに日米関係の亀裂を突くように、中国は尖閣諸島周辺の海へ船舶を次々侵入させた。裏切った期待の大きさ、そして日本の国益に与えたダメージという点で、鳩山氏は群を抜いている。

■オモチャみたいに軽い男

民主党にはムリかもしれない—鳩山政権の体たらくに、少なからぬ国民がそう気づいたが、簡単に後戻りも効かない。後を受けた菅直人総理も、悪い意味で歴史に名を残す総理となってしまった。

菅氏が東日本大震災発生翌日の'11年3月12日、ヘリで福島第一原発に降り立ち、事故現場をさらに混乱させたことは知られている。なぜ彼はこの無謀な「現地視察」に踏み切ったのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「そもそも、総理としての器に問題があった」と分析する。

「私は、総理大臣には『なったら総理』と『なりたい総理』がいると考えています。つまり『総理になったら何をするか』と考えて総理になる人と、『ただ総理になりたい』というだけの人。菅さんは後者の典型で、初当選の頃から『総理になるにはどうしたらいいんだ』と人に聞いて回っていた。覚悟も理念も哲学もないから、あんなパフォーマンスに出たのでしょう」

ある意味で、東日本大震災は民主党政権にとってチャンスにもなり得たはずだった。例えば「原発を即ゼロにし、再生可能エネルギーを国の主要電源に据える」といった、自民党には実現できない大胆な改革を打ち出すこともできたのだ。しかし、菅氏も結局何もできなかった。鳩山氏と同じく、彼はビジョンも実行力も備えていなかった。前出の浅川氏がこう語る。

「本来、政権与党は役人をいかにうまく扱えるかが問われます。しかし、菅さんは彼らに無視され、踊らされただけだった。『事業仕分け』も財務官僚はせせら笑っていましたよ。『民主党には木の枝の先っぽしか見えていない。それで蓮舫(参議院議員)なんかは喜んでいる。オモチャみたいに軽い政権だ』と」

国民の期待を裏切り続け、地に落ちた民主党政権の評価。それでも国民は、実務家風の野田佳彦総理に「三度目の正直」とチャンスを与えた。

だが野田氏は、またもや国民を裏切った。それだけではない。衰弱した日本に追い討ちをかけたのだ。ジャーナリストの須田慎一郎氏が言う。

「野田政権は『消費税増税さえ決めなければ』ということに尽きます。彼が消費税増税のレールを敷かなかったら、もっと早く日本は景気回復の軌道に乗れたはずでした。

『年金・医療・介護の財源をまかなうため』という理屈は分かる。しかし、本当に日本の財政がそれほど危険だったのかどうかという点は、今も疑問が残ります。増税するにしても、景気回復を待ってからで間に合ったはずです。結局、自分が親しかった当時の勝栄二郎財務事務次官以下、財務省の言い分を鵜呑みにしただけなのではないか」

先の2人の総理は、あまりに政権運営能力がなかったために、役人たちにうまく「操られる」ことさえできなかった。だが野田氏には、中途半端に実務能力があった。結果として、彼は霞が関の忠実な僕となった。

■何もかもぶっ壊し過ぎた男

鳩山、菅、そして野田。たった3人の総理、期間にしてわずか3年3ヵ月。あれよあれよという間に、日本は後戻りのできない窮地に追い詰められた。なぜ私たちは、「民主党にやらせてみよう」と一瞬でも思ったのか—政権交代劇で暗躍したあの「黒幕」について指摘するのは、京都大学名誉教授の中西輝政氏である。

「'09年当時、政権奪取前夜の民主党内で、最大の実力者は小沢一郎氏でした。鳩山氏と菅氏は、しょせん小沢氏に使われていたにすぎません。そして民主党政権誕生をめぐる政局で、小沢氏は勝利しましたが、日本は完全に道を誤ってしまった」

自民党にいた頃から、小沢氏の行動パターンは変わらない。「見栄えがよくて軽いみこしを担ぎ、自分は裏で好き勝手に振る舞う」—民主党政権とは結局、小沢氏が権力奪取を目論んでプロデュースし、生み出した政権だったというわけだ。中西氏が続ける。

「政権交代直前、小沢氏は自公政権を揺さぶるため、国政を機能不全に陥らせたのです。'07年に自民党との『大連立』が失敗すると、翌年に日銀総裁人事に異を唱え、あえて自民党との対決を演出し、自身の求心力を高めようとした」

この時の日銀総裁人事で、小沢民主党が推した人物こそ、白川方明前日銀総裁だった。

おそらく小沢氏は、単に「自民党案に反対できれば誰でもいい」と考えて白川氏を担ぎ出したのだろう。だが、この選択が期せずして、日本経済に深刻なダメージを与えることとなる。前出の長谷川氏が言う。

「白川さんは『金融政策はデフレ脱却には効果がない』と考えていましたが、そもそも『金融政策に物価をコントロールする力がない』と考える人が金融政策を担当して、上手くいくはずがない。

金融緩和に実効性があることは、黒田東彦総裁に交替した途端、株価が上昇へ転じたことが証明しています。白川さんはその逆をやり続け、庶民を円高とデフレで苦しめた。もし彼が日銀総裁にならなければ、日本はあと5年早くデフレから脱却できていたと思います」

民主党が下野したとき、多くの国民はこう思った。「初心者」に政権を委ねたのは間違いだった。もう野党には期待できない—。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が指摘する。

「民主党最大の罪は、国民を失望させ、結果的に現在の自民党一強体制を作り出す手助けをしてしまったことだと思います。

民主党政権は大事なときに党内をまとめきれず、自民党がマネできないような抜本的改革も、言うだけで実現しなかった。今、安倍総理の政策に各論では反対の人が多いにもかかわらず、安倍政権が高支持率を保っているのは、国民が野党ひいては政治そのものに幻滅しているからでしょう」

経済学者で明治大学准教授の飯田泰之氏も、鈴木氏と近い見解を寄せた。

「民主党政権は、国民の期待に応えるどころか、むしろデフレと増税という日本停滞の大きな要因を作ってしまいました。経済政策があまりにまずかったため、『リベラル勢力は経済に弱い』というイメージを国民に植え付けてしまったのです」

民主党政権に徹底的に裏切られた記憶が、今なお日本人最大の「トラウマ」になっているのだ。

さらに、野党の体たらくについて、少し違った角度から語ったのが評論家の呉智英氏である。

「私は、元社民党党首の福島瑞穂氏も間接的に『日本をダメにした』と考えています。彼女は理想論を学級委員のように唱えるだけで、自分の信念にもとづく政策を決して語ろうとしない。空論を振りかざすだけの姿に、有権者は『この人たちに政権を預けても、当事者能力はない』と幻滅している。そのせいで、『野党が何を言ってもムダだ』という世論まで生まれてしまったのです」

「与党に反対することが自分の仕事」と決めてかかり、無責任な立場に安住するさまは、現在の民主党も同じ。こうしている間にも有権者は「日本にマトモな野党はない」と不信を募らせているのに、彼らはそれを自覚すらしていないのだ。このままでは、再び政権を任せてもらえる日は決してやって来ないだろう。

では、一方の自民党には何の非もないのかというと、まったくそんなことはない。もとを辿れば、国民が素人集団と分かっていながら民主党に縋らざるを得なくなったのは、自民党政権で日本がガタガタになったからだ。

東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は、医師の視点からこう語った。

「自民党政権で道を誤った政治家というと、森喜朗・小泉純一郎の両元総理が浮かびます。森政権の前後、内需拡大のために道路工事など公共事業に毎年10兆円近いカネが使われました。その借金が、いまだに国民にのしかかっている。あのとき医療や社会保障に投資していたら、ここまで日本の医療はダメにならず、地方の経済が土建依存体質になることもなかった。

さらに小泉政権は、改革の名の下に科学行政を役所へ丸投げしたので、官僚が好き勝手をするようになり、組織も人材も育たなくなってしまった。いわゆる『STAP騒動』も、過熱する予算獲得競争の果てに起きた事件という側面があります」

「改革を断行する」「自民党をぶっ壊す」と叫び、国民を熱狂させた小泉氏。だが、今振り返れば、あの頃を境に日本は完全に変わってしまった。

物事は単純であればあるほどいい。小難しい理屈は鬱陶しい。仕事がないのも、貧乏なのも、モテないのも自己責任。格差はあって当たり前—小泉氏が繰り返した「ワンフレーズ」が、日本人の新たな「価値観」になってしまったのだ。評論家の佐高信氏が指摘する。

「私は小泉氏が重用した竹中平蔵氏の存在も大きいと思います。竹中氏は『慶應義塾大学教授』と紹介されることが多いですが、一方では人材派遣会社パソナの会長を務め、かなりの収入を得ているはずです。それなのに、大学教授の肩書で中立を装って政府の審議会に参加し、労働者派遣法の改悪に手を貸して、あげく『正社員は必要ない』とまで主張して憚らない。さすがにおかしいでしょう」

■メディアを堕落させた男

そして、竹中氏と同時期に小泉氏に引き立てられた人物がもう一人いる。安倍晋三現総理である。

「小泉元総理は、自民党のいい部分までぶっ壊してしまった。党内で異論を唱える人には選挙で『刺客』を送り込んで切り捨て、結果として自民党は人材の厚みを失った。これが現在の、総理に誰一人異論をさしはさめない『安倍一強体制』の土壌を生みだしたのです」(前出・伊藤氏)

確かに今、安倍総理に対抗しうる人物は、自民党の内外を問わず見当たらない。ポスト安倍政権は「院政が始まる」とまで囁かれるありさまだ。この状況に、前出の佐高氏は懸念を強めている。

「政治家の最も大切な役目は『国民を飢えさせないこと』そして『戦争をしないこと』ですが、安倍総理は両方破ろうとしています。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で日本の食を脅かし、周知の通り安保法制も変えようとしている。反対意見は封じ込め、受け入れない。とても自民党本流の政治家とは思えません」

かつて自民党には、タカ派からハト派までさまざまな人材がひしめき、決して「安倍独裁」のような状況は生じなかった。なぜ、清濁併せ呑む「古き良き自民党」は消えてしまったのだろうか。

ひとつの大きな原因は、本来は政権の監視機関たるマスコミが、いまや完全に政権と同じ側に立ち、反対する者を袋叩きにして恥じないことである。

「読売新聞の渡邉恒雄主筆は、言論を殺したと言っていい。『言論には言論で応じる』というメディアの原則を破り、批判記事に裁判で応じるなんて、自分の意見に自信がないことの証拠です。

最近はマスコミ各社の幹部が安倍総理と頻繁に会っていますが、こうした権力との癒着も彼以前にはありませんでした。メディアの権力監視機能を壊した責任は、極めて重い」(前出・佐高氏)

二度と過ちを犯さないためには、われわれ国民が時代を読む目を、人を見る目を養うしかない。

http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/699.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「「国を守る」と自衛隊員になった人たちも、今後は「国の都合を守る」ために命を懸けさせられるのだ。」 きむらとも氏
「「国を守る」と自衛隊員になった人たちも、今後は「国の都合を守る」ために命を懸けさせられるのだ。」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17346.html
2015/5/13 晴耕雨読


きむらとも氏のツイートより。https://twitter.com/kimuratomo

『野党、徹底審議を要求=共闘も模索−安保法制』となると、自民、公明、次世代が「戦争法案」にまず積極賛成。

「平和の党」とか言ってたらしい公明党も、今やすっかり「極右軍国主義政党」の仲間入りだ。

「戦争は平和なり」、今やこれらの党の党是なり。http://t.co/ZNCKsMIxx2

『安保法制の全条文 与党、午後に最終合意』「膨大な条文化に関する協議を伴うはずだが、協議時間は前回までで十四時間三十五分」。

「日本の「平和」と日本国民の「安全」を根底から覆す「憲法違反」の法案のはずだが、国民への説明時間は「ゼロ分」」。http://t.co/6M9eiYcJWr

戦争法案」成立したら、その時々の「政権の都合」で「存立事態」とやらが勝手に決められ、その時々の「政権の都合」で世界各地で他国のため血を流すことになる自衛隊員。

「国を守る」と自衛隊員になった人たちも、今後は「国の都合を守る」ために命を懸けさせられるのだ。

これ以上の屈辱ってあるか。

安倍首相@AbeShinzoは「我が国の存立が脅かされ、国民の生命・自由および幸福を追求する権利が脅かされる明白な恐れが認められる事態」が、一体どういう「事態」を指すのか、「例えば〜」と国民の前に出てきて、具体例を説明してみよ。

論破されない具体例を示すことが出来るのならば、だが。

アタリマエ過ぎるが、そもそも「存立事態」とやら、その定義通りの「事態」に実際わが国が直面した場合、機雷掃海どころかホルムズ海峡に向かうことさえ不可能だ。

国民の命に明白な危険があるほど切迫、石油が枯渇した状態なら、海外派兵する「余裕」などあるワケがない。

子どもでさえ見抜ける矛盾だ。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/700.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「中身もひどいけど、決め方もひどい。後ろめたいから、国民に正々堂々と説明できない:山口一臣氏」
「中身もひどいけど、決め方もひどい。後ろめたいから、国民に正々堂々と説明できない:山口一臣氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17347.html
2015/5/13 晴耕雨読


https://twitter.com/kazu1961omi

みんな本当にこれでいいと思ってんのかな?


「専守防衛」は日本の国是でしょ。


こんなことのために自民党に政権取らせたの?


誰が賛成しているの?


よく考えてみよう。


@asahi: 「専守防衛」変質 安保法制11法案、自公合意 http://t.asahi.com/hr0g

中身もひどいけど、決め方もひどい。


後ろめたいから、国民に正々堂々と説明できない。


@titlenewsokur: 自民公明合意で国会提出予定の安保法制11法案「専守防衛」変質|制限が緩くなったり恒久法になったり……一体何が始まるんです? http://ift.tt/1J7eHbC

世界平和のために米国と一緒になって、世界中で平和を乱す勢力と戦うんだ、というのは考え方としてはアリだと思う。


信念としてそう思うなら、隠さずそう主張すればいいのに。


安倍さんが以前、著書で書いていたように、自衛隊員も血を流す必要があると思うなら、そう言えばいいのに。


言わない。


> Hajime Imai「そう言えばいいのに。言わない」。それがダメなんやよな。護憲・改憲双方に求められるのは、本音で信念を主張し、かつ話を具体化して説明すること。そうした議論・討論をやらないと、主権者・国民は国民投票や選挙で確信を持った一票を投じられない


「軍事同盟というのは血の同盟であって、日本人も血を流さなければアメリカと対等な関係になれない」安倍晋三・岡崎久彦『この国を守る決意』(扶桑社 2004年)


> sugaya 安保法制の全条文、与党合意。集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈を変更した昨年7月の閣議決定を法制化する与党協議。日本が戦闘に参加する基準は厳格化されなかった。経済混乱の際に集団的自衛権を行使する可能性も排除しなかった(東京新聞) http://t.co/Rt7lulCj5w

とくに創価学会の人、本当にこれでいいの?


“@HuffPostJapan: 【New】安保法制、自公が法案内容に合意 14日閣議決定へ http://huff.to/1K1r1M9

> 李ひとみ 朝からTVをつけっぱなしにしてあるんだけれど、刻一刻と安保法制が進む中、一切それが話題に上らない事に戸惑う。大きな台風が来ている。同時に日本人のアイデンティティにも今まさに暴風が吹き荒れているのに。


> 山井和則 労働者派遣法改悪を強行したいために、「(法改正しないと)大量の派遣労働者が失業する」と厚労省担当官僚が虚偽のペーパーを与党国会議員に配り、お願いに回っていました。この虚偽ペーパーは塩崎大臣の決済も得ていない怪文書。ひどすぎます。#fb



> 柿沢未途 衆本会議、派遣法改正案の審議入り。紆余曲折あり、これまで2回、廃案となってきた。維新の党は私の主導で「同一労働同一賃金推進法案」を対案として他党派と共同提出した経過がある。代表質問は井坂信彦議員、鋭く論点を突いた良い質問だった。動画→ http://goo.gl/b1oJq0




http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/701.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「自民の改憲草案における緊急事態宣言の項目は、〈内閣は戒厳を宣す〉と同じことが書いてあるんですよ」 松井計氏
「自民の改憲草案における緊急事態宣言の項目は、〈内閣は戒厳を宣す〉と同じことが書いてあるんですよ」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17348.html
2015/5/13 晴耕雨読


松井計氏のツイートより。https://twitter.com/matsuikei

> 野本祐治 日本の近くのどこかで小競り合いが始まって、それを受けて内閣が緊急事態宣言をしたら国民は選挙権を取り上げられるんだってさ。始めた時の議会構成のままどこまでも突き進む。平和裏に事を収めて欲しい国民の声は永久に届かん事になるぞなもし。

んー、非常時大権(緊急事態宣言)は国民の命を守る為だと考えてる人があるのか。

それだと、勘違いしたまま改憲賛成に投票して後悔する人が出かねないね。

非常時大権てのは非常時に、時の政権が権力を維持する為に使うものなんですよ。

全ての非常時大権行使の歴史がはっきり物語ってるじゃないですか。

最近、選挙で数をとった方が総取りのオールオアナッシングが民主主義だと勘違いしてる人が増えて魂消る。

民主主義てのは多数決によって決められたものの中に、いかに少数者の意見、利益を盛り込むかが最大のキモでしょう?

51対49で多数者が総取り、みたいに考えるから世の中がギスギスするんだよ。

なんか、先進国にはどこにでも非常時大権があると考えてる人もいるみたいだね。

ちょっと驚く。

マイナンバーの件でもそうだけど、この頃、こういうことが多いですね。

なんなんだろうね?

それと、〈国家元首〉と〈主権者〉を混同してる人も目立つなあ。

その程度の認識で、改憲せよ! 恥ずかしい憲法! 緊急事態宣言賛成! と叫ばれてもなあ。

国を過つぞ。

緊急事態宣言が憲法で認められてる社会で、東日本大震災規模の災害が起こったとしますか。

すると、選挙はなくなり、ずっとその時の政権が続きますよね。

10年やそこらは緊急事態を解除できないんだから。

で、デモや集会は解散させられ、反政府的なメディアも解散。

反対意見を持つものは予防検束。

荒唐無稽に感じるか知らんが、自民の改憲草案における緊急事態宣言の項目には、はっきりとそうできると書いてありますよ。

もちろん、今の沖縄のような状況になった場合も、緊急事態宣言が発令されることになりますよね。

>それはほとんど戒厳令では?

そうですね。

自民の改憲草案における緊急事態宣言の項目は、〈内閣は戒厳を宣す〉と同じことが書いてあるんですよ。


企業業績のアップ=経済成長ではない、という点を忘れてはいけないと思うけどなあ。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/702.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 野党は結束して、派遣法の改悪を世にアッピールし阻止しなければならい。(かっちの言い分)
http://31634308.at.webry.info/201505/article_12.html
2015/05/12 23:10

国民は、派遣労働者について、どの程度理解しているのか?自分が派遣で無い限り、問題とは思っていないだろう。

派遣者を雇う企業のメリットは、正社員と違い、同一労働でも賃金は低く出来、何時でも解雇出来、厚生年金など社会保障費の心配もいらず、昇給に伴う賃金アップも必要ない。つまり企業にとっては、極めて都合のいい労働力である。

今の法律は、派遣受け入れの固定化を避けるため、受け入れ期間を定めている。それを撤廃するのが大きな骨子である。その意図するところは、同じ職種の労働力であっても二重構造の社員を作ることが出来るということである。

一度、派遣労働者を入れれば、その本人が嫌になって辞めない限り、同じ処遇で賃金を圧縮できる。つまり、派遣という名の正社員である。企業にとってこれほど都合のいいものはない。これは、まさに非正規という名の正社員の登場である。一度その流れに入れば、一生その非正規から抜け出すことが出来ないだろう。高度成長期には、金の卵と呼ばれ集団就職した中学生も、大卒で入社した社員と大幅な賃金格差はなかった。だから1億総中流階級と呼ばれたが、これからは大部分の非正規社員と少数の正規社員という世界になっていく。経営者の論理に立った政策である。

本国会は、それこそ野党共闘で、この改悪を世に知らしめる必要がある。


派遣労働、改正案審議入り 期限撤廃、与野党の対決必至
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051201001526.html
2015年5月12日

 企業が派遣労働者を受け入れる期間の制限をなくす労働者派遣法改正案は12日午後、衆院本会議で審議入りした。政府、与党は派遣労働者の処遇改善につながる内容だとして、3度目の提出となる今国会での成立を目指す。一方、民主党など野党は不安定雇用が広がるとして廃案に追い込みたい考えで、与野党の激しい攻防が必至だ。

 塩崎恭久厚生労働相は趣旨説明で「派遣労働者の雇用の安定と保護を図る」と述べ、改正案の意義を強調した。

 労働者派遣は現在、一般業務の派遣期間は最長3年。改正案は、専門と一般の業務区分を撤廃し、全業務に共通のルールを設け、期間制限を事実上なくす。

(共同)



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/703.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 大阪都構想ほどそれに賛否を示すことで、その人間のお馬鹿度が判るものはない訳で、戯言吐きまくるブタ箱に長くいたホリエが…
http://onsen-kabumasa.cocolog-nifty.com/okirakunikki/2015/05/post-f251.html
2015年5月12日 憂き世の日々に埋もれて、たまには温泉へ


大阪都構想ほどそれに賛否を示すことで、その人間のお馬鹿度が判るものはない訳で、戯言吐きまくるブタ箱に長くいたホリエが「都構想無理だったら橋下さんはいなくなっちゃうね。それでいいのかね?」の底抜け馬鹿ツイート。ハシゲ消滅しても誰も困らねえよ


嘘とでたらめデータでお馬鹿な大阪市民を大阪都構想にすると無駄な行政費が一気に削減できるとかかましているテメエの批判をしたジャーナリストを「抹殺してやる」と殺害公言する異常者ハシゲなんだが、その削減される総額に公共交通などの民営化まで含ませているってんだからもうお笑いコント。


しかもこの都構想だが、東京都が活況なのは都制度にある特別区があるからとかとにかく超トンでもでまかせまくしたててんだけど、その程度のお馬鹿説法でも「きもいハシゲ大好き馬鹿大阪市民」は騙されるんかな。まあ勝手に騙されて大阪どん底になって生活崩壊してください。今回の大阪都構想の住民投票ほど楽しめる新喜劇はない。結果でどこまで大阪市民ってのが馬鹿だったかと判明する訳で、都構想どころか、ゲス国家として日本から独立してくれると最高やな。


ところで、ツイッターを止めて、まるで見ていないので、やはり情報獲得の即効性には欠けるよね。まあ別にそれで得られる情報なんて基本的にはどうでも良いんだけどね。で、そのどうでも良いツイッターで流れた情報がブログ関係読んでいたら曝されていた。それは何かと言えば、ブタ箱に入っていたホリエブタの毎度のアホ極まる戯言だ。そのホリエが大阪都構想住民投票に関連して、あまりにお馬鹿な失笑もんのツイートをしていたのを知ることとなった。


ホリエはツイートで




うーん、これで都構想無理だったら橋下さんはいなくなっちゃうね。それでいいのかね?


と吐いていたんだとさ。「橋下さんはいなくなっちゃうね」だとさ。「いなくなっちゃうね」というのは文脈から見れば、当然にハシゲが大阪の政治世界から消えてしまうのを残念がっているってことと理解していい訳だ。でもね、ハシゲなんてクズ野郎が政治の世界から、テレビの世界から消滅しようがこの世界で困るまともな人間なんて誰一人いねえだろうが。むしろ99・999%の人間が拍手喝采だわ。このブタ箱に長くいすぎて、ハシゲの本質も見えないような情けない頭脳に成り果てていたようで、御愁傷様。



http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/704.html

記事 [政治・選挙・NHK184] 「こんなに米軍に隷属する国ある?それで独自憲法。笑わせるね。:孫崎 享氏」
「こんなに米軍に隷属する国ある?それで独自憲法。笑わせるね。:孫崎 享氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17349.html
2015/5/13 晴耕雨読


https://twitter.com/magosaki_ukeru

オスプレイの用途の見極めはミリオタだけの問題でない。

「 オスプレイ17機。米国防省DSCAによると、価格は推定で総計30億j(約3600億円)。2015年度の社会保障予算削減分3900億円に匹敵する金額」

2015年度の社会保障予算削減分が日本防衛に実質意味のないオスプレイ購入費。

オスプレイ再考;オスプレイ購入と社会保障費削減は連動。

オの是非論議は生活と直結. オ17機30億j(約3600億円)。

15年度社会保障予算削減分3900億円に匹敵.離島防衛、交戦状態時ミサイルで撃墜。

米軍中東展開の補強用。http://t.co/B53SK7wKym

TPP:ウォーレン上院議員(かつてオバマ支援)、「もし大統領がTPPがそんなにいい取引だというのなら、協定内容を公開して国民に知らせたらいい」

11日POLITICO、見せられない本当の理由はTPPは参加他国を米国企業が搾取するシステム。

米国公表で参加他国国民が解ると困るが本音。

米ロシア関係:米国務長官ソチ行。

米国プーチン大統領との対話を望む(国務省報道官)に方向転換。

日本はというと、米国の言われるとおりに動き、そこから一歩でも外れると、鳩山氏のクリミア訪問のように一斉に国賊呼ばわりをして満足。

自分で考えない。

米国に従う。

梯子外される。

対中AIIB、対ロ「日米開戦の正体」,マッチポイント「100頁、歴史のIF、あの時こうでなかったらの幾つかを仔細に検討しつつ、真珠湾攻撃という無謀を回避しえた道筋を検証。過去なのだから今更ね・・の向きには今まさに別の衣をまとったパール・ハーバーが進行中では?との危機を暗示する手法」

オスプレイ横田配備通告「低空・夜間飛行訓練も」。

米軍は本土の反基地闘争の盛り上がりを恐れ、基地を沖縄に集中。

今や日本国民に全くそんな気ないと見くびって、首都にオスプレイ配備。

防衛相も「抑止力の拡大」と言っていれば済む。

こんなに米軍に隷属する国ある?

それで独自憲法。

笑わせるね。

日本外交:米国がキューバと外交関係樹立の動きを見せると外相がキューバへでかける。

イランと核合意ができそうになると、イランに行く。

ケリー国務長官がロシア訪問し、プーチンとあう動き。

次はロシア外交を動かしてみるか。

昔「終戦連絡事務所」があったが、「米国連絡事務所」の看板だしたら


http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/705.html

   

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