司法は、建前は別として、政府の意向を考えながら判断を下す国家機関である。
担当裁判官を誰にするのかということから始まり、担当裁判官は、どういう判決が求められているのかを思慮しながら判決文を書く。(だから、刑事裁判では冤罪となる判決も平気で出す)
「司法を使って脱原発の動きを見せた安倍政権」と書いたからといって、別に、安倍政権や自民党を支持してほしいというわけではない。
安倍首相がどう考えていようと、建前の政策は「安全な原発は再稼働する」なのだから、それに断固として反対していく必要がある。
阿修羅はたいして影響力があるわけではないので、政治の裏側をさらしただけの話。
※ 参照投稿
「首相、再生エネ「最大限導入」 参院予算委で 「TPP、着地点探る」:「原子力発電の依存度を可能な限り低減」→ゼロも可能」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/160.html
「原発再稼働 遅れに遅れ:安倍首相は“隠れ”脱原発派であり再稼働を急がせる気はない 」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/753.html
「脱原発派の安倍首相が脱原発を宣言できないワケ:細川氏への期待は安倍首相の“脱原発依存”意識サポート」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/191.html
「脱原発依存派の安倍首相が脱原発を政策化できないワケの一つは宗主国米国の原発継続要求」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/616.html
=================================================================================================-
原発の安全、立場の違い浮き彫り 高浜再稼働差し止め
2015/4/15 2:00
関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)の運転を認めないとする福井地裁の決定は、原発の再稼働をめぐるリスクについて政府や電力会社との立場の違いを浮き彫りにした。東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて刷新した原発への規制とは相いれない内容だ。原発の再稼働が滞れば、電気料金の上昇などを通じて経済への打撃が広がりかねない。
政府は福島第1原発事故後に規制委を設置し、原発の運転に厳しい地震・津波対策や過酷事故への備えを求める新規制基準を2013年7月に施行した。電力供給や電気料金の安定のために原発を活用する方針を維持しつつ、高い安全性を求めて対応できない原発をふるいにかける狙いだ。
実際に選別するのが事故対策や自然災害の専門家で構成する規制委の安全審査だ。高浜3、4号機は規制委から厳しい指摘を受けつつも九州電力の川内原発(鹿児島県)に続いて審査に合格し、再稼働に近づきつつあった。
そこに待ったをかけたのが福井地裁の決定だ。新規制基準は万が一の事故を防ぐには甘いとして「合理性を欠く」と断じ、審査に合格しても「安全性は確保されていない」と指摘した。関電が最大規模の地震を考慮して見積もった揺れの想定も、ほかの原発で想定を上回る地震があったことを引き合いに「信頼に値しない」と否定した。
福井地裁の判断は根本的な耐震工事などでリスクを事実上ゼロにすることを求めた。現時点では国内で最も安全対策が進む原発の一つである高浜3、4号機でさえ「運転してはならない」と結論づけた。「この判断に基づけば、国内の原発はどこも動かない」と政府関係者はもらす。
現行の規制はリスクを減らすために何重もの対策を課すが、規制委の田中俊一委員長はかねて「100%の安全はない」と述べている。
それでも政府が原発を動かそうとするのは、停止が続けば別のリスクが生じるからだ。福島原発の事故以降、全国で停止した原発の代わりに石油や液化天然ガス(LNG)などを海外で調達することが増え、家庭向け電気料金は震災前から2割、企業向けは3割ほど上昇した。
北海道大学の奈良林直教授は「電気料金がさらに上がれば、中小企業や生活弱者には大きな打撃になる」と指摘する。
司法が原発の再稼働を止める動きが続けば、政府が検討中の30年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)などエネルギー政策の議論にも影響しそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG14H2A_U5A410C1EA2000/?dg=1