福島第1の汚染地下水港湾流出・放射性物質飛散量2.2兆ベクレルの意味とは?
(第二回)
T 港湾流出2.2兆ベクレル=ベータ線放射性物質―汚染地下水影響・福島第1
(時事通信 3月25日(水)より抜粋・転載)
東京電力は、3月25日、福島第1原発で放射能に汚染された、地下水が港湾に流れ込んでいる影響により、昨年4月〜今年2月の314日間に、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が、2兆2000億ベクレル流出したとの評価結果を明らかにした。
同じ期間に、排水路から外洋に流出した汚染雨水に含まれた、ベータ線を出す放射性物質総量の、約10倍に上るという。
U 放射性物質飛散量1兆ベクレルの意味とは?
2.2兆ベクレルは、「一般の人達が1年間に
それ以上とってはいけないというセシウムを1540万人分放出したということです」
〜第84回小出裕章ジャーナル
(http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/748.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 8 月 17 日 igsppGRN/E9PQ より抜粋・転載)
2.2兆ベクレルは、「一般の人達が1年間にそれ以上とってはいけないというセシウムを
1540万人分放出したということです」
以上は前回投稿済みです。以下はその続きです。
石井:この発表と同時に、「福島第一原発では、現在も1時間当たり平均で1000万ベクレルの放射性物質が放出されていると見られる」というような事も報道されました。これは、ほんとに素人考えですみません。止める事というのはできないものなんでしょうか?
小出さん:残念ながらできません。
石井:何か手立てというのは・・・。
小出さん:最終的には、今壊れてしまっている原子炉を全て綺麗にどこかに片付けるというやり方か、あるいは、今壊れてしまっている物を、昔、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所でやったように、大きな石棺というような物で完璧に覆ってしまうという、どちらかしかありません。
石井:あの、建屋カバー全体を覆うというような構想は何か見送られそうですね。
小出さん:はい。まずは、全体を覆ってしまうと、今現在、使用済み燃料プールの底に眠っている状態の使用済み燃料を片付けることができなくなりますので、何と言っても、まずは使用済み燃料プールの底にある燃料を少しでも危険の少ない場所に移すということは必ずやらなければいけないのです。
今は、まず4号機という、比較的汚染の少ない原子炉建屋から使用済み燃料プールを隣の共用燃料プールという所に移しているのですが、それが今年中に終わるのか、あるいは来年までかかってしまうのかよく分かりません。
その上で、1号機、2号機、3号機という所にも使用済み燃料プールがあるわけで、そこから燃料を片付けなければいけないのです。
でも、今聞いて頂いたように、3号機の原子炉建屋をとにかく片付けるというためだけにでも、猛烈な放射性物質を環境にまき散らさなければできないという状態になっているわけです。
1号機もやらなければいけない。2号機もやらなければいけない。
そして、ようやく片付け終わった建屋の中で、使用済み燃料プールから使用済み燃料を移動させるという作業が出来るようになるのですが、それに、また何年かかるか分からないという作業なのです。
それが終わった段階で、初めて既に溶け落ちてしまって、今はどこにあるか分からない燃料を掴み出すことが出来るかどうかということを考え始めるわけですし、それができないなら建屋全体を覆うしかないという選択になるわけです。でも、そんなことを考えることはできる地点まで辿り着くまでに、何年かかるのか分からないという、そういう状態なのです。
84-koide
小室さん:つまり、今石井さんが言ったように、僕ら1兆ベクレルがどういうものかも分からないままいるわけですけれども、一番みんなの心配は、もちろん福島に住んでる方も、あるいは海外に住んでる方も、あるいは日本中に住んでいる方も、一体自分達がどのくらい危険な状況にさらされているのかということを実は知らないままどうもいるということですよね?
小出さん:要するに、国が教えないでいようと決めているわけです。
小室さん:それで新聞報道等で、うっかりなんか「放射能が放出してしまった」とか「水に流れてしまった」とかと言うんですけれども、どうも小出先生のお話を聞いていると、あれだけの専門家が集まってやってるわけですから、やってることについては、「知らなかった」なんていう方はどうもあり得ない、みんな分かってやっているというふうに思うんですけれどどうでしょうか?
小出さん:そうです。分かっているけれども打つ手がないのです。
小室さん:そうすると、僕達つまり一般市民はそれをどのくらい危険かという、そのことは、もし本当に知らされたら青ざめてしまうようなことかもしれなくても、それを一般市民の人達一人ひとりが知った方がいいと思いますか?
小出さん:私は、必ずそうだと思います。この世界は大変苦悩に満ちているし、不幸性に満ちた世界ですけれども、事実を知るということは何よりも大切なことだと私は思ってきましたので、どんな辛い事実であっても、知るべきだし知らせるべきだと思います。
小室さん:それでなければ、個人という自分の人生を自分で決めることは出来ないですよね?
小出裕章: そうなのです。事実を知らなければ、自分で判断が出来ませんので、私は、何よりも一人ひとりの個人、今小室さんがおっしゃった個人という存在が何よりも大切だと思いますので、その一人ひとりの個人がきちっと自分の人生を選択できるように、情報を与えるということは必ず必要だと思います。
小室さん:そのことを政治の世界まで届けるための方法というものを僕が小出先生に伺うのは、もう本当に無責任な話だと思うんですけど、先生はそのこと実践して、自分で出来ることをおやりになってるんだろうと思うんですけれども、まず、一般市民はどうすべきですかね?今、この事を前にして。
小出さん:よく分かりません。大変申し訳ないけど、私はもう政治には絶望しきってしまっていて、「政治には関わらない」と公言してきました。ただ、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまって、大変な苦難が、今現在私の目の前に広がっていますので、その事実を少しでも皆さんに伝えるということだけ、私はやりたいと思っています。
皆さん、お一人お一人に何が出来るか私にはよく分かりませんが、事実から目を背けずに、周りの人にも知らせて頂ければありがたいと思います。
小室さん:石井さん、僕はね先生の貴重な時間を使って無駄な質問をしてしまったけど、僕ら、小出先生からとにかく情報を、僕らには手に入らない、小出先生であるが故に手に入る情報をたくさん先生からもらうことだなというふうに今思いました。
小出さん:とんでもない。情報は石井さん達がせっせ、せっせと集めて下さってる訳ですし、私はそのデータの意味を皆さんにお伝えする責任があるだろうと思っていますし、むしろ、そんな意味で言えば、小室さんこそが事実に向き合って、小室さんの才能を発揮して、歌で歌って下さるわけですから、大変私は有難いと思っています。
小室さん:とんでもないです。
石井:どうも小出さん、今日はありがとうございました。
小出さん:ありがとうございました。
小室さん:ありがとうございました。