4月10日、日経平均株価は一時15年ぶり高値となる2万円を超えた(撮影:梅谷秀司)
日経平均を2万円まで押し上げたのは誰だ!?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150413-00066264-shikiho-biz
会社四季報オンライン 4月13日(月)22時26分配信
先週金曜日、瞬間的に日経平均が15年ぶり高値となる2万円の大台を超えた。今後は2万円台定着となるのか、あるいはいったん達成感が出て売られるのかということが注目される。日経平均が2万円を超えた直接的な要因には、ファーストリテイリング <9983> が好決算を発表して買われ、指数を押し上げたことがある。これ以外に、3月末に2万円の大台を前に配当落ちなどで押されて下落してしまった時とどのような違いがあるのだろうか。
違いがあるとすれば、4月に入ってから買い手が変わった可能性があり、そうであれば次に買われる銘柄も変わってくる。仮に日経平均の上昇が続くとしても、買える銘柄、買わなければならない銘柄が決まってきそうだ。
■ 今年に入ってからの傾向
振り返って考えると、昨年末から「配当」が大きく株価に影響してきたのではないかと思われる。NISA(少額投資非課税制度)による個人の買いが大きな買い手として意識される中で、「高配当銘柄」が一つの物色対象として注目されているからだ。そのため、配当を取った後の手仕舞い売りに押されるケースが多くなり、今年の始まりも、まさに昨年末からの手仕舞い売りに押される格好での始まりとなった。
松屋 <8237> の動きをみてみるとわかりやすいが、その後、2月決算銘柄で高配当、好優待銘柄が買われ始め、それにつられるようにして資生堂 <4911> などの好優待、訪日外国人関連銘柄や食品株などが買われた。2月に入ってからは年金資金と思われる買いが入って主力銘柄が押し上げられ、3月からはファンド筋の買い戻しや3月決算の高配当、好優待銘柄が買われた。
4月を意識して来ると、さすがに商社株や電鉄株などは期末の配当や優待を取った向きの売りに押されるものが多くなったのだが、あらためてNISA絡みの個人の買いがみられ、指数を押し上げる格好となった。
2月決算銘柄の決算が発表されるとあらためて買い直されるものも多く、日経平均が2万円を超える過程ではNISAの買いが継続している資生堂や江崎グリコ <2206> などの個人投資家が好む銘柄や、ファーストリテイリング、イオン <8267> などが買い直されて指数を押し上げる動きになった。
■ 利益確定売りの一巡がカギ
10日に2万円をつけてからは、さすがに達成感もあって冴えない展開になっている。週明け13日の相場もしっかりと2万円を超えてくることが期待されたが、冴えない展開で終値は1万9905円と小幅下落となった。ファーストリテイリングはしっかりとしているが、先述した2万円を超える原動力となった資生堂などの訪日外国人関連銘柄や、グリコなどの食品株が利益確定売りに押されている。さらに、3月の配当を取った後の売りに押されている高配当銘柄なども目立っている。
ここからさらに2万円を超えて上昇していくためには、4月以降に調整感が出ている高配当銘柄などの利益確定売りが一巡する必要がある。その後、75日移動平均線や一目均衡表の雲の水準などを参考に、底入れが確認できたものから戻るとみられる。2万円をつける過程でも売られていた三井物産 <8031> などの商社株や、高配当利回り銘柄の武田薬品工業 <4502> などが買い直されるのではないだろうか。
■ 基調はまだまだ強含み
いずれ2万円は超えてくるのだろうが、とりあえずは日経平均では1万9500円〜1万9600円水準、あるいは一気に1万9000円水準までの調整もあるかもしれない。
ただ、先週金曜日にもしっかりと日銀が買っていたところをみると、一昨年5月の1日で1000円以上の下落や、昨年12月の3日で1000円、1週間で1200円以上の急落となったような相場にはならないのではないか。今月末には日銀の金融政策決定会合が予定されており、追加緩和が期待される中では売りにくさも出てくると思う。
「Sell In May」と言われるように5月になれば急落の可能性はある。また、月末の金融政策決定会合での追加緩和がなければ失望から売られるのかもしれない。しかし、基調はまだまだ強含みだと思われる。目先的では食品株や訪日外国人関連銘柄で4〜6月に決算を予定する高配当、好優待銘柄、たとえばアイケイ <2722> 、壱番屋 <7630> 、伊藤園 <2593> なども注目される可能性がある。
※清水洋介 大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
清水 洋介