溶融燃料取り出しへ3工法=福島第1でプラン提示−廃炉支援機構
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2015040900704
2015/04/09-17:33 時事通信
東京電力福島第1原発の廃炉作業などを支援する原子力損害賠償・廃炉等支援機構は9日、事故時に炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機内に残る溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け、格納容器を冠水させて上から取り出すなど三つの工法を示した。政府・東電は、5月ごろまでに示す廃炉工程表の見直しに反映させる方針だ。
機構は同日、福島県郡山市で開かれた地元自治体や東電、政府による会合で、3工法を盛り込んだ「技術戦略プラン」案を示した。
機構が示したのは、格納容器を水で満たして容器の上から燃料デブリを取り出す「冠水工法」と、燃料デブリがあるとみられる底部だけに水を張る「気中工法」を用いて、容器の上から取り出す工法と横から取り出す工法。2018年度上半期までに具体的な工法を確定させたい考えだ。
冠水工法は、燃料デブリが発する強い放射線を遮蔽(しゃへい)でき、放射性物質が飛散する恐れも小さくなるが、格納容器の損傷場所を特定し、補修する必要がある。気中工法は、燃料冷却の継続や放射線の遮蔽方法の検討が課題になる。
1〜3号機内は放射線量が極めて高く、作業員が近づけないのが現状で、燃料デブリの位置も特定できていない。戦略プランは、いずれの工法を採用する場合も、1〜3号機内の汚染状況の調査や放射線の遮蔽、除染などが必要だと指摘した。