北岡座長代理「無謀な戦争」 70年談話有識者懇の議事要旨 「侵略」巡り見方分かれる
政府は23日、安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話に向けた有識者懇談会の第2回会合の議事要旨を首相官邸のホームページに公開した。冒頭に座長代理の北岡伸一国際大学長と外部有識者として出席した奥脇直也東大名誉教授が見解を示し、北岡氏は「世界の大勢を見失った、かつ無謀な戦争でアジアを中心に多くの犠牲者を出してしまった」と指摘した。
2回目の会合は13日に開き「20世紀の経験からくむべき教訓」を議題とした。北岡氏は「1930年代以後の日本の政府、軍の指導者の責任は誠に重いと言わざるを得ない」と発言。奥脇氏は侵略の定義に関し「今なお国際社会が完全な一致点を見いだしたとまでは言えない」と述べた。
他の意見は匿名で掲載。「当時の価値観から見てもこれは侵略であった」「国際法から見ても侵略と言わざるを得ず、侵略という言葉を用いるべきだ」との発言がある一方、「現在の価値観であの戦争は侵略であったと断定することがよいことなのか疑問に思うことがある」との意見も出た。
[日経新聞3月24日朝刊P.4]